カムロード

安全が追加されてカムロードがモデルチェンジ!!その他変更点もご紹介



国産キャブコンのベース車両としておなじみの、トヨタ・カムロードがモデルチェンジをした。

というより、正確には基になっている車両、トヨタ・ダイナが改変したのである。

外装については小変更にとどまったが、中身にはかなり大幅な変更が盛り込まれている。

気になっている方も多いと思うので、詳しくご紹介しよう。

全車ともリアを「Wタイヤ化」

 

一番重要なのは、エンジンや駆動方式に関わらず、全車リアダブルタイヤ化されたことだろう。

ダブルタイヤ化に伴い、これまでカムロードの弱点とされていた許容限度荷重は増加、バースト問題への確かな回答といえる。

旧カムロードでは、

リア・シングルタイヤ=前後同径(ガソリン・ディーゼル/2WD・4WD 問わず)
リア・ダブルタイヤ=前後異径(前>後、ガソリン・ディーゼル 問わず)

だったが、

新カムロード 全車両がリア・ダブルタイヤ

2WD×ガソリンエンジン=前後異径(前>後)
2WD×ディーゼルエンジン=前後同径
4WD×ディーゼルエンジン=前後同径

となった。

なお、タイヤサイズは

ガソリン車 前175/75R15 103/101N LT 後145/80R13 88/86N LT (前>後)
ディーゼル車 前後175/75R15 103/101N LT (前=後)

今のところ、ミシュラン・アジリスキャンピングなどのキャンピングカー専用タイヤには該当サイズがない

このサイズの商品は小型トラック・バス用タイヤしか販売されておらず、タイヤの種類(パターン)も各社2種類程度と、あまり選択肢がない。

新ディーゼルエンジンを搭載

ガソリンエンジンは1TR型2000ccで変更なし。

ディーゼルエンジンは1GD型2800ccに変更された。

同社のランドクルーザー・プラドやハイエースなどにも搭載されているクリーンディーゼルエンジンで、排ガス浄化に尿素水(アド・ブルー)を使用するタイプだ。

車種によってチューニングが異なり、馬力と最大トルクはランドクルーザー・プラドは204ps 51kgf-m、ハイエースは151ps 30.6kg-mであるのに対し、ダイナは144ps 30.6kg-mとやや控えめになっている。

ガソリン/ディーゼル/2WD/4WDを問わず、ハイエースと同型の電子制御6速オートマチックトランスミッションを搭載

シフトノブには、マニュアル操作できるシーケンシャルスイッチも装備。

燃費向上とスムースな走行が期待できる。

外装・保安装置 その他

先にも書いた通り、外装に関してはグリルの一部にメッキが施された程度で、キャビンの形状などに変更はない。

が、ヘッドライトはハロゲンからLEDに変更され、自動点灯機能も搭載。

明るさが30%もアップしたのは朗報だ。

これで社外品に交換する手間もコストも省けたのである。

ただ、LEDは効率が良く発熱が少ないため、降雪時にはレンズ面への着雪という問題がある。

そこで、ヘッドランプクリーナーが4WDには標準装備、2WDはオプションで用意された。

安全機能についてはかなり充実した。

バンパー中央にミリ波レーダー、バックミラー部に単眼カメラ、グリル中央とフロントバンパー左右にソナーセンサーを設置。

障害物や車両、歩行者などを検知するとアラーム音やディスプレイで警告し、それでもブレーキを踏まないと自動でブレーキを作動させるプリクラッシュセーフティシステムがついに標準搭載。

さらに車線逸脱警告や前進誤発進抑制などの安全装備も全て標準装備となっている。

燃料タンクの容量にも、今回の改変ならではのトピックスがある。

ガソリン車は旧カムロードと同様の80Lだが、ディーゼル車は尿素水タンクが追加設置された影響で大型タンクの装着ができず、容量は60Lになったのだ。

旧型(80L)から比べれば容量減となるが、新エンジンと6速ATのおかげで燃費向上が見込めるので、さほど影響はないのでは?と考えられる。

さて、総括はしてみたものの、全般の評価としてはどうみるべきか。

リアダブルタイヤ化はこれまでの弱点をカバーするものとして、非常に歓迎すべき点だと思う。

新エンジンや充実の安全装備なども時代のニーズにキャッチアップしており、非常に魅力的な内容のモデルチェンジといえるだろう。

ただ、現時点で気になるのは次の2点だ。

リアトレッド幅がガソリン車×ディーゼル車で違うのはなぜ?

リアがダブルタイヤ化した、とご紹介したが、実は車輪についてはもう少し複雑な変更があった。

旧来は前後ともシングルタイヤで、トレッド幅(左右車輪間の距離)も共通だったのに対し、新型ではガソリン車とディーゼル車でリアのトレッド幅が違うのだ。

トレッドが違えば架装も異なるわけで、ビルダーからすれば、名前は同じでも「別の車種」に近い扱いになってしまう。

そのため、これまで、同一モデルでディーゼル・ガソリンが選べていたが、新型ではどちらかだけのモデル展開になるだろうと予想される。

価格

これだけ盛りだくさんの改変内容なので、価格上昇は避けられない。

原価(ベース車両としての価格)は公開されていないが、既に発表されているビルダーの価格を見ると、商品価格は100万円以上アップ!

改変内容をみるに致し方ないと思えるが、ユーザーにとっては痛手である。

いまはまだ旧型車の市場在庫もあるようだが、内容を考えれば価格アップも妥当なところ。

ビルダー各社も価格上昇に見合った付加価値を付けられるよう、さまざまな努力をしている。

将来のリセールバリューまで考えれば、新型ベースを選ぶのが賢い選択といえるだろう。