DIY
荷台からそのまま引き出せる!テールゲート下にテーブルを簡単にDIY【軽バン秘密基地計画#05】

テーブルに引き出しを付けた
今回のテーマは、バモス快適化のためのすご~く簡単な工作2件と、そもそも自作に興味を持つようになったきっかけのようなことについての話。
毎度貰い物とか家に余っていた物の話が多いけど、姉の家に行った時に「片付けをしていたらこんなものが出てきたんだけど要らない?」と言われた。

テーブル板の下や棚板の下に取り付けて、カトラリーや文房具などを入れておくプラスチック製の小さな引き出しのようなものらしい。引き出しと言うか、箱には「引き出しタイプの収納トレー」のようなことが書かれている。要するに引き出しと呼ぶには薄すぎるから引き出しトレーなのだと思う。
もちろん車用に作られたものというわけではないのだが、把手にストッパーも付いているから、車の中に設置しても走行中にトレーが飛び出してしまうようなこともなさそうだ。高さも39mmしかないからバモスのテーブル兼棚板の下に取り付けても邪魔にならない程度のサイズだ。有難く頂戴して取り付けてみることにした。

取り付けは至って簡単。テーブル板の裏にビス4本で留めるだけ。ものの5分で作業終了。しかし、実は私は凸を凹に切り抜いてしまうような迂闊なことをやってしまう性質がある。「出来た!」と早速車内に設置したところ、引き出しは車の後ろに向いて付いていた。
一瞬「あれ? テールゲート側から物を取り出すようにつけたんだっけ?」とも思ったが、そうではない。このテーブルは車の後方を向いて座って使うようになっている。一応座った時に使おうと思っていたので、やっちまったようだ。面倒くさいけど、やり直し。

無事設置終了。試してみたら、この高さ(39mm)なら寝る時にも全く邪魔にならない。中には仕切り板も付けられるようになっているので、「割り箸・カトラリー類」「ナイフ・ライター・栓抜きなど」「ペンや定規などの文房具」の3つに分けてみた。

中々に良い感じだ。実際に走行してみても問題なし。これなら「ライターどこにいった?」と無駄に時間を費やすこと(タバコを吸わなくなってから唯一不便に感じるのは、ライターを使おうと思った時にすぐに見つからないときが度々あること。)も減るだろうし、「箸忘れた!」もなくなりそう。もらってきて良かったようだ。メデタシ。
野外でタープを設置したいとき

海岸の駐車スペースに車を停めた時に、こんなことをすることがある。隣りは友達のハイエース。たまに無料の駐車場とかでしっかりタープを張っている人達を見かけることがある。
空いていればとやかく言うつもりなどないのだが、張り綱なしでも一応立つタイプの4本脚のタープでも、車1台分以上のスペースを使ってしまうことになるし、張り綱を張ったりすると幅が2m程度の小さなタープだとしても優に車2台~3台分のスペースが必要になる。
無料ならどう使おうと勝手というものではない。混雑している時に堂々とそんなことをしている人達を見かけると、どういう神経をしているのだろうかと思ってしまう。
しかし、こうして車2台を使ってその間にタープを張るのなら、車と車の間隔が2m程度でも椅子を置いて4~5人は十分入れるスペースを作ることができる。サイドドアを開けても余程風が強くなければ車内に雨が吹き込まなくて合理的だし、設営も非常に簡単。
全体の占有面積は車2台を含めても車3台分よりは少なくて済むから、この画像の場所のように線の引いていないような駐車スペースなら、最も他人に迷惑をかけることなく屋根を作れる方法だ。
しかし、控えめな性格の私達はこれだって仲間が数人集まっている時にしかやらない。通常は開けたテールゲートを屋根にしていることの方が多い。
ところで、とにかくタープを張って、雨天と日差しの強い日の日中はともかく、晴れた夜空の下でもタープの下にいたがる人達の気持ちが、実を言うと私はもう一つよくわからない。晴れているなら星空を仰いだ方が気持ち良いだろうにと思ってしまう。
しかし、そんな私にも何故屋根が必要かと言えば、雨や日差しを避ける意味もあるけど、海岸ではトンビ対策が必須だからだ。
海岸で上に注意も払わずに悠長に弁当なんて食べていようものなら、食料はすぐにトンビの餌食になってしまう。カラスは横からでも来るけど、トンビは上から狙ってくるため、小さくても上空からの視界を遮るものがあれば問題ない。それでテールゲートの下で昼飯にするか、バンが2台あって人数が4人以上いるような場合は、こうして車と車の間にタープを張ったりもするわけだ。
テールゲート下のテーブル
テールゲートを開けて引き出しみたいにテーブルが出てくるキャンピングカーがある。あれは合理的で設置も簡単そうで良いなあと思っていたのだけど、自作するとなるとスライド機構とかは少し面倒くさそう。
何か良い方法はないかと思っていたら、何故か余っているスノコが立てかけられている(そこに置いたのは自分自身だけど、何故そこにあるのか不明。)のが目に入った。
スノコを使ってテーブルを作る脚のキットなんてのもホームセンターで見たことがあるが、そのスノコが直感的にバモスの寝台と反対側の荷室にぴったりなサイズじゃないかと閃いてしまった。

