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大型キャンピングカーは国内では無理? 3年使ってわかったメリットと注意点。

リビングストーン1

国内モデル・輸入モデル問わず大型のキャンピングカーは、室内は広いし便利な設備がいろいろ備わっていて、車中泊するにはとても便利。

ただ一方で、狭い日本の道で運転するのは難しそうと思う方も多いと思います。

実際のところはどうなのか。

やはり大きすぎて無理?

いやいや一度大型キャンピングカーに乗ったらもうバンコンには戻れない?

日本国内で、LIVINGSTONE5という全長6m級のキャンピングカーに3年間乗ってきた筆者はどう感じているかを紹介します。

車体のサイズと車内のレイアウト




私が3年間乗ってきたLIVINGSTONE5の車長の登録サイズは、フェリーの積載にて特別料金とならない6m以下の5.99mサイズとなっています。

その他、車高:2.65m(標準サンルーフの場合)、車幅は、2.05mとなります。

国産のキャブコン・バンテック社のZILと比較すると、車長:+83cm、車高:-29cm、車幅:-6cmの差となります。



サイズが大きくなるのは、車長の+83cmのみです。



ダブルとセミダブルサイズの上下2段の常設のベッド、カセット式トイレ、シャワールーム、冷蔵庫、シンク、ガスコンロとなります。

なんといっても6m級だから可能となるダブルサイズの常設ベッドがゆったりしており、とても快適です。

ヨーロッパ車体ベースの良い点とし、ダイネットの椅子は、回転機能付きの助手席と運転席シートであることです。

このシートの機構が大きな車体を、さらに有効に使うためのカラクリとなっております。

ボンネットがあることで、衝突安全のクラッシャブルゾーンが確保されており、この長さが安全にも繋がっています。

次のページ⇨ 気になる国内の使い勝手は?

国内旅行における使い勝手


走行編


全国を駆け回る車旅において、旅先までの道路では、ほとんど困ったことがありません。

“ほとんど”と表現したのは、やはり山間部やRVパーク、オートキャンプ場など、一部の施設で困った事態となったことがあるからです。

そのメリットと注意点をまとめておきます。

①メリット
・ほとんどの一般道では、車体サイズを気にすることなく走行可能
・上下2段のサイドミラーで後方が確認しやすい(クランクが容易に曲がれる)

ミラー

下側がワイドの凸ミラーにて、後輪の下部まで見えるため、内輪差の確認ができる



・ハイエースのような座席の下に前輪があるキャブオーバー車と違って、ボンネットの下に前輪があり、乗用車感覚でカーブを曲がれる(キャブオーバー車に比べて内輪差が少ない)

②注意点
・段差でステップを擦る場合がある(ステップまで14cmしかない)

ステップ

・ホイールベースが長い車体は、山間部の道路、住宅街、あぜ道(一部のRVパークやオートキャンプ場)など転回が難しい場合がある
※経路が一般道から外れる場合、Googleのストリートビューやナビなどで道幅の確認が必要

駐車場に繋がる道路

この道、幅2m弱の駐車場に繋がる道路です!(LIVINGSTONE5通行時に、歩行者に避けていただきました)



③問題の解決方法
6m級の車体は、小回りが苦手です。

事前の調査が完璧と思っていても、現地では、予想以上に道幅が狭いクランクなどが存在します。

私は少しでも不安を感じたら、そこは曲がらず、一度通り過ぎます。

広い駐車可能なエリアまで移動し、経路を再検討します。

到着時間より、安全第一です。

駐車場編


結論から言うと、全国あちらこちらの観光地などに訪れておりますが、駐車場で困ったことはほとんどないです。

大きなキャンピングカーだからこその意外なメリットもありますよ。

①メリット
・観光地などの専用駐車場では、警備員さんに伝えることで広い駐車場に案内される場合が多い
・アウトレットなどの商業施設では、大型車専用の駐車エリアに案内してもらえる
 ※駐車台数に限りがある場合があるので、事前に各施設に確認してください

