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キャンプや車中泊で使える!効果抜群の蚊除けグッズとその選び方
車中泊向きの電気蚊取り器を取り入れてみた
ある調査結果によると、キャンプに対してネガティブなイメージを抱く要因のトップは「虫」だそうだ。
しかし、少々不思議に思うのは、幼少の頃は虫が好きだった人も、大人になるにつれ、虫を嫌いになることが多い。
特に刺す虫、噛みつく虫、吸血する虫など、ヒトやペットなどに明白な実害を与えるやつらだ。
中でも最も身近で、皆を悩ます代表格的なやつが蚊(蚊にも種類は色々あるが)だ。
そして、虫達の活動が盛んになるこの時期、キャンプや車中泊では暑さ対策と虫対策(特に蚊)が二大課題となる。
ということで、アウトドアで出会う他の害虫についても少し触れるが、今回は特に蚊にターゲットを絞って、その対策についてまとめてみた。
但し、実験室のような空間でない限り、効能を公正に比較することなど難しいというよりほぼ不可能だ。
ちょっとした条件の違いや人に寄って効果が異なる場合もある。
本稿では具体的にどの製品が最も優れているといったようなことは述べず、対策品の選び方や、効率的な使用方法を紹介しようと思う。
効果的な蚊除け空間の作り方
蚊からの防御策は、肌に直接薬剤を塗布するなどして体に虫を寄せ付けないようにする方法と、蚊を寄せ付けない空間を作ってしまう方法の二つに大別することができるが、まずは後者の蚊を寄せ付けない空間を作ってしまう方法から話から進めて行く。
気体のバリアを作る
蚊を寄せ付けない空間を作るには、蚊帳や網戸でガード、超音波を発して蚊を寄せ付けないようにするもの、虫の好む色の光(UV)で虫達を離れた場所に誘き寄せておいて電熱線で退治してしまう(夏の特に田舎のコンビニの入り口などでよく見かける持ち運び可能な小型版)ものなどもあるが、今回は気体のバリアのようなものを作る方法を中心に話を進めたいと思う。
気体のバリアを作るなど言うと少し大袈裟なことのように聞こえてしまうが、代表的な気体のバリアは、日本の誇る大発明=除虫菊を使った蚊取り線香の煙だ。
熱源が必要なものと必要ないもの
気体のバリアを作るには、蚊取り線香のように火を使う方法、電気で温めて蚊の嫌う成分や殺虫作用のある成分の薬剤を発散させる方法、熱源は使わず薬剤を散布するだけの方法、ただ置いたりぶら下げたりしておくだけで自然に薬剤の成分を発散させる方法など、いくつかの手段があるが、各々にメリットや適したシチュエーションなどがあると思う。
火を使うタイプの蚊除けのメリットとデメリット
火を使うタイプには、蚊取り線香の他に虫除け成分の含まれたランタン用オイルなどもある。
灯りと蚊取りを兼ねているので、オイルランタンの優しい灯の好きな人には一石二鳥となって良い。
しかし、火を使うタイプの欠点は、火事や火傷の心配があることだ。
屋外で使うのならその心配も少ないが、狭い車内やテント内での使用は危険度が高いので、おすすめはできない。
また、小さな子供がいる場合は屋外でも火傷を負う危険がある。
因みに、虫除けスプレーなどなかった私の幼少時は、虫除けと称して祖母にキンチョールを直接スプレーされるなどといった線香の火傷よりもっと危険とも考えられるようなことをされていた(もちろん祖母に悪気などない)ものだが、手段を色々選べる現在なら、なるべく安全性の高い方法を選んだ方が無難だ。
火を使わないタイプの蚊除けのメリットとデメリット
空間にスプレーするだけのタイプは手軽だが、実際に効果が続いているのか否かがわかりにくく、空気の流れが大きいような環境では効果の持続性が低そうにも思う。
実際、私は夕方海岸で片付けや着替えをする際に、自分の周囲の空間にこういったタイプを散布して効果を実感しているが、どちらかというとそういった比較的短時間向きの対策なのではないかと思う。
