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輸入キャンピングカー・アドリア マトリックスに9000km乗って泊まってわかった良い点・悪い点!ミュージシャン・俳優「岸洋佑さんインタビュー」

岸洋佑インタビューtop

カッコ良くて、広くて、装備も充実している輸入キャンピングカー。

憧れている人も多いのではないでしょうか。

しかしながら、キャンピングカーショーにでも行かない限りなかなか見る機会さえないし、ましてや実際のサイズ感や使い勝手を知る機会はもっと少ないですよね。

と思っていたところ、アドリア マトリックスという大型輸入キャンピングカーで4カ月の間に9,000kmも移動しているミュージシャンであり俳優でもある岸洋佑さんと、先日幕張メッセで開かれたアウトドア&車中泊仕様車イベント「アソモビ2022」で知り合う機会がありました。

これはぜひ体験談を聞かせてもらいたいということで今回取材が実現。

日本の道路事情にヨーロッパ製の大型キャンピングカーは合わないのでは?

といった基本的なところから、バンバン質問してみました!

輸入キャンピングカーに乗って47都道府県をライブツアー中の岸洋佑さん


アドリアの前で撮影

今回取材に応じてくれたのは、ミュージシャンであり俳優でもある岸洋佑さん。

特撮ヒーローのスーパー戦隊シリーズ・宇宙戦隊キュウレンジャーのスティンガー役だったあの人と言われたらピンとくる方もいるかもしれません。

一時期はEXILEの事務所であるLDH(現・LDH JAPAN)に所属したこともありましたが、2020年に独立を発表して個人事務所・株式会社クレセチアを設立。代表取締役に就任しています。

今年の4月から新型コロナウイルスの拡大状況に配慮しながら、47都道府県フリーライブツアー【47 Life is an Adventure with Crew 】を敢行。

輸入キャンピングカー販売会社・デルタリンクの協賛により、ライブツアー用の機材車兼移動車兼楽屋として、専用ラッピングされたアドリア マトリックスを使用しています。

東京の路上ライブ

現在までに東京を皮切りに埼玉、栃木、福島、千葉、新潟、長野、富山、石川、福井、神奈川、静岡、山梨、愛知、三重を回ったところで新型コロナと熱中症の状況を考慮して一時中断。

8月末から再開し四国、九州、沖縄へ。そこから一気に北に移動して北海道、東北までを1年間をかけて巡る計画。

すでにアドリア マトリックスで約9,000kmを走破していて、ライブツアー終了時には3万kmに達する計算になります。

大型輸入キャンピングカーを、1年の間にこれだけ長距離で使う人も珍しいということで、実際にライブツアーでマトリックス使ってみた感想を、実車を見ながら語ってもらいました。

岸さんライブツアーの相棒・ADRIA MATRIX SUPREME 670 SLについて


マトリックス全体

岸さんライブツアーの相棒は、輸入キャンピングカー・ADRIA MATRIX SUPREME 670 SL(アドリア マトリックス)。

アドリア社はスロベニアのキャンピングカービルダー。日本ではデルタリンクが総輸入販売元となっています。

47都道府県を巡るライブツアーを計画していたときに「キャンピングカーショーでたまたまこのマトリックスを見て、ひとめぼれ。どうしてもこの車でツアーを回りたいと思って、知り合いでもないしコネクションもないのに直接デルタリンク様にプレゼンしまくって、長期貸与していただけることになりました」(岸さん)

ベース車はイタリア・フィアットのデュカト。

エンジンは排気量2.3L(モデルチェンジ前)のディーゼルターボで、サイズは全長 748cm × 全幅 229cm × 全高 290cmとなっています。

大型の外部収納、外部電源取り込み口を設置。

マトリックスの内装

プロパンガスボンベを搭載していてガスコンロ(3口)や温水・温水シャワーを使用可能。

電化製品としては冷蔵庫と電子レンジ、家庭用エアコン。

ダイネットの上には電動で昇降するプルダウンベッド、最後部に常設ベッド。

シャワー&トイレルームまで装備されているキャンピングカーの中でも最も設備が充実しているモーターホームです。

ADRIA MATRIX SUPREME 670 概要
全長 7,485mm
全幅 2,299mm
全高 2,905mm
車両重量 3,130kg
最高出力 180ps
最大トルク 450Nm
乗車定員 4名
就寝定員 4+1名
価格 1434万3,000円(税込)
※上記は現行モデルの数値


次のページ▷ 実際に9000km使ってみた感想をご紹介します!


9000km使ってみた感想は?!


