北斗

ナローサイズなのに2ルーム!小さなボディに車内トイレを実現。運命を感じました!



株式会社オーエムシー「北斗」


キャンピングカーは「トレードオフ」の世界である、とよく言います。

広々とした室内や居住性を追求すれば大型のキャブコンが理想ですが、駐車や運転のしにくさ、走行性能、燃費などの課題が出てきます。

一方の軽キャンパーやバンコンは取り扱いのしやすさが魅力ですが、居住性能には劣ります。

運転のしやすさと車中泊に必要な設備、ギリギリのせめぎ合いで私が出会った運命の車、株式会社オーエムシー(以下OMC)の「北斗」をご紹介します。

細かくオーダーメイドした私だけの1台


車体

OMCはユーザー1人1人のオーダーに非常に柔軟に対応してくれるビルダーです。

「銀河」「ツインズエース」などベースとなるデザインはありますが、「フルオーダーメイド」といっても過言ではないくらいのカスタムが可能。

そのため私の「北斗」と、別のオーナーさんの「北斗」ではまったく違うデザインになっているだろうことにご留意ください。

それでは、カスタム版「北斗」の車内を見ていきましょう。

最大の特徴は2ルーム仕様にできること


ベッド

車内は仕切り壁で前方と後方に2分割されています。

運転席のすぐ後ろ、車内前方にあたる部分にはベッド兼ベンチが。

就寝したり食事をしたりテレビを観たりするメインの居室になります。

トイレルーム兼キッチン

そしてドアを挟んだリア側にはトイレルーム兼キッチンがあります。

こちらは大人1人でいっぱいになるくらいの小さなスペースです。

「北斗」の最大のポイント、あるいはOMCの最大のポイントといっても良いかもしれないのが、標準サイズのハイエースでも2ルーム仕様にできることです

車内を分割して後方にトイレルームやマルチルームを作るデザインは、おもにスーパーロングなど大型のバンで採用されることが多いと思います。

しかしOMCでは、もっとも小型のハイエースでも後方にドアで仕切った部屋を設けられます。

どうしても付けたかったトイレ


ラップポン

というわけで私の場合は車内後方のドアで仕切られた部屋には熱圧着式のポータブルトイレ「ラップポン」を設置。

「なくても良い」というオーナーさんも多いトイレルームですが、女性にとっては必須の設備だと思います。

悪天候でも深夜でも車内でトイレに行ける、そこが私にとって大事なポイントでした。

稼働には電源が必要なので、トイレを置くことを前提としてコンセント位置などを設計してもらっています。

テーブル

普段は使っていませんが、トイレの代わりにテーブルを装着して調理スペースも作れます。

キッチン


冷蔵庫

トイレルーム内、ラップポンと向き合うように冷蔵庫(40L)とシンクが並んでいます。

シンク

シンクはミニサイズですが、各10Lの給排水タンクを積んでいます。

換気扇

そして天井にはルーフベント(換気扇)を設置しています。

トイレやキッチンの排気のため、またソーラーパネルの関係でこの位置なのですが、ルーフベントは居室側にあればよかったかな、という思いもあります。

IN設定(外気が入ってくる設定)にして扇風機代わりに使えるルーフベント、以前乗っていたキャンピングカーでは熱帯夜に重宝した経験があります。

規定クリアのための床下収納


床下収納

OMCのもうひとつの特徴が「床下収納」です。

ご存じの方も多いかと思いますが、キャンピングカーとして登録するためには炊事場所に「有効な高さ1,600mm以上の空間を有していること」が求められます。

しかし標準ルーフのハイエースではこの基準を満たせません。

床下収納2

そこで床を掘り下げることで、人が立てる空間を作り出しているんです。

逆転の発想ですね。

ハイルーフ車やポップアップルーフにするという選択肢もありますが、都市部の立体駐車場では高さ2.1Mの制限も多いですから、私にとって車高は無視できないポイントでした。

運転のしやすさを考えて車両サイズを可能な限り小さくしたい、けれどもどうしても欲しい設備がある、その両方を実現してくれたのがOMCでした。

ベッドルームの広さは譲れません。


ベッド

ご紹介の順序が前後しましたが、居室に戻りましょう。

まずはベッド部分。

走行時は横向きベンチシートです。

縦方向にベッドをとっているので、十分な長さがあります。

過去に所有していたキャンピングカーや、レンタルキャンピングカーで体験したことなのですが、就寝時にどこかに足がぶつかるというのは想像以上に不快な感覚です。

「寝るときに我慢したくない」というのも重視したポイントでした。

その分、食事や調理、収納にかかわる機能を捨てている、といっても良いかもしれません。

寝袋

スリーピングバッグ(寝袋)を広げれば、あっというまに1人用ベッドになります。

ダブルベッド

複数人で使いたいときは、もう1枚シートを設置すれば車幅いっぱいのベッドが登場。

家庭用のダブルベッドほどの大きさになるので、2人くらいなら十分なサイズです。

面倒くさがりな私のリビングモード


折りたたみテーブル

テーブルの設置も可能ですが、スペースを広く使うために私は折りたたみテーブルを愛用。

バンコンでは、よく通常時は対座ダイニング、就寝時にはシートを倒してフラットにできる、というモデルがありますね。

こまめに車内を片付け、ベッドメイキングができる性格なら良いのですが、私はとにかく面倒くさがり。

シートアレンジが複雑な車は使いこなせないという確信があったので、常にベッドモードで放置でき、荷物も出しっぱなしにしておける「北斗」が相性ぴったりだったんです。

次のページ⇨ 電装系について紹介していきます。