低価格でテーブル制作も!移動式オフィスに変身可能なキャンピングカー【軽バン秘密基地計画#04】
前回は、側から見たら大した変化のない非常に小さな一歩だったのだけれど、自分自身にはかなり大きな一歩だったと一人悦に入った状態で終わってしまった。
今回は他人が見てもちょっと「オーッ!」な変化が見られるはず。ってトップの画像で大方想像がついてしまうかもしれないけど、最後の画像を見るまで、是非順を追って見ていただきたい。
まずは前回、片側だけ設置が終了していた荷室側面の小さな棚を反対側にも付けた。左右対称だから、板の曲線切りも最初に作った分になぞって切り抜くだけなので至って簡単。
この小さな棚の上に、こんな風にちょっと何か置いてみたりするだけでもお部屋的雰囲気は格段にアップするのだが、これはあくまで棚板兼テーブルの天板となる板を載せるためのブラケットのようなものなので、ここからが本題。
テーブル制作にぴったりな木材は?
それで、その棚板兼テーブルの天板となる材料を調達しなければならないのだが、たわみが少ないものであることが第一の条件。そして、ただでさえ力強いとは言えない軽自動車にとって重量が重いのも困る。
MacBookを置く机として使うことを考えると、奥行きは最低35cm〜40cm程度は欲しいし、横幅は130cm位必要。さすがにそんな条件に敵う板など家には余っていなかったので、ホームセンターへ材料調達に出動。
無垢の一枚板は見た目はカッコイイが、合板や集成材の方が無垢の板より強度も得られる場合が多く(材質などによるので一概には言えないが)、反ったり捻れたりといった狂いも生じにくい。
そして合板や集成材の方が大抵価格も安い。そんな理由で無垢の板は除外するとして、机として使えるたわみのない合板となると結構な厚みが必要で、重量はかなり重くなってしまう。集成材の方が同じ厚みだったら、おおむね軽いような印象がある。
ということで材料は集成材に決定。しかし集成材にも色々な材質があり、パイン(松)が最も一般的だ。しかし今回選んだのは桐の集成材。袋を破っちゃったけど買ったのはこれ。1820x400x13mmの桐集成材。価格は税込2,570円なり。
ポピュラーな12mm厚の合板に近い厚みだが、それより全然たわみは少ない。また、なんだか桐と聞くと高級で価格も高そうなイメージだが、同じ厚みのパイン集成材より全然安くて重さが軽い。とにかく軽い。
車の家具として使うのだから、軽さはありがたいと言うより正義である。利点であり弱点でもあるのは柔らかいこと。柔らかいから加工はしやすいが、凹んでしまいやすくもあるわけだ。しかしまあ、多少凹んでも味と思えるなら、車内用の家具を作る材料としてお勧め材料だ。
思い返してみたら、ルーフキャリアは別としてベッドの製作から始まって、これまでほとんど材料は家に余っていた物や端材で賄ってきたため、2,000円以上もする材料を買ったのはこの秘密基地計画ではこれが初めてだ。
物を捨てて身軽になれば気持ち良いので断捨離もいいかもしれないけど、捨てずにとっておけば良いこともある証しのような感じではある。
以前は何か作ろうとするとすぐにホームセンターに足を運んで材料探しを楽しんでいたし、用途に応じた道具類を物色することも楽しかったのに、最近は物欲の衰退とか節約の気持ちばかりではなく、捨ててしまって新たに物を買うより、死ぬまでになるべく持っている物を使い切ってしまいたいなどと考えるようになってしまった。
なんだか余命が少なくなりつつあるようで寂しい気分にもなるが、ある物を有効に活用することはDIYに限らず悪いことではないと考えてヨシとしようと自分に言い聞かせる。
話が少し逸れてしまったが、ここからの作業は至って簡単。まずは板の長さを車内の幅に合わせてカットし、シートベルトの部分に切り込みを入れるなど、少しだけ細かな加工を加えれば、棚板兼テーブルの天板は完成。
この板ももちろん簡単に付け外しができるようにしておきたいので、固定はしていない。しかし、走行中にずれ落ちたりしても困るので、シンプルなストッパーを要所要所に設置。
真ん中に脚がなくても問題ないと言えば問題ないが、テーブルとしての使い心地の向上と板への負担を軽減するために余った材料で脚を製作。もちろんこれも簡単に外せるように板にも車体側にも固定していないが、全く問題なし。
さらに一工夫加えて利便性の向上を図る
果物か何かが入っていたちょっと洒落た木製のコンテナのようなものがこれまた何故か家に余っていたので、これを荷物入れ用に棚板の上に設置。これもズレ脱落防止対策は施してあるが、板に固定はしていない。
さらに、小さなワイヤーネットと、それ用のカゴやフックも家に余っていたので、このコンテナに小さな柱を立てて設置。
実際このカゴとかに何を入れるのだろうかと自問自答もしてしまうが、オジサンは車の中がチマチマとお家っぽくなって行くのが楽しいのだから仕方がない。でもこうしてタオルや買い物袋をかけておけば、実際に役に立っている感が漂っているからヨシとしよう。
この棚の上にあまり重いものを載せるつもりはないが、荷物の固定用にロープを掛けるフックも付けた。
そして、この板の役割は冒頭から書いてある通り、棚板だけでなくて机の天板でもある。そのためには座る場所のことも考えなければならない。
正座は以ての外だが、少し座面の高さがないと腰が辛くなるので、座布団とかクッションの類で何か良いアイディアはないかと模索していたところ、ホームセンターで良い物を発見。リクライニング機能付きの座椅子だ。
これなら座面の厚みもそこそこあるので腰が辛くなりにくいし、フラットにもなるので昼寝にもバッチリだ。これの金額は桐集成材の金額を少し超えたが、それでも税込2,980円。まだルーフキャリアを除けば全体の出費は諭吉に達していない。
大きな荷物を積んだり4人乗車する可能性もあるなど使い方に汎用性を持たせるためには、簡単にバラバラに外すことができるようにしておくことがこの秘密基地計画を遂行する上で重要なポイントだ。ここまでそれは一応クリアできていて、我ながらなかなかに上出来だと思っている。
しかしこれで完成ということもない。使いながら何かとまだ手を加えたり改良することはありそうだ。例えば、棚板とテーブルとして使えるところまでは完成しているけど板にはまだ何も塗っていない。
傷みや汚れ防止のために、差し当たり次の作業としてはオイルステインか何かを塗らねばと思っている。そして上手く行けば見た目もさらに良くなる。
最高のロケーションでお仕事も
それで、今これをどこで書いているかと言えばジャジャーン。
富士山の左肩辺りに沈み行く夕陽を望む海岸の駐車場。机が出来たことで、私の移動式秘密基地は移動できるマイクロミニ モバイルオフィスにもなってしまったのである。こんなところで仕事をすれば気分は上々、仕事が捗ること間違いなし! いや、景色に見とれて逆に気が散ってしまう?
いずれにしても駐車スペースにも不便しないし、小さいから細い道もなんのその。軽ワンボックスや軽ハイトワゴンのような車は小さなキャンピングカーとしてだけでなく、モバイルオフィスとして使うのにも最高なのではないだろうか。
仕事でSUPボードなどの大きな荷物を沢山積まなければならないこともあるため、もう一台の愛車のニッサン キャラバンも私にとって必須ではあるのだが、こうして軽ワンボックスをいじっていると、本当にパーソナルユースで仕事も文章を書くことだけだったら、これだけで十分な気がしてしまう。
と言うより、この限られたサイズの中で便利に使えるように工夫すること自体が例えようもなく楽しいのである。
DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。