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【体験記】事前情報ほぼなし。EU外の未知の国セルビアで車中泊してみたら、いろいろ想像以上だった

EU外の未知の国セルビアで車中泊してみたら、いろいろ想像以上だった

キャンピングカーで暮らしながら、ヨーロッパを周遊している私たち夫婦。

気づけば旅も3年が経ち、これまでにヨーロッパ各国を巡ってきました。

その中で、25カ国目に訪れたセルビア。

これまでとは少し違う緊張感のある国でした。

車中泊の事前情報はほとんどなく、どんな旅になるのか分からないまま迎えた3日間。

実際に訪れてみて初めて見えてきた、セルビアの車中泊事情と国の印象をリアルな体験談を元にお届けします。

キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを旅する私たち


ヨーロッパの旅の風景

私たち夫婦は、「キャンピングカーで暮らしながら旅をしたい」という長年の夢を実現するため、2023年にヨーロッパでの旅をスタートしました。

イタリアで購入した中古のキャンピングカーには、ベッドやキッチン、トイレ、シャワーなど生活に必要な設備がひと通り揃っていて、コンパクトながら快適な生活を送れています。

車内でリモートワークをしながら、時間やルートに縛られず、その土地で”暮らすように旅する”のが私たちのスタイル。

ヨーロッパ各地を旅するうちに、気づけば3年目に突入。

これまでに訪れた国は24カ国にのぼります。

最西端のポルトガルから中央ヨーロッパ、さらに北極圏のノルウェーやフィンランドまで。

数々の国をキャンピングカーで旅してきました。

車中泊にも旅にも慣れてきた3年目。

「思い切ってさらに冒険しよう!」と決意し、キャンピングカー文化が比較的浸透している西ヨーロッパを離れ、バルカン半島や東欧など、情報の少ないエリアへ足を延ばすことにしました。

そして、25カ国目に訪れたのがセルビアです。

EU外の国で、キャンピングカー文化はまだ発展途上。

インターネット上にも車中泊に関する情報はほとんどなく、私たちの車中泊仲間の中でも旅したことがある人は1人もいませんでした。

それでも、情報がないからこそ、きっと新しい発見があって楽しいはず。

ドキドキとワクワクを胸に、セルビアへと入国しました。

セルビアってどんな国?




セルビア(セルビア共和国)は、東南ヨーロッパ・バルカン半島の内陸部に位置する国です。

ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、北マケドニア、コソボ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアと隣接しており、東欧と中欧の境目にあたる場所にあります。

セルビアの景色

セルビアはEU加盟国ではなく、シェンゲン協定の対象外。

そのため、EU圏を自由に行き来してきた旅人にとっては、国境越えの手続きや雰囲気が少し変わり、久しぶりに「異国感」を強く感じる国でもあります。

セルビアの景色

言語はセルビア語で、キリル文字とラテン文字の両方が使われているのが特徴です。

通貨はユーロではなく、セルビア・ディナールが使われています。

宗教はセルビア正教(東方正教会)が主流。

街を歩くと、ドーム型の教会やフレスコ画が印象的な修道院が点在しており、西ヨーロッパとは違った雰囲気の風景が広がっています。

セルビアは、かつて旧ユーゴスラビアを構成していた国のひとつ。

1990年代の紛争の記憶が比較的近く、場所によっては歴史の重みを感じる場面に出会うことがあります。

首都はベオグラード。

ベオグラード要塞や大聖堂など、歴史的建造物が見どころとなっています。

国境審査でドキドキ!セルビア入国のリアル


セルビアの入国審査

セルビアはEU非加盟国で、シェンゲン協定の対象外。

そのため、国境ではパスポートチェックを含む入国審査が行われます。

※シェンゲン協定とは、加盟国間であれば国境検査なしで自由に国を行き来できるという協定です。2026年現在では、29カ国が加盟しています。

私たちは、シェンゲン協定加盟国のルーマニアからセルビアへ入国したため、国境で入念な入国審査を受けました。

これまでの旅では、シェンゲン圏内の国々を移動していたので、国境審査を受けることなくスムーズに移動できていました。

そのため、ここにきて初めての国境審査。

厳重な車内チェックを受け、少し緊張した瞬間となりました。

国境ではまず入国審査が行われ、パスポートや車両登録証を提示します。

いくつかの質問を受けた後、キャンピングカーの車内チェックへ。

審査官が車内に入り、棚の中や収納スペースまで一つひとつ確認していきます。

想像していた以上にしっかりチェックされ、「いよいよEU外に来たんだな」と実感する瞬間でした。

国境審査、車内チェック体験を詳しくまとめた記事はこちら

また、国境越えで注意したいポイントや、安全に通過するためのコツについては、こちら

セルビアのキャンピングカー事情は?車中泊スポットはある?


