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【レンタルキャンピングカー試乗】カムロード乗りが別のキャブコンに乗ってみた!

アラモ全体像top

普段からキャンピングカーに乗っていても、自分のキャンピングカー以外のモデルを運転する機会は意外と少ないのではないでしょうか?

筆者はトヨタ・カムロードベースのヨセミテ・スポーツに乗っています。

しかし、それ以外のキャンピングカーは数台を運転したことがある程度。

今回、たまたま北海道千歳市にある「NEXT LIFE 新千歳レンタルキャンピングカーセンター」さんのレンタルキャンピングカー「アラモ」に乗る機会を得たので、その装備や乗り心地などを自分が所有しているヨセミテ・スポーツとの違いも含めてリポートしました。

購入する前に、まずはレンタルキャンピングカーを試してみたいという方にも、参考になると思います!

AtoZ製のキャブコン「アラモ」の概要


いすゞのキャンピングカー専用シャーシ「ビーカム」ベース




筆者の住む北海道の空の玄関口・千歳市にある「NEXT LIFE」の「新千歳レンタルキャンピングカーセンター」に北海道がハイシーズンになる2022年5月から9月までの期間限定の予定でやってきた埼玉県春日部市に本店があるキャンピングカービルダー・AtoZ製の「アラモ」。

国産のキャンピングカー専用ベース車としては、筆者も乗っているトヨタのカムロードがよく知られていますが、「アラモ」はいすゞのキャンピングカー専用ベース車ビーカムが使われています。

ビーカムは2~3トンの小型トラック国内販売台数21年連続日本一のエルフをベースにしたキャンピングカーベース用のライトトラックで、ある意味、筆者の愛車であるカムロードのライバルともいえる車両。

一度、乗ってみたいとは思っていたのですが、なかなかその機会に恵まれずにいました。

そんな筆者に「NEXT LIFE 新千歳レンタルキャンピングカーセンター」さんが、試乗の機会を与えてくれたわけです。

まずは外観から紹介していきます。

AtoZ「アラモ」の外観について


窓も多く、まさにキャブコンといった出で立ち


キャブコン

まずは正面から、典型的ないわゆるキャブコンといった外観です。

クルマの正面には「ISUZU」や「ELF」の表記はなく「Be-cam」のバッチがあるのみ。

シンプルなデザインがいい感じです。

今回、試乗した「アラモ」は2019年に発売された最新型のビーカムのひとつ前のモデルがベース。

全長が約499cm、全幅が約201cm、全高が約312cmと、サイズ的には普段筆者が乗っているカムロードベースのヨセミテ・スポーツ(全長495cm、全幅204cm、全高293cm)とほぼ同じ。

また、エンジンについても3,000ccディーゼルターボとこちらもほぼ同じ仕様。

大きな違いとしては「アラモ」は2WD(二輪駆動)で、筆者のヨセミテ・スポーツは4WD(四輪駆動)といったところでしょうか。

キャブコンの背面

背後からみたところ。

車両の天井の上に乗っているのは、専用オプションであるクーラーの室外機になっています。

また、最後部は2段ベッドになっており、それぞれの段に二つずつ窓が付いているので、明るく開放感が感じられました。

キャブコン

左サイド、キャビン部分への出入口があります。

運転席の頭の上になるバンクベッドにも窓があり、こちらもしっかりと明るさが確保できていました。

屋根の上にはサブバッテリー充電用のソーラーパネルも設置されています。

消費電力の多い電化製品も多く搭載しているので、ソーラーパネルはうれしいところです。

乗車定員は7人で、就寝定員は大人4人+子ども2人。

キャブコンらしく広いスペースが確保されています。
次のページ▷ ビーカム向けの車載用クーラーも装備「アラモ」の内装をご紹介!気になる走り心地は?


