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【車中泊歴10年看護師実践】晩夏〜秋にかけて起こりやすい車中泊旅でのトラブル対策

楽しい秋の車中泊に潜むトラブルと対策
秋は1年の中でも過ごしやすく、車中泊初心者にもおすすめな季節です。
筆者も子どもたちと車中泊をしながら、紅葉や秋のグルメ・温泉などを楽しんだり、各地域の観光スポットを巡ったりと毎年秋を堪能しています。
しかし楽しい秋の車中泊では、体調を崩しやすく虫や花粉・ハウスダストなどの問題や、渋滞や台風によるトラブルなどに見舞われてしまう可能性があります。
そこで今回は、晩夏〜秋にかけての車中泊に潜むトラブルと、車中泊歴10年の看護師である筆者が実践している対策についてご紹介していきます。
車内の温度管理と体温調節対策
秋も熱中症対策を!
過ごしやすい秋の天候でも、日差しが強い日にエアコンを消して車内を閉め切った状態にすると、車内温度はどんどん上昇して、車内温度はあっという間に40度を越えて最高50度以上まで達するといわれています。
そのため、秋の車中泊では夏同様の熱中症対策が必要不可欠です。
対策としては、車中泊する場所を標高の高い場所にしたり、電源付きサイトを利用して室内(ポータブル)エアコンを利用したり、駐車中は日差しを遮るために遮光シェードを利用して常に車内の換気をするなど、車内の温度管理対策が必要です。
詳しい熱中症対策はこちらを参照▷夏の車旅は“熱中症”に注意!看護師が教える『車中泊の暑さ対策』
夏に引き続きポータブル電源の車内放置はNG

涼しい秋のシーズンに油断してしまうのが車中泊に便利なポータブル電源の管理です。
ポータブル電源は夏だけでなく、秋も車内の温度や直射日光によって故障や発火などの原因となってしまうリスクがあります。
そのため、日中はエアコンの効いていない車内に放置したり、直射日光に当てたりしないように注意して、涼しい場所で保管することが大切です。
朝晩の気温差が激しい秋の車中泊では重ね着や小物を使った体温調節の対策を!

晩夏〜秋は1日の中での気温差が激しく、日中は暖かくても朝晩が冷え込みやすいので、風邪をひいたり何かと体調を崩しやすくなったりしてしまいます。
そのため秋の車中泊では、室温に合わせて衣服を調整できるように複数枚洋服を準備して、すぐ脱ぎ着しやすいマフラーやブランケットなどの小物を準備しておくのがおすすめ。

特に体温調節が苦手な小さな子どもの場合は、昼間にかいた汗が冷えてしまうことが多いので、肌着は速乾性に優れたものを着用して、冷える夕方頃に着替えさせてあげると安心です。
次のページ▷▷▷【秋は過ごしやすくアウトドアには最適!しかし注意することも!】
秋はスズメバチやムカデが活発になる時期!害虫に刺されないための対策と、刺されてしまった時の対応
スズメバチ

