【脱マンネリ】『暑さ対策』知恵と工夫で暑さを乗り切る!
そろそろ暑さ対策について真剣に考えなければならない時期になってきた。
何も対策を取らなければ基本的には車内の気温は外気温より高くなってしまうことの方が多く、そのままでは車内で快適に就寝することができないことも多い。
そして、暑い車内での就寝は不快なだけではなく、熱中症になってしまう可能性もあり、危険でもある。
私も以前、換気扇や扇風機のことなどについての記事は書いているが、「暑さ対策」は夏の車中泊情報の定番的内容の一つだ。
しかし、その多くが換気や送風と空気を冷却すること、及びそれの関連用品などに関してであり、失礼だが何を読んでも内容がマンネリ化しつつあるようにも感じている。
そこで、当記事ではちょっと違った視点から暑さ対策について考え、扇風機・冷房器具・網戸など定番の内容は取り上げず、関連することではあっても直接的ではない観点から話に織り交ぜたいと思う。
接触冷感寝具
私は緑色のブランドカラーの大手家具チェーンの寝具のコマーシャルが大好きで、毎年新バージョンを楽しみにしている。
冬バージョンの「・・・はあったかい~」も夏バージョンの「・・・はひ~んやり~」のどちらも良いのだが、毎期コントのような内容は刷新され、様々なハプニングに見舞われるが、快適な寝床につけば寒い時も暑い時も寝返りをうつときに浮かべる気持ち良さそうな笑みは変わらないというオチが最高だ。
暑くても寒くても寝床が快適であれば人間同じ笑顔になれるということなのだと思う。
しかし、車中泊関連で寝具に話題が向くのは冬の寒さ対策が中心で、記事で寝袋・毛布・マットなどの寝具が取り上げられる機会も冬の方が圧倒的に多いような気がする。
そして、夏は冒頭でも挙げた通り、どちらかと言えば換気・送風・冷房など空気に関する話題が多い。もちろんそれも大変重要だ。しかし、就寝時の接触冷感も大変重要だと思う。
実際のところ、この手の寝具(接触冷感寝具)を知って以降、普通のシーツやタオルケットなどを使いたいとは思わなくなっている。
冬でも枕カバーはこれの方が気持ち良くて、年間通して使っている。そして、これは家で寝るときの話だ。ならば、車にもそれを導入するべきだ。
何が良いとか、どれを選んだら良いとかは、私が説明するより、緑色のブランドカラーの大手家具チェーンの充実した売り場コーナーや、比較的熱心なホームセンターの売り場へ言って説明を読んだ方がわかりやすい。
確かにまずは車内にこもった熱気はなんとかしなければならないが、接触冷感寝具をまだ家でも使ったことのない人、家では使っているけど車中泊では使っていない人は、定番の扇風機・サーキュレーター・網戸などと併せて、まずはこれを試していただきたい。
頭を冷やせ
反省が必要な場合でなくても、暑いときは就寝中に頭を冷やすのは良いことだ。
熱くなった頭を冷やすのは単純に気持ち良いことだが、血液の温度は下がりすぎても上がりすぎても体調に支障をきたす。
上昇してしまった血液の温度を下げるには、動脈が皮膚の下近くを通っているようなところを冷やすと効果的だが、首筋の動脈を冷やせば、頭だけでなく体全体が涼しくなるというようなことだ。
あまり正確な説明ではないかもしれないが、難しい理屈はともかく、頭を冷やして寝ると頭だけでなく体も涼しくなることは多くの人が体感的に知っていることだ。
接触冷感の枕や枕カバーも効果があり、ひんやり感はあるが、現状以上に熱くなることを防いでくれる程度であり、冷やしてくれる程のものではないと思う(確証はないがそんなものだと思う)。
また、あまりに頭が熱くなっていると、その効果も長くは続かない。やはり、可能であれば確実に冷やしてくれるものがあるとありがたい。
人力移動のキャンプと違って、車なら高性能なクーラーボックスや冷蔵庫・冷凍庫も運搬することができる。これを多いに活用すべきだ。
一般名称を何と呼ぶのかわからないけど、中にジェルが入っていて氷の要らない氷枕を家で凍らせて持って行けば、日中はクーラーボックスの保冷剤の役割も果たし、夜は快適で一石二鳥だ。
特に日中運動をした場合などは大変ありがたく、私は家でも夏は毎晩使っている。
しかし、一泊だったら良いけど、凄く高性能なクーラーボックスを持っていて、これを複数用意して行くか、車に冷凍庫でも装備していて再冷凍できるのでもなければ、二泊目からはこれは使えない。
しかし、氷は移動中にコンビニやスーパーで調達することができる。
大陸だったらアメリカやオーストラリアなどの先進国でも二日間車で移動してもお店のないウィルダネスやアウトバックが存在する。
