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夫婦で1000日のキャンピングカー生活!月の生活費と長期車中泊を続けるリアルな節約術を公開

月の生活費と長期車中泊を続けるリアルな節約術を公開

私たちはキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパ各地を旅している夫婦で、もうすぐ3年になります。

よく、「お金持ちでもないのに、どうしてそんなに長く旅を続けられるの?」と聞かれますが、その答えは…「節約」です。

とはいえ、無理な我慢はしません。快適さも大切。

今回は、1000日以上のキャンピングカー旅で実践している「リアルな節約術」を赤裸々に紹介します。

ヨーロッパ中心の旅ですが、日本での旅や日常生活にも役立つ内容ばかり。

毎月の平均費用も包み隠さず公開しつつ、節約のポイントとコツをまとめていきますので、「長く続けるキャンピングカー旅」の参考にしてください。

1000日以上もヨーロッパを巡りながら夫婦でキャンピングカー暮らし


ヨーロッパの車中泊風景

私たち夫婦は、長年の夢だった”キャンピングカーライフ”を実現するために、何年もかけて準備。

思い切って日本での暮らしをすべて手放し、ヨーロッパへ渡りました。

イタリアで旅の相棒となる中古のキャンピングカーを購入し、ヨーロッパ各地を少しずつ巡りながら暮らす日々がスタート。

気づけばもう1000日以上が経ち、訪れた国は30カ国を超えました!

ヨーロッパの旅の景色

旅のルートは、アルプス山脈の広がるイタリア、スイス、オーストリアを走り抜け、キャンピングカーごとフェリーで北欧へ。

ノルウェーやフィンランドの北極圏の国を巡り、さらにルーマニアやセルビアなどヨーロッパ東部の国々も訪れています。

私たちの旅のスタイルは、有名観光地を回るのではなく、都市の喧騒から少し離れて、ガイドブックに載っていないような小さな村や、地元の人しか知らない絶景を探す「暮らすように旅する」こと。

合間には、ノマドワークをしながら生活していますが、決して派手に稼いでいるわけではありません。

それでも、節約と工夫を重ねることで、無理なくこの暮らしを続けられています。

この記事では、月の平均費用と、長く低コストで旅を続けるためのリアルな秘訣を公開します。

私たちのキャンピングカー旅の月の平均費用を公開


キャンピングカーでリモートワーク

季節や滞在国で増減しますが、平均はおおよそ次の通りです。

食費:約300ユーロ(約53,000円)
外食:約60ユーロ(約10,000円)
燃料費:約200ユーロ(約35,000円)
宿泊費:0
水道・電気:0
ガス代:約20ユーロ(約3,500円)
通信費:約85ユーロ(約15,000円)
コインランドリー:約20ユーロ(約3,500円)
観光・娯楽費:0
日用品:約30ユーロ(約5,300円)
キャンピングカー消耗品:約30ユーロ(約5,300円)
その他:約20ユーロ(約3,500円)
合計:約765ユーロ(約136,000円)

月によっては車のトラブルなどで臨時出費が出ますが、700〜1,000ユーロ(約124,000〜178,000円)の範囲に収まるよう工夫しています。

【ヨーロッパのバンライフの月額費用感(目安)】
低コスト:月額700〜1,000ユーロ(約124,000〜178,000円)
中間モード:月額1,000〜1,500ユーロ(約178,000〜267,000円)
余裕あり:月額1,500〜2,500ユーロ(約267,000〜446,000円)

旅のスタイルと工夫次第で、費用は上下します。

私たちは比較的低コスト帯で旅を続けられていると思います。

※他に税金・年金・保険などは、内訳に含めていません。

参照:旅をスタートさせてから半年の1カ月の生活費を大公開!物価の高いノルウェーを旅した時の1カ月の費用

※(1ユーロ=約178円/2025年11月2日現在)

