バンライフ
【青函フェリー】キャンピングカーで津軽海峡を渡る!「はやぶさⅢ」乗船記
北海道の道東自動車道の「釧路東IC」から、日本最南端のインターチェンジ「鹿児島IC」まで、高速道路を降りずに2,575kmを走り切るという企画にチャレンジしました。
しかし、このルートには物理的に道路が途切れている場所があります。
それが津軽海峡です。
キャンピングカーで北海道から本州へ渡るには、カーフェリーを利用するしかありませんが、そのフェリー航路は複数存在します。
今回はその中から、函館と青森を結ぶ「青函フェリー」を選び、14:35発の「はやぶさⅢ」に乗船しました。
これまでに「青函フェリー」を何度も利用してきた筆者が、約4時間のフェリー旅の過ごし方を紹介します。
キャンピングカーで旅する私たち

北海道を拠点に、キャンピングカーで日本各地を巡る旅を楽しんでいる夫婦です。
YouTubeチャンネル「ちょぴこ北の暮らしch」では、愛車の「NutsRVクレア5.0W」とともに、北海道から日本各地を巡る旅の様子を発信しています。
これまで数々の長期旅を続けてきましたが、今回のような2,500kmを超える日本縦断は、これまでにない挑戦でした。
キャブコンタイプの愛車は一見すると大きく見えますが、駐車区分は「普通車(小型車)」扱い。
そのため、高速道路のPA・SAでも意外と機動力があります。
キャンピングカーでの長距離移動に興味がある方へ向けて、実体験に基づいたリアルな情報をお届けします。
陸路の終わりが海路の始まり
北海道・釧路から鹿児島まで、2,575kmを高速道路で走り抜けるのが今回の企画の大きなテーマです。
スタート地点の「釧路東IC」から函館フェリーターミナルまでは、すでに500km以上を走破。
長距離移動を続けてきた状態で、いよいよフェリーに乗船することになります。
函館〜青森間の航路は約4時間。
このフェリー旅を、ただの移動時間ではなく「楽しく有意義な時間」にするために、筆者がいつも意識しているポイントが5つあります。
1.乗船前の準備
乗船前にしっかり準備を整えておくことが、船内での過ごし方や下船後の行動に大きく影響します。
2.休息時間の確保
ここまで500km以上を走ってきており、下船後も夜間走行が控えています。フェリーの時間は、体を休める大切なタイミングになります。
3.ノマドワーク
約4時間の乗船時間は、溜まった仕事を片付ける絶好のチャンスタイムなのです。
4.シャワーの利用
船内設備を活用することで、移動中でも快適さを保つことができます。
5.1~3は波の状況次第
海が荒れているときは船内がかなり揺れます。そんなときは無理せず「心を無にして寝る」に限ります。結局のところ、天候次第です(笑)。
今回は、2024年1月に就航したばかりの最新鋭船「はやぶさⅢ」を利用しました。
リーズナブルな運賃で知られる青函フェリーが、最新船でどのような進化を遂げたのか。
5m超のキャブコン「クレア」とともに乗り込んだリアルな模様をレポートします。
フェリー乗船前の準備
フェリーの予約

まず必要になるのが、フェリーの予約です。
函館〜青森間の航路には、「青函フェリー」と「津軽海峡フェリー」の2社が運行しています。
筆者は今回、「青函フェリー」を選択しました。
とはいえ、北海道旅行や車旅を計画している方の中には、「どちらを選べばいいのか迷う」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、キャンピングカー乗りの視点から、ポイントをざっくりまとめました。
ぜひ参考にしてください。
| 青函フェリー(はやぶさⅢ) | 津軽海峡フェリー | |
| 運賃(コスパ) | 圧倒的にリーズナブル。 遠征費用を抑えたい旅人の強い味方。 | やや高めだが、豪華な設備とサービスが充実。 |
| 船内設備 | シンプル。自販機とシャワーが中心だが、新造船は非常に清潔。 | レストラン、売店、ドッグランなど、豪華客船に近い設備。 |
| シャワー | 無料(はやぶさⅢ)。 ただしアメニティ、タオル、ドライヤーは持参必須。 | 無料で利用可能。アメニティの備え付けあり。タオルは持参または購入。 |
| 予約・手続きの特徴 | ネット予約が簡単。貨物輸送がメインで、質実剛健な雰囲気。 | 観光客向けサービスが手厚く、ターミナルも華やか。 |
| こんな人におすすめ | 「安く、快適に、シャワーを浴びて寝る」という実利派。 | 船内での観光気分や、ドッグランなどの付帯施設を重視する派。 |
燃料の補充と食料の補充

