電熱ベストは車中泊の防寒対策に有用なのか?実際に検証してみた!
新たな防寒対策のアイテムとして注目を集めている、電熱ベスト。
バイカーやキャンパーに人気ですが、果たして車中泊の防寒対策にも有用なのでしょうか?
今回、実際に使って検証してみたので、その結果と防熱ベストのメリット・デメリット、使った感想などをご紹介します。
目次
電熱ベストとは?
電熱ベストとは、電熱パッドが内蔵された防寒用のベストのこと。モバイルバッテリーの力で発熱するので、着ているだけで体が温まります。
手軽に防寒対策ができることから、バイカーやキャンパーをはじめ、アウトドアを楽しむ人から人気を集めています。
冬の北海道の車中泊で電熱ベストを使用してみた
それでは早速、車中泊で電熱ベストを使用した時の様子をご紹介します。
冬の北海道の車内で、電熱ベストはどれほどの防寒効果があるのでしょうか?
今回使用した電熱ベストは中国メーカーのSHIPADOの製品で、電熱パネルがお腹と背中で合計9枚搭載されたモデルです。
モバイルバッテリーは電気容量が20Wのモデルを使用しました。
電熱ベストの使用方法
電熱ベストは、モバイルバッテリーと接続して電源を押すだけで、すぐに発熱を始めます。
使用したのはLサイズのモデルですが、身長168cmの筆者が着ると心持ち小さめで、体にぴったりフィットします。
電熱ベストと体に隙間があると熱を体感しにくくなるため、体に密着するサイズを選ぶことをおすすめします。
日中の冬の車内で使用した感想
車内の温度は4.4℃でしたが、電熱ベストの電源を入れて5分もすると、温かさがしっかりと伝わってきました。
高温モードにすると、一般的なカイロよりも温かく感じます。
ただし、それ単体での防寒性はそれほど暖かくなく、どうしても重ね着やブランケットの使用など、他の防寒対策と併用する必要がありました。ベストと接していない手の先端や下半身も寒く感じます。
しかし、電熱ベストに直接ふれているお腹周りや背中は常にポカポカ。トイレや買い物で車外に出る時も、しっかりと体を温めてくれます。
モバイルバッテリーで使えるので、配線に悩まされることもありません。
就寝時に使用した感想
続いて、布団の中で電熱ベストを高温モードで動かしながら寝てみました。
布団や寝袋で保温される上に、体に電熱パッドが密着するため、日中使用しているよりも温かく感じます。暑くて汗をかいたため、高温モードから低温モードに変更したほどです。
しかし、先ほどと同様、下半身が寒いという欠点があります。また、消費電力が高温モードで約10Wのため、今回筆者が使用したモバイルバッテリーでは2時間程度しか使用できませんでした。低温モードなら4時間ほど連続使用できますが、それでも就寝中に停止してしまいます。
朝まで使用したい方は、余裕を持って電気容量が80W以上のモバイルバッテリーを使うことをおすすめします。
とはいえ、電気式毛布と比較すると消費電力は小さいので、電気容量の大きなポータブル電源が必要なく、布団や寝袋に入った時に手軽に温かく過ごせるのは、大きなメリットだと感じました。
※製品によっては就寝時使用できないものもあります。購入した製品の取扱説明書や注意事項をよくお読みのうえ、取り扱いには細心の注意を払うようにしてください。
電熱ベストを使用して感じたメリット
1.効率よく体を温められる
電熱ベストは体に密着するので、電気毛布よりも効率よく体を温められると感じました。
2.消費電力が小さく、小型のバッテリーで動かすことができる
電気毛布の消費電力は30〜50W前後で、長時間使用するには大容量のポータブル電源を使用する必要がありますが、電熱ベストは消費電力が5〜10W程度と小さいため、小型のバッテリーで動かせます。
高価な大容量のポータブル電源を購入する必要がなく、気軽に防寒できるのは、大きなメリットだと感じました。
3.どこでも温かく過ごせる
場所に縛られず、どこでも温かく過ごせるという点も、メリットの1つです。
車内で過ごす時はもちろん、屋外での作業やレジャー、トイレや買い物の時も、体を快適に温めてくれます。
