知識
初心者でも安心!カヤック・SUPのプロが選ぶあると便利なもの

水辺で遊ぶならこれを持っていけ!あると便利な物
「カヤック・SUPで満喫する!水辺の車中泊の魅力」「プロが警告!車中泊とウォータースポーツを安全に楽しむ方法」と続いたところで、水辺で車中泊をしながらカヤックやSUPなどのウォータースポーツを楽しむ際にあると便利なものを紹介しようと思うのだが、中でももうすっかりハマっている人より、まだ不慣れな人や、これからそういったことをしたいと思っている人があまり思いつかなそうなものや、他ではあまり紹介されなさそうなものを本稿では集めてみた。
先の2件の記事とも併せて、車中泊をしながらウォータースポーツを楽しみたいと考えている人の参考になればと思う。
関連記事はこちら▽
カヤック・SUPで夏を満喫する!水辺での車中泊の魅力
プロが警告!車中泊とウォータースポーツを安全に楽しむ方法
着替え用グッズ
ウォータースポーツに馴染みのなかった人が最初に戸惑ったり躊躇したりする原因になるのは着替え問題のようだ。
中には、ウォータースポーツは更衣室やシャワーなどの設備が整った施設を利用してやるものだと思っているような人もいるようだが、そんなことはない。
工夫をすればどこでも着替えはできる。
キャンピングカーは寝られるだけでなく、シャワー完備や、室内で着替えられる車両も多く、それもキャンピングカーの大きな魅力の一つだ。
しかし、皆が立派なキャンピングカーを持てるわけではないし、大柄な車体が不便になってしまうような状況も多い。
テールゲート(リアゲート)用テント
VANなら下の写真のような跳ね上げ式のテールゲート(リアゲート)に被せるテントを使うことができる。

大した手間もなくクルマの後ろに簡易更衣室兼シャワールームが作れてしまう便利なものだ。
これはテールゲートに被せてテントの裾を重石で固定するかペグダウンして使う比較的シンプルな作りだが、この機会に少し調べてみたところ、補助のフレームが入るものや、吊り下げ式など他にも色々あるようだ。
背が高く跳ね上げ式のテールゲートのあるクルマなら軽自動車でも使える車種は多く、汎用品も多数あるが、特定の車種専用やメーカーオプションなどもある。
また、比較的設営が簡単なのも良い点だが、一番の利点は余程全長の長いクルマでなければ一台分の駐車枠内に収まることではないかと思う。

そして、先程の写真では一面を開放していたが、全て閉じれば中で裸になってシャワーを浴びることも可能な「部屋」が出来上がる。
水着のまま水を流すだけでは満足できない人も、それなら満足度が高いのではないだろうか。
参考商品▽
iBeamed
¥14,666
(2024/12/30 05:21:44時点 Amazon調べ-詳細)
これと少し似たものにVANのサイドドアの横に接合するように張るテントもあるが、そういったタイプは横幅をとるため1台分の駐車スペースに収まらなくなってしまうし、テールゲート用より設営に少し手間のかかるようなものが多い。
また、テールゲート用はテールゲートに吊るした少し立派なカーテンと考えることもできるが、横に張るタイプは明らかにテントになってしまうため、例え空いていたとしても公共の駐車場などでの使用はいかがなものかと思う。
キャンプ場などで使用するのなら便利で良いかもしれないが、普通の駐車場などでの使用はできないと考えた方が良いと私は思う。
着替え用テント
テールゲート用のテントは簡単で便利だが、どんなクルマでも使えるものではない。
テールゲート用テントが使えない車種の場合、それに代わるものとして縦長の着替え用テントというのがある。
参考商品▽
PYKES PEAK
¥4,749
(2024/12/30 05:21:45時点 Amazon調べ-詳細)
中にポータブル便器を置けば便所にもなるので、災害時などの備えとしても良いと思う。
これもあまり場所を取らないし、ドラえもんのポケットから飛び出す道具のごとく、袋から出すだけで自動的に形が出来上がってしまうポップアップ式が多く(フレームを入れて組み立てるタイプもある)、ポップアップ式は設営の手間も時間もほとんどかからないもの魅力だ。
また、組み立ての簡単なポップアップ式は、海岸などで使用する日除けテントにも多く採用されているが、弱点もある。
多くの人が経験しているのではないかと思うのは、仕舞う時に戸惑うケースが多いことだ。
海岸で知らない人から畳めなくて困っていると助けを求められたことも一度や二度ではない。
それともう一つ弱点がある。中に入っているフレームが錆びて折れてしまいやすいことだ。
不慣れなお客さん用に私もこういったタイプのポップアップ式テント用意したことがあったが、あまり長持ちはしなかった。
着替え用ポンチョ
おすすめしておきながら、実はテールゲート用テントも着替え用テントも自分自身の着替えのために使ったことなどない。
また、サーファーは女性でも外で着替えることに抵抗など感じず、それが当たり前になっている人が殆どで、もっと手軽な方法で済ませているのが普通だ。
最もプリミティブな方法はパンツを履き替える際に腰にバスタオルを巻くだけということになるが、それが少し進化したのがボタンで留めるとスカートのようになるバスタオルで、これは見たことがある人も多いと思う。
しかし、女性の場合上はどうするのかということになる。