筆者の場合、フェリーに乗船する前に必ず燃料(軽油)を満タンにしておきます。
理由はシンプルで、「下船後、すぐに走り出せる」からです。
特に下船時間が早朝や深夜の場合、営業しているガソリンスタンドを探すのは一苦労。
スタンド探しで時間を使わないためにも、乗船前に給油を済ませておきます。
また、できるだけ自炊をしながら旅をするスタイルなので、約4時間の乗船時間でも、フェリーに乗る前に食材を購入し、車内の冷蔵庫に保管しておきます。
これも給油と同じ理由で、下船時間が早朝や深夜の場合は、飲食店やスーパーが営業していないことが多いため。
事前に食材を準備しておけば、下船後でもしっかり食事をとることができます。
こうした準備ができるのは、冷蔵庫を備えたキャンピングカーの強みだなと感じています。
ハセガワストアの誘惑

筆者が函館からフェリーに乗船する際、必ず立ち寄るお店があります。
それが「ハセガワストア」です。
ハセガワストアは、北海道函館市で創業したコンビニエンスストア。
その看板メニューが「やきとり弁当」です。
注文を受けてから店内で焼き上げる香ばしい串焼きに、甘辛いタレ。
そして、海苔を敷いたご飯の上にのせたシンプルなお弁当ですが、函館では知らない人がいないほどのソウルフードとして親しまれています。
ちなみに、函館で「やきとり」といえば鶏ではなく豚串を指します。
筆者もこの「やきとり弁当」の誘惑には勝てず、いつも「儀式」のように買ってしまいます。
お店でお願いすると「鶏串」に変更することも可能です(函館の友人に教えてもらいました)。

今回筆者は、「鶏串・ピリ辛タレのやきとり弁当」をチョイス。
甘辛いタレが温かいご飯に絡むと、もう箸が止まりません。
焼きたてで柔らかいお肉もたまらない旨さです。
函館を訪れた際には、ぜひ一度味わってみてください。
フェリーの出航時間によっては、船内で食べることもありますが、今回は14:35出航。
待ちきれず、フェリーターミナルの駐車場でいただくことにしました。
やきとり弁当のおすすめの食べ方

やきとり弁当の食べ方のコツは、最初に串を抜くことです。
弁当容器には、小さな溝があり、そこに串を置いてフタで挟み、そのまま一気に引き抜くと、きれいに串を外すことができます。

こうして串を外しておくと、とても食べやすくなりますよ。
いよいよ乗船!乗船手続きと船内に持ち込む荷物はどうする?
乗船手続きはどうやるの?

乗船手続きは、出航30分前までに行う必要があります。
青函フェリー函館ターミナルの建物内にある「乗船申込書」に必要事項を記入し、それを窓口に提出して受付を行います。
気になる運賃は?
フェリーを利用する際に気になるのが運賃です。
今回、筆者が支払った運賃は13,790円でした。
キャンピングカーでフェリーに乗る場合、基本的に車両の長さと繁忙期・閑散期によって、「車両+運転手の運賃」が決まります。
そこに同乗者の運賃が加算される仕組みです。
※注:2025年10月現在の通常期運賃となりますので、正確な運賃については、必ず公式HPで最新の運賃・燃油調整金、各種割引プラン等を確認してください。▷青函フェリー公式HP
車両の長さで運賃に大きな違いが出る
筆者の愛車NutsRVクレア5.0Wの全長は4,990mm。
そのため、青函フェリーの「5m未満」に収まります。
これが運賃面では大きなアドバンテージになります。
青函フェリーに限らず、各フェリー会社では、全長5mを境に料金区分が1段階上がるケースが多いです。
青函フェリーのような短距離航路では2,000円程度ですが、太平洋フェリーなどの長距離航路になると、数千円〜1万円以上の差が出ることも。
そのため、全長5m以内の車両サイズは、長距離旅において大きなメリットになります。
これからキャンピングカー探している方の中には、フェリーを頻繁に利用する予定の方もいると思います。
そうした場合は、「全長5m」に収まる車両にするかどうかを検討する価値は十分にあると思います。
筆者の場合、北海道在住ということもあり、フェリーに乗る機会も多いと考えました。
また、夫婦2人での旅が前提だったため、多少コンパクトでも5m以内の車両で十分なスペースを確保できると判断し、「クレア5.0」を選んだ経緯があります。
少しでもリーズナブルに旅を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
※青函フェリー公式HP
船内にはどんな荷物を持ち込んでいるの?
筆者が船内に持ち込んでいる主な荷物はこちらです。
・シャワー用品一式、着替え、ドライヤー
・パソコンと撮影機材一式
今回の旅は高速道路旅の企画のため、常に「お風呂問題」が頭をよぎります。
高速道路のSA・PAの中にはコインシャワーや入浴施設がある場所もありますが、設置数は多くありません。
今後、確実にシャワーを浴びられる保証がない状況のため、絶対にシャワーは利用しておきたいところ。
ちなみに、ドライヤー、シャンプー、ボディーソープなどの備え付けはありません。
利用する予定がある場合は、忘れずに持参してください。
パソコンは、仕事用に持ち込んでいます。
船内では動画編集や記事作成を行ったり、撮影した動画や写真データを取り込んだりしています。
また、撮影機材については、YouTube活動のための必需品。
職業柄、どこへ行くにも必ず持ち込んでいます。
いざキャンピングカーを船内へ