案の定予想的中! もう定規なんか要らない境地に達してしまったのではないかと思うほど長さも幅もピッタリだった。こうして見るとテーブル板を積んでいると言うより、荷物を置くために何か理由があってピッタリなサイズのスノコをわざわざ用意して敷いているようにさえ見えてくる。
しかし厳密に言うと、車の中ってのは直線で構成されていそうなところが意外と微妙な曲線を描いていたりして、途中まではまさにピッタリだけど、奥の方は壁が微妙な曲線を描いて幅が細くなっているため、ちょっと無理矢理突っ込むような感じになってしまう。

これではスムースに出し入れができなさそうで具合が良くない。そこで早速スノコを上の画像のように部分的に切り欠いてしまった。スライド機構はないけど、これでスノコテーブル板の出し入れは問題なし。白状すると写真を撮ってなかったから本当はこの前の画像も切り欠き加工した後のだけど。
脚はどうかと言えば、片側は車の荷台に載せておくことになる。反対側は2本脚を出すことも考えたけど、地面が真っ平らなんてことはないから、脚を2本出すとかえってガタつくのではと考え、1本だけにすることにした。

これまたなんという偶然か、カットしなくても荷台の高さとちょうどピッタリな長さの2×4が手元にあったから、それをそのまま脚にすることにした。そして2×4の幅だけでは少し狭くて安定が悪そうなので、2×4のレッグに小さなフットを付けるような感じで、手頃な長さの角材をT字型にビス留めする。
この角材もたまたま適当な長さのものがあったから、カットせずに済んでしまった。端材とか余った部品とかは、保管しておいてもいつまでも使わないこともあるけど、案外こうして日の目を見ることもあるから、置き場があるならやはり無闇に捨ててしまわない方が良いようだ。断捨離だけが偉いわけではない。

