輸入キャンピングカーは運転に慣れるまで大変?クセやコツを紹介!




走行性能


ヨーロッパ車というと、高速道路メインの走行をイメージすると思います。

では、日本の道路環境における走行性能はいかなるものか?

その特徴を紹介します。

オートマ(オートマチックトランスミッション、AT)


デュカトはわりと最近になって6速ATから9速ATに、オートマの仕様が変更されております。

どちらも運転を経験しましたので、そのインプレションをお伝えします。

<初期型のAT:6速AT>

現在流通しているデュカトの中古車の中には、このAT仕様のものがあります。

日本車のCVTやトルコン式ATとは違い、MTシフトを油圧システムにて自動的にシフトチェンジするものです。

セミオートマとも呼ばれる良くも悪くもMTライクなATです。

シフトアップは、自動的に油圧操作にてクラッチを切り、変速後にクラッチを繋ぎます。

そのため、若干のタイムラグとシフトショックが発生します。

シフトダウンも通常は自動で行われますが、シフトノブをマイナス(-)側に押すと、オートブリッピングにて回転数を合わせてシフトダウンされます。

走行中は、完全にクラッチと直結となるため、MTシフト同様の高燃費が得られます。

慣れるとそれほど不満を感じませんでした。

<6速ATのシフトレバー>

シフトレバー

◆運転のポイント
シフトアップ時に若干のタイムラグがあるので、その際にアクセルを少し戻す操作をすることで、シフトショックを軽減することができます。

<現行型のAT:9速AT>
現在、新車で販売されているデュカトはこの9速ATとなっております。

これはトルコン(トルクコンバーター)式のATとなっており、初期型の6速ATと比較して、シフトチェンジのタイムラグやシフトショックがなくスムーズに加速します。

国産の最新のカムロードが6速ATとなっていますが、デュカトは9速ATでさらに細かいシフトチェンジが可能であり、高燃費(約12km/L)を維持することができます。

<9速ATのシフトレバー>

9速ATのシフトレバー

◆運転のポイント
シフトモードがパワー/エコ/スタンダードの3種類が選べます。

街中の走行はエコ、山路(やまみち)ではパワーモードに変更することで、街中では燃費の改善、山路では登板能力の向上が得られます。

ドライバビリティ


高速での長距離走行を想定して設計されているため、高速道路では安定性がある走行が可能です。

では、山路ではどうでしょうか?

少し困った特徴も含め、ご紹介します。

<4輪ディスクブレーキ>

4輪ディスクブレーキ

国産車のキャンピングカーのベース車両は、前輪ディスク、後輪ドラムブレーキが主です。

デュカトは、高速道路での安定した停止能力を得るため、4輪ディスクブレーキとなっております。

ストッピング能力が高く、踏み込み量に応じたリニアな減速が得られ、とても安心感があります。

◆少し困ったこと
良く効くブレーキですが、高速メインの設計となっているため、ディスクパッドが日本車とは異なります。

街中をメインで走行していると、ブレーキを踏んだ際に、「キィーキィー」と金属が擦れ合うような音が発生する場合があります。

後続車がいない時は少し強めに踏み込んで、なるべくローターの温度を上げて、停止前に戻す操作をしています。

この操作で、音が軽減される場合がありますが、完全に鳴きを止めることが難しいです。

鳴きにあまりこだわらないのがいちばんだと思います。

<山路>
デュカトで最初に驚いたのが、日本に多い山路での走行性能です。

車旅に出かけた際に走行した、いつまでも続く登りと急カーブの山路ですが、3tを超える重い車両なので、まったく期待はしていませんでした。

しかし、乗用車で採用されている、前輪がコイルスプリング式の足回りのためか、安定した走りでカーブをクリアして行きます。

日本は、下道を走ると必ず山路に当たります。

この走行性能の高さのおかげでストレスフリーの車旅ができます。

コイルスプリング式の前輪の足回り

コイルスプリング式の前輪の足回り



◆上り坂での注意ポイント

通常の山岳路であれば登板能力も十分で、カーブもスムーズにクリアすることができます。

しかし、重量級のFF(前輪駆動)車特有の注意点があります。

デュカトの駆動方式はFFです。キャンピングカーは、後ろ側の積載重量が増えます。

雨や凍結など、スリップしやすい急坂では、前輪側の荷重が抜ける傾向があり、空転してトラクションが得られず、スリップすることがあります。

急な上り坂がある場合は無理せず、できれば安全な道に迂回したほうがいいです。

運転に関わる装備


メーターパネル


オレンジ一色です。

ヨーロッパ車は、昔からオレンジが多いです。

確かにまぶしくなくて、夜間の走行時にメーターを見ても瞳孔があまり閉じないので、前方視界で暗さを感じることが少ないです。

でも、安全面での配慮とはいえ、最近の車に比べるとなんとも安っぽい印象。

ただ、最新型のデュカトは、液晶式の煌びやかなパネルに変更となったので、改善されていると思います。

<夜間のメーターパネル>

夜間のメーターパネル

サイドブレーキ


一概に足踏み式のサイドブレーキが優れているとは言えませんが、デュカトは旧態依然とした、手で引き上げるタイプとなっています。

もちろん、パーキング解除忘れの警告は備わっておりますが、日本車に慣れていると違和感があります。

また、ヨーロッパの人々の身長に合わせており、ブレーキの位置が遠いため、腰を曲げてブレーキレバーを引く必要があります。

体が硬い私には、少し苦痛です。

サイドブレーキ

座面より、かなり下に設置されたサイドブレーキ


燃料キャップ


キャップ自体をエンジンキーで施錠/開錠する構造になっています。

運転のしやすさとは関係ないですが、デュカトでは給油の度に不便な思いをします。

ヨーロッパでは燃料の盗難が多いので、セキュリティー確保のためだそうです。

<エンジンキーで開ける燃料キャップ>

エンジンキーで開ける燃料キャップ

◆給油のポイント
給油は、セルフ式のガソリンスタンドをメインで利用しています。

自分で給油するため、エンジンキーで開錠するのが面倒な以外は特に問題ないです。

しかし、店員さんに給油してもらうガソリンスタンドでは、少し事情が異なります。

まずは、エンジンを切ってキーを渡します。

この後、結構な確率でキャップが開けられないと言われます。

お店のスタッフが慣れていないからだと思いますが、セルフではないスタンドでの給油が必要な時は、最初から降りて対応するようにしています。

まとめ


今回は、輸入車に関わる慣れが必要な操作や運転面での特徴をご紹介しました。

日本車とは異なる部分が多々ありますが、私たちの経験から、いずれも慣れれば対応が可能なものと思います。

へえ、そんな違いがあるのかという程度でも参考になれば幸いです。