電気毛布よりも使用できるシーンが幅広く、自由度が高いアイテムです。
電熱ベストを使用して感じたデメリット
1.温められる範囲が狭く、単体での防寒効果は低い
前述しましたが、電熱ベストで温められる範囲は電熱ベストと接している部分のみなので、手の先端や下半身は寒く感じます。
そのため、あくまで重ね着などの基本的な防寒対策を行った上で、補助として使うのが適していると思います。ミドルレイヤーに使用すると効果が抜群で、寒い車内でも快適に過ごせるようになります。
2.長時間の連続使用が難しい
電熱ベストの消費電力は5~10W前後と少なく済みますが、その一方で、長時間の使用には向いていないのがデメリットです。
ポケットサイズのバッテリーでないと電熱ベストへの接続が難しいので、大容量のバッテリーを使いたくても使えないというもどかしさがあります。また、電熱ベストとバッテリーをつなぐ配線が短いため、ポータブル電源と接続することもできません。
そのため、就寝時、夜中にバッテリーの充電が切れて、寒くて起きてしまう……なんてことがあるかもしれません。なるべく小型で、大容量のモバイルバッテリーを使用することをおすすめします。
※製品によっては就寝時使用できないものもあります。購入した製品の取扱説明書や注意事項をよくお読みのうえ、取り扱いには細心の注意を払うようにしてください。
就寝時に使用するため、USB延長コードを使用してポータブル電源に接続してみた
電熱ベストのメリット・デメリットを整理すると、「少ない消費電力で十分な温かさが得られるが、接続できるバッテリーが限られるので、長時間の連続使用が難しい」ということになります。
そこで、USBの延長ケーブルでポータブル電源に接続すれば、長時間連続使用できる最強の防寒アイテムになるのでは?と考え、検証することにしました。
作業は簡単で、購入したUSB延長ケーブルを電熱ベストのUSBに差し込み、ポータブル電源と接続するだけです。
今回は大容量ポータブル電源EFDELTAを電源に使用しました。電気容量が1260Wなので、単純計算で100時間以上使用できます。
早速、ポータブル電源と電熱ベストを接続して、電源を入れてみたところ……
電源ランプが光って使用できると思ったのも束の間、すぐに停止し、使うことができませんでした。
電熱ベストをポータブル電源に直接接続した場合は使用できたので、原因は3mもの長さがあるUSBの延長ケーブルであると思われます。寝返りをうてるように、余裕を持って長めにしたのが仇となりました……。
短い延長コードでの検証はできなかったのですが、長時間連続して使用したい方は、電熱ベストのポケットに入るサイズの、できるだけ電気容量が大きいモバイルバッテリーを購入するのが最もおすすめです。
電熱ベストは防寒の補助グッズとしては優秀!ただし、長時間使うには工夫が必要
以上、電熱ベストは車中泊の防寒対策として有用なのかを検証しました。
その結果、消費電力が少なく十分な温かさを得られる電熱ベストは、防寒対策の補助アイテムとして、とても優れていることがわかりました。
ポケットに収納できる大きさのモバイルバッテリーで動くので、配線に悩まされることなく、さまざまなシーンで使えるのも魅力です。
さらに、就寝時は布団や寝袋と合わせて使うと、低温モードでも十分に温かく寝られます。
しかし、その一方でモバイルバッテリーでは長時間の連続使用が難しいというデメリットもありました。
延長コードで大容量のポータブル電源と接続するという方法はダメだったので、長時間使用したい方は、ポケットに入るサイズの電気容量が大きいモバイルバッテリーを買うか、交換用に複数のバッテリーを用意することをおすすめします。
最新のアイテムを上手に活用して、冬の車中泊をさらに快適に過ごしましょう!
※低温やけどや熱中症(脱水症状など)など重大な危害や損害をおこすおそれがあります。購入した製品の取扱説明書や注意事項をよくお読みのうえ、取り扱いには細心の注意を払うようにしてください。