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東京キャンピングカーショー2019で感じた「本当に買うならこんな車がいい」

前回は高さについての話の途中でポップアップルーフについて触れる前のところで終わってしまったので、今回はポップアップルーフについての話から。前回の記事をお読みでない方は、まずはそちらからお読みいただきたい。

キャンピングカーショーについてのレポートは色々なところで書かれていると思うので、ありきたりなイベント報告や、見てきた車を普通に紹介したところで面白くもない。と言うことで、「東京キャンピングカーショー2019」において、筆者がどうい...
車体の高さについて
大人気のポップアップルーフ

駐車場の高さ制限の問題をクリアしつつ、中で直立する高さを確保することを諦めない方法がポップアップルーフだ。天井の高い部屋を作るだけでなく、2階に寝室を作って就寝人数を増やす目的でもある。普段は高さのある車より横風の影響を受けにくいのも魅力だ。そんなわけで人気が高いのか、ポップアップルーフの車を備えた車も結構多かった。

写真を撮ろうとしていたら、「お母さん、ボクも上に上がってみたいー。」「ちょっと待ってなさいっ。お母さんがちゃんと見てから!」なんて場面に遭遇してしまった。これは脚色ではなく本当の話。少し前までは、キャンピングカーにはなんとなくお父さんがお母さんを説き伏せるようなイメージもあったが、近頃はこんな積極的なお母さんも多いようだってことも、今回のイベントで実感したことの一つ。
ポップアップルーフの危険性
しかし、ポップアップルーフは良いことばかりでもない。一見屋根がない分軽そうに見えるオープンカーが、実際には剛性不足を補うための補強で普通の屋根付きの車より重量が重くなってしまうことがあるが、屋根を切り開くと当然ながら剛性が落ち、車体が歪みやすくなる。
勿論メーカーさんはそうしたことも考慮に入れてしっかり補強はしていると思うのだが、身近にこんな実例があった。随分昔の話ではあるが、友人のオートフリートップ(電動ポップアップルーフ)付ボンゴフレンディー(懐かしく思う人も多いと思う)のフロントウィンドーが、何もしていないのに突然割れてしまったのだ。
理由は微妙に車体に歪みが生じてしまっていたから。要するにオートフリートップに起因していたそうだ。滅多にないことではあるが、一抹の不安を残す原因となる事例だ。

実は私も以前ポップアップルーフ付きの初代ステップワゴンを持っていたことがある。しかし、この車はサンルーフ付の車にポップアップルーフを乗せて、サンルーフ部分を2階の部屋(寝室)への出入り口するだけで、ガバッと天井を切り開いていない車だった。
中で立って調理ができるような天井の高い部屋が出来上がるわけではなく、それは少し残念な気もするが、運転していて少し頭(自分のではなくて車の)が重い感じはしたけど、車の剛性には全く問題ない点では良い車だったと思う。
この車を選んだ一番の理由は、比較的小柄な車体ながら1階に荷物を満載した状態でもポップアップルーフを上げるだけで簡単に2人程度は寝られる寝室が作れることだった。また、男2人でも1階と2階の別室に分かれて寝られるなんてことも大きなメリットだった。
しかしポップアップルーフのデメリットは剛性の問題だけではない。私はそんなに気になる方ではないから大抵いつでも安眠できたが、サービスエリアなどで2階寝室で寝るとかなりうるさいし、風が強いとちょっとした地震並みに揺れることがある。
また、高速のSAで、大型車の区域が空いているのにわざわざ小型車の区域に停める大型トラックがたまにいるが、そんなのが隣に停まってエンジンかけっぱなしにされたりすると流石に腹が立ったものだ。神経質な人は上段では眠れない可能性もあるので、これは覚悟しておかないと失敗する。
車体の長さについて
高さの次は長さの話。駐車場には全高もだが全長の制限がある場合も多い。コインパーキングなんかだと、5m以内となっている場合がある。そうすると5mを超えてしまう現行のハイエース・キャラバンのスーパーロングはアウトということになってしまう。
しかし私の一代前のE25キャラバンはスーパーロング(標準ルーフ)だけどぎりぎり5mを切る長さだから、コインパーキングも問題ないのが大きな魅力の一つだ。
フェリーはナンバーで料金設定されている船会社と、長さで料金を区切る船会社があるが、長さの場合は5m未満なら一般的な乗用車と同じ料金区分で済むのも大きな魅力。
また、高さのところでも例に挙げた羽田空港の駐車場は、「高さ2.3m・幅2.1m・長さ5.7m以内の車両」となっている。こうしてフェリーや駐車場のことなどを考慮すると、せめて全長は6m未満、できれば5.5m以内程度には抑えておくのが現実的に使いやすい大きさだと思う。
コースターやシビリアンなどは、ボディーの改造なしで中で立てる高さがある。バスコンなんて、とてもじゃないけど高くて買えないと思うのが普通だが、バスとして使われていた中古なら意外と車両自体は安く手に入ることがある。そして結構運転もしやすい。
しかし、ショートボディーでも全長は6mを少しオーバーしてしまう。ボディーの改造なしで中で立てる高さがあって、車自体の耐久性が高いから、自作派にとっては中古のコースター・シビリアン・ローザなどは、実は案外「シャワールームのある動くワンルームマンション」が遠い夢の世界の話でもなくなる素材だ。しかしそう考えると、6mを超えていることが余計に残念に思えてきたりもする。
ミニバンキャンパーを見て思ったこと