そしてスノコテーブル板にヒンジでこの脚を付ける。このヒンジも当然このために買ってきたものではなく、金物類の入った箱から発掘された物。

裏返して片側を荷台に載せればこの通り。

試しにクッキングギアなどを広げてみたが、なかなかに良い感じだ。実用性があれば十分だけど、何となくそれっぽい雰囲気が出る。

脚をたたんで荷室に収納して荷物を積むとこんな感じ。車体側には何も加工はしていないし、何か大袈裟なことをした感じがしなくて良い。
スノコを見つけてから完成まで1時間もかかっていなくて、出費は0円。でも、これだけでも普通のバモスがまた何か少しキャンピングカーっぽくなったように感じられた今日の工作だった。
アメリカで学んだこと
ところで、私は色々工作とかはするけど、今回のテーブルの写真を見てもわかる通り、決して上手くはなく、正確で綺麗な仕事をするわけでもない。しかし、テラスや物置小屋程度なら作ったこともあるし、できる限り家の修理なども自分でやっている。
現代の車は無理だけど、キャブレターだった頃の車やバイクなら多少はいじることもできる。以前VW TypeⅡに乗っていた時があったが、トラブルがあるのは半ば当たり前。
ある時、出先でクラッチペダルを踏んだらスコンとペダルが下がったままになってしまったことがあった。それが幸い駐車場を出てすぐだったので、JAFなどの助けは呼ばずに車は押して駐車場に戻し、人の車を借りてホームセンターへ直行。あり合わせの材料で切れたクラッチワイヤーを修理して無事に帰って来たことなどもあった。
オレって凄いだろ~と自慢話をしようというつもりなど全くない。むしろ言いたいことは逆で、特に器用でもない私のような者でも、やる気と工夫があればなんとかなることが多いってことだ。
若い頃にカリフォルニアに居たことがあったのだが、こういった姿勢は一般的なアメリカ人の生活から学んだ。日本ではなんでもすぐにプロに修理や工事を依頼するのが当たり前だが、アメリカでは自分で工事したり修理したりするのが何も特別なことでも珍しいことでもない。
ビンテージカーなどに関しても、日本では綺麗にレストアされた仕上げ済みの車が完成品として売られていたりするけど、アメリカでは一般的に自分でレストアするのが基本で、自分で出来ない部分をプロに依頼することはあっても、日本のようにショップで完成品が並べて売られているようなことは稀なようだ。
よく日本人は器用だと自画自賛し、アメリカ人は大雑把だの不器用だのと言うけど、アメリカ人の肩を持つわけではないが、それは自分達を買い被った大きな勘違いだと私は思う。
確かに日本の職人の技術レベルは非常に高いとは思うのだが、それはそれに特化した人と技術に関してのことであって、平均した日本人像を表しているわけではない。
日本の一般人に何ができるのかと言えば、基本的に釘の一本も打てない、打ったこともない、打とうともしない人の方が多いように思うのだが、それに対して、アメリカには釘一本打とうともしない人の方が少ないように思う。
上手い下手ではなく、やろうとするところが違う。そう考えれば平均的にはアメリカ人の方が日本人よりある意味余程器用とも考えられないだろうか。私は実際に必要なものは一点豪華主義的な技術より、実際に役立つことの方が肝心だと思う。そして、自分のためにやることだったら多少見場が悪くても全く結構。とにかく何もしないでいるより余程マシだと考える。

話が車から少し逸れてしまったが、最新の立派なキャンピングカーにも素直に憧れはあるし、全く否定するつもりなどないのだが、出来上がったキャンピングカーではなくて、私が自作することに興味を持つようになったのも、やはり昔カリフォルニアのバークレーの本屋で見つけた本が大きく影響している。

その本にはあまり綺麗な仕上がりとは言えないけど、味があって楽しそうで大胆な改造を施した車や、その工事の様子などの写真が並んでいた。

何度となく繰り返しページを捲り、本の色は色褪せてきたけど、何度見ても内容が色褪せることはない。今でも見ているだけでワクワクする。少し元気がないときとかに見ると心を癒してくれる、私にとっての宝物のような本だ。

今回作ったバモスのテーブルがこの車のテーブルと何となく似て見えるのは、潜在意識に残っていたからかもしれない。

プロしか手を出すこともできなくて、それが当たり前と思っている日本人が、これを見て「アメリカ人は不器用」などと言えるのだろうか?

まだまだ全然ここまでには達していないけど、「日本では法規上の問題があって難しい。」なんて言い訳などしてないで、いずれはこんな雰囲気の車か船に住むのが私の夢でもある。