慣れた人は大きめのTシャツの中で器用に上も着替えてしまうが、今最もスタンダードになっているのは着替えポンチョだと思う。
また、私は上半身を隠す必要などないが、ポンチョを使っている。
その理由は、この写真のポンチョは生地がマイクロファイバーで大変吸水性が良く、羽織っておくだけでタオルなどを使わなくても自然に体が乾いてしまうからだ。
海水で濡れるとベトベトして気持ちが悪いと言う人は多いが、私は全然気にならないので、普段は海から上がった後に真水を全身に浴びるようなこともあまりなく、まずはマイクロファイバーのポンチョを羽織って、濡れたトランクスやウェットスーツを脱いでしまう。
そして、そのまま片付けなどをしていると、体が自然に乾いていているので、後は乾いた服を着れば良いだけということだ。
参考商品▽
Winthome
¥3,380
(2024/12/30 05:21:45時点 Amazon調べ-詳細)
その他の着替えに便利なもの
スノコのようなものがあると便利だ。
足についた砂を洗い流す際に、水も砂も流れ落としやすい。
スノコの上で着替えれば、地面に服がつきにくい。
地面が濡れていても、舗装された地面でなくても大丈夫で、着替えの服を濡らしてしまいにくく、泥や砂が足や服に着きにくくなるということだ。

この写真では、農家が野菜を洗う際などに使う大きな桶の中にスノコ(桶のサイズに合わせて、下駄となる角材の上に板を2枚打ち付けただけの自作品)を入れているが、この中で着替えれば地面が濡れていても服を濡らしたり汚したりすることなく着替えることができ、濡れた服やウェットスーツをこの中で脱いでしまえばそのまま運ぶことができて車内を濡らすこともなく、一石二鳥のような便利さがある。
また、慣れていない人はウェットスーツの脱ぎ着(特に脱ぐとき)やマリンブーツを脱ぎ履きする際にバランスを崩して転けそうになることや、実際に転けてしまう人もいる。
ポンチョを着ていても転けたら悲惨なことになりかねないが、過去に着替え用テントごと倒れた人もいた。

安全のために、着替えやマリンブーツを脱ぎ履きする際に腰掛けるための、濡らしても構わないスツールか低めの脚立などがあると便利だ。
もちろん、他の用途にも色々使えるので、こんな折りたたみ式のスツールは持っておくと何かと便利だ。
参考商品▽
不二貿易(Fujiboeki)
¥782
(2024/12/30 05:21:46時点 Amazon調べ-詳細)
次のページ▷▷▷【身体や道具を洗う時に使う水は、農業で使うアレが水の節約に!?】
水の運搬と洗い物や水を浴びるための道具

海から上がった後に水を浴びなくても大丈夫な私でも、金属部品を使っている道具類や防水カメラなど、できればそのまま持ち帰らず、その場で真水で洗っておきたい物はある。
飲み水はもちろんだが、そういったための真水の携行は必須となる。
水の運搬にはポリタンクや焼酎の入っていた巨大なペットボトルなどを使う人が多い。
そして、そういったタンクからドバドバと直接水を浴び、直接ボードや道具などに水をかけて洗っている人も多いが、無駄になる水の量が多く、大量の水の運搬が必要になってしまう。

もう少し丁寧な人は風呂で使う手桶などを利用していて、その方がタンクから直接よりは水の節約ができそうだ。
シャワー
ポリタンクに取り付けて使う手動(タンク内に圧をかけて水を排出する仕組み)や電動のシャワーもあり、そういったものを使っている人も多い。

