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輸入キャンピングカー『アドリア・アトリックス』に1年乗ったリアルな感想!



国産のキャンピングカーは時々見かけますが、大型の輸入キャンピングカー(モーターホーム)となるとなかなかめずらしい存在。

身近で見たり乗ったりできるチャンスはあまりないかもしれません。

私は、輸入モーターホームの魅力に取りつかれて、フィアット・デュカトをベース車としたアドリア・マトリックス・スプリーム(以下、マトリックス)の2021年型を購入。

たくさんの人にモーターホームの良さを知ってもらいたいとレンタカー事業を始めました。

マトリックスを導入して1年。

自分でも使ってみて、ここが良かったという点とやはりちょっと厳しいかもという点がかなりわかってきたので、紹介したいと思います。

国産キャンピングカーと何が違うのか?


キャンピングカー

キャンピングカーショーなどで輸入モーターホームを見たことがある方ならだれも感じるのが「大きい」ということではないでしょうか。

「モーターホーム」のはっきりとした定義はありませんが、「電気、水道、空調設備」「キッチンやトイレ、シャワー」「ベッドルーム」など、普通の家に近い形で生活できる設備と空間がある文字通り「動く家」ということでしょうか。

車内

そもそも「モーターホーム」や「キャンピングカー」は、欧米の広い大陸を家族やパートナーと長期休暇を利用して旅行するために発展してきました。

そのため輸入モーターホームは、車のサイズも仕様もゆったりとした欧米仕様になっています。

車内

一方、国産キャンピングカーと言えば、軽キャン、バンコン、キャブコン、バスコンと呼ばれる大小様々な種類がありますが、日本の駐車場や道路事情に合わせてコンパクトにまとまったタイプが大半を占めています。

購入前に心配だったこと


初めて大型モーターホームを間近で見た方の多くは、「デカイ!運転はムリムリ!」とおっしゃいます。

みなさんの不安をまとめると

・車体が大きすぎる。
・運転操作(右左折や駐車)の不安。

と、ひとことで言うと「手に余る」ということでしょうか。

私も購入前は同感で、以下の2つが心配でした。

大きな車体を運転できるのか


アドリア走行中

車幅感覚や取り回しのしやすさや、パーキングのしやすさ難しさは実際に運転しないとわかりません。

しかし、これはキャンピングカー全般だとは思いますが、購入前に展示車を見ることはできても試乗(運転)はほぼできないと考えていいでしょう。

私の場合も納車引き渡し時が初めての運転となり、いつにない不安と緊張感で自宅まで帰ったことを覚えています。

駐車スペースのこと


駐車スペース

これも車体のサイズにかかわることです。

多くの輸入モーターホームは、長さが5.5〜7.5m、車幅が2〜2.3m、車高も3m近くあり、一般的なサイズの駐車場では収まらないモデルもあります。

さらに駐車場に、大型カーポート(屋根)や電気設備も欲しいとなると工事費用もかかります。

1年使って、購入前に心配だったことは解決できたか


駐車スペース

さて、納車から1年経った現在、購入前に心配していたことは解決できたのか。

まず運転のしやすさですが、私のマトリックスは全長7,485mm、全幅2,299mm、車高3,200mm

ちなみにマイクロバスはメーカーによって全長7,000mm以内車幅は2,100mm、車高2,800mmですから、マトリックスのほうが大きいです。

マイクロといいながらけっこうビッグなのに、マトリックスはさらに大型。

多くの方がモーターホームの運転はちゅうちょしますが、荒っぽい言い方をすると(個人差はあるものの)、しばらく運転すれば車幅感覚をつかみ交差点の右左折も慣れてきます。

とはいえ、後方は直接見えないため、バックカメラモニターを使ったり、同乗者に誘導してもらったりしています。

また、車高が高いので駐車場の出入り口や木の生い茂った道ではルーフを擦ってしまうため高さを意識することが必要です。

駐車場

次に駐車スペースですが、私の場合は幸い自宅に駐車スペースがありましたが、それでも整地やカーポートに出費がありました。

自宅に輸入モーターホームを止めておくのに十分な駐車スペースがない場合は、月極駐車場を探すことになりますが、なかなか大きなサイズの車体OKな所はないかもしれません。

ただ最近は、個人のキャンピングカーやトレーラーを預かってくれるサービス(モータープール)も各地で始まっていますので、もしモーターホームの購入を考えるなら、それを利用するのも一つの方法です。

観覧車前で撮影

駐車スペースで気をつけなければならないのは、普段止めておく場所だけではありません。

出かけた先でも駐車場では気を使います。

先述したように普通乗用車1台のスペースでは収まりませんので、なるべく広くて他の車の邪魔にならないスペースに駐車することを心がけています。

この1年の経験では、ガードマンや誘導員のいるところでは、大型車とわかるとていねいに駐車スペースに案内してくれるところが多かったです。

ナビ

駐車時の取り回しについては、最初は誰かに後ろを見てもらいながら駐車していましたが、慣れたら車の周囲360度が見えるアラウンド・ビューモニターを使ってラクに停めることができるようになりました。

ただ初めて駐車する場所では、自分の目で周囲を確かめてから駐車するようにしています。

このように道路を走るときも駐車するときも、普通車のようにはいかないのが実情です。

解決方法として私の場合、旅先の目的地が決まったら行先の施設に電話してできる限り情報を集めています。

例えば、駐車場スペースと道路の状況、周辺の道の駅や温泉の情報、冬なら積雪情報など、ネットでは出てこない現地の情報もゲットすることができます。

これらの情報を事前に集めることで、初めての土地でも随分安心して走行できるので、モーターホームに限らず大型車を運転するときはぜひ試してみてください。

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