しかし、幸いなのか残念なのか微妙なことだが、日本では一日中車で走り続けたら否が応でも人家がありお店がある。旅の途中でも車で普通に移動するのであれば毎日氷は手に入る環境だ。
また、同じところに連泊するのだったとしても、高性能で大きなクーラーボックスがあれば二・三日分の氷を確保しておくことは可能だ。
昔ながらのゴムの水枕(氷枕)なら、移動中に氷を買えば毎晩使えるので便利だ。
氷がなかったとしても、水が冷たければ結構冷えて具合が良い。行き先が気温は高くても水の冷たい山とかだったり、クーラーボックスの冷却に使っていた氷が溶けた水を使うのも効果的だ。
昔ながらと言っても、逆に若い世代には新鮮に映るものなのかもしれないが、水枕(氷枕)を見直すのも良い。日本の夏にはかなり役立つ車中泊グッズになると思う。
掌・足の裏を冷やす
血液の温度を下げるには、これまでは首筋や脇などを冷やすのが最も効果的と考えられてきたようだが、最近TVで知った情報では、掌や足の裏を冷やすのが最も効果的であるそうだ。
それも無闇にギンギンに冷やすのではなく、15℃程度が最も効果があるらしい。
そこで、程々に冷やした水を入れた500mlのペットボトルを握って寝てみたところ、なかなかに快適で、知らぬ間に眠りについていた。
また、密林を探索していたらこんなものも見つかった。
車内でも頭と掌と足の裏を冷やして寝れば、かなり快適そうだ。
エアコン
もちろん車のエアコンをかけたまま寝るという話ではない。
エンジンをかけたままの就寝はどこであれ大きなマナー違反、モラル違反だ。しかし、高速のPAで仮眠する場合、窓を開けていては他車のエンジン音がうるさくて寝られない。
耳栓をしていても窓が開いていると安眠は難しい。
そこで、暑いときに高速のPAで仮眠する場合は、走行中にエアコンで目一杯室温を下げておき、その後極力無駄にドアの開け閉めをしないようにして冷気を逃すのを防ぎ、扇風機を回しながらとっとと寝てしまうのが得策だ。
そもそも高速のPAでの仮眠は基本的に疲れを取るため、無理な運転をしないための仮眠であって、車中泊を楽しむこと自体が目的ではないはずだ。
高速のPAでは「走行中に作った冷気を逃さないこと」に注力し、効果的に接触冷感寝具や扇風機と併用して早く寝てしまうのが一番だ。
虫除け
車内への虫の侵入を防ぐ最も効果的な方法はドアも窓も全て閉め切ってしまうことだが、日中駐車していると室温が上がっていて、エアコンでもなければ暑くて寝られないことも多い。
換気のために窓かドアを開けて対処することになるが、そうすると何らかの虫除け対策が必要になる。
車中泊の暑さ対策の話でほぼ確実に登場する物の一つに窓やドア用の網戸がある。しかし、ドアの開け閉めなどの際にパワフルな虫達は必ず侵入してくる。
網戸だけでは万全な虫除け対策とはならない。また、目の細かい網戸は風の通りが悪くなってしまうといった弱点もある。
結局、網戸を使うとしても使わないとしても他の虫除け対策は必要だ。要するに、虫除け対策と暑さ対策は別の話ではなくて、虫除け対策は暑さ対策の要でもあるのだ。
最初に思いつくのは虫を寄せ付けない、或いは追い払う薬の類だ。
この画像の「蚊がいなくなるスプレー」はスプレーワンプッシュで蚊が寄り付かなくなるというやつだが、噴射一回で4.5~8畳の部屋に12時間効果が持続するそうだ。
普通の車で使用するなら十分すぎる程の効力だ。スプレーしてすぐは若干匂いうが、少し経つと気にならなくなる。
確か一昨年前から使用しているが、それ以来窓を開けていてもワンプッシュすれば車内であの不快なモスキート音を聴かなくなっている。
しかし、外にいるときはこういった部屋用では無理なので、私は肌に噴霧するタイプの虫除けも併用している。この二つの併用で寝る時もまず問題を感じることはない。
その他、トラディショナルな蚊取り線香も健在だ。
蚊の侵入経路となる開けた窓やドアの近くに置いたり、窓の前にぶら下げておいたりするのが効果的だが、直置きする場合は火事に注意が必要。
サーキュレーター
サーキュレーターや扇風機の話はなしだったのではとお思いでしょうが、これを虫除けのために活用し、間接的に暑さ対策に役立つという話での登場だ。
その前にサーキュレーターと扇風機の違いを説明しておくと、ごく簡単に言えば風力の強さだ。
サーキュレーターは強力な風で室内の空気を循環させるものであって、扇風機のように直接風を感じて涼感を得るようなものではない。
空気が循環していれば、澱んでいるより暑苦しさは軽減され、エアコンの効率が高くなる効果もある。