吊るしておくだけのタイプは実際に試したことがないが、蚊のいない空間を作るというより、侵入を防ぐのに効果が高そうなので、開けたクルマの窓やテントの入り口付近に吊るしておくのには良さそうだ。
地面にスプレーするタイプの蚊(虫)除け
また、今回この記事を書くにあたり、ホームセンターなどで色々な虫除けを見て回ったのだが、空間にスプレーするのではなく、自分のいる周囲の地面に向けてスプレーし、スプレーした範囲内を強力なバリアで囲ってしまうようなタイプもあった。
空間に散布するより風にも強そうで、動き回らず狭い範囲内にとどまり続けるような場合にはこの方が合理的で強力であろうと想像した。
しかし、地面にスプレーするということは、蚊のように飛んでくる虫にだけでなく、地表や地中に生息している虫や土壌微生物にも直接影響を与えてしまう(植物には影響しないと記載はあった)ということだ。
範囲は狭くても土壌環境を変えてしまうことになる(大袈裟に言えば小さな環境破壊)ので、自分の家の庭仕事の際などに使うのは良いとしても、公の自然環境下やキャンプ場などでの使用は控えた方が良いのではと私は思った。
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使用前に説明書きや効能を必ず確認しよう
どの虫に効くのか
虫除けと言っても、全ての虫に効果があるわけではない。
成分以外にもパッケージの外側には「何に効く」と効能が記載されているのが普通だ。
お店に並んでいる虫除け製品は、時期的に蚊を対象としている製品が多いが、マダニやブヨ(ブユ)、ノミ、ヒル、ムカデ、近頃にわかに話題に上がっているトコジラミ(※ 誤解や間違えがないように虫の名称はカタカナ表記としておく)などに効くことをアピールしているような製品もある。
また、刺された際の症状からブヨと間違われることが多いが、ブヨと同等かそれ以上に厄介なヌカカという虫がいる。
これは海岸近くなど、水辺に近い草むらに多く生息しているのだが、具体的にヌカカと書かれた虫除けは何故かあまり見ない。
逆のような例もあった。
ホームセンターの虫除け品コーナーには、対象が「ユスリカ、チョウバエ」と書かれた、「?」と思うような製品も蚊除けと一緒に並んでいた。
「ユスリカ」は、名前に「か」が付くし、刺す蚊の中でも一般的なアカイエカと見た目も似ていて、蚊柱も作るので存在が鬱陶しいことは確かだ。
しかし、ユスリカは吸血しない虫だ。
「ユスリカ、チョウバエ」と記載があっても、肝心なアカイエカやヤブカなど吸血する蚊(吸血するのはメスだけ)に効果があるのかは不明で、全く効かない可能性もある。
購入前に何に効くのか、退治するのか忌避させるものなのかなど、効能をチェックしておくことは大変重要なことだ。
臭いやアレルゲン
蚊取り線香は目(煙)と鼻(臭い)でも効果を確認できるようなところがあって、それがメリットでもあるが、逆にそれが苦手な人、その他薬剤の臭いを受け入れられない人もいる。
そして、臭いは気になりだすと眠れなくなってしまうこともある。
臭いのするものが苦手な人は、購入前にまずはパッケージの外側にある説明書きを読んで臭いの有無を確認しておくことはもちろんだが、敏感な人はこんなはずじゃなかったと後悔しないように、実際に車中泊やキャンプで使う前に家で試しておくことを推奨する。
また、パッケージの外側には成分などの記載もある(もしあまりに不明確だったら怪しいのでやめておいた方が無難)ので、アレルギーのある人や蕁麻疹体質の人、肌の弱い人などは、効能だけでなく、購入前に必ず成分の確認も必要だ。
また、今は蚊の寄り付かない空間を作るタイプについての話の最中だが、特に肌にスプレーまたは塗るタイプはよりダイレクトだ。
実際に外で使用する前に、必ず家で少量使って試しておくことを忘れてはならないが、場合によっては医師への相談も必要だと思う。
車中泊向きの電気蚊取り器を使ってみた!
