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ヨーロッパ18カ国をキャンピングカー旅して見えた!海外スーパーのリアルな実態

「海外のスーパーって、日本とどう違うの?」
旅好きなら、一度はそんな素朴な疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか?
私たちはこれまで、キャンピングカーでヨーロッパ18カ国を旅してきました。
車中泊旅では、やっぱり外食よりも車内での自炊が基本。
そのため、現地のスーパーに通うのは日常の一部であり、「食」を通じてその国の文化や暮らしを感じる貴重な体験でもあります。
今回は、ヨーロッパ各国のスーパーで実際に見つけた変わった食材や、国ごとの特徴、意外な違い、実際に利用しているおすすめのスーパーなどを紹介。
海外のスーパーに興味がある方やヨーロッパ旅を計画中の方、ヨーロッパへ移住や留学を考えている方、あるいは「食」から文化を感じたい方へ。
日本とは違った、ヨーロッパのスーパー事情、覗いてみませんか?
車中泊旅しながら海外スーパーで買い物してきた

私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅をしており、2年半で18カ国を巡ってきました。
限られた予算で長期の旅を続けるには、外食よりもスーパーで食材を購入し自炊するほうが断然お得。
毎日の食事は「自炊」が基本です。
外食が続くとどうしても栄養が偏りがちになりますが、自炊なら野菜を多めに摂ったり、食材のバランスを考えたりと、体調に合わせた食事ができます。
出費を抑えられるだけでなく、健康的な食生活も心がけられる点も、自炊の大きなメリットです。

そして、食材を買うためのスーパー巡りも、日常の一部になっていて、私たちの旅の大きな楽しみのひとつになっています。
スーパーにはその土地ならではの食材や日用品が並び、現地の食文化や暮らしぶりが色濃く表れています。
国によって品揃えはまったく異なり、見たこともない野菜やチーズ、パンなどがずらり。
まるで小さな文化博物館を訪れているような気分になります。
「これはどんな料理に使うんだろう?」「こんな商品初めて見た!」と、毎回新しい発見があります。
もちろん、最初の頃は戸惑うことも多く、スーパーのシステムがわからなかったり、レジや量り売りであたふたしたり、商品のパッケージや表示が読めなかったり、何に使うのか想像もつかない商品に出会ったり…。
けれど、そうした体験も今ではすっかり“笑い話”。
スーパー巡りは、私たちの旅に欠かせない“小さな冒険”なのです。
ヨーロッパのスーパーで売られている変わった食材

ヨーロッパを旅していて、毎回の楽しみがスーパーめぐり。
観光地とはまた違った“リアルな暮らし”が見えてくる場所です。
中でもとくに心をくすぐられるのが「え、こんなもの売ってるの!?」という、ちょっと変わった食材たち。
ポルトガル:干し鱈(バカリャウ)

まず驚かされたのが、ポルトガルのスーパーで見かけた「干し鱈(バカリャウ)」。
これはポルトガルでは特別な日や日常的に食べられる定番食材です。
魚売り場の一角には、板のように硬く乾燥した大きな鱈が山積みに。
しかも独特のにおいが売り場一帯に漂っていて、初めて見ると圧倒されます。
スペイン:ハモン(Jamon)