私たちの長期キャンピングカー旅での節約ポイント


食費の節約【基本毎日”自炊”。外食は月1回のご褒美】


キャンピングカーで自炊

旅で一番出費がかさみやすく、同時に抑えやすいのが食費です。

私たちは徹底して「自炊中心」にしています。

キャンピングカーはコンロや冷蔵庫がある車両を選び、調理のしやすさを購入時の大きな基準にしました。

料理は節約レシピを中心にします。

キャンピングカーで調理

買い物はディスカウント系のスーパーを活用。

とくに私たちがよく利用するのが、Lidlというスーパーです。

ヨーロッパ各地にあり、価格は手頃、品質も安定していて、旅人や長期滞在者にとって頼もしい存在。

また、まとめ買いで買い物回数を週1回〜10日に1回へ減らすのも節約のコツ。

買い物の頻度を減らすことで、余計なものを買いにくくなり、出費も時間も削減できます。

食費を大きく左右する”外食”は、月1回まで。

カフェやファーストフードも極力控え、行くなら地元の人が通う手頃なレストランや屋台を選ぶようにしています。

”たまに”だからこそ、地元の味をじっくり楽しむ、私たちにとって旅の小さなご褒美になっています。

ヨーロッパのスーパーを紹介した記事はこちら

燃料の節約【走りすぎない”スローペース旅”が一番のコツ】


ガソリンスタンドで給油

食費に次いで負担が大きいのが燃料費です。

左右するのはルートの立て方と滞在期間。

移動すればするほど燃料費も増えるので、私たちは移動距離を抑えて、ゆっくりペースで長く滞在するようにしています。

1カ月の走行距離は1,000〜1,500km以内(目安)。

無理に遠くを目指さず、ひとつの国・地方をじっくり味わいます。

結果として、ガソリン代が節約でき、旅の満足度もアップしました。

また、私たちの車はディーゼル車なのですが、国や地域で燃料価格に30〜40%の差が出ることも。

そのため、出発前に価格比較アプリやサイトで相場をチェックし、「どの国が安いのか」、「どのガソリンスタンドがお得か」を事前に調べてから移動するようにしています。

参考:最高値はイタリアで、1L=1.80ユーロ(約321円)、最安は北マケドニアで、1L=1.08ユーロ
高い傾向の国:ドイツ、フランス、スイス、ノルウェー、イタリアなど。
安い傾向の国:スペイン、アンドラ、ボスニア、モンテネグロ、チェコ、ルーマニアなど

東欧諸国は燃料が安い傾向にあるので、そうした国で満タンにしておくことで、燃料費を抑えられます。

住居費・水道・電気の節約【無料スポットと自然エネルギーで0円生活】


ヨーロッパの車中泊場所

旅のスタイルと費用を大きく左右するのが、”有料のキャンプ場”を使うか、”無料スポット”を活用するかです。

私たちは、できる限り無料の車中泊スポット(公共駐車場や道の駅、湖畔や森の中など)やキャンピングカー施設を利用するようにしています。

宿泊費を節約できるだけでなく、静かで落ち着いた旅の時間を過ごすことができます。

ヨーロッパの風景

こうしたスポットを探すときには、旅人の定番アプリ「Park4night」です。

無料・有料のRVパークや車中泊スポットを地図で探せ、ユーザーの口コミも参考になります。

また、水道や電気も工夫次第でほぼ無料にできます。

車内で使うシャワーや食器洗いの水は、無料の給水スポットで補充。

ソーラーパネルで給電

電気は、車に設置したソーラーパネルとサブバッテリー+インバーターでまかない、日中の太陽光で充電しています。

このように、宿泊費・水道・電気を、ほぼ0円に抑えられ、「長期旅のコスト」を大幅に削減できています。

車中泊スポットを見つける「Park4night」アプリの紹介記事はこちら

ガスの節約【交換式のプロパンガスからLPG補充式に変えて大幅コストダウン!】


ガスボンベ

キャンピングカー生活で欠かせないのが「ガス」です。

料理のコンロはもちろん、冷蔵庫の冷却やシャワーのお湯、暖房のボイラーまで、私たちの暮らしはガスに支えられています。

ヨーロッパのキャンピングカーは、一般的に交換式のプロパンガスボンベが使われており、ガスがなくなる度にボンベごと交換する仕組みです。

しかし、ヨーロッパを旅するうえで大きな悩みが、国ごとに異なるガスシステム。

国ごとにボンベ形状や接続口が異なるため、他国に入るたびに新しいガスボンベを購入しなければなりません。それがかなり高額!