電気を熱源とする虫除けの殆どは蚊を対象としたもので、いわば蚊取り線香の火を使わない判のようなものだ。
若い人は蚊取り線香よりこっちの方が馴染み深いのではないかと思う。
電気蚊取り器のメリット
電気式蚊取り器の大きなメリットは、先程も述べた通り、火事や火傷の心配が少ないことや、効果の持続時間が長いことだ。
一日用もあるが、薬剤の交換なしで半年も効果が持続するようなものもある。
そして、電源はコンセントから取るものと、乾電池や内蔵の充電池のものがあるが、屋外や車内で使用するなら、当然乾電池式や充電式が便利だ。
また、先程も触れたが、空間にスプレーするタイプなどは効果が継続しているのか否かが分かりにくいが、熱を使うタイプは、例えば蚊取り線香なら燃え尽きたら終わりのなので一目瞭然、マットを使用するタイプはマットの色、液体タイプならその残量、その他ランプの色で替え時を知らせてくれるものがあるなど、効き目のある時間がわかりやすいというメリットもある。
使用した機器:アースノーマット
乾電池式や充電式の蚊取り器は車中泊向きなのではということで、実際に屋内でも屋外でも試してみた。
その1つは虫除け大手のアースとアウトドア用品大手のコールマンとのコラボ製品の「どこでもつかえるアースノーマット」だ。
参考までに、肌用スプレーのサラテクトなどにもコールマン印のものがあったので、コールマンは虫除け対策にも力を入れているようだ。
私はアースというと、田舎に行くと今でもたまに見かける由美かおるのアース渦巻(蚊取り線香)のホーロー看板が先に思い浮かんでしまうが、アースの蚊取りの現在の主流は「ノーマット」だ。
ノーマットには液体の薬剤を使うタイプもあるようだが、これは乾式のカートリッジを使うタイプなので液漏れの心配などがなく、電源は入手のしやすい単三乾電池を2本なので、アウトドアやクルマでの使用に向いている。
また、ランプの色でカートリッジと電池の交換時期もわかるようになっている親切設計だ。
そして、コールマンブランドの他に同じ形のアースブランド、それ以外にも同じカートリッジを共有する機器が多いため、カートリッジを入手しやすいというメリットもある。
カートリッジ1つで180日も効果が持続するため、冬でも吸血する蚊のいる地域は除き、1シーズンカートリッジの交換が必要ないということになるので、不意にカートリッジが切れてしまう心配などほぼないと考えて良いと思うが、出先でもカートリッジや電池を入手しやすいというのもこの製品の強みの一つだ。
また、使ってみてわかったのだが、「どこでもつかえるアースノーマット」はほぼ無臭だった。
臭いが苦手な人にもこれは良い選択だと思う。
ノーブランド品
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使用した機器:TINY PEPLE
もう1つは、FLEXTAIL™️というブランドのTINY PEPLEという製品だ。
こちらはUSBで充電するタイプだ。
一時期転売で価格が高騰するほど大人気になった「あのランタン」をなんとなく彷彿とさせるようなデザインのランタンにもなるタイプ(フラッシュライト機能はない)で、薬剤は毎日交換するマットタイプだ。
TINY PEPLEに純正のマットが付属していなかったので、老舗フマキラーのベープ®︎マットを入れてみたところサイズがぴったりだったので、今回はベープ®︎マットを入れて使ってみた。
現在は電気蚊取り器の種類も豊富で、毎日マットの交換が必要なベープ®︎マットは不利な点もあるが、50年の実績のある元祖電気蚊取り器ベープ®︎マットに絶大な信頼を寄せている人もいそうだ。
しかし、確かではないが、ベープ®︎マット専用の乾電池式や充電式の機器はないと思う。
カセットガスコンロなどと同様で、FLEXTAIL™️もフマキラーも本来は推奨はしないと思うが、ベープ®︎マットをコンセントがなくても使えるという意味で、この機器の存在価値は高いと思う。
また、ランタン機能も備えていると書いたが、吊り下げ用のフック(カラビナ式)の他に、底の部分はマグネットとカメラの三脚用と同じサイズのネジが切られているので、設置方法が多彩なのもこの製品の特徴だ。
但し、今回試用したのと全く同じ製品は品切れのようなので、こちらを紹介しておく。▷FLEXTAIL HP
ベープ®︎マットは「どこでもつかえるアースノーマット」と違い、独特の臭いがある。
それが苦手な人には不向き(純正のマットがどうなのかは使っていないので不明)だが、慣れ親しんでいる人にとっては、あの臭いも安心の証になって良いのではないかと思う。
使ってみた結果は
冒頭で各々の製品の具体的な性能については触れないと書いたが、今回試用したものに関しては、どちらも実績と信頼のあるメーカー製(TINY PEPLEに関しては機器のことではなくベープ®︎マットのことになるが)なので、そこは問題がないと思う。
どちらも効き目は十分だった。
次のページ▷▷▷【ある対策をしてから今まで、蚊に悩まされず眠ることができている!その方法とは?】
蚊取り器を効果的に使うには
肌を直接守る
