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【体験記】中東欧(ルーマニアやブルガリアなど)6カ国をキャンピングカー旅|治安・戦争の影響・車中泊事情
中東欧と聞いても「どのあたり?」とピンと来ない方も多いかもしれません。
今回、私たちがキャンピングカーで旅したのは、ポーランドやルーマニア、ブルガリアなど東ヨーロッパに位置するいわゆる“中東欧”と呼ばれるエリアです。
日本ではあまり馴染みがなく、ロシアやウクライナに隣接する国も多いため、「治安は大丈夫?」「戦争の影響は?」「車中泊できる?」と、不安や疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。
実は、私たち自身も訪れる前は同じようなイメージを持っていました。
そこでこの記事では、実際にキャンピングカーで中東欧6カ国を巡ってみて感じたリアルを、
・治安
・戦争の影響
・車中泊事情
この視点から、リアルな体験談をお伝えします。
これから中東欧を旅してみたい方、ちょっと気になっている方の不安を、少しでも解消できればうれしいです。
3年で32カ国!キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを旅する夫婦

私たち夫婦は、「人生最大の冒険をしよう!」と2023年からキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅しています。
旅を始めてから3年。
北はノルウェーから、南はギリシャ、西はポルトガルまで、これまでに32カ国を巡ってきました。
都市観光だけでなく、小さな村や自然豊かな地域にも足を運び、その土地の日常や文化をゆっくり体感しながら「まるで暮らすように旅をする」のが私たちのスタイルです。
これまでに、フランスやイタリア、スイスといった人気の西・中央ヨーロッパはひと通り巡ってきました。
その中で、「次はもう少し冒険してみよう」と思うように。
そこで選んだのが、これまであまり馴染みのなかった中東欧エリアです。
キャンピングカー文化があまり浸透していない地域で、「どんな文化なのか」「どんな景色が広がっているのか」「現地の人たちはどんな暮らしをしているのか」。
それを自分たちの目で確かめたいと思い、この地域を訪れることにしました。
中東欧エリアとは?

「中東欧」とは、中央ヨーロッパと東ヨーロッパを合わせた地域を指す言葉で、実は明確な定義はありません。
冷戦時代の東側諸国や旧ユーゴスラビア諸国をベースに語られることが多く、文脈によって含まれる国は少しずつ異なります。
・中東欧の主要国
ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、ブルガリアなど
・旧ソ連圏(東側)
ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、そしてエストニア、ラトビア、リトアニア(バルト三国)など
・バルカン半島
クロアチア、スロベニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルバニア、北マケドニア、モンテネグロ

これらの国々に共通しているのは、複雑な歴史を背景に持ち、西ヨーロッパとは異なる独自の文化や街並みが残っていること。
また、まだ過度に観光地化されていない場所も多く、よりローカルで素朴なヨーロッパの魅力を感じられるのも特徴です。
一方で、現在もウクライナとロシアの戦争の影響が続いており、状況は深刻です。
特に、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバなど一部の国では、入国制限やビザ条件が厳しくなることもあります。
中東欧を旅する際は、最新情報を事前に確認し、十分に注意することが大切です。
そんな中東欧エリアの中で、今回私たちはチェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの6カ国を、キャンピングカーで巡りました。
旅前に感じていた不安…

中東欧をキャンピングカーで旅するにあたって、正直なところ一番気になっていたのは「治安」「キャンピングカー専用施設の有無」「戦争の影響」でした。
「夜はどこに停めても大丈夫なのか」「国によって危険なエリアがあるのではないか」「国境付近は緊張感があるのではないか」そんな不安がありました。
特にウクライナ周辺に近い国については、地図上の距離感だけでは安全性が判断できず、慎重にならざるを得ませんでした。
中でもルーマニアはウクライナと国境を接しており、領空付近で未確認のドローンが検知されたというニュースを目にすることもあり、「すぐ近くでこうした動きがあるのは、本当に安全なのか…」という不安は、大きくなっていました。

また、東ヨーロッパの国々は、インフラや治安のイメージがエリアによって大きく異なります。
キャンピングカーには、貴重品や生活用品、仕事用のパソコンなど、生活のすべてが入っています。
そのため、駐車場所や夜間の安全性は特に重要なポイントでした。
さらに、西ヨーロッパと比べるとキャンピングカー向けの施設が少なく、車中泊に関するリアルな情報もほとんど見つかりません。
実際に調べてみても、日本語の情報はほぼゼロ。
「どこに泊まれるのか」
「どこで給水や排水ができるのか」
こうした基本的なことさえ分かりにくい状況でした。
そこで私たちは、「Park4night」というアプリを使い、車中泊ができる場所やキャンピングカー向けの給水・排水ポイントを事前に徹底的に調べることから始めました。
【車中泊アプリの使い方記事はこちら】
旅のルートは、「安心して停泊できる場所があること」を前提に設計しました。
大きな都市や人口が多いエリアは、治安や駐車の面でリスクがあると感じたため、長時間の滞在や宿泊はできるだけ避け、郊外や小さな町、自然の中を中心に滞在するようにしています。
「行き当たりばったりの旅」ではなく、「安全に泊まれる場所」を起点にルートを組むこと。
そうすることで、不安を減らしながら中東欧を巡ることができました。
実際に中東欧をキャンピングカー旅してみてどうだったか
チェコは「安心感があり、旅しやすい国」だった

