【仕事に遊びにマルチに使える軽トラ用カーゴボックス】自遊空間Boo3「使い道は無限大」
せんえつながら私が自遊空間のBoo3のアンバサダーに就任したことは、こちらの記事で紹介させていただいたが、その「Boo3 + ハイゼットジャンボ」を使い始めてちょうど一月が経過した。
以前の記事はこちら:自由にアレンジできる軽トラキャンパーを何種類も作っているビルダー発見!【自遊空間、取材リポ】取材に行ったら驚くような結果に!
ドラレコなどは装着したが、まだ荷台(Boo3の中)を車中泊仕様にするなど手は加えていない。
あれこれ計画はしているが、まだ素の状態に近いままだ。
しかし、この中で3泊、いや家の庭でこの中に入ってグラスを傾けていたら寝落ちしたこともあったので4泊し、遊びにも仕事にも既にバリバリに使っている。
今回は、気持ちが新鮮で、自分仕様に手を加えていないうちに、素に近い状態のままのBoo3のご紹介と、1ヶ月使ってみて感じたことや使い心地などをレポートしたいと思う。
概要
Boo3は、簡単に言えば屋根のない軽トラの荷台をパネルバンのようにしてしまう金属製のハコだ。
ダイハツハイゼット、ハイゼットジャンボ、スズキキャリイやこれらのOEMなど、現行の一般的な軽トラに対応している(対応する車種や年式などについて詳しくはメーカーへ問い合わせを)。
キャンピングカーではないので中は至ってシンプルで、内装は何もない。
外観も至ってシンプルで、保冷車のようでもある。
と言うより、走っている姿を見たら、魚かパンかタマゴでも運んでいるのだろうと思う人も多いことだろう。
案外そういった外観が「いかにもアウトドア仕様」みたいでない普通っぽさも私は気に入っている。
そして、もちろんそういった用途に使うのにも向いている(保冷機能はない)。
移動販売車や、びっちりパーツや道具類を積み込んだサービスカーなどに仕立て上げるのも良い。
モーターサイクルや自転車のトランスポーターとしても使いやすそうだ。
作っている側は用途を何も限定していない。
使い方は使う側の発想次第。
自由で自遊なハコなのだ。
そして、この空間は荷物の運搬用としてだけでなく、快適な「部屋」を構築するのに最適な素材ともなる。
私の場合は、主にこれを車中泊や事務仕事をするための部屋として使い、SUPやカヤックの道具の運搬などの仕事にも使う計画だ。
パネルバンや幌車との違い
ところで、最初に「パネルバンのようにしてしまう金属製のハコ」と書いたが、なら最初からパネルバンを選べば良いじゃないとなってしまう。
そこで、Boo3の特徴を説明する上で、まずはパネルバンや幌車との違いなどを例に挙げて説明していこう。
一つ目の大きな違いは、Boo3は幌と同様で荷物扱いとなるため、車検証は無蓋の荷台の軽トラのままだ。
構造変更の届出などは必要ない。
構造変更をしていないから、戻そうと思えば比較的簡単に無蓋の軽トラに戻すこともできて(そうでなければ構造変更届を出す必要があるわけだが)、また、車両が寿命を迎えた際には逆に新しい車両にBoo3を載せ替えることも可能だ。
このどちらもパネルバンとして作られた車両ではできない芸当だ。
そして、防水性や耐候性に関しては幌より信頼性が高くて、パネルバンと比較しても遜色がなく、扉は施錠もできるため幌より防犯面でも安全性が高い。
パネルバンと幌車の中間のようであり、イイトコドリのようでもある。
そして、自動車メーカーがパネルバンと称して販売している軽のパネルバン(上の画像のようなタイプ)との二つ目の大きな違いは、このタイプのパネルバンはサイドがスライドアであるのに対し、Boo3は左右後3面全てが跳ね上げ式で、3方向全開できる点だ。
これについては、「使い勝手」の項目でまた説明するが、実際に使ってみるとこれが非常に便利で使いやすい。
さらに、このように3方跳ね上げ解放式になっていても、両サイドのアオリは開けられなくなってしまっているタイプもある。
しかし、Boo3は3面全てのアオリも開けることができるようになっている。
これもBoo3の大きな特徴で、使い勝手を大幅に向上させているポイントの一つとなっている(これについても後で説明する)。
軽さについて
重量についても大きなアドバンテージがある。
諸元表を見ると、ハイゼットのパネルバンは普通のハイゼットより120kg程重くなっているようだ。
また、VANボディーのハイゼットカーゴはグレードや装備によって当然ながら重量に差があるが、トラックのハイゼットより平均して100kgかそれ以上重い。
ハイゼットカーゴと基本的に同じ形でも装備の豪華なアトレー(車中泊などのレジャー用としてはこちらの方が人気が高い)はさらに重い。
それに対して、Boo3の重量は60kg程度だ。
重量の増加量はパネルバンやアトレーの半分程度で、パネルバンやアトレーより人1人分軽いことになる。
軽く非力な軽自動車にとって、この重量差も見逃せない大きなポイントだ。
内部空間の広さと利便性
VANも無駄のないクルマだが、VANと比較するとパネルバンはさらに四角くて空間に無駄がない。