水の節約になり、少し文化的になった感じもする装備だ。
私もキャラバンの屋根にソーラーパネルを取り付けてサブバッテリーを使い始めた頃は電気を使えることが嬉しくて、風呂の残り湯を洗濯機に移すためのバスポンプを利用して、シャワーを自作したことがある。
しかし、考えてみたら、先にも述べた通り私の場合は真水を浴びずに着替えてしまうことが多いため、結局これはあまり使うことがなくなってしまった。
参考商品▽
タカギ(Takagi)
¥2,153
(2024/12/30 05:21:47時点 Amazon調べ-詳細)
ハンディーウォッシャー

これは電動工具用のようなバッテリーで稼働する高圧洗浄機だ。
上の写真は私の持ち物ではないが、コードレスなのでコンセントのないところでも使え、どこでも強力に洗浄できるところが頼もしそうだ。
当然洗車用にも向いていて、マンションや月極の駐車場などでも洗車に使え、海に行った後に車両の下回りの塩分をしっかり落としたい人などにも良いと思う。
しかし、弱点は大量に水を消費してしまう点だ。
やたら滅多たらに使うと、水をいくら持っていても足りなくなってしまいそうなので、その点は注意が必要そうだ。
参考商品▽
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
¥12,800
(2024/12/30 05:21:48時点 Amazon調べ-詳細)
噴霧器

私の仲間内で最もスタンダードになっているのは、主に農薬などの散布に使う手動でタンクに圧をかけて霧状やジェット状に水を噴射する噴霧器だ。
水量は少ないが水圧があり、洗いたい部分を集中して洗うことができるので、道具洗いには最も効率が良く、最も水を節約できる方法だと思う。
現在私が使用しているものはタンクの容量が8Lあるが、この量で何日も持ってしまう。
暑い時には霧状にして顔や頭にかけると気持ち良いので、そういった用途にも使えて大変便利だ。
ポータブルシャワーを知っていても、これを知らない人は多いと思うが、これは大変便利でお薦めだ。
参考商品▽
工進(KOSHIN)
¥2,896
(2024/12/30 05:21:48時点 Amazon調べ-詳細)
防水スマホケース

次に紹介するのは、知っている人も多くて今更な感じもするが、防水スマホケースだ。
防水機能付きでも海水は大丈夫?
最近は防水機能のあるスマホが多いが、海水にも万全というわけではないものが多いようなので、海辺や海上では防水スマホケースに入れておいた方が安心だ。
しかし、私がこれを推奨する理由はシーカヤックに乗っている最中でも仕事の電話に出るなどといった無粋なことができるからでもなく、スマホ依存の人に便利だからでもない。
非常時の連絡手段にも携帯は必須
非常時の連絡手段になることと、遭難した場合にGPS機能によって探し出してもらえる可能性もあるからだ。
昔は電波法によって海上での携帯電話の使用が原則禁止されていた範囲などもあったが、現在はそんなこともなく、海上保安庁も携帯電話の携行を推奨している。
カヤックやSUPでツーリングや釣りに出る際には、防水スマホケースに入れたスマホの携行をお奨めするが、特に初心者はほんのちょっとのつもりが風に流されるなどして戻れなくなってしまう人もいるので、ちょっと乗るだけの場合にも携帯電話を持って海や湖に出てもらいたいと思う。
もちろんそんな目に遭って欲しくないし、そんな目に遭わないようにすることが第一だが、携帯電話から118(海上保安庁の緊急通報)に自分自身で通報して助かった人も実際にいるので、忘れずに携行して欲しい。
参考商品▽
虫対策
どちらかというと海辺より山の方が虫対策を万全にしなければと思う人が多そうだが、海辺もちょっと草むらや水溜りなどがあるようなところは蚊が結構多く、夕方のちょうど着替えの時間辺りが蚊の活動が活発になる時間帯(暑すぎると蚊も活動しなくなる)と重なるため、蚊の対策もしっかり備えておいた方が良い。
また、「キャンプや車中泊で使える!高価抜群の蚊除けグッズとその選び方」の中でも触れたが、水辺の草むら(キャンプ場のあるようなところ)にはヌカカという、普通の蚊よりもっと厄介な奴らがいることが多いので、特に注意が必要だ。
参考記事▷キャンプや車中泊で使える!高価抜群の蚊除けグッズとその選び方
頭の保護
日焼け対策や熱中症対策は重要で、服や帽子など身に着けるものにも十分な注意を払う必要があるが、そういったことについて解説されていることは多いので、私が海で使っていて便利だと思うものを一つだけ紹介しておこうと思う。
水濡れにも強く乾きやすいもの
それは麦わら帽子だ。
麦わら帽子の第一の利点は安くて入手しやすいことだが、もちろんそれだけが理由で良いと言っているわけではない。
麦わら帽子は風通しが良く、濡れたら少し柔らくはなるが、案外濡れにも強く、乾くのも早く、ブリムで後頭部が概ねカバーされるところも良い。
そして、濡れたものが乾く時には気加熱が奪われるが、元々風通しが良くて涼しいのに加え、濡らすと割と即効で頭が涼しくなるのも麦わら帽子の非常に大きな利点だ。
しかし、安いだけあってそのままでは使いにくい部分もあるので、私は少し手を加えて使っている。
紛失しにくくする工夫

