バンライフ
【実体験】キャンピングカーで巡るスロバキア7日間!世界遺産の城跡と大自然を満喫する旅
夫婦でキャンピングカー旅を初めて、もうすぐ3年。
これまでヨーロッパ21カ国を巡ってきた私たちが、22カ国目に選んだのは「スロバキア」です。
中世の趣が残る街並みや城跡、ダイナミックな山岳地帯、そして冒険心をくすぐるハイキングルートまで、見どころは盛りだくさん。
今回は、スロバキアで過ごした7日間の実体験をもとに、キャンピングカー旅での車中泊事情や、実際に訪れて良かったスポットの魅力をたっぷり紹介します。
「スロバキアってどんな国なの?」「キャンピングカーで旅しやすい?」「どんな景色が見られるの?」という疑問に、リアルな旅の様子でお答えします。
ヨーロッパキャンピングカー旅22カ国目の「スロバキア」に到着!

夫婦でキャンピングカー暮らしを始めて、まもなく3年。
2023年にイタリアで中古のキャンピングカーを購入してから、スイス、ポーランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、チェコなど、ヨーロッパを南から北まで、21カ国巡ってきました。
私たちの旅は、いわゆる「有名観光地巡り」よりも、あまり知られていない穴場スポットや小さな田舎町、大自然の中などを味わうスタイル。
キャンピングカー旅だからこそできる、ルートも時間も自分たち次第です。
車内にはトイレやシャワー、キッチン、ベッドと、生活に必要な設備がそろい、リモートワークをしながら、まるで現地で暮らしているかのように旅を続けています。
そんな私たちの2025年後半の旅のルートは東ヨーロッパが舞台。
西ヨーロッパの観光地に比べると、訪れる観光客がまだ少なく、まさに“知る人ぞ知る旅先”という雰囲気です。
チェコ、ポーランドを経て、いよいよ22カ国目となる「スロバキア」へ。
いったいどんな国だったのか、私たちのリアルな体験をお届けします。
スロバキアってどんな国?
スロバキア(Slovakia)は中央ヨーロッパの内陸国で、ポーランド、チェコ、オーストリア、ハンガリーそしてウクライナと隣接しています。
公用語はスロバキア語、通貨はユーロ。
比較的キャッシュレスも普及しており、いろんな場所で問題なくカード決済ができました。
雰囲気と物価・治安
東西ヨーロッパの文化が交わる土地柄で、少しずつミックスされた独特の雰囲気を楽しめるのも魅力のひとつ。
物価は西ヨーロッパより旅行費用を抑えられ、治安も良いので旅がしやすい国です。
また、観光地の多くがコンパクトにまとまっているため、移動時間も短く、効率的に観光が可能。
首都・ブラチスラヴァ
地元の人々も親切で親しみやすい印象でした。
首都ブラチスラヴァ(Bratislava)は、ドナウ川沿いに広がる古都。
美しい旧市街や、ブラチスラヴァ城など、見どころたっぷり。
面積はそれほど大きくないので1日の滞在で十分楽しめます。
さらに、オーストリアのウィーンへは電車で約1時間とアクセス抜群で、セット訪問もおすすめです。
いま行くべき穴場スポット
日本ではまだ知名度が高いとは言えませんが、そのぶん混雑が少なく穴場感ある国のひとつです。
人気が出て混雑する前に、訪れるのにおすすめです!
スロバキアの車中泊事情は?キャンピングカー旅はできる?

スロバキアは自然が豊かで国土がコンパクト。
キャンピングカー旅にぴったりの国です。
ただし、フランスやイタリア、ドイツ、スペインのように、自治体が整備した無料の給水・排水ステーションやキャンピングカー専用の無料RVパークが充実しているわけではなく、有料のオートキャンプ場やRVパークを使う前提になります。
有料施設は数に限りがあるため、出発前に「Park4night」などの車中泊マップアプリで候補地をいくつかピックアップし、旅のルートを組むのがおすすめです。
車中泊マップアプリ「Park4night」の紹介記事はこちら
料金の目安

・オートキャンプ場:1泊20〜40ユーロ(約3,500〜7,000円)
給水や排水、外部電源の他、トイレやシャワーなど完備している場所が多く、テントやバンガロー滞在ができるところもあります。
自然の中でゆっくり過ごせるのが魅力。
・RVパーク:1泊10〜20ユーロ(約1,700〜3,500円)
設備は比較的シンプルですが、キャンピングカー旅に欠かせない給水・排水ができ、快適に過ごすことができます。
街中にあることも多いので、街観光で利用するのに便利。
また、一部の公共駐車場で「車中泊OK」の場所もあり、私たちは無料スポットと有料施設を組み合わせて、7日間のキャンピングカー旅をお得に楽しむことができました。
このあと、実際に訪れた観光スポットと、そこで利用した車中泊スポットもあわせてご紹介します。
実際に訪れたスロバキアのおすすめスポット①:タトラ山脈
スロバキアの旅で一番心奪われたのが、タトラ山脈でした。
スロバキア北部、ポーランドとの国境に連なるタトラ山脈は、「世界で最も小さなアルプス山脈」とも呼ばれる美しい山岳地帯。

スロバキア最高峰の「ゲルラホフスキー・シュティート(標高2,655m)」を含む、迫力ある峰々が続き、夏はハイキングやサイクリング、キャンプ、冬はスキーにスノーボード、スノーハイキングと、1年を通してアクティビティが楽しめます。
滞在に便利なのが、シュトルプスケー・プレソ(Štrbské Pleso)という山岳リゾートの小さな町です。
ホテルやレストラン、カフェなどが充実しており、私たちもここにキャンピングカーを停めて、リシー山(Rysy)に挑戦しました。
リシー山は国境上の名峰で、どちらからでも登ることができますが、スロバキア側(標高2,503m)からのルートが比較的登りやすいので、こちらから登ることにしました。