運転編


運転している様子

アドリア マトリックスは長さが軽く7m超えなので、かなりの大型車両。日本の道路事情では運転しにくいのではという不安がよぎります。

「キャンピングカーも初めてで、長さも幅もかなりあるので最初はドキドキでした。僕とスタッフ3人の計4人で移動していますが、乗り始めたころは曲がる度に『内輪差に気を付けよう』と車内で連呼。内輪差という言葉を使うのは自動車教習所に通っていた時以来だったと思います。ただ、しばらく乗っているとコツがつかめるというか、やはり慣れは大事だと思いました」(岸さん)

車両四隅の見切りについても、「着座位置が高いので、前方はよく見えるし、後ろもカメラ(アラウンドビューモニター)とレーダーが付いているのでしっかり確認できます。普通免許で運転できるので、大型車に慣れていない人でもなるべく運転しやすいように配慮して設計されているんだと思います」(岸さん)

また、直接マトリックスの性能とは関係ないですが、トラックなど大型車専用のナビアプリを活用しているとのこと。

あらかじめ車両の寸法を登録しておけば、高さ制限も含めて通れる道を選んでルート探索できるので狭くて通れなかったという事態になったことはないそうです。

マトリックスは寸法が大きいだけでなく車重も3t超とヘビー級。

さらにライブ用の機材を満載して常に4名乗車していると加速が弱かったり登り道で力が足りなかったりしないのかとの疑問に思ったが、「むしろ速いです。高速道路でちょっとアクセルを踏んだだけで、ぐんぐん加速します。登りでもまったく問題なくて驚きます。自分が普段乗っているトヨタのSUVより良いくらい。ベース車のフィアット デュカトの性能の高さなのかなと思います」(岸さん)

ディーゼル ターボエンジンの太いトルクのなせるわざということなのでしょう。

居住性編


冷蔵庫を開けている様子

機材車、楽屋(控室)、宿泊所としてマトリックスを使っている岸さん。

4月のライブツアー開始から取材時の8月下旬までの約4カ月間過ごしてみて、マトリックスの居住性についての感想を聞いてみました。

youtubeをしている様子

「不便を感じないのがすごいです。だれでも自宅は落ち着く空間だと思いますが、それと同じ感覚で過ごすことが車の中でできています。車内のダイネットに座って、YouTubeなどの動画配信もできるし、みんなで夜食にインスタントラーメンを作って食べたりもしますし、窮屈な思いをしないで4人が寝られる。特に電動プルダウン式のベッドは、身長が182cmの僕が寝ころんでも頭の上も足の下にもスペースに余裕があって、いくらでも寝ていられます」(岸さん)

ベッドで寝ている様子

あえて不満を言うとしたら、「シャワーの勢いが少し弱いときがあるのと、後部の常設ベッドにエアコンの風が届きにくいことくらい」(岸さん)だそうです。

これらについても、移動が多くいちいち排水の処理をするのが面倒なので、お風呂はみんなでスーパー銭湯に行っているから問題ないのと、エアコンの風は車内の真ん中にサーキューレーターを置くことで今後解決したいということでした。

特にお気に入りな点は2つ


ラゲッジから顔を出している様子

スタッフ含め4人で移動して宿泊するだけでなく、ライブ用の音響機材や楽器も一切合切積んでのツアー

マトリックスの大型収納スペースはとても便利だそうです。

「左右両開きの扉が付いていて機材の積み降ろしがしやすいのと、人一人が寝られるくらいの高さと広さがあるので機材車としても大満足です」(岸さん)

機材を積んでいる様子

実際機材を収納している状態を見せてもらいましたが、けっこう大きなスピーカーも余裕で収まっていました。

マトリックスから電源を取ってライブをしている様子

「それとライブツアーをやっていて助かるのが、マトリックスから電源が取れること。ライブ会場は大体どこでもコンセントが使えますが、屋外ではマトリックスのサブバッテリーを使ってライブを行ったこともあります」(岸さん)

バックにマトリックスを置いてのライブはとても目立って映えるので、ライブを行うミュージシャン視点でも、おしゃれな輸入キャンピングカーは大活躍のようです。

マトリックスと岸さんにあなたの近所でも会えるかも


ららぽーとでライブをしている様子

「人がやっているのと同じようなことはしたくない。すべて逆の発想」という岸さん。

今回の輸入キャンピングカーでの全国ライブツアーも「そんなの無理だよ、貸してもらえないよ」という声が多かったなか、あえてやるとことにしたそう。

取材中も終始ポジティブな発言でこちらも元気をもらいました。

ちょうど今頃(本記事の掲載時)は、四国でのフリーライブツアーの最中のはず。

イオンモールやららぽーとなどでのフリー(無料)ライブなので、読者のみなさんの近所のショッピングモールにも登場するかもしれません。

※岸洋佑さんのライブスケジュールなどはこちら
※取材協力/デルタリンク千葉ポイント
住所:〒262-0004 千葉県千葉市花見川区大日町1414-1
営業時間:10時〜19時
TEL:043-306-2047
定休日:火曜日、第三水曜日

DRIMO編集部

DRIMO編集部です。 キャンピングカーや車中泊の情報を中心に、バンライフなど車旅に関する情報をお届けします。