セルビアのキャンピングカーインフラ事情


セルビアのRVパーク

セルビアは、フランスやドイツといったキャンピングカー文化が発展している西ヨーロッパ諸国と比べると、キャンピングカー向けのインフラはまだまだ発展途上です。

給水や排水、トイレ洗浄ができるダンプステーションや、RVパーク、キャンプ場などはいくつか存在しますが、国全体で見るとごくわずか。

しかも、これらの設備は都市や観光地周辺に集中しており、地方部では「設備付きキャンプ場自体が見つからない」というケースも珍しくありません。

また、西ヨーロッパのように、無料で自由に使える設備は、私たちが旅した限りでは見当たりませんでした。

車中泊できるキャンプ場の料金とコスト感


その一方で、有料のキャンプ場は比較的リーズナブル。

料金は1泊5ユーロから、高くて30ユーロ程度でした。(約900〜5,500円)

一部では無料で車を停めて車中泊ができるスポットも存在します。

こうした場所をうまく活用すれば、コストを抑えながら旅を続けることが可能です。

体感としては、都市部よりも田舎町や自然の中の方が安全で、落ち着いて車中泊できる印象でした。

車中泊スポットを見つけるのに使っている「Park4night」アプリの紹介記事はこちら

キャンピングカー旅人は少なめ。でも人はとても親切


セルビアの道路

セルビア全体としては、キャンピングカー文化がまだ広く浸透しているとは言えず、旅行者向けのサービスや情報はとても少なめです。

私たち自身も、旅の間に他のキャンピングカーを見かけることがなく、正直なところ少し心細さを感じました。

地元の人も、キャンピングカーそのものに触れる機会が少ない印象です。

とはいえ、差別的な態度を取られることはなく、むしろ興味を持って話しかけてくれたり、セルビアのおすすめスポットを教えてくれたりと、とても親切でした。

道中で出会った地元の人たちは、誰もが温かく迎えてくれました。

手付かずの自然を求めてセルビアの奥地へ


セルビアの自然

今回のセルビアの旅は、キャンピングカー向けの専用設備が少ないこともあり、滞在は3日と短めに設定しました。

その代わり、都心部へはあえて足を運ばず、のどかな自然が広がる田舎町や山間部を巡り、観光地化されていない、リアルな現地の暮らしに触れることに。

Stara Planina国立公園


Stara Planina国立公園

私たちが向かったのは、セルビア東部に連なる Stara Planina国立公園(スタラ・プラニナ)。

バルカン山脈の一部でもあり、山々と深い森が織りなす大自然が広がるエリアです。

ここには、Stara Planina Ski Resort(スタラ・プラニナ・スキーリゾート) というスキー場もあり、冬季にはウィンタースポーツを目的とした観光客で賑います。

Stara Planina国立公園

一方で、夏のシーズンは緑の斜面がどこまでも続き、山の風景とハイキングを楽しめる季節。

私たちが訪れたのは9月下旬で、他に観光客の姿はほとんどなく、静かな山の雰囲気を堪能することができました。

Stara Planina国立公園

せっかくなので、周辺をハイキングすることに。

静かな林道や尾根道が続き、見晴らしの良い丘を越えながら歩く時間は格別でした。

標高が上がるごとに視界が開け、遠くの山並みを一望。

Stara Planina国立公園

歩く人も少なく、手つかずの自然の中を、自分たちのペースで歩く感覚を味わうことができました。

静寂と星空に包まれた車中泊


Stara Planina国立公園の駐車場

この日は、スキー場の駐車場にキャンピングカーを停め、2泊の車中泊をしました。

設備は何もありませんが、とても広い駐車場で、オフシーズンということもあり、他に利用者はおらずほぼ貸切状態。

静けさと開放感を存分に味わい、夜になると頭上には満点の星空が広がりました。

都会ではなかなか味わえない、自然そのものの静けさを感じながら、のんびり過ごすことができました。

利用した駐車場のマップはこちら▽


地元の人たちにも温かく迎えてもらい、3日間という短い滞在でしたが、ここで過ごした時間は、心に残る静けさと大自然を感じさせてくれるものとなりました。

【まとめ】実際に旅してみたら、のどかな自然と人の温かさであふれる3日間


今回のセルビアの旅では、有名な観光地や首都をあえて訪れず、小さな田舎町や山間部、自然の中を中心に巡りました。

そのおかげで、ガイドブックにはあまり載らない、セルビアのリアルな暮らしぶりを間近で見ることができたように思います。

事前に車中泊やキャンピングカー旅の情報がほとんどなく、入国前は正直なところ不安もありました。

ですが、実際に旅してみると、出会う人たちは皆穏やかで親切。

道中で声をかけてくれたり、温かく迎えてもらえたことが、何より印象に残っています。

滞在は3日間と短いものでしたが、静かな自然の中で過ごした時間や、人とのささやかなやり取りは、想像以上に心に残る体験となりました。

「未知の国」というイメージだったセルビアは、旅を終える頃には、どこかホッとする、やさしい記憶の場所へと変わっていました。

情報が少ないからこそ、自分たちの目で見て、感じる価値がある。

そんな旅の良さを、改めて実感しました。

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!