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軽サイズの車中泊仕様車は移動する写真撮影基地としても最適!?遊び方をご紹介します!

車中泊仕様車は遊び方無限!写真撮影基地として使ってみた
車中泊をする理由や目的は人によって様々だが、プロアマ問わず写真撮影が目的で車中泊をする人は昔から多かった。
その理由は宿代をケチるためでも車中泊を愉しむためでもなく、時間の融通が利くことが何より一番大きいのではないかと思う。
私はプロのフォトグラファーではないし、元々写真やカメラが趣味だったというわけでもないので、私が写真撮影について語るなんておこがましいとも思うのだが、逆にそんな立場だからこそ気付いたことや伝えられることもあると思う。
この記事では、写真やカメラに特別興味のなかった素人が、その後に感じることになった写真撮影の楽しさや、小さなサイズの車中泊仕様車が撮影基地として最適である理由などをお伝えしたいと思う。
「写真撮影は手間もお金もかかる」は間違っていた
仕事柄、水上での写真撮影は趣味というより必須の作業のようなものなので、水上での撮影頻度は以前から高かったのだが、意外にも陸上で撮影をすることは思いの外少なかった。

友人がiPhoneで撮った私の後ろ姿
写真に興味がなかった訳でもないのだが、写真は手間もお金もかかるといったイメージがあり、他に色々やることが多いとそこにあまり注力することも投資することもできず、遠のいてしまっていたような感じだ。
また、知人友人に撮影のプロも幾人かいるのだが、身近でプロの仕事に接する機会が多いと、逆にこれは素人が中途半端に手を出すものでもないという気にもなってしまっていた。
ところが、iPhoneを使うようになって(iPhoneは初代から使用)から陸上で写真を撮る機会も徐々に増え始めたのだが、その理由は持ち物(カメラ)を増やさなくても手軽に綺麗な写真を撮れるようになったからに他ならない。
さらにDRIMOの仕事をするようになって主に車に関連する写真だが、さらに写真を撮る機会が増え(紙媒体の場合は基本的にプロが写真を撮るので自分で撮る機会は非常に少ない)、これをきっかけに車に関わらず陸上で写真を撮る頻度が増えていったようにも思う。
そして、やっていて気付いたことがある。
小さなサイズの車中泊仕様車が撮影基地として最適なこと、仕事だから車の入った写真を多く撮るというだけでなく、旅の写真の中に車が入っていると何故か呼び起こされる記憶が多いということ、お金をかけなくても十分な写真は撮れ、また失礼ながら逆にお金をかけた人が良い写真を撮れているわけでもないこと、そして、元はそのつもりでもなかったのに、気付いたら半ば撮影旅行のようになっていたこともあって、それが楽しいことなどだ。
ところで、写真を始めるなら、まずは「そこそこちゃんとしたカメラが必要で、やるからには色々勉強することも多い。」のようなイメージを抱く人は多いと思う。
私もそうだった。
しかし、写真を撮る頻度が増え始めた原因がiPhoneと書いたが、現在も相変わらずiPhoneを最も多用していて、実は仕事でも一番多用しているカメラがiPhoneなのだ。

これも特別な機材など使用せず、看板を三脚代わりに使い手持ちのiPhoneで撮った写真だ。
私程度のレベルであれば大抵のことはiPhoneで事足りてしまうことに気付いたからなのだが、要するに、写真は手間もお金もかかるイメージは正しくなかったようなのだ。
それを知ってしまうと、幸いカメラマニアではないので次から次へと高級なカメラや機材が欲しくなることもなく、相変わらずそんなに機材に投資もせずに済んでいる。