AtoZ「アラモ」の内装について


エアコンに、電子レンジも搭載した充実装備


エアコン
筆者が「アラモ」の内部装備でいちばんうらやましく思っているのがクーラー

いまどきのキャンピングカーの装備で「クーラーなんて珍しくない」と思う方も多いでしょう。

しかし、ビーカムベースの「アラモ」に搭載されているクーラー「i-Cool」はビーカム向けの車載用クーラー。

家庭用をキャンピングカーに搭載しているものとは違い、24V直流電源で駆動し、振動にも強い、しかもバッテリーの消費が小さく済むというスグレモノです。

専用のオプションなので高価という弱点はありますが……。

憧れの装備といえるでしょう。

試乗を行った時期は、まだ北海道は寒く、クーラーのテストという気温ではありませんでした。

しかし、夏場には本当にうらやましい装備です。

電子レンジ

ギャレーの上部スペースに設置された電子レンジ

筆者のヨセミテ・スポーツには電子レンジはないので、かなりうらやましい。

電子レンジがあるだけで、キャンピングカー内での調理の幅が大きく広がることは間違いありません。

使い勝手を考えた各部のレイアウト


車内レイアウト

「アラモ」キャビンの4人掛けダイニング。

チェアもしっかりとしており、広々と使えます。

全高が約312cmのキャブコンですので、室内では立ったまま快適に移動が可能。

余裕の広さといえるでしょう。

車内での食事もかなりゆったりと楽しめそうです。

車内の写真

写真ではちょっとわかりづらいかもしれませんが、運転席と助手席の上にあるバンクベッドは、使っていないときに上に跳ね上げておける構造

運転時の閉塞感が軽減され、とても気持ちがいいのです。

この装備も筆者のヨセミテ・スポーツにはないので、うらやましく感じました。

ちなみに写真の左側に写っていますが、テレビもしっかりと搭載されています。

右側にはFFヒーターのコントローラーが。

「i-Cool」は冷房のみなので、暖房はFFヒーターです。

キャンピングカー入口

冷蔵庫はキャビンのドアの横に配置されたタイプ。

このレイアウトだと、キャンピングカーの外でバーベキューなどを行っているときに、いちいち靴を脱がなくても冷蔵庫内の冷えた飲み物などをすぐに取り出せるのが魅力。

適度な大きさが確保されており、使い勝手もよさそうです。

コンパクトで機能的にまとまったギャレースペース。


ギャレースペース

窓が設けられているので、外の景色を眺めながら調理ができるのもいいと思いました。

屋根が高いキャブコンタイプなので、しっかりと立ったまま調理ができるので快適です。

ギャレースペース

いちばん後ろのスペースは、2段ベッドになっています。

おかげで就寝定員は大人4人+子ども2人の計6名。

画面左のドアを開けるとマルチルームになっています。

全体のレイアウトは筆者のヨセミテ・スポーツとほぼ同じ、かなり一般的なものですが、荷物などがないせいもあり、かなり広々と感じました。

AtoZ「アラモ」運転してみた印象は?


カムロードベースとはまったく違った乗り心地


運転席

筆者が普段乗っているヨセミテ・スポーツはひとつ前(モデルチェンジ前)のカムロードがベース。

エンジンは3000ccのディーゼルターボで駆動系は4WDです。

これに対して、今回実際に走らせてみたAtoZの「アラモ」は同じ3000ccディーゼルターボで駆動系が2WD、こちらもひとつ前のビーカムがベース。

トランスミッションはヨセミテ・スポーツが一般的なAT(オートマ、オートマチック市ランスミッション)に対して、「アラモ」はスムーサーExというセミATを搭載しています。

筆者は基本的にあまりスピードを出さないので、ヨセミテ・スポーツでパワー的な不満を感じることはないのですが、少し腰高というか、足回りがやわらかいというのか、安定感が低く感じることがやや不満でした。

これに対して「アラモ」はやや重心が低く、安定感があります

この点は、とてもうらやましいと思いました。

おかげで走行時の不安定感が小さく、運転する人間としては安心感があります。

ただし、スタート時の加速感がやや弱く、セミATのスムーサーExのギアチェンジのタイミングなどは慣れの問題もあるのでしょうが、ぎこちなく感じる部分もありました。

「同じようなトラックなのに、こんなに違うんだ!」と驚くほどの差が感じられますので、ぜひ一度体験していただきたいです。

まとめ


キャンピングカー選びに悩んだら、レンタルしてみるのも◎


助手席

普段からキャンピングカーに乗っている筆者でも、自分のキャンピングカー以外が運転するチャンスは意外とありません。

しかし、実際に運転してみるとキャブコンやバンコンといった違い以外に、今回のようにベース車が違うだけでまったく印象が違うということもあります。

しかも運転する人の好みや、どのようにキャンピングカーを使うかによっても、選択肢は異なってくるのではないでしょうか。

そのため、キャンピングカーの購入で悩んだら、検討している車種やそれに近いものをレンタルで実際に使ってみるのもおすすめです。

乗ってみたら、やっぱり想像と違ったということもあると思います。

今回、試乗した「NEXT LIFE 新千歳レンタルキャンピングカーセンター」さんの「アラモ」は2WDということもあり、北海道でレンタルされるのは夏シーズンのみ

しかも「i-Cool」が装備されているので、多少暑くなっても、夏休みの北海道を楽しむには最高でしょう。

高さがあるので「大き過ぎる」と感じる方も多いようですが、実際に乗ってみると全長5m程度のキャブコンはちょっと慣れると、意外と扱いやすいです。

バンコンか、キャブコンかを悩んでいる方は一度はキャブコンも運転してみることをおすすめします。

齋藤千歳

北海道千歳市在住・フォトグラファーライターです。 新しいカメラ・レンズを見ると解像力などのチャートを撮影したくなり、新しいガジェットを手に入れるとレビューを書きたくなるという性癖をもっています。 北海道の自然・風景を撮影することが目的ではじまった車中泊をより快適にできるように、さまざまなアイテムを購入するのが目下の趣味です。 ぼろフォト解決シリーズというカメラ・レンズ関連の電子書籍の出版者でもあります。