空間的な防御では効果のある範囲が限られてしまう。
屋外で動き回る場合は、先舗述べた通り体質的に使用できない人もいるが、問題ない人は肌に直接吹きかけたり塗ったりする薬剤の使用を基本と考えた方が良い。
そして、使い方も重要だ。
直接肌にかけたり塗ったりするタイプは、空間にスプレーするタイプのように散布した周囲に蚊が寄って来なくなる訳ではないので、塗られていないところがあると、根性のある蚊はそこを目掛けて刺しに来る。
丁寧に満遍なく塗っておくことが大切だ。
蚊取り器の効果的な配置方法
屋外では肌を直接守りながら「蚊取り器や蚊取り線香、空間スプレーなどの併用」が効果的だ。
使用する際に重要になるのが、蚊取り線香でも電気蚊取り器でも、置く配置。
まずは自分のいる場所の風上側に置くのが基本で、それに加え、足下辺りにももう一つ置くとより効果的だ。
また数人でテーブルを囲んでいるようなシチュエーションでは、座っている周囲を囲むように数箇所、人数が多ければさらに数を増やすなど、人を取り囲むように設置して、見えないドームのようなものを作ると効果的だ。
蚊から身を守る服装と装備
また、服装での防御も重要になる。
場所や時間帯によっては半袖短パンではなく、夏でも長袖長ズボンの着用をおすすめする。
虫除け効果のある生地を使った服もあるが、そういった特殊な生地を使った服は別として、肌に直接スプレーする虫除けは、肌にスプレーするだけでなく、服にもスプレーしておくと効果的(※ 生地の変色や色移りなどには注意が必要)だ。
特に先ほど挙げたヌカカなどはスケベ虫という異名があるように、服の隙間から入り込んでくる性質があるため、ヌカカ対策には服の中にもスプレーしておかないことには片手落ちになってしまう。
草むらに入るような場合は、必ず長ズボンと靴を履いておいた方が安全だが、草むらなどでなくとも、特にマダニ・ツツガムシ・ムカデなどのような危険性の高い虫の多そうな場所では、履き物もサンダルではなく、靴を履いておいた方が安全だ。
裾を絞れるタイプのズボンは蚊以外の虫の侵入も防げるので良い。
しかし、その程度ではヤマビルは脚を伝って登ってくるので、ヤマビルがいそうなところは、私はズボンの裾を長靴の中に入れるのではなく裾を外に出し、ズボンの裾をグルッとガムテープで巻いて長靴に固定し、入る隙のないようにしている。
車内で有効な虫対策
ここまでは主に屋外にいる際の虫対策について述べてきたが、車内やテント内での効果的な方法についても紹介したいと思う。
車内やテントのような狭い空間で火を使うものは危険なので、私は使用しないようにしている。
経験上おすすめしたい方法
便利な蚊取り器が登場する以前から色々試してきたが、経験上私が車内やテント内などで最も効果を感じるおすすめの方法は、「金鳥 蚊のいなくなるスプレー」「フマキラー おすだけベープ」「アース おすだけノーマット」(長いので以下「ワンプッシュタイプ」とする)などの、『ワンプッシュタイプ』と肌に直接吹きかける虫除けとの併用だ。
効果はどれくらいか
いずれもほぼ無臭(それも大きなメリット)で、ワンプッシュで本当に効いているのか最初は半信半疑だった。
しかし、ドアや窓を開け放っていたとしても、寝る前に「ワンプッシュタイプ」を車内やテント内に一吹きするだけで本当に一晩中蚊が寄って来なくなる(他の虫に対しての効果はわからない)。
屋外にいる時間もあるので、肌に直接吹きかける虫除けと必ず併用しているが、この組み合わせで、これまで蚊に悩まされて眠れなかったことなどない。
こんな便利なものが登場するずっと以前の話だが、凄く蚊が多い場所でテントも張らずに寝ていたところ、400Hz前後のあの音で眠れず、たまりかねて顔にも虫除けを塗りまくったところ、今度はその臭いが気になって、結局ほとんど眠れなかったという苦い経験がある。
本当に便利なものが登場したものだ。
最後に番外的な蚊対策を紹介
先日キャンプした際に、キャンプ場なのだから当たり前だが、他のメンバーは皆普通に芝生のサイトにテントを張った。
しかし、ちょっと試してみたいことがあったため、私はサイト横の駐車場で寝た。
何を試したかというと、軽トラの荷台のBoo3(荷台のシェル)の天井からコット用の蚊帳を吊り、その中で寝ることだ。
上の写真ではBoo3の側面のパネルを開けているが、Boo3はパネルを閉めた状態でも、荷台のアオリを開けておけるようになっている構造だ。
そのため、横にも後ろにも出っ張ってしまうことなく、アオリの部分から風を通すことができる。
これは三方開きの荷台でなければできない芸当だ。
雨には降られなかったが、余程横殴りの雨でなければ、これで雨対策も大丈夫だ。
キャンプ場のロケーションは防風林と道路を挟んで、比較的海水温の低い海岸から直線で250m程度。
Boo3の中には程よく風が抜けて扇風機も不要、いつも通り肌用虫除けスプレーと「ワンプッシュタイプ」も念の為併用したが、蚊の気配など全く感じず、朝まで快適に熟睡することができた。
この先も画期的なアイテムが登場するかもしれないが、これはかなり良い方法だった。
軽トラ荷台泊バンザイ!!