セカンドハウスtop

セカンドハウスが欲しかった私が、最終的にキャンピングカーを選ぶまで



57歳となり妻と2人暮らしになった今、もっぱら私の頭を悩ませるのは「これからのセカンドライフをどう過ごそうか」という、とても楽しい問題です。

前々から「どこか違う町で暮らしてみたい」と思っていたのですが、そのために候補に挙がったのが、セカンドハウスとキャンピングカー。

最終的には、すでに10年も乗り続けているキャンピングカー(キャブコン)を選んだのですが、そこに至るまでの経緯などをご紹介したいと思います。

定年目前で、急にセカンドハウスが欲しくなる


自宅

定年まであと3年というある日、急にセカンドハウスが欲しいと思うようになりました。

薪ストーブや広いウッドデッキがある田舎の家で、時間がゆっくりと流れる、のんびり穏やかな暮らしをしてみたいと感じたのです。

現在住んでいる家とはまた違う、少し不自由でも生活感がない暮らし。そんな暮らしに憧れて、田舎の実家の土地にセカンドハウスを建てる計画が頭によぎりました。

家の雑誌や書籍

さっそく調べてみると、セカンドハウスにも住宅ローンや控除が適用されるのですね。それに、最近は金利が大幅に下がり、1%を切る低金利のローンもたくさん出ているとのこと。

それでますます、「いっそのこと、お金を借りてセカンドハウスを建ててみるのも良いのでは?」という思いが強くなりました。

各ハウスメーカーをまわって色々な情報を得ていくうちに、どんどん妄想の世界にのめりこんでいきます。もうセカンドハウスを建てる気が満々。ハウスメーカーとの話も進めていきました。

本当にセカンドハウスがベストな選択なのか?


キャンピングカーでバーベキュー

しかし、いざ家を建てるという段階で、「キャンピングカーは一体どうすれば良いのだろう?」という素朴な疑問を抱いたのです。

それを発端に、それまでベストだと信じていた「セカンドハウスを建てる」という選択肢そのものに対して、「アレッ?」と感じ始めました。

今住んでいる家を貸し出し、これから経てるセカンドハウスに移住するのは、ソーラー発電を行って光熱費などを抑えられればそこまで難しくはありません。

住宅ローンに関しても、自宅を建てた当時に比べて金利が約4分の1に下がっているため、ほぼ借入金を返すだけで良いくらいです。

しかし、よくよく考えてみると、いくら低金利とはいえお金を借りることに変わりはなく、将来、約2000万円から3000万円を返済していかなければいけません。税金以外に、次のような維持費もかかります。

1.生命保険料

ローン返済中に死亡したり重度障害になったりした場合、返済を肩代わりしてくれる「団体信用生命保険」に加入する必要があります。

2.火災保険料

ローン返済中の建物が火災によって担保価値を失った時に支払われる保険です。10年分をまとめて支払うのが一般的です。

3.交通費

セカンドハウスに通う頻度が高いほど、それだけ交通費はかさみます。現地で柔軟に移動するため、車も欠かせません。そのためのガソリン代や高速道路料金の試算が必要です。

4.通信費

地方は電波が弱いため、Wi-Fiなどの通信環境を整えなければいけません。

5.共益施設負担金

居住区域内の道路や汚水処理施設などの整備に必要な費用です。

6.管理費

定期的な清掃などを管理清掃会社に委託する場合、必要になります。

7.温泉使用料

セカンドハウスに温泉が引かれている場合に支払います。

8.借地料

セカンドハウスが借地にある場合に必要です。

9.上下水道料

水道を使っても使わなくても、基本料金は発生します。

10.電気基本料

水道と同じく、使用していなくても基本料金がかかります。

11.ガス基本料

会社にもよりますが、水道と電気のように基本料金が発生することがあります。

12.固定資産税

土地や家屋にかかる税金です。

13.都市計画税

住民票がないセカンドハウスにもかかります。ただし、都市部でない地域にはかからないことも。

これらの維持費がかかる上に、そもそもセカンドハウスが自宅より素晴らしいという保証もないのです。手入れをしないとあっという間に草ボウボウになるので、「行ったら真っ先にするのは草刈り。これで週末が終わってしまった」という話もよく聞きます。

地域の人となじめるか、疎外感を抱くことはないかも心配です。それに、田舎で暮らすとなると、不便を楽しむくらいの気概でいないといけません。

自宅の工作室

それに、今住んでいる築28年の注文住宅は特に問題はありません。自分の暮らしをエンジョイできる空間が、すでにそろっているのです。それを手放すのはいかがなものなのか……。

キャンピングカーの方が適しているのではと再認識する


そういったことを改めて認識すると、「自分はいったい何をしたいんだろう」と思うようになりました。

そもそも自分のやりたいことは、DIYや手軽にできるアウトドア、そしていろいろな地域の風情を感じながら旅をすることです。

それならば、キャンピングカーでこと足りるのでは。むしろ、キャンピングカーのほかに選択肢はないのでは。そう思うようになりました。

自然の中停まったキャンピングカー

セカンドハウスは、普段の暮らしから離れてゆったりとした生活を送れるのが大きな利点です。都会では実現できない野菜づくりや趣味などを本格的にできるのもメリットでしょうか。それに、地域の方と交流を楽しみながら、安定した日常生活を過ごせます。

キャンピングカーの利点は、行ったところが別荘地になるということ。そこが気に入らなかったら移動すれば良いし、場所にもよりますが、そこが気に入れば長期滞在も可能です。人間関係を考える必要もありません。その季節ごとに変わる土地の魅力を感じることもできるでしょう。

オートキャンプ場に停まったキャンピングカー

アウトドアをしたければ、気軽にキャンプ場も使えます。車検代、自動車保険料、自動車税、滞在費、燃料代、食費といった経費と維持費も、セカンドハウスに比べるとオトクです。

キャンピングカーは住むための車ではありませんが、3泊目あたりから「ここで生活している」という実感が生まれるのは確かです。

それならば、「どこか違う町で、非日常を味わいながら穏やかな暮らしをしてみたい」という希望は、キャンピングカーで叶えられるのではないでしょうか。

走行中のキャンピングカー

それに、数か月にわたるキャンピングカーライフを送ることは、以前からどうしてもやり遂げたい夢でもありました。

キャンピングカーで日本一周を成し遂げている中で、私はまだできていません。全国津々浦々、あちこちキャンピングカーでまわりたいと思ってはいましたが、なかなか退職もできず長期休暇もとれずで、大きな旅行は不可能だったからです。

そういったことから、セカンドハウスを建てるよりも、キャンピングカーで「暮らすこと」と「旅すること」を両立する方が良いという結論に達しました。

まとめ


セレンゲティ

セカンドハウスも捨てがたいのですが、コストの面でも優れており、以前からの夢を叶える良いきっかけにもなることから、私は最終的にキャンピングカーライフを選ぶことにしました。

それに、どんなにきれいな景色でも毎日見ていると飽きてしまいます。移動できる方が楽しいという単純な理由からも、キャンピングカーに乗り続ける方が良いと感じました。

キャンピングカーを「動くセカンドハウス」として、行きたい場所、いたい場所で、その地域ごとの風情を感じながら過ごしていきたいと思います。

妻と一緒に、いろいろな景色や体験を共有していきたいですね。