頭は椰子の実、首は貝
写真の麦わら帽子はちょっとだけ普通のとは違って見えると思うが、元はどこにでもあるごく平凡な麦わら帽子だ。
麦わら帽子にはそんなものむしろない方が良いと思うのだが、大抵安っぽい装飾のリボンが付いているので、まずはそれを取り払う。
そして、顎紐が粗末で風を受けると脱げやすい。
しっかりした顎紐に交換するのは必須だが、それに長さ調整用のアジャスターも付ける。
しかし、それだけではない。ここが肝心なのだが、顎側だけでなく、後頭部側にも脱落防止の紐をつける。
もう少し正確に言うと、後頭部側に別の紐をつけるのではなく、顎側と繋がった同じ1本の紐で、前後のどちらかが伸ばされると反対側が縮む仕組みになっていて、それがミソだ。
しっかりとした紐に交換してアジャスターを付けただけでもかなり脱げにくくはなるが、こうしておけばブリムが煽られるような風が吹いた際も、風がどっちから吹いても帽子が飛ばされてしまうことがなく、首に引っ掛かるようになる。
これまで帽子は色々試してみたが、途中たまに濡らすだけでかなり頭がスッキリして気持ち良いので、私は夏にカヤックやSUPでツーリングする際には、このようにほんの少し手を加えただけの麦わら帽子を最も多用している。
またツーリングの時だけでなく、SUPでサーフィンをする際にも被ることがあるが、波に巻かれて脱げたとしても大抵首に引っ掛かるし、浮くので紛失したこともない。
ちょっと自慢できる使い方だと思っている。
最もあると便利なもの
最後に紹介したい「あると便利なもの」とは、実は「物」ではない。
一例を挙げると、車中泊をしながら海辺の遊びを満喫しようと思った場合、砂浜にテントやタープを張ることもあると思うが、その際ペグダウンが必要になる。
しかし、砂地はペグが抜けやすく、少し風が強いとテントやタープが飛んでしまう。
そのために重くて嵩張って高価な専用(?)のペグなどもあるようだが、頼りになって、しかも全くお金がからない方法がある。

2本の流木をXにしてロープに固定するか、平らな形の石やサンゴをロープに括り付けてアンカーを作り、少し穴を深く掘ってそれを砂の中に埋めてしまえば良いだけだ。
これだけだが、どんな挿すタイプのペグより砂地に対しては強力で簡単で信頼性がある。
それでも抜けそうなほどに風が強ければ、アンカーを埋めた上に石やサンゴを積み重ねればより強力になるが、それは逃げ場のない人力移動中のキャンプでの話だ。
クルマがあるのなら、そこまでしなければならなくなる前に安心安全な車内に撤退すれば良いのだ。

また、凝った自在金具のようなものが次々と登場するが、少なくとも私は上の写真のような簡単なロープワークだけで不便を感じたことなどない。
「持って来るのを忘れて困った」なんてことにもならずに済む。
先程登場した麦わら帽子にも含まれていることだが、持っていて一番便利なものは、「ちょっとした知恵とアイディア」なのではないかと思う。
関連記事はこちら▽
カヤック・SUPで夏を満喫する!水辺での車中泊の魅力
プロが警告!車中泊とウォータースポーツを安全に楽しむ方法