一度使ったらもう手放せない!冬の車旅には必須のFFヒーター
キャンピングカーで生活をするようになって二度目の秋。現在、FFヒーターの暖かさに絶賛感動中の筆者です。
キャンピングカー乗りの先輩からは口を揃えて「FFヒーターがないと、冬の寒さが辛いよ。FFヒーターがないなんてキャンピングカーの良さが半減だよ。」などと言われていた昨年……。
ケチで倹約家の私がFFヒーター未搭載の中古キャンピングカーを購入してからFFヒーターを増設、実際にFFヒーターのある快適生活を送るまでの間の葛藤、FFヒーターの効力をあわせてご紹介させて頂きます!
目次
FFヒーターとは
自動車としてのエンジンを停止していても稼働出来る燃焼式のヒーターです。単独式でなければ、自動車の燃料タンクを併用できる利点もある為、給油の手間が不要。省エネにも優れており、燃料1リットルあたり約8時間稼働といわれています。
FFヒーターの排気口は車外にある為、一酸化炭素中毒の心配もなく安全です。外部から空気を取り込んで燃焼し車外に燃焼後の空気を出しているので、車内での空気の入れ替えは必要ありません。ただし、積雪などで排気口を塞がれてしまう様な場合は注意が必要です。
FFヒーター未搭載だった昨年の秋冬の車内生活
中古キャンピングカーを購入したばかりの昨年の秋はFFヒーター未搭載車でした。今年2月にFFヒーターを搭載したのですが、昨年の秋冬はFFヒーターが無くてもよく平気だったなと思います。ところが思い返せば思い返すほど「平気」ではなかったんです。
普通車と異なりキャンピングカーのシェル(部屋部分)はFRP素材の荷室はそこまで寒くない&暑くないと言われています。FRPとは各種繊維素材を樹脂と複合化させた強化プラスチックの略称です。航空機や人工衛星にも使用されている材質です。
実際N-boxでくるま旅をしていた時に比べたら、激しい暑さや寒さを感じることはありません。
とはいってもFFヒーターのない車内はそれなりに冷え込み、ダイネットで食事を摂ったり動画の編集をする時間はパーカーにフリースを重ね着し、スラックスの下にはタイツを履いて膝には毛布を掛け、足元には銀マット、靴下2枚履きをしていました。
それだけ防寒してもまだ寒く、ご飯を食べてシャワーを浴びたら20時台でもバンクベッドの布団に潜り込んでしまうくらいでした。
FFヒーターの増設を決めた理由
FFヒーターを購入する決め手となった一番の理由は風邪対策です。今年の2月に東北方面へ雪祭り巡りをする事を計画したこともあり、寒いのを我慢して風邪をひいてしまっては元も子もないということで購入を決めました。実際に岩手に行くと人生初めての経験である、マイナス10℃を体験することとなり、FFヒーターの有り難さを身をもって知ることになりました。
FFヒーターがない頃はスラックスを重ね履きしていたのでトイレで慌てたり、上着を重ね着しすぎて動きづらかったり、いつの間にか裾を汚していたり……。こういう小さな事が毎日重なると、かなりのストレスを感じます。
FFヒーターが我が家に来てからというもの、それはそれは快適な生活を送っております。
着込んでモコモコした自分の動きにくさからも解放されましたし、マルチルームに行っても脱ぐものが少ないので簡単にトイレが出来ます。
我が家ではやらない贅沢ですが、キャンピングカーの先輩からFFヒーターを点けていると車内は南国で、冬でも半袖で生活しているという話を聞いたことがあります。う〜む、これはとても理解出来ます、FFヒーターの能力はとても高いです。それでは次は実際のFFヒーター稼働時の様子をご紹介します。
FFヒーター増設工事の流れ
キャンピングカーを本格的に改造すると車を預けなくてはいけません。年間365日をキャンピングカーで生活している我が家の場合、住まいが無くなってしまうことになります。事前にビルダーさんと作業日を入念に打ち合わせて、一泊二日で増設作業をして頂くことができました。
ただ、取付にかかる日数を短縮する為に温風の吹き出し口がダイネット一か所だけになりました。マルチルームやリアベッド、バンクベッド等、吹き出し口を複数つける場合はさらに作業日数が必要となるそうなので注意が必要です。
暖かさのレベル
最新の高級FFヒーターはボタンで温度設定を出来る物もあります。しかし我が家のダイヤル式のFFヒーターの場合は明確に「何℃」という設定は出来ません。そこで目安にしているのがダイヤルの角度です。ダイヤルの矢印を時計の針に見立てて「何時で点いている」と表現します。
「10時」
少し肌寒い日の設定です。我が家の目安は外気温15℃以下です。就寝時はほぼ毎晩FFヒーターのダイヤルを10〜11時に合わせています。
「12時」
我が家の目安は外気温10℃以下です。日が落ちてから車内に戻ると車内の気温もそれなりに冷えてきているので、このぐらいの温度に設定しています。就寝時にこの設定にすると、布団を掛けていると汗ばむレベルです。
「1時〜2時」
車内は格段に暖かくなります。我が家の目安は外気温6℃以下です。体が暖かさに慣れたら暑く感じるレベルです。体が寒さに慣れていない季節は、このくらいのレベルで稼働する日もあります。就寝時にここに設定すると、布団を剥いでしまうレベルです。ただし、我が家のFFヒーターは室内温度が落ち着いたら運転が弱まるので、布団を剥いでしまうと風邪の原因にもなり得ます。
「3時」
極寒の地でまれに使うレベルです。普段は使いません。我が家の目安は外気温0℃以下です。
この設定だと体が暖かさに慣れると車内は灼熱のように感じ、汗ばむレベルです。室内でTシャツ一枚でも全く寒くないほどです。
「ダイヤルMAX」
先に述べた通り、外気温マイナス10℃の日はこの設定で使用していました。初めて体感する氷点下は予想以上に寒かったです。ちなみにマイナス10℃は車外に出ると「寒い」ではなく「肌が痛い」レベルの寒さでした。そんな極寒の地からFFヒーターの点いた車内に戻れる安心感はとても心強かったです。
一晩の使用燃料量
就寝時間、ひと晩およそ8時間の使用燃料は約1リットルと言われています。しかし、高温設定する場合と低温設定する場合で燃料は変化すると思うので、これは一概には言えなさそうです。
また、インバーターの消費電力は就寝時間を約8時間と想定すると一晩で約10%減っています。
しかし、これもサブバッテリーの容量で左右されそうなので、一概には言えなさそうです。バッテリーは種類によって性能に差・特性がありますので、ご自身で確認する必要があります。
FFヒーターがない場合の弊害
FFヒーターの能力は十分お伝え出来たと思いますが、FFヒーター未搭載時には実はこんな影響もありました。それが室内の結露です。FFヒーターを稼働しない夜は結露が酷く、バンクベッドの敷布団の壁と接している部分がビッショリなってしまう日も……。
室内の結露を放っておくとカビ発生の原因にもなります。我が家の結露対策は手軽なシールタイプの結露吸収テープです。これを窓の下に貼って、垂れてきた水滴を吸収させます。安くて手軽に貼りかえられるのでオススメですよ。ちなみに最近では100円ショップでも類似品があるので、手軽に活用できます。
まとめ
今回はFFヒーターを導入するまでの葛藤と導入前、導入後のキャンピングカー生活の変化をご紹介いたしました。FFヒーター導入で迷われている方の参考に少しでもなりましたら幸いです。これからの季節、寒さも厳しくなりますので、読者のみなさまも体調には気をつけて車旅を楽しんでください!