会社外観

古きよきアメリカの雰囲気が漂うワゴニア&モーターホーム専門店 BUDDY-AUTOに潜入取材!



1962年から1991年まで生産されていたJeepのワゴニア。いまだに世界中で高い人気を誇るアメリカ製SUV車だ。

日本にも、好きが高じてワゴニア専門店までつくってしまったマニアがいる。

それが今回取材にご協力いただいたBUDDY-AUTOの水野代表だ。

BUDDY-AUTOではワゴニアを中心とした旧車をレストア(走れる状態に復元すること)し、販売している。

さらに、ワゴニアをはじめとしたアメリカンスタイルに惹かれるあまり、現在ではアメリカンモータホームの販売やSturdy Luggage Supplyというアメリカンウェアやバッグなどのファッションブランドまで手掛けている。

好きが高じて会社設立まで至った経緯、レストアしたワゴニアや輸入モーターホームの魅力とは?

ワゴニアと仲間への愛。会社設立の理由とは


工場

Jeepの名車ワゴニアを中心に、旧車のレストア・販売・修理を行っている店がある。

横浜市新羽町のBUDDY-AUTOだ。

今年で創業20周年。ショップにはレストアや修理を待つワゴニアが並び、古きよきアメリカの雰囲気が漂っている。

水野代表

BUDDY-AUTOの水野代表の愛車はもちろんワゴニア。

東京の街中を走っているワゴニアを見かけ、デザインや質感、かっこよさに惚れ込んだのだという。

会社の設立は2001年。

それまでの水野さんは食品のマーケティングコンサルタントの仕事をしていた。

車とはまったく関係ない仕事をしていた水野さんが、ワゴニア専門店をはじめたきっかけは何だったのだろうか。

設立時写真

「ワゴニアを所有する人たち向けのオーナーズクラブの設立と、部品を売るためのネットショップの立ち上げがきっかけですね。最初は趣味でした」

知人とオーナーズクラブを設立したのはオーナー同士の情報交換などが目的で、当初はキャンプミーティングなどのイベントも行っていたという。

屋号にもある「BUDDY」は仲間や相棒という意味。ワゴニア好き同士、交流を深めた。

オーナーズクラブのホームページを開設すると大きな反響があった。

中には「車両の部品がなくて困っている」というような声もあったという。

ワゴニア

そこで水野さんは必要な部品を取りまとめてアメリカに発注した。

愛車の部品をアメリカから直接入手していた経験があったからだ。

「困っているワゴニアオーナーのためになればという想いがありましたね。そのうち、もっと多くのワゴニア好きの人が部品を購入できるようにとネットショップをはじめたんです。それがBUDDY-AUTOの前身ですね」

部品入手に困っているオーナーのためにはじめたネットショップ。

売上が順調に伸びる中で、今度は「部品を買ったけどどう取り付けてよいかわからない」「故障した部分が直せない」というような相談を受けるようになり、ボランティアで簡単な整備をしたり部品の取り付け方を教えたりするようになったという。

そのうち依頼数が多くなり、このままでは責任を持ってサービスを提供できないと判断した水野さんは、2001年に横浜新羽町に工場を借りて会社を設立した。

イベント風景

「BUDDY-AUTOをはじめた一番の理由は、ワゴニアが好きという人たちがずっと安心して乗っていける環境を作りたいと思ったからです」

任意のオーナーズクラブやボランティアでは「やーめた」と言ってしまえばそこで活動は終わってしまう。

それでは“ずっと安心してワゴニアに乗っていられる環境”をつくったとは言えない。

会社にして事業としてやっていくという立場になることで、責任を持って自分と同好の仲間=BUDDYを末永くサポートできると考えたという。

それまでやっていた食品マーケティングコンサルの事業をやめてまで、BUDDY-AUTOを設立したというのだから、水野代表のワゴニア愛と仲間愛は並々ならぬものだ。

レストアに込められた想いとロマン


ボンネット修理

部品のネット販売からはじまったBUDDY-AUTO。現在はワゴニアやその他Jeep車のレストア・販売・修理まで手掛けている。

売上の中心はやはりワゴニア。売上の4割ほどを占める。

価格帯は500万から1000万円だ。

水野代表

「レストアする際は車を全て分解し、部品を新しくして再度組み立てます。手間とコストはかかりますね。ただ、古い車に乗るということは時間を買うという意味でもロマンがあると思います。

もう新車を手に入れることはできませんから。また、古いものを大切にしていこう、壊れても直して長く使っていこう、ということをお客さんに伝えていきたいです」

工場

「ワゴニアを長く楽しんでもらいたい」という水野代表の想いはBUDDY-AUTOの技術力を高めた。

英語のマニュアルを読み込み、トライアンドエラーを繰り返しながらレストアの経験を積んだ。

今ではエンジンやミッションのオーバーホール、ブレーキなどの整備、内装の張替えなど、板金塗装以外の整備は全て自社で行える。

生産終了した部品があったとしても、国内の業者と協力して再生することが可能だ。

革製品内装

また、BUDDY-AUTOの特徴として縫製に強いことがあげられる。

革製品などの内装を自社でレストアする事業者は少なく、同業者から仕事の依頼が舞い込むほど評価も高い。

店舗内写真

縫製技術が高いのは、Sturdy Luggage Supplyという屋号でオリジナルのバッグやアメリカンウェアの生産・販売を行っているからだ。

オリジナル商品の企画やデザインは全て水野代表が行う。

さらに、ミシンを使って自分で縫い上げてしまうのだ。

バッグ

「ワゴニアに乗せられるかっこいいバッグがほしかったんです。作ってみたら思いのほか上手くできて。

よく車屋とアパレルどっちが本業なのかと言われますけど、自分としては車屋の意識はなくて、ライフスタイルや価値観の提案をしているイメージなんですよね」

革ジャケット

主力商品はバッグや革ジャン。

ロングセラーで人気が高いのだという。

Sturdy Luggage Supplyのオリジナル商品は、使い込むと味わいがでる革の素材が多い。

「ものを大切に長く使ってもらいたい」という想いが、ここにも反映されている。

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