梅雨が来る!キャンピングカーにもダニ予防・駆除策が必要? 看護師キャンピングカーオーナーが教える対処法
車旅や車中泊を快適に過ごせるキャンピングカーは、子ども連れのわが家にとっても日頃から欠かせないツールになっています。
しかし、人が快適に過ごせる環境はダニにとっての温床でもあり、しっかり対策していなければ気づかないうちにダニが大発生している可能性もあります。
特に高温多湿を好むダニは5月〜9月にかけて増殖すると言われており、人のフケや食べカスなどのダニのエサがたった1gあるだけで約300匹が生息できてしまいます。
特に愛犬連れで車旅や車中泊を楽しむご家庭は、ペットのいない家庭以上にダニが発生しやすくなるので注意が必要。
そこで今回は、ダニが与える人や愛犬への影響や刺された時の対策と共に、キャンピングカーのダニ予防や駆除対策を紹介していきたいと思います。
ダニが引き起こす、人や愛犬への影響は?
ダニといえば刺して痒くなるもの……というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、その他にもたくさんの悪影響をもたらし、最悪の場合死に至るケースもあるので油断大敵です。
ここではまず、ダニが人間や愛犬に与える影響と刺された際の症状や対策を解説していきます。
アレルギー性疾患の原因
アレルギーの原因になる物質をアレルゲンと呼びますが、ダニの死骸やフンもアレルゲンの一つです。
有名なアレルギー性の疾患は喘息や鼻炎、アトピー性皮膚炎などが挙げられますが、その原因がダニのケースも多々あります。
実際に筆者自身もアレルギー体質で、アレルギー検査を実施したところ食品や薬品以外に「ダニの項目」でも引っかかりました。
また、普段はアレルギー性の疾患がなくてもダニが侵入した調味料や粉物などの食品を食べてしまうことで重篤なアレルギー症状が起こる可能性もあります。
その症状としては、呼吸困難や喘息、全身のじんましん、顔面紅潮、むくみ、血圧の低下などを引き起こし、 最悪の場合は命を落とす危険性もあり注意が必要です。
万が一そのような症状が起きた際は、速やかに病院を受診し、緊急性が高い場合は救急要請を行ってください。
感染症
細菌やウイルスなどの病原体を保有するダニに咬まれると、さまざまな感染症を引き起こす可能性があります。
特に日本で注意しなければならないのが、脳炎や日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
これらを引き起こす細菌やウイルスを有するマダニに噛まれた場合の潜伏期間は2〜2週間と疾患によってさまざま。
症状としては、38度以上の発熱や嘔吐・下痢、食欲低下などがあり、有効な薬剤やワクチンがなく、最悪の場合は死に至ることもあります。
また愛犬が刺されるケースも多く、その場合は貧血や皮膚炎、ダニまひ症などの危険性もあり、重篤化すると死に至る可能性もあり注意が必要です。
しかし万が一マダニに刺されたとしても、焦りは禁物。
吸血しているマダニを無理に取るとマダニの体内の病原体を逆流させてしまったり、マダニの口が皮膚の中に残ってしまったりする可能性があるので、殺さずに医療機関で適切な処置を受けることが大切です。
皮疹
家や車内にいる一般的なダニに刺された場合、赤いブツブツや強い痒みを伴う皮疹が現れます。
症状が強ければかゆみが長引いて、長ければ完治するまでに1週間から10日程度になることもあります。
痒みに耐えられず激しく患部を掻いてしまった場合、「とびひ」のような皮膚炎を起こしてしまう可能性もあり注意が必要です。
ダニに刺された際は出来るだけ早く患部を洗い流し、その後に虫刺され用の薬を塗ると効果的です。
塗り薬の成分としては抗ヒスタミン(かゆみ止め)や炎症を抑えるステロイド外用剤などを含むことがほとんどですが、患部の状態や皮疹の程度に合わせて薬を選ぶことが大切です。
もし、どのような薬を塗れば良いか分からない方は事前に薬局などで説明を聞いてから塗り薬を購入しておきましょう。
塗り薬を数日使用しても改善しない場合は、皮膚科へ受診して、症状に合った外用薬を処方してもらうことも大切です。
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