しかし、サーキュレーターも扇風機も気温を下げられるわけではない。ここが肝心な部分だ。サーキュレーターや扇風機があっても換気のために窓を開けておきたい状況は多いのだ。
夏になると、田舎のコンビニの入り口には巨大で強力な扇風機のようなものが入り口を風が横切るような向きで置かれていることが多い。
これは強い横風の中を通って店内に虫が侵入できないようにする仕組みだ。
実は私は車内での使用に適した小型のサーキュレーターなど持ってはいないのだが、これを応用して、開けた窓の前を横切るようにサーキュレーターで風を送れば、車内の空気の循環にも虫の侵入にも役立って良いのではないかと思っている。
オニヤンマ
なぜ突然オニヤンマかと言えば、オニヤンマの模型というかアクセサリーのような物を身に着けていると虫除け効果があると巷(一部で?)で話題になっているからだ。
山へ作業に入る人が短く切ったトラロープ(侵入禁止の安全策などに使用される黄色と黒のロープ)を虫除けのためにぶら下げて行くなんて話もある。
オニヤンマは他のトンボと比べて群を抜いて体が大きく、見た目も美しくカッコイイ。他のトンボより出会う機会も圧倒的に少なく、子供の頃そんなオニヤンマは憧れの存在だった。
しかし、ヒトの子供にとっては憧れ存在であっても、体が大きくて顎の力が非常に強い肉食昆虫であるオニヤンマは、多くの虫達から非常に恐れられている存在のようだ。
ヒトにはしつこくつきまとって非常に厄介なアブやブヨもオニヤンマには太刀打ちできず、オニヤンマがいると恐れをなして逃げて行ってしまうそうだ。擬似オニヤンマはそうした現象を利用した虫除け対策だ。
それで、私もこんなものを作ってみた。作りは至って簡単。φ5mm程度の黒いロープを二つに折り、黄色いテープで虎模様になるように束ねただけ。
羽もなければ目もない。でもトラロープよりはオニヤンマの雰囲気が出ていると思う。
私の仕事部屋の机の正面に掃き出し窓があるのだが、窓を開けて網戸を閉めておくと、ネコはそれを引っ掻いたり、登りたくなってしまうようだ。
油断しているとすぐに網目を破壊してしまうから網戸を使うことができない。
エアコンより自然な換気の方が好きなのだけど、自然な換気の方が好きという理由だけでなく、中に入りたいとか外に出たいとか、いちいちネコに指図されて窓を開け閉めするために立つのも面倒くさいから、結局網戸を閉めずに掃き出し窓を開けたままにしていることが多い。
しかし、窓の外は見ての通り光景だから虫がいるのは当たり前。
窓を開ければ様々な虫達が容赦なく部屋の中を偵察しに入ってくる。先程の空中に散布する蚊除けスプレーも効果はあると思うのだが、あまり気にしない奴もいるようで、毎日確実にうるさい奴らが入ってきて、部屋の中を飛び交っている。
虫嫌いな人には耐えられないことであろうが、これ(擬似オニヤンマ)を試してみるのには絶好の環境とも言える。
そこで、外(車中泊)で使う前に仕事部屋の窓の前にぶら下げて実験してみることにした。
それから数日経ったのだが果たしてその効果の程は?
これをぶら下げてからうるさい虫が全然入ってこなくなった。
様々な要因を考慮しなければならないので、これの効果と断定はできないが、劇的な効果を感じている。
それどころか、ボーッと窓の方を見ていると、前まで来て「おっ ヤベェ」といった感じで引き返して行く奴がいるのが見えて(思い過ごしかもしれないけど)面白い。
これだけの実験で「絶大な効果あり」と他人に薦めるようなことはできないが、本当にこれの効果だとしたら、薬品類が苦手だったり使いたくない人も使えるし、減るわけではないから半永久的に使えてしまう。
今後外で(車中泊)で試すのが楽しみだ。
暑さ対策は知恵が必要
結局のところ、暑さ対策には文明の力だけでなく、直接的にも間接的にも知恵や工夫が必要ということだ。
また、あまりに文明の力に頼らなければやってられないと言うのなら、わざわざアウトドアなどに出かけず、家にいれば良いだけだ。
今回の話を通して実行した擬似オニヤンマの実験は本当に面白かった。これからもこうした知恵や工夫を活かして車中泊やアウトドアを楽しみたいと改めて思ったりもした。
トンボは決して強そうに見えるわけではない。旗や服にトンボのマークが描かれていても兜にトンボが付いていても威嚇にはならないと思う。
しかし、本当に実力のあるやつを見抜いて、オニヤンマをシンボルに選んだ武将達のセンスは凄くカッコ良かったのだなあと、ひょんなことから思い知らされた。
そして、こんな奥の深いセンスでデザインされた車が増えたら良いのにと考えてしまった。