秋は冬眠に向けて全てのムカデの活動が活発・攻撃的になるので注意が必要です。
秋はアウトドアや紅葉狩り、山登りなど自然の多い場所に出かける機会が増えますが、その際に注意して欲しいのがスズメバチです。
晩夏〜秋はスズメバチの最盛期を迎えて、1つの巣だけで1000匹を超えることも多く、女王蜂を守るために働きバチが攻撃的になりやすい時期となっています。
攻撃性の高いスズメバチの場合、1匹から何度も刺されてしまう危険性があるので十分な対策が必要です。
スズメバチに刺されないための対策
・黒色の衣服や帽子の着用を避ける
・人工的な香りがする香水や整髪料を避ける
・蜂を見つけても大きな音や激しい動作をせず、身をかがめながら静かにゆっくり歩いてその場を離れる
・体に蜂が止まった場合でも振り落とさずに、体を傾けて落とす
・ジュースやお菓子などは置きっぱなしにはせず、封をしっかり閉じる
スズメバチに刺された時の対応
①静かにゆっくりその場を離れる
②できるだけすぐにポイズンリムーバーで毒素を吸い出す
③流水で患部をすすぐ
④濡れたタオルなどで冷やして安静にする
⑤抗ヒスタミンを含むステロイド軟膏剤があれば塗布する
⑥できるだけ早めに病院を受診する
※スズメバチの毒素による以下のようなアレルギー反応が出た場合は、迷わず救急車を要請して下さい
【スズメバチによるアレルギー反応】
・蕁麻疹、全身の浮腫
・息苦しさ
・吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
・頭痛、めまい
・意識がもうろうとして歩けない、意識消失
・痙攣
親ムカデ・子ムカデが攻撃的に!
ムカデの活動時期は5月〜11月頃までですが、春に生まれたムカデは秋に親離れをして自分で餌を取れるようにまで成長します。
小型のムカデは土の中で生息し、大型になると落ち葉の下や草むら・石の下に隠れていることが多く、秋は冬眠に向けて全てのムカデの活動が活発・攻撃的になるので注意が必要です。
ムカデに刺されない為の対応
・落ち葉拾いの際は軍手を付ける
・サンダルは避けて靴を着用する
・車中泊の際はムカデ避けスプレーや固形物を車の周囲に散布したり、置いておく
・食べ物を外に置きっぱなしにしない
・蓋付きのBOXや容器は開けっぱなしにしておかない
ムカデに刺された時の対応
①トゲが刺さっていればピンセットなどで抜く
②できるだけすぐにポイズンリムーバーで毒素を吸い出す
③流水で患部をすすぐ
④抗ヒスタミンを含むステロイド軟膏剤があれば塗布する
⑤痛みや腫れが、症状が酷ければできるだけ早めに病院を受診する
※ムカデの毒素もスズメバチ同様にアレルギー反応が出る場合があるので、吐き気や血圧低下・失神発作・呼吸困難等でた場合はすぐに救急車を要請しましょう。
秋の花粉症対策

花粉症といえば春のイメージが強いと思いますが、秋にもブタクサやヨモギ・カナムグラ・カモガヤなどの花粉が飛散して花粉症を引き起こす可能性があります。
特に、ブタクサやカナムグラ・ヨモギの花粉はスギやヒノキに比べると粒子のサイズが小さく、花粉が気管支まで入り込んで喘息のような症状や咳、喉の痛みがでやすいことが特徴です。
秋の花粉症の原因となる草木は、スギなどの樹木に比べて花粉が遠くまで飛散することが少ないので、花粉症になる原因の植物に近づかないことがまず大切です。
しかし花粉症の原因となる植物のほとんどが歩道の端や空き地、河川敷など身近に広く分布しているので、春の花粉症と同じように以下の対策を行うと安心です。
花粉症対策
・花粉症がひどい時や疑いがある時は病院を受診しておく
・マスクをつける
・花粉が洋服や髪の毛に付きにくいように、ツルツルとした素材の服や帽子を着用する
・花粉ブロックスプレーを使用する
・体調を整えておく など
※詳しくはこちらの記事を参照▷【現役看護師が教える】子供や愛犬にも車中泊での花粉症対策を!
ハウスダスト対策

秋になると外出していないのに鼻水やくしゃみ、喘息のような咳が出る場合は「ハウスダストアレルギー」の可能性があります。
ハウスダストは室内にたまるホコリのことで、ダニの死骸やフン、カビなどが含まれます。
ダニは春から夏にかけて繁殖して秋になると死滅する特徴があるので、ハウスダストアレルギーがある場合、秋になると症状が悪化しやすいので注意が必要です。
わが家も私と長男がハウスダストアレルギー保有者で、私は喘息や鼻水が出やすく、長男は蕁麻疹のような皮膚症状が現れます。