スペインでは、「ハモン(生ハム)」が圧巻。
豚の脚そのままの形をしたハモンが、1本まるまるどどーんと吊るされていたり、ずらりとケースに並んでいたりと、初めて見たときは本当に言葉を失いました。
注文すると、その場でスライスして量り売りしてくれます。
数年かけて熟成させたハモンは、ほどよい塩気と豊かな旨味が魅力。
決して安くはないですが、スペインに来たら一度は味わってほしいソウルフードです。
フランス:うさぎ肉(Lapin)
フランスでちょっと衝撃的だったのが、うさぎ肉(Lapin)。
お肉コーナーで、「あれ?この形…」と思ってよく見たら、まさかのうさぎ!
しかも種類が豊富で、丸ごとはもちろん、部位別にカットされたものや、調理用に味付けされたタイプなどさまざま。
鶏肉と見間違えるほど自然に並んでいるので、思わず買ってしまいそうになります。
まだ私は食べたことがありませんが、フランスやイタリアでは昔から一般的な食材とのこと。
さすがグルメ大国という印象でした。
このようにスーパーには、その土地の食文化がぎゅっと詰まっており、ガイドブックに載っていない発見が盛りだくさん。
観光名所を巡るのも楽しいけれど、地元の人が日々通うスーパーをのぞいてみると、旅の深みがぐっと増す気がします。
スーパー文化の違いと面白さ
ヨーロッパでは、国境を越えるたびにスーパーの雰囲気やルールががらっと変わります。
そのたびに、日本のスーパーとの違いに毎回驚かされる日々です。
とにかくなんでも大きい!

まず一番驚いたのが、「とにかく何もかもが大きい!」ということ。
とくに印象的だったのは、ショッピングカートのサイズです。
日本では大型店やコストコでしか見ないような、特大サイズのカートが、普通のスーパーでも当たり前に使われています。
最初は「え?これが標準サイズ?」と目を疑いました。
さらに、カートを使うたのに1ユーロ硬貨を投入するシステムが使われています。
使い終わったカートを所定の位置に戻せば、硬貨が返却される仕組みです。
このシステムのおかげで「カートをきちんと返す」という意識が自然と身につくのも納得です。
そして店内も広く、通路は余裕のある幅で、両側には高い陳列棚がずらり。
商品のサイズもボリュームもダイナミックで、日本のスーパーに慣れていると、どこかテーマパークに来たような気分にもなります。
野菜や果物はセルフ式の量り売り

ヨーロッパのスーパーでは、野菜や果物はセルフ式の量り売りが一般的。
好きな量を袋に詰めて、秤りにのせ、重さを測ってラベルをプリントし、商品に貼り付けてからレジへ向かいます。
機械の言語がわからなかったり、野菜の名前がわからなかったりと最初は戸惑いますが、慣れてくると「必要な分だけ買える」という点がとても合理的で便利に思えました。
レジの違いにびっくり

レジ文化にも大きな違いがあります。
ほとんどの国で袋は完全に有料、しかも「袋いりますか?」のひと言もなく、“持ってきて当然”の空気。
そして、袋詰めもセルフ。
レジ係はものすごいスピードで商品をスキャンし、買い物客はそのスピードに合わせて黙々と袋詰めをこなします。
日本の丁寧なレジ対応に慣れていると、このスピードについていくのに必死でした。
営業時間の違い

国によってスーパーの営業時間も全然違います。
たとえば、ドイツやフランスでは、大きな街でも日曜・祝日にはスーパーが完全に閉まります。
観光中に食材を買いたくても店が開いていない。
知らずに日曜に買い出しに行って、何も買えなかった経験もありました。
また、スペインやイタリアなどでは、昼の “シエスタ”の時間帯に数時間閉店するスーパーもあり、買い物が難しい時間帯もあります。
事前に調べておくことがとても大切です。
日本の「年中無休24時間営業」に慣れていると、いかに便利だったかを実感します。
ペットボトルをリサイクルするとお金が戻ってくる!?