出展はハイエース・キャラバンクラスベースが最も多かったように思うが、ミニバンベースのキャンパーやミニバン以上キャンパー未満的な車の出展数も多かった。普段の使用にも使いやすいサイズで現実的だ。あるいは、「と感じさせやすいから」かもしれない。
しかし、ハイエース・キャラバンクラスと比較すると、やはりミニバンベースの室内はかなり狭い感じがすることは否めない。そして、最近の日本車のミニバンと呼ばれている車は、鼻が短いように見えても実際にはドライバーズシートから車両前端までの長さが結構長く、スラントしたフロントウィンドーの下が植物の栽培でもできるのではないかと思うほど無駄に広い(私が以前持っていた初代のステップワゴンはそんなことはなかったが)車が多い。
そして、セレナやヴォクシーの3ナンバーの車体は、4ナンバーサイズギリギリに作られているハイエース・キャラバンのロング(標準)より、小柄に見えても実は長さも幅も大きいのが事実だ。小柄に見えるのは錯覚に過ぎない。いや、ハイエース・キャラバンが大きく見えているのは錯覚なのだ。
ハイエース・キャラバンは見切りが良くて車両感覚も掴みやすくて大変運転しやすく、最新モデルは先進の安全装備も完備されている。キャンピングカーとしての実際の使い勝手の良さは色々な意味でハイエース・キャラバンの方が断然上だ。
明らかに全長の短いフリード+とか、商用車のタウンエース・ライトエースやNV200バネットなどなら中が狭くなってもそれを選ぶ理由はあると思う。実際に小柄だからだ。また、仕事車っぽく見えることが嫌な人にはなんとなく乗用車っぽく見えるミニバンベースは魅力的に映るのかもしれない。
理由は何でも構わないのだが、明確な理由もなくイメージに惑わされて本当は大きくて狭い車を選んでしまうのが良いと思えない。実際の寸法や使い勝手をよく知った上で選ぶことをおすすめしたい。
人気の軽キャンパー

軽バンベース・軽トラベースどちらも含め、軽キャンパーの出展数も多かった。バモスを持っている私にとってはやはり一番気になったのはホンダのN-VANだ。ホワイトハウスのポップアップルーフ付のN-VANキャンパーが出展されていて、ご覧の通りやはり大人気だった。
車内全面ベッドにすると結構広大なスペースが出現し、ポップアップルーフを上げると車内で立つこともできるし、2階の寝室もできる。オプションのサイドやテールゲートに設置するテントと組み合わせたら、軽自動車を中心としているとは思えない大きな基地が出来上がる。
夢の広がるとても楽しそうな車だが、全部揃えたら場合によってはもう少し上のクラスの車を買える金額になってしまう。吟味したオプションの金額も考慮に入れ、全体像を把握してから決める必要はありそうだ。
また、全面をベッドに展開すると広くは見えるが、ベッドの長さがこんなにも必要な人は多くはないと言うより稀だと言える長さだ。
ベッドが大きければ余ったスペースに荷物が置けるから良いじゃないかと思うかもしれないが、実際にはベッドと荷物を置く場所が区別されていないとだらしなく片付いていない部屋のようになってしまったり、荷物の整理がしにくく決して使い勝手が良いとは言えなくなってしまう。
やはり荷物置き場と寝床とはきっちり区別されていて、荷物を取り出しやすくしまいやすいようになっていることが望ましいと、経験上私は思う。これは見た目の問題だけではない。
荷物がきちっと整理されていないと、山道の走行中とかに荷物があっち行きこっち行きしてしまうこともあり、それが気になるだけでなく、危険なことさえあるからだ。
そして、他にも人を運ぶ車があれば、この大きな基地が役に立つ機会もあると思うが、N-VANだけで実際に大人4人が移動するのは厳しい。動力的に非力だからと言うより座席の問題だ。
N-VANに限らず、明らかにお粗末な後部座席しかないのに4人寝られると言っても意味がない。私でさえお粗末と思うような座席では、今時の乗用車しか知らない人には長距離移動なんてはっきり言って無理なのではないかと思う。
N-VANキャンパーを例に挙げてしまったが、軽キャンパーに限らず、展示車両を見ているとこうした「ベッドが広くて広々していて大勢寝られますよ。」的にアピールしている車が多いように感じられた。
しかし実際のところ、軽からフリード+・タウンエース・ライトエース・NV200バネットクラスだったら、1人か2人+ペット位までと割り切って使った方が、スペースの問題だけでなく動力性能的にも良いと思う。

