レトロで可愛らしいワーゲンバス。オーナーが語る「フォルクスワーゲンType2」の魅力。
今回紹介する愛車は「ワーゲンバス」でお馴染みのフォルクスワーゲンType2のキャンピング仕様車です。この車のオーナーである私はキャンピングカーで暮らしながら、北海道内をめぐる旅をしています。そんな自慢の愛車の内装や魅力、こだわりのポイントなどを紹介していきます。
目次
フォルクスワーゲンType2
通称「ワーゲンバス」と呼ばれるフォルクスワーゲンType2です。1978年製の車で、ウエストファリア社によって内装がキャンピングカー仕様に架装されています。レトロでおしゃれな雰囲気と、その愛らしいルックスから現在でも根強い人気を誇っている名車です。
キャンピングカーの設備
ベッド
ベッドはシングルサイズで大人1人がゆとりを持ってれ寝ることのできる広さとなっており、ここに布団を敷いて使用しています。広さも十分で寝心地はバツグンです。
ベッドとして使用しないときは、座席としても使用できる構造になっています。
キッチン
キッチンにはシンクとコンロが付いています。シンクはキッチン下のタンクから水を吸いげて使用し、排水はグレータンクに貯まる仕組みになっています。コンロは2つ付いていますが、故障しているため現在は使用していません。キャンプ用の2バーナーコンロを代用することで、料理を行なっています。
暖房
暖房はWebasto社のFFヒーターを装備しています。これで北海道の寒い冬も快適に過ごすことができています。燃焼効率が良く、一酸化炭素中毒のリスクも低いため、キャンピングカーで冬を越すには必須のアイテムです。
収納スペース
ベッド周辺には収納スペースがたくさん隠れています。ベッドの上部はクローゼットとして使用しており、衣類は全てここに収納しています。衣類を最小限に抑えることが、快適な生活のコツです。
ベッド横の棚には歯ブラシやコンタクトなど生活用品を置いています。
タイヤ上の空間にも収納スペースが隠れています。この空間は年間を通して涼しいので、食品を入れるスペースとして使用しています。このように、狭い車内でも、効率的にたくさんの荷物を積みこめるように工夫がなされています。
網戸
窓には網戸がついており、夏は網戸を開けることで車内を快適な温度に保ちます。虫が入ってくる心配もないので、夜間も開けたまま寝ることができます。北海道の夏はクーラを使用することなく、これで乗り切ることができます。
レバーを回して手動で開閉するのもまた、レトロ感があって可愛らしいです。
ポップアップルーフ
天井はポップアップルーフとなっており、天井を上げると人が直立できるほどのスペースが生まれます。ルーフをあげると開放感が増すだけでなく、車内での調理もしやすくなります。夏はルーフを上げることで風通しも良くなり、快適に過ごすことができます。
お気に入りのポイント
可愛らしいルックス
一番のお気に入りのポイントはこの愛らしいルックスです。淡い黄色と、ちょっとおどけたような顔の可愛らしさは何度見ても飽きることはありません。ワーゲンバスが人気である大きな理由の1つがこの圧倒的なデザイン性の高さです。
エンジン音
水平4気筒のキャブレターで、パスパスとリズミカルな音を立てながら動きます。エンジン音を聞きながら、トコトコとワーゲンバスに揺られて巡る旅は、過去にタイムスリップしたかのような気持ちにさせてくれます。北海道の自然豊かで真っ直ぐな道を走ると、風も気持ちよく気分は最高です。
自作のカーテン
自作のカーテンはギンガム・チェックで、ワーゲンバスの可愛らしい雰囲気とマッチしています。カーテンをつけることで、車内が覗かれるのを防ぐだけでなく、日光を遮り車内の温度を一定に保つ効果もあります。可愛さと機能性を備えたカーテンです。
レトロ感ある木の内装
内装はすべて木を張り、暗いトーンの色合いで塗り上げることで、レトロな雰囲気を演出しています。車内ですが、まるで家の中にいるような居心地の良さです。
どこでもビアガーデン
キャンプの時にはビールの注ぎ口もつけられるような設備を作りました。これでどこに行ってもビールサーバーから美味しいビールを楽しむことができます。美しい自然と美味しいビール。これ以上ない贅沢なひと時です。
調味料はマグネットで貼り付け
調味料類は鉄板にマグネットで貼り付けて保管しています。こうすることで、移動中に倒れたり音を立てることを防ぎ、使用するときは簡単に使えてとても便利です。しかも調味料をこうして飾ることでオシャレに見えるので、一石三鳥の方法です。
ワーゲンバスのデメリットは?