初めてカーフェリーを利用する方の中には、「キャンピングカーを自分で車両甲板まで運転できるかな?」と不安に感じる方もいるかと思います。
実際には、係員の方が丁寧に誘導してくれるので、そのような心配はほとんど不要です。

また、背の高いキャブコンにとっては、船内の天井高やスロープは気になるポイントですが、フェリーは大型トラックを楽々積載するので、この点も特に問題ありません。
所定の位置にキャンピングカーを停車させたら、サイドブレーキをしっかり引き、ここで愛車とは、しばしのお別れとなります。
貴重品や船内に持ち込む物を持って、客室階へと向かいましょう。
青函フェリー最新鋭船「はやぶさⅢ」徹底解剖
2024年1月20日にデビューした「はやぶさⅢ」は、青函フェリーの中で最も新しい最新船です。
旅客定員は300名へと大幅にパワーアップ。
そんな「はやぶさⅢ」ですが、今回は筆者が特に気に入っている設備をご紹介します。
デザインのこだわり

船内に一歩足を踏み入れると、そこは青森の伝統工芸である「刺し子」や「りんごの木」をモチーフにしたグラフィックが彩る、モダンで温かみのある空間が広がっています。
従来の「貨物フェリー」という無骨なイメージとは異なり、船内は明るく、かわいらしいデザイン。
そんな雰囲気も、筆者のお気に入りのポイントです。
2等カーペット席
自由に身体を伸ばせる定番のエリアです。
最新船だけあってカーペットも新しく清潔感があります。
しっかり休息を取りたい方に最もおすすめのスペースです。
今回は利用しませんでしたが、めちゃくちゃ疲れているときや、海が荒れて船体が大きく揺れるときなどは、筆者は2等カーペット席でしっかり睡眠をとります。
船が揺れているときはカーペット席が最強
船が揺れているときは、「寝た者勝ち」です。
船酔いになる前に眠ってしまえば、船酔い問題を回避できることもあります。
「はやぶさⅢ」の消音設計によりエンジン音が抑えられていますが、ほかの乗客と同じ空間になるため多少の生活音はあります。
気になる方は耳栓を持参することをおすすめします。
人気な席なので早めの確保
注意点として、2等カーペット席は人気のエリアです。
追加料金なしで利用できることもあり、やはり「横になって休みたい」という方が多く、乗船後、すぐに満席になってしまうことも珍しくありません。
「利用したいな」と思ったら、できるだけ早く場所を確保しておくのがおすすめです。
2等椅子席

窓側に向いたカウンター席やリクライニング席があり、PC作業をしたい方や、海を眺めていたい方に最適な席です。
筆者が主に利用しているのも、この2等椅子席です。
なぜなら、「美しい海を眺めながらパソコン作業ができる特等席」だからです。
これ以上ない環境で仕事ができるのは、フェリー旅ならではの魅力だと感じています。

しかも電源コンセントがあるので、モバイルバッテリーなどを持参する必要がありません。

仕事に疲れたときは、後ろにはリクライニングシートでゆったり休憩することもできますよ。
ただし注意点として、オーシャンビューの席でパソコン作業をしていると肩が凝りやすいことがあります。
椅子が固定されているため位置を調整できないことや、テーブルの高さが少し合わないこと(筆者個人の感想です)が原因かもしれません。
そのため筆者は、1時間作業したら10分休むなど、リフレッシュしながらノマドワークを楽しんでいます。
はやぶさⅢのシャワー
ここが本記事で最もお伝えしたい「キャンピングカー乗りへのアドバイス」です。
無料で利用できるシャワーが最高
「はやぶさⅢ」を含む青函フェリーの船舶には、なんと無料で自由に利用できる男女別のシャワー室が完備されています。
高速道路で鹿児島を目指す今回の旅では、とても嬉しいサービスです。
約4時間の航海中に汗を流せるこのシャワーは、下船後の夜間運転に向けた最高のリフレッシュにもなります。
フェリー時間を有効に使うという意味でも、ぜひおすすめしたい船内設備です。
シャワー室の設備