上の写真が現在私の使用している主なカメラ達(交換レンズや周辺機器は別として)だが、マニアな人達が見たら全くもって質素な機材だ。
一応一眼レフも持ってはいるがフルサイズの高級機ではなく(イメージセンサーサイズ:APS-C)、とにかく水濡れや塵に強くに強く丈夫な機種を選んでいる。
イメージセンサーサイズ:1.0型の「やや高級コンデジ」は、写真を撮ることが楽しくなってきてから中古で購入したものだ。
先述した通り水上での写真撮影は必須作業であるため、カメラがフィルムからデジタルに変わってから使ってきたカメラは、もっぱら仕事で使う防水コンデジ中心だった。
しかし、使用頻度も高いためか防水コンデジはあまり長持ちしない。
私にとっての防水コンデジは半ば消耗品のようなもので、上の写真の中の個体も何台目になるか覚えていないほど(これが一番長持ちしているがもう製造されていないので、より大事にする必要がある)だ。
GoProは最近iPhoneの次に多用しているカメラだが、その理由は後述する。
もちろん場面場面で一眼レフや、「やや高級コンデジ」の出番もあり、当然ながらこれらを使ってiPhoneでは撮れない写真を撮ることもあるにはある。
しかし、使ってみて実感していることだが、普通の風景やスナップショットなどにはiPhoneの方が使いやすいことが多く、案外専用のカメラよりむしろ失敗が少ないようにも感じている。
また、そもそも私はプロではないし、芸術的な写真を撮ることが目的でもない。
プリントすることも滅多になく、プリントするとしてもA4以上のサイズなどということはない。
自分の撮った写真を仕事で使うとしても基本的にウェブ上だから、現代の水準であれば解像度がどうのといったことをあまり気に掛ける必要もない。
となると必然的に最も手軽なiPhoneの使用頻度が一番高くなったということだ。

そして、今時のiPhoneはポートレートモードを使えば背景をぼかしたなんちゃって一眼風の写真も撮れてしまう。
しかし写真の魅力はそういったことだけではないと思う。
大した写真を撮る訳でもなく専門家でもない私なのに、ちょっと偉そうなことを言わせていただくと、写真はカメラやレンズの性能がどうしたとかより構図が大切で、そして画角だと思う。
構図や画角についての話の前にGoProがiPhoneの次に多用するカメラになった理由を説明しておこう。
現在のGoProは本体のみで完全防水になっているのはもちろん、飛躍的に性能が向上していて、動画から十分使用に耐える静止画を切り出せるようになっている。
現在のGoProを使い始めた頃は動画と静止画を切り替えて撮ることもあったのだが、それも意外と面倒だったので、水上では防水コンデジと併用することを基本としていた。
しかし、それに気付いてからというもの、特別な理由がなければ水上では殆どの静止画も全てGoProで撮った動画から切り出すようになってしまったので、GoProが2番目に使用頻度の高いカメラになっているということだ。
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ちょっとした工夫で写真はずっと良いものになり、撮ることが楽しくなる
より専門的な話や写真の基本などに着いては本やウェブサイトで勉強していただくとして、画角についてのわかりやすい例を挙げておこう。
陸上で私の撮る写真は、車が入るものが圧倒的に多いのだが、画角の違いで全く違った写真になる。

上の写真は車で走行中に気になった立派な銀杏の木をバックに車を撮った写真なのだが、かなり立派な木なのに、全然それが伝わってこないダメな写真の例だ。
この写真は後ろにあまりスペースがなく、必然的に車に近いところからiPhoneの基本のレンズ(iPhoneの基本のレンズは35mm換算で焦点距離28mm前後だそうなので、標準レンズというより広角レンズだ)で撮っている。

上の写真は、先程の銀杏バックと同様、iPhoneの基本のレンズ(1xと表示されている状態)で撮った写真だ。
そして次の写真は、私のiPhone(12 mini)は望遠レンズが付いていないので、光学ではなく2.8xまでデジタルでズームアップし、上の写真と車の大きさがほぼ同じになる状態まで下がって撮った写真だ。

まるで違う写真というより。
同じ場所で撮ったとは思えない写真に仕上がっている。
このように特にメインの被写体と背景が離れている場合は、デジタルズームであろうとそれを活用することで全然違う写真を撮ることができる。
ズームアップは遠いところにある被写体を撮るためだけにあるのではないという好例であり、持っている機材で工夫をすることと、自分が動くことで写真を大きく変えられるという例でもあると思う。
そして、大抵の人が2枚目の方が断然良いと言うのではないかと思うが、2枚目の写真の方が明らかにどこで撮ったのか思い出しやすく、見ていて色々な記憶が蘇りそうな気もする。
デジタルズームというと画像が荒れてしまうように思い、「やはりレンズ交換ができるカメラや性能の良い光学ズームレンズが付いたカメラが必要だ。」などと考えてしまいがちだが、少なくともモニター上で見るだけならこれで何も問題ないし、普通のL版程度のプリントでも全く問題ないと思う。

では、この上と下を比較した場合はどうだろうか?