燃費が悪い
ワーゲンバスは決して燃費が良いと言える車ではありません。個体差はありますが、燃費の良いもので8〜10km/L程度です。私の愛車はAT仕様ということもあり、ハイオクで4~6km/Lと燃費の悪い個体です。キャンピングカーで常に移動しながら旅をしたい方にとっては思っているよりも燃料費がかさむので、購入前に考慮しておくことをおすすめします。
常につきまとう故障の不安
ワーゲンバスだけでなく、クラシックカー全体に言えることですが、故障の不安は常につきまといます。
故障の頻度も個体差があり一概にどの程度壊れるとも言えないのですが、いつ壊れてもおかしくないということは覚悟しておいてください。
この愛車は運良く、乗り出してから1年間以上、一度も故障なく走ってくれているので、個人的な感想としては思っていたよりも普通の車と同じ感覚で乗れている印象です。
たまに電気配線の不具合でエンジンがかからないこともありますが、一度解決方法がわかってしまえば簡単に対処できることがほとんどです。自分の個体のクセをつかむことで、自分にしか乗りこなせない愛車となっていきます。
購入費用が高い
根強い人気のあるワーゲンバスですが、購入費用が高いことも大きなデメリットです。1番人気の初期モデルは状態が悪いものでも300〜500万円程します。私の愛車は後期モデルということもあり、相場は少し安いのですが、それでも200〜300万円近い値段がします。
この車に関しては110万円という格安の価格で購入し、走り出しのエンジン修理に50万円程かかりました。それでも安いと思いますが、購入後も走り出すまでには修理が必要であり、さらに費用がかかるものだと考えておいてください。
ワーゲンバスの購入を考えている方は、資金と状態のバランスを見て、自分に合ったものを購入しましょう。
自分に合ったワーゲンバスを手にいれるコツとしては販売情報をネットで毎日チェックすることです。これによって車の状態と相場感覚が身につくので、安くて質の良い個体を見分けることができるようになります。毎日チェックしていれば、いつかあなたにぴったりの車にきっと巡り会うことができるはずです。
結局購入して良かった?悪かった?
購入してから1年以上経過しましたが、購入した結果「良かった」と感じています。購入する前は車の知識もなく、故障したらどうしよう……という不安しかありませんでした。
しかし、1番大切なことは購入して乗ってみることです。
ワーゲンバスは多くの出会いや、経験を運んできてくれます。こんな車は他にはありません。かかるお金以上に、自分の人生にとってかけがえのない経験をさせてくれることは間違いありません。そしてこれは、ワーゲンバスに乗った人にしかわからないことなのです。
「いつか乗ってみたい!」そんな風に憧れている方は「いつか」ではなく「今すぐに」購入に向けて動き出すことをおすすめします。後悔することはきっとないと思います。
あなたも素敵なキャンピングカーライフを
以上、キャンピングカー自慢の愛車紹介でした。最先端の車ではないけれど、それでも旅に出かけるたびにワクワクさせてくれる、そんな自慢の愛車です。
不便なところを楽しみ、それがどんどん愛着となっていきます。みなさまも自分のライフスタイルにあったキャンピングカーを手にして、素敵なキャンピングカーライフを送ってください。