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「ちょっと待って!」マンションの機械式駐車場から「メリッ」…自損事故より厄介?車にまつわるご近所トラブル

マフラー
自家用車を維持するためには保管場所が必要であり、多くの方が自宅の敷地内やその近辺の駐車場に車を保管していると思われます。

しかし駐車場の配置などの環境的な問題や、騒音問題をはじめ、車をめぐって近隣住民とトラブルに発展してしまうケースもあるようです。

今回はドライバーの方々に、「車にまつわるご近所トラブル」について話を聞きました。

純正オプションのマフラーが近所迷惑に?


騒音 トラブル

©Patrick Daxenbichler/stock.adobe.com



ご近所トラブルとして多く見られるのが「騒音トラブル」です。

騒音には生活音やオーディオなどさまざまな原因が考えられますが、車についてはやはり「排気音」が問題になるケースが想定されます。

「数年前に海外メーカーのスポーツモデルを買いました。見た目は普通のハッチバックなのに、走りは刺激的なところが気に入ったんです。

とくに試乗車に装着されていたオプションのマフラーがいい音で、営業からも『こういう車は五感で楽しむのが醍醐味ですよ』『車検にも通りますし、改造車のようにけたたましい音が鳴るわけじゃありません』と強く推され、装着することに決めました。

ですがいざ納車されると、試乗のときより音が大きく感じて……大通りに面したディーラーの敷地での響き方と、住宅街での響き方はだいぶ違ったんです。

なるべく迷惑にならない時間帯に乗るようにしていましたが、残業で帰りが夜10時くらいになる日が続き、とうとうお隣さんから音について指摘されてしまって。『結構音が響くんですね』みたいな遠回しの言い方ではありましたが、やはり迷惑だよなぁと思い、それ以来帰りが遅くなる日には表通りのコインパーキングに止めるようになりました」(50代男性)

純正オプションに採用されているマフラーであれば、基本的に「車検に通る製品」であるため、騒音面でも問題ないと思えるかもしれません。

しかし車検に通るからといって、音が響かないわけではなく、車種によっては純正状態でもかなりの重低音がするものもあります。

お隣の建物が自宅の駐車スペースに近接しているなど、排気音が周囲に響きやすい環境にある場合はとくに、排気音が大きめの車を選ぶ際には注意が必要なのかもしれません。

いつも敷地からはみ出しているあの車


路地 駐車 トラブル

©oka/stock.adobe.com



私たちが普段利用している道路の多くは、国や地方自治体が管理している公道です。

しかし道路には公道のほかにも、個人や法人が所有する「私道」があり、その道路に隣接する土地の持ち主に所有権が属しているケースも少なくありません。

「向かいの家がしばしば道路にはみ出して駐車しています。その家の車自体は車庫に収まっているのですが、週に2日くらいのペースで親御さんが来ているようで、そのたび無理やり玄関前のスペースに縦列に止めて、50cm以上はみ出しているんです。

前の道路は私道で、4mしか幅がないので、その状態だと駐車がかなり難しくなってしまいます。ただ毎日のことではないし、滞在時間も長くて半日程度なので、『私道だし文句を言って関係が悪くなるのもな……』と何も言わずにきてしまっています。

いっそのことこっちも実家の親などを呼び、はみ出して止めてやろうかとも思いますが、周りへの迷惑を考えると実行には移せないですね。なので毎回やっているお向かいさんは、かなり神経が太い方なんだろうなぁと思っています」(40代女性)

私道の共有や分有がどのようになされているのかによっても異なりますが、基本的に「私道を所有者たちがどのように利用するか」については、当事者間で解決すべき民事上の問題として扱われます。

互いが互いの迷惑にならないよう配慮しあえている状況であれば、このような私道のトラブルは生じにくいと考えられますが、私道を共有・分有している権利者の1人でも「周囲に影響を及ぼす使い方」をしはじめると、なかなか解決しにくいのが私道の難しいところです。

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マンションの機械式駐車場でまさかのトラブル


駐車場 トラブル

©oka/stock.adobe.com



一般に駐車場の敷地面積が限られるマンションにおいては、立体駐車場や機械式駐車場などが採用されるケースが多く見られます。

とくに機械式駐車場の場合、パレットの昇降に時間がかかるなど、利用者間のトラブルにつながることもあるようです。

さらに、「車を載せた機械が昇降する」という構造上、使い方に十分注意していないと危険な状況を招くおそれもあります。

「住んでいるマンションの駐車場が地上二段の機械式で、私の車は下のパレットに止めてあります。大型連休の初日、帰省時の混雑回避のため早朝のうちに出発しようと、妻と子どもの準備ができる前に車に荷物を載せていたんです。

ミニバンのリアハッチを上げている状態で、トランク内に荷物を詰めていたところ、なにやら機械の作動音がしていることに気づき……。上に止めている住民の方が、私に気づかずパレットを操作していたんです。慌てて『待ってください!』と叫んだ頃には時すでに遅し。ハッチが機械に挟まれ『メリッ』という音が響き、そこでようやく機械が止まりました。

相手の方とはあまり顔を合わせたことはありませんでしたが、そのときは平謝りで、お互い予定もあるし、とりあえずハッチは閉まる状態だったので、『詳しい話は後で』と連絡先を交換して終わりました。

しかし後日、30万円ほどになった見積もりを見せると、『こちらが100%負担するのはどうなのか』みたいなことを言われ、返信も途絶えがちに。管理会社にも間に入ってもらいましたが、どうにも対応が煮え切らず、なんならこっちに譲歩してほしいような雰囲気も感じ取れるくらいで。

結局こちらの車両保険を使って、保険料が増えた分の半額を負担してもらう形になりました。正直納得はしていませんが、完全に泣き寝入りするよりはマシだったと自分に言い聞かせています」(40代男性)

駐車場内のトラブルは、個人同士で解決しようとすると、なかなか折り合いがつかないケースも多いと思われます。

車が動いているときの事故であれば保険会社に介入の余地がありますが、たとえば「近所の子がボール遊びをしていて車を凹ませてしまった」など、車が動いていない状態では当事者同士で話をつけなければならないこともあるでしょう。

もちろん、相手方が自動車事故以外の日常における事故まで補償する「個人賠償特約」に加入している場合など、スムーズに賠償金を受け取れる可能性も考えられます。

しかし、賠償する側がそのような保険に加入していない場合には、示談に至るまで多くの時間と労力を要するケースもあるようです。

上のように被害者側が車両保険を使うことも選択肢ではありますが、それでは翌年以降の保険料が上がってしまうので、被害者側には「泣き寝入り」の感覚が残るでしょう。

被害者が自動車保険の弁護士特約に加入していれば、これを利用するのも有効な手段かもしれません。

これは自動車事故のほか日常的な事故においても活用でき、怪我や物損被害などの賠償請求を弁護士に依頼する際に、その費用を補償する特約です。

車をめぐるトラブルは道路だけではなく、さまざまな場所・形態で生じる可能性があります。

自分が被害者・加害者いずれにもなりうることを考慮しつつ、自動車保険の特約などにより備えを十分にしておきたいところです。

ライター:鹿間羊市
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