訪れたエリア:首都プラハ、チェコの最高峰「スニェシュカ山」、地方の小さな町
滞在:8泊
中東欧の中でも、チェコは特に安心感のある国でした。
街並みは美しく整っていて、観光地としても成熟している印象があります。
普段は首都にはあまり行かないようにしているのですが、プラハは他のヨーロッパの都市と比べても落ち着いた雰囲気で、安心して楽しむことができました。
特に印象的だったのは、中心部近くにキャンピングカーを駐車しても問題なく街観光ができたことです。

もちろん、観光客が多いエリアではスリなどの軽犯罪への注意は必要ですが、車中泊に関しては、数は多くないものの無料で利用できるRVパーク(キャンピングカー専用)がいくつかあり、それらを活用することで快適に車中泊旅をすることができました。
チェコは、中東欧が初めての方でもハードルが低く、「最初の一国」としてもおすすめできる国です。
【チェコを旅した時の記事はこちら】
ポーランドは「エリアによって雰囲気が大きく変わる国」だった

訪れたエリア:ポーランド南部、ポーランド最高峰の「リスィ山」
山間部滞在:13泊
ポーランドは全体的にインフラが整っていて、キャンピングカー向けの施設も豊富にあり、想像以上に快適に旅ができた国でした。
一方で、ヨーロッパの中でも比較的国土が広く、エリアによって雰囲気が大きく異なることもあります。
私たちは南部の山間部や小さな田舎町を中心に巡ったため、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと旅をすることができました。
夜も静かで、落ち着いて休める場所が多かった印象です。
ただし、国境付近や都市部、人の多いエリアでは少し雰囲気が変わる場面もあり、注意が必要です。
車中泊については、RVパークなどの専用施設が多く、給水や排水に困ることはほとんどありません。
さらに、自然の中でのワイルドキャンプがしやすく、環境や場所をしっかり選べば安心して過ごすことができます。

私たちは比較的落ち着いたエリアを中心にルートを組んでいたこともあり、危険を感じる場面は特にありませんでした。
全体としてはとても旅しやすく、しっかり場所を選べば安心して過ごせる国だと感じています。
スロバキアは「自然が多く、静かで落ち着いた国」だった

訪れたエリア:タトラ国立公園、スピシュ城、スロバキア・パラダイス国立公園
滞在:7泊
スロバキアは、とにかく自然が豊かで静かな場所が多く、「また戻りたい」と思える国でした。
私たちは山間部や自然の多いエリアを中心に巡りましたが、どこも美しく、観光も適度に整備されていて旅しやすい印象です。
人々も親切で、特に危険を感じる場面はありませんでした。
一方で、キャンピングカー向けの専用施設は、多くありません。
無料で利用できる施設はほとんどなく、有料のキャンプ場を利用しながら給水などの作業を行う必要があります。

ただし、ワイルドキャンプに関しては比較的寛容で、自然の中や、世界遺産のお城の目の前など、どれも素敵なスポットで車中泊することができました。
人も少なく、夜はかなり静かで落ち着いた時間を過ごせるのも魅力です。
キャンピングカーの専用施設は少ないものの、安全面では中東欧の中でも一番安心して旅をすることができる国だと感じました。
【スロバキア旅の記事はこちら】
ハンガリーは「広い平野と静かな移動が印象的な国」だった

訪れたエリア:地方エリア、ケーケシュ山周辺
滞在:1泊
ハンガリーでは、首都ブダペストにはあえて行かず、地方エリアを中心に移動しました。
印象的だったのは、どこまでも続く広い平野の風景。
畑が広がる中を走り続ける、ローカルな雰囲気の旅でした。
観光地を巡るというよりも、現地の生活の中を移動しているような感覚で、その「何もない静けさ」が逆に強く印象に残っています。
唯一訪れたのが、ハンガリー最高峰のケーケシュ山。
標高は約1,000mほどで、車でアクセスできるため、本格的な登山というより気軽に立ち寄れるスポットでした。
一方で、キャンピングカー旅としては、やや難しさも感じました。
専用のRVパークは多くなく、無料で利用できる施設も見つかりませんでした。
そのため、車中泊場所の選択には少し慎重さが必要です。
実際に、場所によっては不安を感じて停泊を見送ったこともあり、結果的に滞在は短めとなりました。
また、エリアによっては道路状況があまり良くない場所もあり、運転面でも少し気を使う場面がありました。
車中泊旅にはやや工夫が必要な一方で、ローカルな雰囲気をじっくり味わいたい方には魅力のある国だと感じました。
【ハンガリー旅の記事はこちら】
ルーマニアは「不安が大きかったが、意外と穏やかだった国」