コースは全長約20km、所要時間は約8時間と歩きごたえたっぷりです。
美しい湖や山小屋を経由し、鎖場やハシゴ、ガレ場も通過する、中級者向けになっています。
標高差や距離はありますが、そのぶん、タトラらしい風景をたっぷり楽しめ、山頂からは絶景の景色が味わえます。
山頂では360度のパノラマビューが広がり、スロバキア側・ポーランド側の山並みを一望。
本格登山を楽しみたい人にはぜひおすすめしたいコースです。
一方で、初心者や家族連れ向けのハイキングルートも豊富にあるので、体力や経験に合わせて楽しめるのもタトラの魅力。
静けさの中にある雄大な景観、そして自然との距離の近さは、ぜひ一度体験してほしい特別な場所でした。
利用した駐車場
拠点は、シュトルプスケー・プレソのHotel FISの駐車場を利用しました。
料金は1日20ユーロ(約3,500円)とやや割高でしたが、山岳リゾート全体の相場が高めな中では、比較的手頃な選択肢でした。
実際に訪れたスロバキアのおすすめスポット②:世界遺産のスピシュ城(Spišský hrad)
タトラ山脈から車で約1時間ちょっとの距離にある、スピシュ城。
スロバキア東部・レヴォチャ近郊の丘に堂々と佇むこのお城は、現在は廃墟ながら、往時の威容を伝える世界遺産です。
城の敷地面積は約4万m²(東京ドーム弱)と、中央ヨーロッパでも最大級の城跡のひとつ。

青空に映える、白い石造りの城壁と塔は、遠目にも存在感抜群で、どこか「天空の城ラピュタ」を思わせる幻想的な雰囲気さえ漂っていました。
車中泊スポットから見える夜のスピシュ城
そして一番の魅力は、城の目の前の駐車場はなんと車中泊可能ということです。
設備はなくシンプルなスペースですが、スピシュ城を眺めながら泊まれるという、なんとも贅沢なスポット。
最高すぎてここで2泊してしまいました!

さらに、駐車場脇の小さな丘に登れば、城と周囲の田園風景を一望できるビューポイントへ。
訪れる人も少なく、写真撮影スポットとしてもおすすめです!
自然の絶景と中世の歴史遺産の両方を楽しめるこのルートは、キャンピングカー旅と相性抜群。
登山や自然散策のあとは、スピシュ城の麓で静かなひとときを過ごす…そんな贅沢な旅の流れを、ぜひ体験してみてください。
実際に訪れたスロバキアのおすすめスポット③:スロバキア・パラダイス国立公園
タトラ山脈、スピシュ城に続いて向かったのが、スロバキア・パラダイス国立公園(Slovenský raj / Slovak Paradise)の人気ハイキングルート、Suchá Belá(スハー・ベラ)。

滝や渓流に沿って、鎖場やハシゴを越えていくという、まさに冒険気分が味わえるコースです。
全長約4kmのルートですが、高低差とアスレチック要素があるので、しっかり運動したい人にぴったりです。
場所はスロバキア中部のポプラド南側で、スピシュ城から車で約30分とアクセスも良好。
キャンピングカー旅でも立ち寄りやすいのが魅力です。
ルートは、森の中を進みながら、時折現れる滝や狭い渓谷、濡れた岩場を進みます。
途中には長いハシゴや鉄の足場、鎖を使って登るセクションもあり、高さがある場所では少しドキドキしますが、足場はしっかりしており、想像より安心。
実際、小さな子どもまで一緒に登っている姿も見かけました。
滑りにくい防水シューズと、両手が自由になるリュックは必須です。

ゴール地点に着いたときは、達成感も格別!
自然の中で体を動かす爽快感と、ちょっとしたスリルが味わえる、スロバキアならではのハイキング体験になりました。
体力に自信がある方や、ちょっと変わったルートに挑戦してみたい方には、ぜひおすすめしたいコースです。
宿泊に入場チケットがついてお得に!

私たちは、ハイキングルートの出発地点のすぐ隣にある「Autocamping Podlesok」に滞在しました。
ここは自然の中にあるシンプルなキャンプ場ですが、電源やシャワー、トイレなどの設備も整っており、1泊20ユーロ(約3,500円)。
うれしいことに、この宿泊料にSuchá Beláの入場チケット(1人あたり4ユーロ)が含まれていました。
私たちは2人だったので、実質12ユーロで泊まれた計算。
かなりお得でした!
【まとめ】自然と歴史を楽しむスロバキア旅
今回のスロバキア旅は、キャンピングカーならではの自由さで、自然も歴史もじっくり味わえた、忘れられない体験になりました。
他のヨーロッパ諸国ほど無料RVパークやステーションはまだ整っていないものの、有料のオートキャンプ場と車中泊可能な公共駐車場を上手に組み合わせれば、快適に、しかもコストを抑えて旅を楽しめます。
スロバキアは、雄大な自然と静かな山岳エリア、美しい城跡や歴史的スポットが点在していて、アウトドア好きにはまさにぴったりの国。
今回訪れたスポットも、有名な観光地のような混雑とは無縁で、のびのびと自然と向き合える場所ばかりでした。
ぜひ、スロバキアを旅のルートに加えてみてください。きっと、自分らしい時間を楽しめるキャンピングカー旅になると思います。