車中泊
会社勤めしながら1年車中泊生活を続けた理由とリアルな暮らし

私は、ダイハツ ムーヴという軽ワゴンで車中泊生活をしながら、会社勤めをしているサラリーマンです。
自宅はあるものの、さまざまな理由から車中泊生活を続け、1年が経ちました。
一般的に車中泊といえばレジャーの一環として楽しまれることが多いですが、私にとってはライフスタイルとなっています。
「なぜ、会社勤めをしながら車中泊生活をしているのか?」と、疑問に思う方も多いと思います。
今回は、私が1年も車中泊生活を続ける理由と、その中で苦労したことについて5つご紹介します。
車中泊生活を始めるきっかけ

私は、七尾市にある製造業の工場で勤務しています。
2024年1月の能登半島地震で被災し、その復興対応のため勤務時間が長くなりました。
さらに、道路事情の悪化により、通勤時間も通常より大幅にかかるように。
そんな状況の中で、私は車中泊生活を始める決意をしました。
長距離通勤だった上、仕事が多忙に

本来の勤務時間は8時間ですが、管理者という立場もあり、朝は早く、夜は遅いという生活が続いています。
繁忙期は、朝6時から夜9時まで働くことも珍しくありません。
また、自宅から会社までの通勤時間は片道1時間です。

都心で働く人なら、それほど珍しくない時間かもしれませんが、電車通勤と違い、車通勤では寝不足は命取りになります。
さらに、繁忙期は12月の雪の時期と重なるため、路面状況が悪くなり、走行がより困難に。
睡眠時間の確保
長距離通勤により、普段睡眠時間は5時間、繁忙期には4時間を切る日もありました。
この状態が続くと、仕事中に集中力が切れやすくなり、ミスや怪我のリスクも高まります。
そこで私は、睡眠時間を確保するために、会社近くで車中泊をすることにしました。
実際に始めてみると、どんなに仕事が遅くなっても、毎日6時間以上の睡眠を確保できるようになりました。
毎日どこで車中泊して、食事はどうしているか?

車中泊をする場所ですが、幸いな事に能登半島(特に氷見や七尾)はレジャー客も多いため、車中泊スポットが充実しています。
そのため、何の気兼ねもなく泊められるところが多いです。
通勤圏内としては、会社から5〜30分程度の距離のスポットを多く利用しています。
ダイハツ ムーヴという、あまり車中泊向きでは無い軽自動車ですが、助手席側をフルフラットにして就寝しています。
トイレが出来るだけ近い場所を選ぶようにしており、着替えが必要なときは多目的トイレを活用しています。

食事は、外食・コンビニやスーパーの弁当・車内調理の3パターンとなります。
車内調理にはカセットコンロを使用しており、火を出来るだけ使わない工夫もしています。
たとえば、スーパーの惣菜を食パンに挟んでサンドイッチにしたり、電子レンジが使える店舗でパックごはんを温めることも。
最近は、スーパーやローソンの電子レンジで温められることが分かり、メニューの幅が広がりました。
そして、退勤時間は、スーパーの値引きシールが貼られる時間帯なので、お得な食材探しも日々の楽しみのひとつです。
1年に及ぶ車中泊生活で苦労したこと
車中泊を1年続けていて、苦労した事はかなりあります。
季節の変化に合わせた持ち物

季節の変化により、持ち物が対応できなくなる点です。
代表的なのが布団と衣類。
布団は洗濯・乾燥後に圧縮パックし、会社の休憩所に置かせてもらっています。
夜勤用の布団が常備されている場所なので、1つ布団が増えても問題ありません。
衣類は、1年通して着回せるものを選んでいるため、衣替えはほとんど不要。
ダウンジャケットなどの季節限定アイテムは、圧縮して会社のロッカーに保管しています。
夏の暑さ対策が大変だった

寒い時期は比較的対応しやすいのですが、夏の暑さは本当に苦労しました。
涼しい場所を探し回る日々を送りましたが、コワーキングスペースをいくつか探して解決。
快活クラブも良く利用しており、銭湯1回分の費用で1時間利用できます。
寝る前の問題は、これでほぼ解決。
問題は寝る時です。

エアコンという選択肢がありますが、私としては費用やスペースの問題で却下。
代わりに、USB電源の扇風機を購入しました。
ポータブル電源に繋げば、一晩中使用でき、風で汗が蒸発し体感的にはとても快適。
結果的に、私にはエアコンよりも合っていました。
調理器具の試行錯誤

調理器具については、さまざまなものを試してきました。
最初はポケットストーブやシングルバーナーを使っていましたが、最終的にはカセットコンロが一番使いやすいという結論に。
いろいろと買い集めて試した末、最近は思い切って断捨離しました。
この過程で、手間をかけない調理スタイルもだいぶ習得できました。
職務質問と防犯面の注意点
これまでに、警察の職務質問を3回ほど受けたことがあります。
びっくりはしますが、すべて車中泊許可の場所だったため、問題はありませんでした。
やはり、車中泊する場所は許可されているところを選ぶのが安心です。
病気になったときの課題
風邪などで会社を休んだ際に困ったのが、日中に静かに車を停めていられる場所が少ないこと。
そのため、現在も人通りの少ない、いざというときの休憩場所を探している最中です。
また、体調を崩さないための対策として、毛布や扇風機などの温度管理グッズも常備。

夏場は、特に注意が必要で、車内は放っておくと確実に熱中症になります。
私は、ウインドウを少し開けて風が入るようにしています。
能登の風は意外に冷たく、全開にすると寒いくらいです。
防犯面ではあまりおすすめできませんが、私のいる地域は犯罪が少なく、大きなトラブルもなく過ごせています。
まとめ
実は、車中泊生活を始めたもう一つの理由が「災害時に、車で車中泊生活が可能か証明する事」でした。
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、私の知人の中にも車中泊をした人がいます。
会社でも被害はありましたが、水回りは比較的無事。
しかし、周辺地域では1ヵ月以上水道が使えない状態が続いたのです。
その中で、「避難所に頼らず、自分の車で生活ができるのか?」という視点から、あえて軽自動車で1年生活してみました。
震災のときに大きな問題となっていた風呂もトイレも、少し車を走らせれば問題無く、使うことも出来ます。
結果的に、ムーヴのような小さな車でも工夫次第で車中泊を続ける事が証明出来ました。