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格安で車中泊仕様車をDIYしている人たちに遭遇! アウトドア×カスタムカーイベント「Let’s chill out」リポート!!

先週の6月4日と5日の土日。
山梨県のあさぎりフードパークで開催されたアウトドア×カスタムカーイベント「Let’s chill out」。
DRIMO編集部も出展したこのイベントで、中古のバンをDIYで車中泊仕様に改造している人たちの集まりを偶然発見。
8台ほどの車中泊仕様に改造されたバンが並んでいたのですが、それぞれオーナーの趣味や好みが反映されていて手作り感満載。
そして、どれもセンス良くおしゃれでびっくり。
DRIMOとしては、これはお話を聞かせてもらわないと!
ということで、突撃取材となりました。
一言で言うと、カッコいいのに低コスト。
安く車中泊仕様車を手に入れたい、DIYに興味があるという方、絶対に参考になります!
「Let’s chill out」ってどんなイベント?

2022年6月4日と5日、あさぎりフードパーク(静岡県富士宮市根原)でアウトドア×カスタムカーイベント「Let’s chill out」が開催されました。

当日は、アメ車や欧州車のカスタムカー、ビンテージカー、キャンピングトレーラー、バンライフカーなど多種多彩な車の展示や、アウトドア関連ファッション&グッズ・サービスのショップの出展、特設ステージではライブ演奏やお笑いライブなど盛りだくさん。

ゆっくりイベントを楽しんでもらうため、一般来場者がキャンプできるスペースも設けられており、たくさんのキャンプ・オートキャンプ・車中泊愛好者が集まっていました。

実は今回の「Let’s chill out」にはDRIMOも出展。
もっとDRIMOをたくさんの方に知ってもらいたいということで、アプリダンロードやSNSをフォローしていただいた方にその場でボールペンやマスク、エコバッグのDRIMO公式グッズをプレゼント。
来場者や出展者のみなさんとの交流に努めました。
イベント会場となったあさぎりフードパークは、普段はドローン(小型無人機)の飛行場としても使っているそうで、とにかく広々とした草原。
天気も梅雨入りギリギリ前だったからか、2日目のイベント終了時間前まではなんとか持って、高原だけに涼しくて(6月なのに肌寒いくらい)過ごしやすかったです。
※DRIMOのアプリはこちら
DIY車中泊仕様車の集まりに出会った!

そんな「Let’s chill out」の会場をうろうろしていると、端っこの方にちょっと古めのボンゴやハイエースが8台ほど並んでいるのを発見。
声をかけてみると、「Vancamp Japan」という、車中泊&キャンプが趣味の人たちの集まりでした。
Vancamp(バンキャンプ)というのは、「自然の中でクルマに宿泊する」ことを主体としたキャンプ。
車中泊の一種ではあるけれど、サービスエリアや道の駅を巡るより、主にキャンプ場でテント代わりにバンで寝るというスタイルのようです。

Vancamp Japanへの参加者は、テント泊をしているうちに、テントの設営・撤収の時間を省いたらもっとゆったりとキャンプ場での時間を過ごせることに気づいて、それなら車で寝られるように改装しようと思い立った方が大半。

車内にベッドを設けたり、いろいろやっていくうちに、車中泊だけでなくDIYにもはまっていったという流れのようです。
はじめはそれぞれ個人で楽しんでいたのが、Vancamp japanの主催者である小濱さんとSNSでつながることで、情報交換をしつつ、オフ会のようなイベントで集うようになりました。
昨年(21年)の12月には、Vancamp MTGと名付けた自主イベントを初企画。
DIYバンキャンパーに声をかけ、神奈川県の丹沢湖近くのプライベートキャンプ場にて2日間の日程で開催しました。
今後はSNSでの交流や自主イベントに加え、「Let’s chill out」のようなアウトドアイベントでの車両展示や、バンキャンプや車中泊ビギナー向けのイベントを実施して、バンキャンプという車旅のスタイルを広めていきたいとのことです。
それではいよいよ、Vancamp Japanのみなさんの“技あり”な車中泊仕様車を紹介してみたいと思います。
次のページ▷それぞれ特徴の違う素敵なDIYカスタムカーをご紹介します
Vancamp Japan主催者は元ジムニー乗り。

Vancamp Japanを主催している小濱さんはキャンプ歴10年ほどで、もともとはスズキのジムニーにテントを積んでキャンプ場に行っていたそう。

4年ほど前にたまたま海外のサイトで「VAN LIFE」というスタイルがあることを知り、ちょうどテントの設営・撤収の時間がもったいないと思うようになっていたときだったので、「キャンプ場で、テントの代わりに車内で寝ればいい」と気づいて、ジムニーから現在乗っている約20年落ちの中古の三菱デリカに買い替え。

DIYで内装を車中泊仕様に改装して、外装も河原でハケとローラーで好みの色に全塗装してしまいました。

車内改装のいちばんのポイントは、運転席からリアドアまでウオークスル―にしたこと。
全面フラットのベッドにしてしまうと、リアドアからの荷物や人の乗り降りが不便。
これをなんとか解決したかったからだそうです。