訪れたエリア:トランシルヴァニア地方、トランスファガラシャン・ロード
滞在:16泊
訪れる前は、「注意した方がいい」と他の旅人からも聞いていたこともあり、今回の旅の中で最も不安を感じていた国のひとつがルーマニアでした。
しかし実際に訪れてみると、その印象は大きく変わります。
確かにインフラが整っていないエリアや、少し荒れた雰囲気の場所もありましたが、そういった場所を避ければ、基本的には穏やかな旅をすることができました。

実際に訪れたのは、ドラキュラの城として知られるブラン城や、絶景で有名なトランスファガラシャン・ロード、そして小さな田舎町など。
特に山岳エリアの景色は非常に美しく、「もう一度ゆっくり旅したい」と思えるほど印象に残っています。
また、都市部を避けて移動していたこともあり、危険を感じる場面はほとんどありませんでした。
一方で、夜に人気のない場所での停泊は避け、少しでも不安を感じた場合は無理をせず有料キャンプ場を利用するようにしていました。
キャンピングカー向けの施設は、ハンガリーやスロバキアと比べるとやや整っており、ルートにうまく組み込めば快適に旅を続けることができます。
戦争の影響についても、体感として大きく感じることはありませんでしたが、心理的な緊張感は多少ありました。
しかし、安心して過ごせる車中泊スポットを事前にピックアップすれば、楽しい旅になります。
個人的には、また戻りたいと思った国のひとつです。
【ルーマニア旅の記事はこちら】
ブルガリアは「街も自然も楽しめるが、エリアによっては少し注意が必要な国」だった

訪れたエリア:首都ソフィア、リラ国立公園
滞在:7泊
ブルガリアは、中東欧の中でも特にローカル色が強いと感じた国でした。
これまで旅してきたヨーロッパとは雰囲気がガラッと変わり、宗教や文化、建物の違いを大きく感じました。
街も自然もどちらも美しく、両方を楽しみたい方にはピッタリの国です。
一方で、エリアによっては少し注意が必要だと感じる場所もありました。
車中泊アプリのレビューを見ると、「不審な人が車の周りをうろついていた」「車上荒らしに遭った」といったコメントもあり、注意が必要です。

私たちは、首都や都心部を訪れる際は、必ず設備が整った有料キャンプ場を利用するようにしていました。
そのおかげで、安心して滞在することができました。
一方で、自然の中や小さな町ではとても穏やかで、落ち着いて過ごせる場所も多くあります。
車中泊自体は可能ですが、他の国以上に「場所選び」が大切な国だと感じました。
キャンピングカー旅をするには魅力的ですが、事前リサーチが欠かせません。
【ブルガリア旅の記事はこちら】
【まとめ】しっかり準備すれば中東欧は安心して楽しめるエリアだった
今回、中東欧6カ国をキャンピングカーで巡ってみて感じたのは、「西ヨーロッパより少し慎重さは必要だが、想像以上に旅しやすいエリアだった」ということです。
もちろん、すべての国・すべての地域が同じというわけではなく、ルーマニアやブルガリアの一部では、注意が必要だと感じる場面もありました。
特にキャンピングカーは目立つ存在になるため、駐車場所の選び方や夜間の過ごし方には気を配る必要があります。
また、キャンピングカー専用の施設も少ないため、給水や排水は計画的に行うことが大切です。
一方で、こうしたポイントをしっかり押さえておけば、大きなトラブルに遭うこともなく、安心して旅をすることができました。
実際、観光地を巡る一般的な旅行であれば、過度に心配する必要はなく、十分に楽しめるエリアだと感じています。
キャンピングカー旅の場合は、「少し慎重に行動する」という感じです。
また、現在もウクライナで戦争は続いていますが、今回訪れたチェコ、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアでは、日常の旅の中で直接的な戦争の影響を感じる場面はほとんどありませんでした。
ただし、国境付近や周辺地域では一定の緊張感があるのも事実です。
そのため、事前の情報収集は重要だと感じました。
中東欧はまだ情報が少なく、不安を感じやすいエリアかもしれません。
しかしその分、手つかずの自然やローカルな文化、美しい街並みが残る魅力的な地域です。
行く場所を選んで、しっかり準備をすれば、他のヨーロッパとはまた違った、印象に残る旅ができる場所だと思います。