暗い通りのほうが車の盗難や車上荒らしが減る?夜間照明と犯罪率の関係とは
毎日使っている車が突然消えてしまったら。
このような事態を想定をして車を使っている人はほとんどいないでしょう。
しかし、車の盗難や車上荒らしなどは多く警視庁の発表によると、2021年の自動車盗難件数は5,182件です。
そこで今回は、現役の自動車保険アドバイザーである筆者が愛車を盗難や車上荒らしから守るためのノウハウをお伝えします。
目次
車上荒らしや盗難はどこで起こるのか?
車が盗まれたり荒らされたりした時、精神的ダメージだけでなく、交通手段をなくしてしまうという点で大きなダメージを受けます。
しかし、普段から愛車が盗難に遭ったり荒らされたりすると仮定して駐車する人はほとんどいません。
実際、筆者が担当した事例には以下のようなものがあります。
実際に盗難や車上荒らしにあった例
事例1)ガレージに行くと車がなくなっていた
夕方、Aさんはいつも通り帰宅しガレージに大型SUV車を駐車、施錠しました。Aさんの家は広い道路沿いで人通りも少なくありません。
その夜、特に変わったこともなく就寝したのですが、次の日、通勤のためガレージに行くとあるはずの車がなくなっていたのです。
縦列して停めていたもう1台の軽自動車に被害はありませんでした。
事例2)立体駐車場での車上荒らし
パチンコ店に勤務しているBさんは、朝10時に立体駐車場へ車を置いて19時まで勤務しました。
帰りに車に戻ると車体全面に傷がつけられていたのです。
さらに、ドアには開けられたような跡がついていました。しかし、車内に金品などは置いていなかったため、大きな被害はありませんでした。
盗難や車上荒らしはどこでおこなわれている?
これらの犯罪に共通する点は、誰でも通る道沿いや駐車場で起きたということです。
警察の発表では、被害全体の7割が自宅、アパート・マンション駐車場、会社事務所で発生しています。
車両に関する犯罪は人気の少ない場所で発生すると考えられますが、人通りの多い場所や自宅の車庫などでも昼夜問わず堂々とおこなわれているのです。
暗い道のほうが車上荒らしが少ない!?
車の盗難は、人通りが少ない場所や深夜だけを狙っておこなわれるようにも思えますが、人通りが多く、街灯がついている場所の方が犯罪率は高まるという研究結果もあります。
これはロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の合同研究チームが2022年3月に「Journal of Quantitative Criminology」で発表した研究によるものです。
研究では道路の「夜間照明」と「犯罪率」の関係を調べています。
深夜帯から午前6時まで、交通量が激減した時間帯に街灯を完全に消灯する施策を行うと、街灯を点灯させていた頃と比較して、消灯した時の方が、犯罪率(特に車上荒らしと盗難)が半分にまで減ったというのです。
逆に考えると、人通りが多いから、明るい地域だからと安心して防犯対策を怠るのは、避けたほうがよいといえるでしょう。
日本は治安がいいから大丈夫!はNG
日本は治安が良いというイメージから車の盗難を他人事と感じている人は少なくありません。
しかし、自宅や人通りの多い駐車場でも盗難に合うことはあります。
盗難に合わないために、日頃から鍵の施錠をする、ハンドルロックをする、防犯グッズを活用する、人目につくところに駐車する、といった対策を取るように心がけましょう。
盗難が多い車種はSUVやスポーツカーです。また、最新のナビゲーションやタイヤホイールなどパーツだけを盗難されるケースも増えています。
これらの車を所有している人は、任意保険の車両保険に必ず加入しておきましょう。
保険金を受け取れることもあります。
不幸にも実際に愛車を盗難された時は、警察に盗難を届け出る、自動車税事務所で自動車税を止める、任意保険会社への連絡をするなどの手続きを行いましょう。
また、最近ではSNSで情報拡散をして車が見つかった事例もあります。
車検証や自賠責のコピーがあれば車の情報が即時にわかるので、自宅に保管しておくのも大切です。
ライター:河野みゆき
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