例えば、イタリア仕様→ドイツ仕様への交換だけで約80ユーロ(約14,000円)もかかります。

販売店も限られ、ガス切れのたびに探し回る手間も負担でした。

そこで、わが家はLPG(Liquefied Petroleum Gas/液化石油ガス)の補充式システムに切り替えました。

LPG充填中

【メリット】
・ボンベを交換せず、ガソリンのようにスタンドで直接充填できる
・多くがセルフ式で、ヨーロッパのほとんどの国で気軽に補充が可能
・LPGはリッター単価が安く、これまで10リットルのガスボンベに約30ユーロ(約5,300円)払っていたところ、今は20リットルを入れても約12ユーロ(約2,100円)前後

もちろん、初期費用はかかりますが、長期旅なら十分に元が取れる大きな投資でした。

そしてなにより、毎回ボンベ探しと交換の手間がゼロになり、旅の自由度が一気に向上。

より快適なキャンピングカーライフを送れています。

LPGシステムに切り替えた時の記事がこちら

修理代・維持費の節約【自分たちでできることは自分たちで】


車を点検中

キャンピングカーは「車と家がひとつ」になった構造のため、修理やメンテナンス費用が高額になりがちです。

ちょっとしたトラブルでも、ディーラーや専門工場に出すと数万円かかることもあります。

そこで私たちは、自分たちで対応できる範囲は自分たちで行っています。
・コーキングの張り替え
・簡単な水回りの修理
・電気系統のトラブル対応など

手順はインターネットやYouTubeで調べ、無理のない範囲で実施。

これだけでも維持費を大幅に節約できます。

もちろん、エンジンやブレーキなど安全に直結する箇所はプロに任せ、日常のメンテナンスを自分たちで行うだけでも、長期旅のコストはぐっと下がります。

DIYでダブルロックを取り付けた記事はこちら
コーキング修理の記事はこちら

観光・娯楽費の節約【お金を使わない自然のハイキングや街歩きで楽しむ】


ハイキング中の景色

私たちは「休暇で旅行」ではなく、「暮らしながら旅」をしているので、毎回の観光や娯楽にお金をかけていたら、大きな出費になってしまいます。

そこで私たちは、有料観光施設はほとんど行かず、代わりに街散策やハイキング、登山など、無料で楽しめるアクティビティを中心にしています。

自然の中で過ごせば、お金を使わなくても、心も体もリフレッシュできるのが魅力です。

有名観光地や大型都市でも、交通機関を使わず歩いて巡り、どうしても博物館や美術館に行きたいときは、

・月に一度の無料開館日
・割引チケットやオンライン予約の割引制度

を活用して費用を抑えるようにしています。

大切なのは、好きなことをお金をかけずに楽しむ工夫です。

私たちの趣味は”登山”なので、自然や山を中心にしたバンライフで、無理なく心豊かに過ごせています。

その他・雑費【物欲が減り、必要最低限で快適な暮らしに】


景色

キャンピングカー生活を始めてから、私たちは日々の小さな体験に幸せを感じるようになり、物欲が驚くほど減りました。

服や美容品、雑貨はほとんど買わず、本当に必要なものだけで暮らせると実感しています。

これは「節約しよう」と無理に意識した結果ではなく、自然と「なくても困らない」と思えるようになったのです。

限られたスペースで快適に暮らすには、物を増やさないことが習慣になります。

その結果、雑費は大幅にダウン。

「少ないもので豊かに暮らす」これこそキャンピングカー生活の魅力のひとつ。

物に囲まれるよりも、体験や景色、日々の旅の中で得られる喜びこそが、何より価値のあるものだと感じています。

まとめ【節約マインドを持ちながら、長く快適に旅を続けられる】


1000日以上のキャンピングカー生活で実感したのは、長く旅を続けるためには「節約マインド」が何より大切だということです。

月々の支出を抑えれば、その分だけ旅の期間を延ばせ、無理なく楽しく快適に過ごせます。

個人的に、節約の中で効果が大きいと感じるのは、食費、燃料費、宿泊費の3つ。

ここを意識するだけで、毎月の出費をぐっと抑えられます。

もちろん、旅のスタイルや期間、ルートによって状況は変わってきますが、少しの工夫で無理のない低コスト旅は十分可能です。

節約は我慢ではなく、自分のスタイルに合った車中泊旅を賢く楽しむための手段。

これからキャンピングカーなどで長期の車旅を考えている方も、自分なりの節約方法を見つけて、心豊かで快適なバンライフを実現してください。

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!