しかし、豆腐のように本当に四角いBoo3はそのさらに上を行く。
写真ではもう一つ伝わりにくくて残念だが、実際この中に入って座ってみると、広々感は軽バンとは全く比較にならない。
また、長さも幅もハイエースやキャラバンの室内より当然狭い(室内高は標準ルーフと同程度)わけだが、長さではハイエースやキャラバンに敵わないとしても、壁が真っ直ぐに立っているせいか、幅はむしろ広いようにさえ感じてしまう。
そして、ハイゼットの荷台にはハイエースやキャラバンにはあって結構厄介者の、タイヤハウスの出っ張りがないのも大きなアドバンテージだ。
また、こうしてバモスと並べて後ろ姿を比較すると、車幅は同じはずなのに、一回り大きなクルマのように見えてしまうから不思議だ。
このように利点の多い「Boo3 + 軽トラ」だが、4名乗車のできる軽バンに対し、軽トラは2名しか乗車できない。
また、通常のパネルバンは荷室とキャビンが完全に分かれていているが、キャンパーに改造して販売されているパネルバンには、キャビンと荷室との間の壁をぶち抜いたものもある(しかし、そういった車両はビルダーが内装を架装していたりもするため、価格はそれなりに結構高額になっている)。
このような違いもあり、これらを弱点と感じられるかもしれない。
しかし、必要ない人にとっては、後部座席は無駄で重量を増加させるだけの代物となってしまう。
また、4名乗車ができないのはパネルバンも同じだ。
また、Boo3にはキャビンの後の窓が開けられるようになるオプションがある。
これを追加すれば、荷室側からキャビン内に置いた荷物を取り出したり(その逆も)、キャンビン内の冷気や暖気を送ることができる。
そして、ハイゼットパネルバンは運転席が直角背もたれタイプのキャビンとなるが、Boo3はハイゼットジャンボを選ぶこともでき、ジャンボならシートのリクライニングもできる。
手回品を置くことができて、シートをリクライニングさせられるこの空間の存在価値は非常に大きい。
そして、軽自動車はキャビンと荷室との間の壁がなかったとしても、ウォークスルーで前後移動できる程広いわけではない(少なくとも私の体格では無理)。
従って、壁がないのとジャンボ + オプションの開く後の窓で機能的には大差ない。
と言うより、窓は閉めることもできるのでこっちの方が便利とも言える。
ざっとBoo3の概要や特徴を説明するとこんな感じになる。
次に構造や材質について説明しようと思うのだが、その前に車検についての説明を少し加えておこう。
「Boo3は荷物扱いとなる」と書いた。
溶接などされておらず所謂ボルトンで取り外し可能で、重量も60kg程度であるため、余程運が悪くなければ、こういったシェルは装着したままでも大抵車検はパスする。
しかし、車検は絶対的な数字に表れる部分は別として、検査官の判断に個人差がないとは言えず(むしろ大いにあるという人も少なくない)、管轄の運輸支局(軽自動車は検査協会)によって解釈の仕方に違いがないとも言えない。
しかし、仮に装着したままでは車検にパスしなかったとしても、Boo3の販売店は現在全国各地に20店舗以上(現在さらに拡
近くの販売店で購入すれば、一人で途方に暮れるようなことにもならない(取扱店ならBoo3の脱着もできる)であろう。
メーカーでしか対応できないのと違って、取扱い店が遠くないところにあることは、こういった面でも大きな安心材料にもなる。
こういったことも事前にメーカーや販売店に相談をしておくと良いと思う。
構造・材質
では、次にBoo3の構造と材質について。
構造については企業秘密のような部分もあるため、細部まで言及せず大まかな説明に留める。
基本は頑丈なアルミ合金のフレームにアルミ複合板の壁によって構成されている。
丈夫で耐候性が高く、軽さの秘訣ともなる素材の組み合わせだ。
アルミ複合板とは、薄いアルミの板2枚で発泡樹脂をサンドイッチした三層構造の板材だ。
軽量で衝撃に強く、耐候性に優れている。
鉄のような錆の心配もなく、FRPや木材のように燃える心配もない。
同じ厚みのアルミの板よりずっと軽量だが、発泡樹脂をサンドイッチしているため、割れたり曲がってしまう心配が少なく、熱も伝えにくくなっている。
そして、アルミ複合板だけでも無垢の鉄板やアルミ板よりずっと熱を通しにくいが、屋根には断熱材が入っているため、暑さにも強い。
実際によく晴れた日に跳ね上げたパネルと屋根の内側の両方に手を触れてみたら、明らかに温度が違うことを実感した。
扉にはダンパーが付いていて、解放したまま固定できるようになっている。
そのため、開けた扉は庇のようにもなる。
これがまた大変便利だ。
そして、先程も書いた通りBoo3は3面全てのアオリも開けることができるのだが、荷台用シェルは荷台の側壁に載せるものが一般的で、それだと後のアオリしか解放できなくなってしまう。
しかし、Boo3は柱の形状の工夫と前部の固定の仕方でそれを解決し、側面のアオリも解放できるようにしている。
シェルの前部はキャビンと密着し、オプションのキャビン後ろの開放式のリアガラスを装着した場合も雨漏りの心配などもちろんない。