写真は、以前乗船した同型船「はやぶさⅡ」のシャワー室です。
はやぶさⅢのシャワーブースは、男性用が4室、女性用が2室あります。
設備は新しくて清潔感があり、脱衣スペースも十分に確保されています。
筆者のおすすめポイント
筆者が特に気に入っているポイントは、シャワーの水圧の強さです。
水量をMAXにするのをためらうほどの強い水圧で、とても気持ちよく浴びることができます。
まるで軽いマッサージを受けているような感覚になるほどで、チョロチョロとした弱いシャワーが苦手な筆者にとっては、この強烈なシャワーは特筆すべき設備だと感じています。
ドライヤーを忘れずに持参しよう
ただし、利用する際にはいくつか注意点があります。
先ほども書きましたが、シャワー室には、シャンプーやボディーソープなどのアメニティの備え付けがありません。
また、筆者が確認した限りでは、船内にアメニティ販売機なども見当たりませんでした。
そのため、
・タオル
・シャンプー
・ボディーソープ
・ドライヤー
などのシャワーセットは、事前に自分で持ち込むのが鉄則になります。
また、出航後は混み合う可能性があるので、時間をずらして利用することをおすすめします。
約4時間の過ごし方~Wi-Fi環境と休息術~

函館から青森までの航海時間は約3時間50分。
この時間をどう使うかが、旅の質を左右します。
そこで気になるのが、船内でのインターネット環境ですよね。
航行中のネット事情
函館フェリーターミナルを出航してからしばらくすると、スマホの通信は徐々に弱くなり、ほとんど通信できなくなります。
その後、青森フェリーターミナルに近づくにつれて、徐々に電波が回復してくるという流れです。
※通信事業者により多少の違いあり
無料Wi-Fi「青函フェリーお気軽FREE Wi-Fi」を活用
航行中の通信環境が心配な方も多いと思いますが、船内には無料Wi-Fi「青函フェリーお気軽FREE Wi-Fi」が用意されています。
ただし、利用には1回30分、1日4回までという制限があります。
そのため、最大でも2時間程度しかインターネットを利用できません。
とはいえ、船内で安定した通信ができるのは嬉しいポイントです。
事前に、スマホやタブレットに好きな動画や電子書籍をダウンロードしておくなど、「Wi-Fiに頼らない楽しみ」を準備しておくのがおすすめです。
青森上陸~本州の約2,000kmのスタートラインへ
フェリー旅の終わり

14:35に函館を出航したはやぶさⅢは、定刻の18:25に青森フェリーターミナルへ到着しました。
夕闇に包まれた青森の街が見えてくると、いよいよ「本州攻略」が始まるという現実が見えてきて、徐々に実感が湧いてきます。
車両甲板へ戻り、愛車クレアのエンジンを始動。

係員の誘導に従い、ゆっくりとフェリーから青森の大地へ降り立ちます。
まずは青森フェリーターミナルからほど近い青森ICへ向かい、東北自動車道に合流。
岩手方面へと南下し、次なる目的地を目指しました。
まとめ~なぜキャンピングカー乗りは青函フェリーを選ぶのか~
津軽海峡を横断するフェリーは「青函フェリー」と「津軽海峡フェリー」の2社があります。
その中で、筆者が青函フェリー「はやぶさⅢ」を選ぶ理由はこちらです。
【①コストパフォーマンス】
前述の通り、「青函フェリー」と「津軽海峡フェリー」と比較すると運賃がリーズナブルなのが大きな魅力です。
筆者の場合、豪華な設備よりも
・割安な価格
・確実に移動できる
・しっかり休める環境
という点を重視して、青函フェリーを選んでいます。
【②はやぶさⅢの快適性】
2024年就航の「はやぶさⅢ」は、新しさ・静粛性・清潔感が抜群。
乗船時間と下船時間の都合が合う場合は、できるだけ「はやぶさⅢ」を選ぶのがおすすめです。
また今回紹介できませんでしたが、2023年就航の同型船「はやぶさⅡ」も快適な船旅を楽しめるので、こちらもおすすめです。
【③シャワーの存在】
かなり筆者の個人的なポイントですが、「はやぶさⅢ」の強烈な水圧のシャワーを楽しめるのも、旅の醍醐味になっています。
一度体験すると、きっとやみつきになりますよ。
【④ウィズペット旅】
筆者はペットを飼っていませんが、津軽海峡を渡るフェリーは、航行時間が短く、ペット連れの旅行でも利用しやすい航路として人気があります。
特に津軽海峡フェリーの大間〜函館航路は、乗船時間が約1時間30分と短く、船酔いの心配が少ないのも魅力です。
※注:船内にはペット専用設備がないため、航海中は車両内で待機となります。
自分に合ったフェリー航路を選んでいただき、楽しい北海道旅行(北海道の方は本州旅行)を楽しんでください。
この過酷な「釧路→鹿児島2,575km高速道路だけの旅」の全容は、YouTubeチャンネル「ちょぴこ北の暮らしch」で公開中です。
