日本の街路にフィットするコンパクトなキャブコン!ナッツRVの「スマコン」シリーズに大注目

目次
トラックなどのキャブオーバー車に、専用のシェルを架装するキャブコン。
とりわけトヨタのカムロードをベースにしたものは、車内で立って歩ける天井高や自由度の高いレイアウトで、「動く家」と呼ぶにふさわしい居住性を発揮してくれます。
一方で、日本の狭い街路や駐車スペースがハードルとなり、ユーザーを選ぶ側面があることもまた事実です。
「キャブコンは大きすぎる」「運転が不安」「駐車に困る」という人に向けて、ナッツRVから新提案です。
“スマートなキャブコン”を意味する「スマコン」は、充実装備を搭載しながらも全長4.7m台~というコンパクトボディを実現したキャブコンのシリーズ。
これは一般的な月極駐車場や商業施設などの駐車枠にも収まるサイズで、行き先を選びません。
これまで車庫証明が取得できずにキャブコンをあきらめていた人にも再考の余地があります。
現在シリーズには「Aletta(アレッタ)」「Jeepney(ジープニー)」「JolyBee(ジョリビー)」がラインナップ。
今回の記事では、お披露目されたばかりのジョリビーと、人気モデルCREA(クレア)の系譜に連なるアレッタをご紹介します。
ナッツ史上最小キャブコン「JolyBee」

ポップなハニカム柄が目を引くジョリビーは、ナッツ史上最小だというカムロード・キャブコン。
優れたコストパフォーマンスと、全長4.79m×全幅1.96m×全高2.72mというコンパクトボディが特徴です。
サイズが小さくなったぶん、装備が犠牲になっているかと思いきや、そんなことはありません。
断熱には上位モデルと遜色ない「高断熱コンポジットパネル」を採用、キャブコンならではの快適な居住空間が創出されています。
グレードは「アバンテ」と「グランデ」の2種類。
「アバンテ」でも基本的な装備は揃っていますが、「グランデ」はEVOLITE(エボライト)急速走行充電システムを備え、外部電源がなくても家庭用エアコンが使えるなど、電装品が大幅に強化されています。
JolyBee(ジョリビー)
ビルダー:株式会社ナッツ
タイプ:キャブコン
ベース車両:トヨタ・カムロード
乗車定員:2WD 7名/4WD 6名
就寝定員:5名
全長:4,790mm
全幅:1,960mm
全高:2,720mm
ナンバー:8ナンバー
参考価格:税込6,985,000円~(2WD AT ガソリン/アバンテ)
公式サイト:ナッツRV
2種類から選べるレイアウト

Type W
レイアウトは「Type W」と「Type X」の2パターンがあります。
エントランス正面に対座ダイネットがあることや、車両前方のバンクベッドは共通。
大きく違うのはリヤのベッド形状です。
Type Wの特徴は、常設二段ベッドでスペースを有効活用し、そのぶんマルチルームを設置しているところ。
車中泊に車内トイレは欠かせないという人におすすめのレイアウトです。
一方のType Xは「Compact & Roomy」がコンセプト。
後部が広々としたダブルベッドになっており、マルチルームはありません。
今回はファミリーにもぴったりのType Wを詳しく見ていきます。
拡張性のあるダイネット

エントランスからすぐのスペースには、4人用の対座ダイネットが。
着脱式のテーブルでしっかり食事ができるほか、テーブルを外した状態でも壁際にドリンクホルダーが残ります。
また、補助マットを使うことでエントランス部分にもベンチが登場します。
最大で6人が着席できるようになり、ゲストが加わっても安心です。

天井近くには収納庫を備え、身の回り品を収納できます。
走行中に不用意に扉が開くことを防止する特殊なヒンジには、ナッツRVの長年の知恵が遺憾なく発揮されています。

下駄箱はテレビ台を兼ねており、オプションで液晶テレビ、BSアンテナ、サテライトスピーカーなどを追加可能。
車内エンタメを楽しみたいというニーズにも応えてくれます。
二段ベッドで効率的にスペースを活用

Type Wでは前述のとおり、最後尾に常設二段ベッドを備えます。
それぞれ独立したスペースになるので夫婦はもちろん、ある程度大きくなった子どもたちにとっても快適です。
キャンピングカーではシートを兼ねた簡易的なベッドも多いですが、ジョリビーではウッドスプリングを採用し、家庭のベッドのような寝心地を生み出しています。

フロントにはスライド式バンクベッドがあり、大人2名が就寝できます。
また、ダイネットを展開するとフロアベッドになるため、ゲストが増えたときのエクストラベッドとしても活用できます。
多用途に使えるマルチルーム

Type Wの特徴であるマルチルームは、ユーザーの希望に応じてアレンジ可能。
半防水仕様になっており、オプションでシャワーやトイレを設置できます。
オプションでハンガーパイプの追加も可能なので、収納庫やクローゼットにしてもよさそうです。
さらにオプションでFFヒーターを追加し、スキーウェアなどを乾かす乾燥室としての使用も想定しているそう。
ウィンタースポーツやマリンスポーツのための移動式拠点、想像するだけでワクワクしてきます。
しっかり調理ができるギャレー