一方、「これは便利!」と感心したのが、スーパーに設置されている「ペットボトルや缶を回収する自動リサイクル機」の存在!
ドイツやデンマーク、ノルウェーなど一部の国では、使い終わった容器を機械に入れると、バーコードを読み取り、数十セントのデポジット(Pfand)が返金される仕組みになっています。
レシート形式で出てきたバウチャーはそのままレジで割引として使えるため、環境にもお財布にも優しい。
リサイクルが「ごみの分別」ではなく、「資源の再利用」として日常に根づいている点が、とても印象的でした。
ヨーロッパのスーパーブランド

スーパーのブランドは実にさまざま。
ヨーロッパ全域に展開するチェーンもあれば、地元の人々に愛されているローカルブランドもあり、日本ではあまり馴染みのない名前がずらりと並びます。
はじめは少し戸惑いましたが、次第に「このスーパーは安くて品揃えがいい」「ここはちょっと高級志向」など、だんだん見分けがついてきて、自分たちの“お気に入り”ができていきました。
人気のスーパーブランド①「Aldi(アルディ)」
ドイツ発祥。
フランスやイタリア、スロベニア、ポルトガルなど世界中に12,000店舗以上を展開。
シンプルな陳列と低価格が特徴的です。
プライベートブランド中心の品揃えで、パッケージは素朴でも中身は高品質。
お得に買い物をしたい時におすすめ。
人気のスーパーブランド②「Carrefour(カルフール)」
フランスの大手スーパーで、スペイン、イタリア、ベルギー、ポーランド、ブラジル、アルゼンチンなど30カ国以上に展開。
品揃えが豊富で、日常使いの食品はもちろんのこと、高品質な食材やオーガニック商品、日用品、衣料品、電化製品、まで幅広く扱っています。
店内は広く清潔で、ディスプレイも丁寧。
買い物がしやすいのが印象的でした。
人気のスーパーブランド③「Mercadona(メルカドーナ)」
スペイン発祥で、ポルトガルにも進出。
スペイン国内では圧倒的な人気とシェアを誇る存在です。
生鮮食品が新鮮で、惣菜コーナーも充実しており、スペインらしい味付けの料理が手軽に手に入ります。
また、オリジナルブランドの商品が多く、とくに化粧品やスキンケア用品は価格の割に質が高く、コスパ抜群です。
人気のスーパーブランド④「Coop(コープ)」
イタリア発のスーパー。
スイス、スロベニア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどに展開しています。
店内は清潔で、品質・安全性への意識が高いのが特徴。
とくにオーガニック食材も多く、安心して買い物ができるスーパーという印象です。
私たちの旅の味方「LIDL(リドル)」

そんな中、私たちが旅の中でいちばんよく利用しているのが「LIDL(リドル)」です。
ドイツ発祥のディスカウント系スーパーで、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、クロアチア、イギリス、フィンランド、ギリシャ、ハンガリーなど、訪れたほとんどの国に店舗があります。
価格がとにかく手ごろで、商品も安定した品質。
オリジナルブランドも多く、野菜や果物、パン、乳製品、簡単な総菜まで一通りそろっているので、 “自炊が多めのキャンピングカー旅”にはぴったりの存在です。
広々とした駐車場があるのも魅力で、キャンピングカーでも駐車しやすいのが嬉しいポイント!
旅の助っ人「PARKSIDE(パークサイド)」の工具も充実

LIDLの魅力は食料品だけではありません。
オリジナル工具ブランド「PARKSIDE(パークサイド)」の存在もキャンピングカー旅には大助かり。
ドライバーセットやレンチ、電動ドリル、テープ類、小型工具箱など、「ちょっと修理が必要!」という時にも、頼れるアイテムがスーパーでもそろっているのは、かなり心強いです。
まとめ
ヨーロッパ18カ国を巡って実感したのは、国が変わればスーパーもがらりと表情を変えるということ。
陳列のスタイルやレジのシステム、取り扱っている商品ひとつひとつに、その土地の暮らしや文化がぎゅっと詰まっています。
「今日はどんなスーパーに出会えるだろう?」
そんなちょっとしたワクワクを抱きながら、各国のスーパーを巡ることが、旅の新たな楽しみ方のひとつとなりました。
観光名所を巡るのも楽しいけれど、地元の人が日々通うスーパーをのぞいてみると、旅の深みがぐっと増す気がします。
次の旅先では、ぜひスーパーで「変わり種探し」をしてみてくださいね!