キャンピングカーはダニの死骸やカビが発生しやすい環境なので、わが家では晩夏〜秋にかけて車内の清掃やハウスダスト対策が欠かせません。
秋になると鼻水や喘息様の咳が増える方や皮膚が弱い方、小さなお子さんがいる場合はぜひ以下の対策を試してみてくださいね。

キャンピングカーのハウスダスト対策
・車内を粘着シートや掃除機、雑巾などでこまめに掃除をする
・寝具や座席カバー・クッションなど布製品のお手入れをする
(定期的に洗濯・乾燥し、布団乾燥機を使用した場合は掃除機でダニの死骸やフンを除去する)
・空気洗浄機を設置する
・こまめに換気をする
・病院で抗アレルギー薬を処方してもらう など
野生動物対策

紅葉狩りや登山・キャンプなど、自然を満喫できる秋のアウトドアでは野生動物との遭遇にも注意が必要です。
筆者自身も車中泊やアウトドアを初めてから約10年間で、イノシシ・シカ・キツネ・タヌキ・ヘビ・サルに遭遇したり見かけたことがあります。
秋の野生動物は冬眠に向けて攻撃的になりやすいケースもあるので、野生動物に対する対策もしっかり備えておくことが大切です。

野生動物への対策
・人の気配のない場所での車中泊は避ける
・外に食べ物を出しっぱなしにしない
・車のドアを開けたまま寝ない
・単独で行動しないようにする
・夜間にトイレなどで車内を離れる場合はライトを付ける
・野生動物を見つけてもむやみに近づかず、走らずにゆっくりその場を離れる
・猿の場合は目を合わさない
行楽シーズンの渋滞対策

秋は観光地や行楽地、紅葉・果物狩りなどお出かけやドライブに最適なシーズンですが、紅葉狩りなど期間が限定されている場所や人気の観光スポットは渋滞が発生しやすいのが難点です。

せっかくの観光やお出かけも、目的地に着くまでに疲れてしまったり、観光する時間が少なくなってしまったりすれば「今度からはもういいかな…」とお出かけも躊躇しやすくなってしまいます。
わが家が行楽シーズンで実践している対策は以下となっているので、渋滞を回避したい方はぜひ試してみてくださいね。

行楽シーズンの渋滞対策
・駐車場台数の多い場所に観光しに行く
・休日を避けて平日に有給を取って旅行する
・シャトルバス運行など、渋滞回避対策を実施している観光地へ行く
・穴場な観光スポットに行く
・深夜もしくは早朝には出発しておき、目的地の駐車場が開く時間には到着しておく
・昼間の多い時間帯には避けて、朝か夕方・夜にかけて観光する
台風対策

行楽シーズンの晩夏〜秋は太平洋高気圧の勢力が弱まるので、台風が日本に上陸しやすい時期でもあります。
また9月〜10月は暖かく湿った秋雨前線が台風によって刺激され、台風から離れた場所でも災害級の大雨に見舞われてしまうことがあります。
そのため「台風は離れている場所にあるし、今は晴れているから大丈夫!」と安易に考えず、台風が日本に近づいてると分かった段階から以下のような対策をすることが大切です。

台風対策
・予定を延期、中止する決断をする
・海や川、山から離れた安全な場所に行く
・地域のハザードマップや避難場所の確認をする
・台風は離れているが、すぐに帰宅できない場合は全天候型RVパークなど安全な場所に駐車する
・ホテルに宿泊する
・車の給油は満タンにしておく
・駐車中はマルチシェードを窓につけておく
・車内に避難食や簡易トイレなど避難・災害用セットを準備しておく
まとめ
今回は観光や車中泊・アウトドアに最適な秋のシーズンに注意したいトラブルとその対策をご紹介しました。
油断しやすい秋シーズンですが、しっかりと事前に対策を行って家族全員が楽しい思い出となるような車中泊旅を過ごしてくださいね。