キャンピングカー
普段見られないレストア工場内部にカメラが入った! BUDDY AUTO潜入取材 第2弾!

古い車を新車のように蘇らせるレストア。
製造から月日が経って走れなくなった車だとしても、人が手を加えることで再び表舞台に立つことができる。
レストアは「時間を戻せる」という意味でロマンがあるだろう。
Jeepのワゴニアやモーターホームなどをレストアし、販売しているショップがある。
神奈川県横浜市新羽町にあるBUDDY-AUTOだ。
Sturdy Luggage Supplyというファッションブランドも展開しており、アメリカンスタイルの提案をトータルで行っている。
今回の取材ではBUDDY-AUTOの水野代表にお話を伺った。
レストアの過程や醍醐味、BUDDY-AUTOの技術力やこだわりとは?
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1962年から1991年まで生産されていたJeepのワゴニア。いまだに世界中で高い人気を誇るアメリカ製SUV車だ。日本にも、好きが高じてワゴニア専門店までつくってしまったマニアがいる。それが今回取材にご協力いただいたBUDDY-A...
レストアへの想いと技術力の秘密

BUDDY-AUTOのレストア工場は横浜市新羽町にある。広さは約100坪。25mプールと同じくらいの広さだ。
工場内にはレストアや修理を待つワゴニアやモーターホームが並んでいる。
レストアの期間は半年から1年。長いもので2~3年かかるという。
それでもBUDDY-AUTOを頼るオーナーは後を絶たない。

「お客さまもレストアの過程が楽しいみたいですね。ときどき様子を見に来て追加で整備を依頼されることもありますよ。自分がオーダーしたものが形になるというのが醍醐味ですよね」
車両が新車のように蘇っていく過程はもちろん、自分好みに整備して世界に一つだけの車両を作れることも醍醐味の一つのようだ。
レストアは、ほぼ全ての部品を分解するところからはじまる。
数万点ある部品を可能な限り新品に交換し、新車を作るように再構築していく。
さらに、BUDDY-AUTOは「新車の状態に戻す」というレストアにとどまらない。
内装のデザインなどはオーナーの好みを聞き、乗りやすい車体に仕上げる。
このような手間をかけてまでレストアをするのはなぜなのだろうか。

「古いものを大切にしていこう、直して長く使っていこう、ということをお客さんに伝えていきたいですね」
一度生産されたものを長く大切に使っていってもらいたいという想いが、BUDDY-AUTOのレストア技術を高めた。
創業当時こそ整備を委託していたものの、現在は板金塗装以外の整備は全て自社で行っている。
「エンジンのオーバーホール、ミッションのオーバーホール、ブレーキの整備、純正ステアリングの張替え、ウッドモールの張替えなど、板金塗装以外の整備は弊社の工場でおこなっています。縫製部門もあって内装のレストアも自社で行っているんですよ」
整備スタッフの人数は水野代表を含めて3人。
英語のマニュアルを解読しながら、少数精鋭ではあるが地道に整備を手掛けている。
では、どのようにレストアの技術を習得していったのだろうか。

「基本的にはやりながらですね。もちろん整備をする上で必要な知識や資格は取得したうえでの話ですが、実際仕事をしてみると教わったことだけでは通用しないこともあるんです。その場合は調べながら自分のやり方で行うしかないですね」
レストアの仕事は前例にないことの繰り返しだ。
わからないことはその都度調べ、自分なりの解決方法を探していく必要がある。
トライアンドエラーを繰り返しながら経験を積んだ。
「前例にないことを楽しめないと、この仕事はやっていけないかもしれませんね。私は小さいころからものを分解して組み立てたり改造したりすることが好きだったんですよ」
古いものを大切にする心と好きなことへの探究心。
これがBUDDY-AUTOの技術力の源だ。
純正のよさをそのままに、現代の技術で乗り心地を追求したワゴニア

BUDDY-AUTOの創業は2001年。
ワゴニア部品のネット販売からはじまり、レストア・販売・修理なども手掛けてきた。
ワゴニアは1962年から1991年まで生産されていたアメリカ製SUV車。
いまだに世界中で高い人気を誇っている。
そんなワゴニアを実際どのようにレストアしているか、もうすぐ完成予定のワゴニアを例に話を聞いてみよう。
紹介するのはゴールドのグランドワゴニア。年式は1990年だ。
レストアはできるだけ新車の状態を再現することがコンセプトではあるが、実際には予算の都合で作り込むことは難しい。
しかしこのワゴニアは、オーナーから「新車に限りなく近づけてほしい」という要望があり、かなり細部まで作り込まれている。
レストア期間約3年の大作だ。車の部品は数万点。
部品はアメリカから輸入したり国内で再生させたりして、可能な限り新品に交換している。
劣化した部品は折れてしまうことがあるため、1本の部品を取り出すために2~3時間かかることもあるそうだ。
では、この車両をレストアする上で大きな特徴は何なのだろう。
「オリジナルに忠実でありながら、現代でも快適に乗れるような車に仕上がっていることです。見た目は純正のように、オリジナルになるべく近い雰囲気で整備しつつ、使い勝手も考慮して現在の技術を取り入れたりしています」