軽キャンパーも色々と工夫を凝らして、楽しげで素敵な車は沢山あったが、実際には私だったら軽キャンパーは完全に1人用と割り切って使うのがベストだと思った。私の愛車のバモスも1人仕様だが特に不満や不足はなく、むしろ個人的にはより愛着を感じてしまう結果となった。
その他思ったこと
「置いてあるのは絵になるようなカッコイイ物ばかりで、余計な物は一切なく、凄く広々とした素敵な空間に見える。」のは普通の家のモデルルームでよくあること。
しかし、実際に生活に必要な物とかを置いてしまうとまるでイメージが変わってしまったり、冷静に考えると実際の使い勝手はどうなのだろうと思ってしまうようなこともありがちで、これはキャンピングカーにもそのまま当てはまるのではないだろうか?
とてもスッキリして広くて快適そうに見える室内ではあるけど、実際に必要な荷物を積んだりしたら寝るスペースが大幅に減ってしまいそうであったり、泥々のマウンテンバイクや天気が悪くてずぶ濡れのままのフォールディングカヤックが積めなかったり、お父さんがせっかく揃えた自慢のキャンプ道具とかが積み切れなければ本末転倒。
脱いだ服や食べ残しの食料が散らかっていたのでは、家を建てられる値段の立派なキャンピングカーも台無しだ。くどいようだがそうした意味でも片付けやすく十分な収納スペースがあることは非常に重要だ。展示場などで見た華やかな雰囲気に惑わされず(騙すつもりではないと思うが)、より具体的な使用例をしっかり思い描いてから選ぶことが大切だと思う。
私の具体的な展望
バモス君はたまたま譲り受けた車だが、仮に自分で小柄な車を買うことがあるとしたら、N-VANか、軽ではなくなってしまうがタウンエース・ライトエースにするか迷うと思う。
あるいは室内が狭くなっても思い切ってジムニーと荷物が多いときは軽のトレーラー。タウンエース・ライトエースは、軽より幅のある室内という魅力がありながら、それでも長さが十分短くて小回りが利いて使いやすそうだった。
後部座席なしの2人乗りにしてしまって、内装がシンプルな状態の車ならなんとか現在の仕事でも使えそうだから、キャラバンの代わりで節約するならタウンエース・ライトエースかもしれない。
ハイエース・キャラバンは色々な意味でやはり非常に使いやすい。もし次に現在のE25キャラバンから買い換えるとしたら、4(5)ナンバーサイズのキャラバンかハイエースが現実路線かとは思うのだが、どちらもスーパーロングだと5mを超えてしまう。
それならいっそ高さ2.3m以下は諦めて、室内にシャワー室を設けられて後部に横向きの常設ベッドを設置できるフィアットのデュカトとかメルセデスのスプリンターが良いなあと想像を膨らませている。

なぜキャブコンではなく大型のバンなのかと言えば、個人的にはやはり基本的に大きくボディーをいじっていない車に色々な意味で好感を抱いてしまうから。そして、やはり出来上がった車ではなくて内装は自作したい。夢のまた夢の話だけど、もし私が自分の愛車としてデュカトのことをDRIMOで書いたりしていたら、サマージャンボが当たったのだと思ってもらってほぼ間違いない。