私自身は2枚目の方が良いと思うのだが、今度は逆に1枚目がデジタルズームアップし、2枚目がiPhoneの基本レンズ(広角)で撮った写真だ。
先程のヤシの木バックとは違い、背景との位置関係によっては広角の方が良くなるという例だ。
また次の写真も広角レンズ(iPhoneの基本のレンズ)でなければ撮れない写真だ。

このように画角で写真の印象は大きく変わり、合った画角を選ぶことが重要で、こういったことを知ると撮影がより楽しくなってくる。
高いカメラを買う前にデジタルズームでも良いから、自分が移動するなど色々試してみることが大切だと思う。
また、脚立も写真のイメージ変更に大いに役に立つ。

上と下の写真は車を駐車場に停めて普通に撮った写真だ。

記憶の中では車と車を降りてから見た光景が一緒に残っているのだが、その両方を同じ写真の中に一緒に収めようとしても、案外それが難しいことは多い。
しかし、両方が一緒に収まっていないと今一つピンとこない、あまり面白くない写真となってしまうことも多い。
次の2枚は各々ほぼ同じ位置から撮った写真だが、脚立に乗って撮った写真だ。

脚立に乗ると背が70cmも高くなったことになるので、本当はリアルではない写真ということになる。

しかし、車で着いたところの印象は、湖の見える光景や遠くの山並みが見える光景だったので、実際には自然な状態でこんな光景など見ていないのに、脚立に乗って撮った写真の方が記憶には近いように感じてしまう。
撮り鉄のような人でなくとも、このように脚立が撮影に活躍する機会は多いと思うのだが、脚立のような比較的大きな機材も無理なく室内に積んでおきやすいことも車中泊仕様車が撮影基地として向いている理由の一つとなっている。
【車中泊仕様車写真撮影基地】車体が小さいことによる利点
ここからが本題と言えば本題なのだが、サイズの小さな車は撮影基地として何かと利便性を感じることが多い。
私は先代(E25)のキャラバンスーパーロングにも乗っているが、撮影基地として使うなら荷台にBoo3(シェル)を被せたハイゼットジャンボの方が断然有利だと感じている。

道幅が狭くて軽自動車が入れない道は、少なくとも日本では車道とはならないと思う。
路面の状態と車高に注意しなければならいことはあるが、この二点に注意さえすれば、どんなに狭い道であろうと「車の通れる道」であれば躊躇せずに入って行けるのは軽自動車の大きな強みだ。
また、車体の小ささが有利に働くのは走行中のことだけではない。
駐停車する際にもだ。

これは実際に乗っていて感じることなのだが、ちょっとシャッターを切りたいと思ったシーンに出くわした際に、小型車以上だったら停まることが無理であったり、ためらわれてしまったりするような状況であっても、軽自動車なら問題ないことが少なくない。
また、知らない土地へ行く場合は道を間違えることもあるが、小さい車なら方向転換がしやすいから、先のことを心配する必要も少なくて済む。
そして、私が使用しているのは軽トラなのだが、軽自動車であってもトラックはしっかりとしたフレームがあり、乗用車より頑丈にできているので、四輪駆動でなくても路面の状態の良くない道路での安心感が高い。

また、「車体が小さいことによる利点」とは逆になってしまうが、軽トラは荷物をたくさん積むことができ、荷台にシェルや幌を被せれば、下手なミニバンより広い室内空間を確保することできる。
これも「基地」として使用する際に非常に便利な点だ。
機材などの荷物も楽に運べて、ためらわずにどこでも入って行けることは撮影用の足として最高ではないだろうか。