例えば、車の心臓部分であるエンジン。当時はキャブレーターを使ってエンジンに燃料を噴射していた。
それを、現在では当たり前になった電子制御の燃料噴射装置に交換している。
この他にもクーラーを現在の仕組みのものに交換したり、バックモニターやバックソナー(レーダー)を搭載したりしている。
見た目は旧車だが、現在の技術を集約して乗り心地まで考えられた車になっているのだ。

また、内装はオーナーの好みがより反映されるので、オーナーと相談し要望やイメージを汲み取りながら細部にわたり作り込んでいく。
「この車の場合は純正シートの形を忠実に再現していますが、素材は全てレザーにしています。もともとは布とレザーが使われたシートだったんですよ」
革の色や質感までもオーナーの好みを反映させている。
純正の雰囲気を損なわないようにしつつ、少しずつ改良を加えているのだ。
このワゴニアは、BUDDY-AUTOが持っている技術が集約されていると水野代表は話す。
オリジナルに忠実でありながら、現在の技術やオーナーの意向をバランスよく取り入れられている。
次ページ⇨ モータホームについてご紹介します!
縫製もおまかせ。モーターホームのレストア

BUDDY AUTOではワゴニアに加え、モーターホームの販売・修理なども行っている。
主に取り扱っている車両は、フォードエコノラインをベースとしたB.C.ヴァーノン。
やはりアメ車が中心であるが、欧州車や国産車も対応可能だ。
モーターホームとは宿泊性能が高い大型キャンピングカーのこと。
電気、ガス、水道、トイレなどのライフラインが充実しており、ソファーなどの家具もフルサイズで本格的だ。
まさに「動く家」といえるほど、快適に過ごせる空間になっている。

モーターホームの内装は快適なバンライフを行う上でもこだわりたい部分。
BUDDY-AUTOでは純正のよい部分を活かしつつ、必要に応じて手を加えている。
具体的にはどのようなことを行っているのだろうか。

「床や天井を張替えたり、居住部分のレイアウトをまるごと変えたりすることもできますよ。木工や縫製、内装の塗装までなんでも行います。特徴的なことは縫製部門があることですかね。破れたソファーなども弊社で修理が可能です。自社に縫製部門があるのは珍しいですね」

水野代表はSturdy Luggage Supplyという屋号でオリジナルのアメリカンウェアやバッグの販売などをしている。
企画・デザイン・製作を自社で行っており、その技術が内装のレストアにも活かされているのだ。
Sturdy Luggage Supplyのオリジナル商品は水野代表がデザインしたもの。
見本も自分自身で作り、スタッフに作り方を伝授したのだとか。

「かっこいいバッグが欲しくて、作ってみたら上手くできたんですよね。ミシンを買ってずいぶん練習しましたよ」
縫製を自社で行う事業者は少ない。
品質はレストアの同業者からも依頼が舞い込むほどだ。

「よく車屋とアパレルどちらが本業なのと言われますが、両方ですね。私としてはライフスタイルの提案だと思っています」
アメリカンスタイルを愛するあまり立ち上げたSturdy Luggage Supply。
ファッションブランドの展開はワゴニアやモーターホームとは関連性がないように見えるが、実はBUDDY-AUTOのレストアに活きているのだ。
確かなレストア技術は想いと探究心から
今回の記事では、神奈川県横浜市新羽町にあるBUDDY-AUTOのレストア工場に潜入し、ワゴニアやモーターホームのレストアついて水野代表からお話を伺った。
レストアは古くなった車両を復元し、乗り心地も加味して車を新しく作り上げていく作業だ。
それゆえ、高い技術が必要となる。
BUDDY-AUTOは古いものへの想いと探究心でその技術を高めてきた。
レストアして古い車に乗りたいと思っている方は、ぜひBUDDY-AUTOに相談していただきたい。
BUDDY-AUTO / バディーオート
住所:〒223-0057 神奈川県横浜市港北区新羽町1218-1
電話番号:045-534-0030
営業時間/定休日:営業時間:10:00~19:00
定休日:毎週月曜日
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1962年から1991年まで生産されていたJeepのワゴニア。いまだに世界中で高い人気を誇るアメリカ製SUV車だ。日本にも、好きが高じてワゴニア専門店までつくってしまったマニアがいる。それが今回取材にご協力いただいたBUDDY-A...