□キャンピングカーでも雨に濡れない駐車場

キャンピングカーでも雨に濡れない駐車場



②注意点
・市街地の一般駐車場では、高さ制限がある(事前に車高制限の有無の確認が必要)
・商業施設などでは、駐車枠からはみ出す真ん中の区画ではなく、隅や奥を探し、車長を吸収できる場
所に駐車する(車体前後の通路の余裕の確保が必要)

駐車場

街の小さなケーキ屋さんに駐車した例(小型店舗でも事前確認すれば駐車可の場合がある)



・場所が狭い、停めて良いのか?と感じた場合は、管理者に相談する(個人の判断で勝手に駐車しない)

駐車場2

狭い通路を抜け、たどり着いた先の駐車場もまさかの狭さ!(駐車枠の後端ギリギリまでバックして、前の通路を確保して駐車)



駐車場3

大型キャンピングカーが駐車可能な観光地駐車場の例(隅の駐車エリアは、6mでも駐車可能)



③問題の解決方法
成田の空の駅で、大型専用エリアに駐車した際、放送で呼び出され、出庫するように指示されたことがあります。

大型用だから良いだろうと思って駐車しましたが、バスの予約が入っていました。

施設に確認した所、エリアの奥に大きなキャンピングカーが停められる広い臨時駐車場があり、そこに移動して事なきを得ました。

連絡が付かない場合は最悪、レッカー移動されてしまう可能性もあります。

駐車してよいかがあいまいな時は、警備員や施設管理者に了承を得ましょう。

車中泊


LIVINGSTONE5を実際に3年使った車旅でのインプレションにについてご紹介します。

まず一番のメリットは、キャブコン同様に車内の高さがあるため、立った状態で車内の移動が可能なことです。

中腰にならなくも良いので、腰痛持ちの方でも楽に車中泊が楽しめます。(運転席、ダイネットからベッドまで立ったまま行けます)

車内

①メリット
そのほかのメリットとして、
・回転対座機能があり、室内に余裕があるため、開放感がある。
・荷室エリアも広く長いため、車旅以外でも長尺物から家具まで買い物ができる。
・ベッドが広く、パートナーと同居でも狭さを感じないため、長期間の車旅でも疲れない。

②注意点
・大型のバンベースの車体であるため、スライドドアが大きく、傾斜がある場所での開閉が大変。
 ※オートスライドドアの装備が注文時に選べない(イージークロージャーは選択可能)
・国産のキャンピングカーの隣に駐車した場合、ダイネット部への出入り口のドアが進行方向に向かって右側にしかないため、かち合ってしまう場合がある。
 ※気になる場合は、隣のキャンピングカーと駐車方向を前後逆にすることで回避できます

駐車場4

前後逆の駐車で、国産キャブコンと出入り口が、かち合わない


まとめ


今回、6m級のキャンピングカーを3年間所有したメリットと注意点をご紹介しました。

LIVINGSTONE5は、使い勝手に関してメリットが多い車体でした。

一部、注意点などもありますが、国内使用が十分可能な魅力的なモデルだと思います。

サイズという観点では、走行、駐車は、使い方の工夫と少しの気遣いで、車幅や車長の大きさをクリアすることができます。

室内スペースについては、さすがに7m超級の車体にはおよびませんが、開放感も得られ、充実した車旅と車中泊ができます。

本記事で紹介したのはLIVINGSTONE5に限った私個人の感想なので、全ての大型キャンピングカーに当てはまるわけではありません。

キャンピングカーの車体サイズについてお悩みの方に一例として参考にしていただけたら幸いです。

ささき夫婦

シニア世代になり夫婦でキャンピングカーの楽しさにどっぷりハマっています。週末に向けて天気とにらめっこし、行き先を決める呑気な旅行をしております。アウトドアの趣味も増え、何事も広く体験し楽しんでいます。愛車のキャンピンカーの専門的な情報や車内の快適化、旅行記など、とにかく今を楽しむことについて執筆中です。