しかも、ウオークスル―のときは右側に一人用のベッドのみですが、家族もいっしょのときはベッドと左の棚の間にベニア板を渡してフラットなベッドにもできるようになっていて、そのときどきの利用人数に合わせてフレキシブルに使える工夫もしています。

気になる材料費は、全部合わせても「ひと桁万円だと思います」ということなので、車両代以外はほとんどお金をかけずに、テント泊から車中泊キャンプに移行したことになります。
アウトドアショップ勤務の経験を活かして、魅せる内装をDIY。

もうひとりのVancamp Japan主催者でもあるヘンミマオさんは、キャンプのインストラクターをしていて、元々はアウトドアショップで店長をしていました。
ずっとテントを張ってキャンプをしていたのですが、先ほどの小濱さんと同じく「車で寝たらもっとラクにキャンプできるかな」と思っていたところ、走行5万kmで30万円の中古バンを見つけて即買い。

アウトドアショップでは売り場づくりも担当していたので、バンの改装でも「魅せる収納」を意識したそうです。
DIYの材料はほぼホームセンターで購入。

かかった材料費はきちんと合計してないものの、今のところいちばん高かったのが外装と室内を自分で塗ったときのペンキ代で2万円くらい。

買ってから2年半ですが、今でも車内のあちこちを改装中で、「中古の安いバンなので、失敗してもいいやという感覚で、天井のフレームでもばんばんビスを打っています」というように、思いきりDIYを楽しんでいます。
※Vancamp Japanの公式サイトはこちら
車中泊仕様のDIYが高じて、オーダーメードのビルダーに!

キャンプ好きだった松尾さんのお仕事は映像クリエイター。
仕事であちこち遠出することも多いため、「宿泊場所としても使えて、出先で動画編集もできて、キャンプにも使える車があれば」と考えていました。
以前からDIYで自宅の壁を張り替えたりしていたこともあり、車も自分で好みのものを作れるのではないかと思いついて車中泊仕様車の製作に取りかかったそうです。

そこから7カ月かけて、電気の配線なども独学で学びつつ完成したのが現在乗っている上の写真のハイエース。
旅先での動画編集にも耐えられるように300Ahのサブバッテリーを2つ積んでいます。

見ての通り、素人が初めて作ったとは思えない仕上がり。
評判が評判を呼び、「私にも作ってほしい」というオーダーが入るようになったというのもうなずけます。
すでに3台を製作。

映像クリエイターと並行して、車中泊仕様車のビルダーになってしまいました。
オークションでの中古車の仕入れから内装の製作、構造変更して車検を通すところまで一括してワンストップでオーダーできるのが特長。
予算と用途を伝えると、自分好みの世界に一台を作ってくれるとのことなので、新車のキャンピングカーは予算的に難しいという方や、既成モデルにはピッタリくるキャンピングカーがないという方の強い味方になってくれることでしょう。
※松尾さんのインタグラム
中古の国産のバンをDIYで改装。安く車中泊デビューする最短距離かも。
キャンプに行きたいけれどテントを張るのは面倒。
車中泊はしたいが、本格的なキャンピングカーは中古車でもなかなか手が届かない。
こういうケース、少なくないと思います。

こちらはVancamp Japanに参加していたMIKAMIさんのハイエース。ここまで仕上げて車両価格、全塗装込みで約150万円だそうです。
それならVancamp Japanの集まりに参加していたみなさんのように、中古のバンを買って自分で好きなように車中泊仕様に改装してしまうというのは一つの近道ではないでしょうか。

同じくVancamp Japanに参加していたAYAKAさんのハイエース。足掛け1年かけてDIY。車両、塗装、内装合わせて費用は約200万円とのこと。
ポイントは国産車であること。
けっこう旧い中古車でも日本車なら、そんなに故障の心配もないはずなので、絶対大丈夫とは言えませんが、維持費も少なくて済むはずです。
さらに言うと、割安に買うには「元業務用」を狙うのがコツのよう。
前述のVancamp Japanの小幡さんのデリカは助産院で使われていたもの。
近所の送迎に使われていたようで、約20年前のモデルですが走行距離は3万5,000kmほどだったそうです。
同じくVancamp Japanのヘンミマオさんの場合は電話工事に使われていた車だそうで、初めからセカンドシートはなく、荷室(居室)は完全な箱の状態。
シートを取ったりして定員が変わると必要になることがある構造変更はしなくてよいので、そのまま自分好みの棚や机やベッドを載せて広々と使っています。
上の項でも触れましたが、これが走行約5万kmで30万円。
1~2人旅と割り切れば願ったりかなったりの1台です。
そして極めつけは松尾さんのケース。
平成20年式、走行5万kmのハイエース・コミューターをオークションで、約50万円で落札しました。

実は松尾さんのハイエース・コミューター、元は霊柩車だったそうで、それもあって割安の落札価格になったようです。
霊柩車は極端な例かもしれませんが、車中泊のベース車を探すときは、「元業務用」だと年式や走行距離の割に価格が安い場合があることを、気に留めておくとよいでしょう。
いずれにしても、国産の中古のバンを手に入れて、気兼ねなく車中泊仕様に改装してガンガン使い倒す。
Vancamp Japanに参加している方々の車を見ていて、良い選択だと思いました。