自分が軽トラを使用しているので軽トラ中心に利点を上げてしまったが、軽トラの兄弟の軽バンも乗用車より頑丈で、広く快適な室内が確保されているので撮影基地向きだ。
また、室内は少々狭くなってしまうが、走破性で右に出るものがないジムニーもスパルタンな撮影基地候補として唯一無二の存在だ。
ということで、ここで少し具体的な実例を挙げておこう。
房総半島を東西に貫くローカル鉄道の駅の写真を撮ろうと思い立ち、幾つか撮りに行ったがまだ完結していなくて、現在その企画は進行中だ。

私にとっては車中泊をするほど遠くでもないのだが、車中泊仕様の軽トラが大いに役立っている。
駅と言っても停留所のようなところもあり、そんな駅へと続く道は幅が狭く、駐車できるスペースも広くはない。
山間や田園地帯を貫く路線なので、畦道のような道路の先に無人駅があるようなこともある。

しかし、軽トラならそうしたことも全く問題ないのだ。
少し余談になるが、ローカル鉄道の駅の写真を撮ろうと思った場合、実際にその鉄道に乗って撮るのは非常に難しい。
ローカル鉄道は列車の本数が少なく、駅の写真を撮ろうと思って下車してしまうと次の列車が来るまで時間の時間が長く、効率が悪すぎるからだ。
また、千葉県は日本一標高の低い県ではあるのだが、房総半島には結構林道が多い。
そんな道を探索するもの面白く、撮影に向いた風景も多い。
しかし、元々かなり狭い細い道もあるが、それだけではなく、崖の崩落や倒木などによって道幅が狭くなってしまっている箇所も少なくない。

手掘りのトンネルなど結構スリリングな箇所も多い
また、落ち葉の中には何が潜んでいるかわからない(パンクの危険性がある)ので、なるべくなら避けて通った方が良いと思うのだが、こうした場合にも車幅(またはトレッド)が狭い車は有利だ。
【車中泊仕様車写真撮影基地】向いている理由
冒頭でも述べた通り、写真を撮影するために車中泊をする人はプロアマ問わず多いと思う。
幾つかその理由を挙げてみよう。
日の出や早朝の写真を撮りたいのであれば、早めに現地に到着して仮眠でもしながら待つのが最も合理的であるし、夜空を長時間露光で撮影したいのであれば、その間寒さを凌いで休める場所があると便利(その際車では行けない場所ならテントを張ることになるが、逆に車は駐車できるがテントは張れない場所も多々ある)だ。
同じ場所の夕方と早朝の両方を撮影したいのであれば、そこで寝ることができたら合理的だ。

また、特にプロの場合は移動と宿泊のために無駄な時間を割きたくないというのも大きな理由になっていると思う。
このように、「まともに寝られる車」は特に自然の写真を撮りたい人にとっては便利この上ないのだ。
そして、撮りたい写真を撮るには、一般的なところでは天候や光待ち、日の出または日没待ち、ニッチなところでは潮の干満待ち、波待ち、撮りたい列車待ちなどなど、とにかく待つ時間が多くなる。
こうした待ち時間にリラックスして休める場所があるとありがたいので、宿泊はしないとしても、車中泊仕様車は撮影基地として向いている。

また、車中泊仕様車というからには、最低でも人一人が十分寝られるスペースが確保されているはずだ。
人にもよるが、何かと増えてしまう撮影機材を運ぶためにも、スペースに余裕のある車中泊仕様車は利便性が高いのだ。
気構えることなく小さなサイズの車中泊仕様車に乗って撮影を楽しもう
この他にもちょっとした工夫やコツや、あると便利な機材など伝えたかったことはあるのだが、今回はこの辺でやめておこう。
しかし、最も伝えたかったこと3点は、特別な機材などなくても工夫次第で十分撮影を楽しむことはでき、小さなサイズの車中泊仕様車は撮影基地として最適で、写真の撮り方次第で旅がより思い出深いものになるということだ。
写真というと、とかくカメラなどの機材や難しいテクニックの話に偏りがちだが、そういったことに拘らず、ともかく撮影を楽しむことから始めるのが良いと思う。