エントランスの右側には、窓から光の入る明るいギャレーがあります。
19Lの給排水タンクを備えた深めのシンクは、実用性が考えられたもの。
窓から蛇口を伸ばし、外部シャワーのように使うこともできます。
「グランデ」グレードでは電子レンジや冷蔵庫も標準装備。
「アバンテ」グレードにはカセットガスコンロが付属します。
グレードによって異なる電装品
電装品はグレードによって異なり、100Ahのディープサイクルバッテリーを1~3個搭載。
「グランデ」グレードではEVOLITEシステムや1500Wの正弦派インバーターが追加されます。
これにより外部電源に頼らず、家庭用エアコンをスタンドアローンで連続使用可能。
「アバンテ」グレードでも外部電源があれば、問題なく家庭用エアコンを使えます。
さらに強化したければ、オプションでソーラーパネルの追加も可能です。
また、寒冷地に行く予定があるならFFヒーターの追加も検討したいです。
人気モデルを再解釈した「アレッタ」

ナッツRVを代表する名キャブコン「クレア」。
そのスピリットを受け継ぎ、「スマコン」という新しいコンセプトで開発されたのがアレッタです。
どこに行っても駐車に困らない全長4.8m台というコンパクトボディ。
それでいて上位モデルと遜色ない断熱加工、高効率充電システム、世界中から選ばれた建具&装備品など、ナッツRVのこだわりがぎっしりと詰め込まれています。
たとえばボディにはボーダー、クレア、クレソンといったフラッグシップと同様に「高断熱コンポジットパネル」が採用されています。
好みに合わせてレイアウトや家具色を選べる自由度も健在。
レイアウトには二段ベッドの「Type W」、ダブルベッドの「Type X」、リヤエントランスの「Type RE」があります。
それぞれのモデルで、同社独自の電装システムEVO3またはEVOLITEを選択可能。
今回はファミリー向けスタンダードモデルのType Wをご紹介します。
Aletta(アレッタ)
ビルダー:株式会社ナッツ
タイプ:キャブコン
ベース車両:トヨタ・カムロード
乗車定員:6名
就寝定員:5名
全長:4,850mm
全幅:1,950mm
全高:2,900mm
ナンバー:8ナンバー
参考価格:税込9,500,000円~(2WD AT ガソリン/EVOLITE)
公式サイト:ナッツRV
二段ベッドとマルチルームが便利なType W

Type REのみリヤエントランスですが、Type WとType Xは車両前寄りのエントランスから乗り込みます。
入ってすぐのところに、大きなアクリル窓が印象的な対座ダイネットがあります。
ギャレーはエントランス隣の壁際に。
Type Wの場合、リヤに常設二段ベッドが設置され、その手前にマルチルームがあるのが特徴です。
マルチルームが不要な場合はダブルベッドのType Xという選択肢があります。
また、フロアが全面フルフラットベッドになり、掘りごたつのようにも使えるType REはユニークなレイアウト。
使用人数や用途に応じて検討するとよいでしょう。
最大6名でテーブルを囲めるダイネット

ダイネットではテーブルを挟んで4人が対面できます。
シートと連続する形で伸びている三角形の補助マット「トライアングルシート」のおかげで、想定定員以上に余裕が感じられます。

エントランスのすぐ隣には、乗車定員に含まれない一人掛けシートがあるのですが、補助マットをジョイントすることで二人掛けシートに。
これにより、合計6名がテーブルを囲むことができます。
リヤとフロントにベッドがあるため、普段は常設にしておけるダイネットですが、シートを展開すればゲストベッドにもなります。
贅沢なウッドスプリング採用の二段ベッド

Type Wではリヤの常設二段ベッドと、フロントのバンクベッド、合わせて大人4名が就寝可能。
ダイネットを出したまま寝られるので、毎晩ベッドメイクのためにシートを展開するような手間がかかりません。
ウッドスプリングを採用した二段ベッドは寝心地抜群。
ふたり旅など少人数利用の場合、二段ベッドが荷物置き場としても活用されているそうです。
冷蔵庫、電子レンジ完備のギャレー

ギャレーには19Lの給排水タンクとフタ付きシンクを標準装備。
アシストテーブルによりスペースを広く使うことができます。

さらに70Lの冷蔵庫と電子レンジが標準装備され、後からオプションで足すものはほとんどないでしょう。
必要なものがすべて揃った電装系
アレッタの大きな特徴として、EVO3またはEVOLITEから選べる強力な電源システムが挙げられます。
EVO3こと「ハイパーエボリューション3」は、リチウムイオンバッテリーで構築された新電装システム。
軽量・長寿命・大容量のリチウムイオンバッテリーを高速充電できます。
一方のEVOLITEは、同社独自の超急速充電システム「EVOLUTION(エボリューション)」と、世界的プロダクトであるCTEK(シーテック)走行充電器を組み合わせた、ディープサイクルバッテリーの高効率充電システムです。

どちらを選んでも、キャンピングカーの世界で長年の課題だったエアコンの安定的な稼働を実現。
さらに、翌日の走行で十分に電力が回復するという急速充電機能を有します。
あらかじめ家庭用エアコンが標準装備に含まれるほか、FFヒーター、280Wソーラーパネルまで標準装備になっています。
一般的な車中泊旅なら、まったく不自由を感じないほどの充実装備を誇ります。
まとめ
クレアをベースに、日本の狭い道をすいすい走れるスマートキャブコンというコンセプトで開発されたアレッタ。
冷暖房、ソーラーパネル、電子レンジなど、車中泊に必要な装備はほぼ標準搭載されており、すぐに乗り出せる充実モデルです。
そこから装備を取捨選択し、よりリーズナブルに、よりライトに進化したモデルがジョリビーと言えるでしょう。
税込700万円弱からという、キャブコンの常識を覆すジョリビーの価格にも注目です。
「高くて手が出ない」「運転が難しそう」「駐車場所がない」そんな人にもぜひ挑戦して欲しい新しいサイズ感。
初めてのキャンピングカーや、バンコンからの乗り換えにもおすすめです。