小さなサイズの車中泊仕様車は移動撮影基地としても最適

軽サイズの車中泊仕様車は移動する写真撮影基地としても最適!?遊び方をご紹介します!




ちょっとした工夫で写真はずっと良いものになり、撮ることが楽しくなる


より専門的な話や写真の基本などに着いては本やウェブサイトで勉強していただくとして、画角についてのわかりやすい例を挙げておこう。

陸上で私の撮る写真は、車が入るものが圧倒的に多いのだが、画角の違いで全く違った写真になる

軽トラック 車中泊仕様車 写真撮影 基地

上の写真は車で走行中に気になった立派な銀杏の木をバックに車を撮った写真なのだが、かなり立派な木なのに、全然それが伝わってこないダメな写真の例だ。

この写真は後ろにあまりスペースがなく、必然的に車に近いところからiPhoneの基本のレンズ(iPhoneの基本のレンズは35mm換算で焦点距離28mm前後だそうなので、標準レンズというより広角レンズだ)で撮っている。

軽トラック 車中泊仕様車 写真撮影 基地

上の写真は、先程の銀杏バックと同様、iPhoneの基本のレンズ(1xと表示されている状態)で撮った写真だ。

そして次の写真は、私のiPhone(12 mini)は望遠レンズが付いていないので、光学ではなく2.8xまでデジタルでズームアップし、上の写真と車の大きさがほぼ同じになる状態まで下がって撮った写真だ。

軽トラック 車中泊仕様車 写真撮影 基地

まるで違う写真というより。

同じ場所で撮ったとは思えない写真に仕上がっている。

このように特にメインの被写体と背景が離れている場合は、デジタルズームであろうとそれを活用することで全然違う写真を撮ることができる。

ズームアップは遠いところにある被写体を撮るためだけにあるのではないという好例であり、持っている機材で工夫をすることと、自分が動くことで写真を大きく変えられるという例でもあると思う。

そして、大抵の人が2枚目の方が断然良いと言うのではないかと思うが、2枚目の写真の方が明らかにどこで撮ったのか思い出しやすく、見ていて色々な記憶が蘇りそうな気もする。

デジタルズームというと画像が荒れてしまうように思い、「やはりレンズ交換ができるカメラや性能の良い光学ズームレンズが付いたカメラが必要だ。」などと考えてしまいがちだが、少なくともモニター上で見るだけならこれで何も問題ないし、普通のL版程度のプリントでも全く問題ないと思う。

景色 車中泊仕様車 写真撮影 基地

では、この上と下を比較した場合はどうだろうか?

景色 車中泊仕様車 写真撮影 基地

私自身は2枚目の方が良いと思うのだが、今度は逆に1枚目がデジタルズームアップし、2枚目がiPhoneの基本レンズ(広角)で撮った写真だ。

先程のヤシの木バックとは違い、背景との位置関係によっては広角の方が良くなるという例だ。

また次の写真も広角レンズ(iPhoneの基本のレンズ)でなければ撮れない写真だ。

景色 車中泊仕様車 写真撮影 基地

このように画角で写真の印象は大きく変わり、合った画角を選ぶことが重要で、こういったことを知ると撮影がより楽しくなってくる。

高いカメラを買う前にデジタルズームでも良いから、自分が移動するなど色々試してみることが大切だと思う。

また、脚立も写真のイメージ変更に大いに役に立つ。

駐車場 車中泊仕様車 写真撮影 基地

上と下の写真は車を駐車場に停めて普通に撮った写真だ。

駐車場 車中泊仕様車 写真撮影 基地

記憶の中では車と車を降りてから見た光景が一緒に残っているのだが、その両方を同じ写真の中に一緒に収めようとしても、案外それが難しいことは多い。

しかし、両方が一緒に収まっていないと今一つピンとこない、あまり面白くない写真となってしまうことも多い。

次の2枚は各々ほぼ同じ位置から撮った写真だが、脚立に乗って撮った写真だ。

駐車場 車中泊仕様車 写真撮影 基地

脚立に乗ると背が70cmも高くなったことになるので、本当はリアルではない写真ということになる。

駐車場 車中泊仕様車 写真撮影 基地

しかし、車で着いたところの印象は、湖の見える光景や遠くの山並みが見える光景だったので、実際には自然な状態でこんな光景など見ていないのに、脚立に乗って撮った写真の方が記憶には近いように感じてしまう。

撮り鉄のような人でなくとも、このように脚立が撮影に活躍する機会は多いと思うのだが、脚立のような比較的大きな機材も無理なく室内に積んでおきやすいことも車中泊仕様車が撮影基地として向いている理由の一つとなっている。

【車中泊仕様車写真撮影基地】車体が小さいことによる利点


ここからが本題と言えば本題なのだが、サイズの小さな車は撮影基地として何かと利便性を感じることが多い。

私は先代(E25)のキャラバンスーパーロングにも乗っているが、撮影基地として使うなら荷台にBoo3(シェル)を被せたハイゼットジャンボの方が断然有利だと感じている。

道路 車中泊仕様車 写真撮影 基地

道幅が狭くて軽自動車が入れない道は、少なくとも日本では車道とはならないと思う。

路面の状態と車高に注意しなければならいことはあるが、この二点に注意さえすれば、どんなに狭い道であろうと「車の通れる道」であれば躊躇せずに入って行けるのは軽自動車の大きな強みだ。

また、車体の小ささが有利に働くのは走行中のことだけではない。

駐停車する際にもだ。

道路 車中泊仕様車 写真撮影 基地

これは実際に乗っていて感じることなのだが、ちょっとシャッターを切りたいと思ったシーンに出くわした際に、小型車以上だったら停まることが無理であったり、ためらわれてしまったりするような状況であっても、軽自動車なら問題ないことが少なくない。

また、知らない土地へ行く場合は道を間違えることもあるが、小さい車なら方向転換がしやすいから、先のことを心配する必要も少なくて済む。

そして、私が使用しているのは軽トラなのだが、軽自動車であってもトラックはしっかりとしたフレームがあり、乗用車より頑丈にできているので、四輪駆動でなくても路面の状態の良くない道路での安心感が高い。

道路 車中泊仕様車 写真撮影 基地

また、「車体が小さいことによる利点」とは逆になってしまうが、軽トラは荷物をたくさん積むことができ、荷台にシェルや幌を被せれば、下手なミニバンより広い室内空間を確保することできる。

これも「基地」として使用する際に非常に便利な点だ。

機材などの荷物も楽に運べて、ためらわずにどこでも入って行けることは撮影用の足として最高ではないだろうか。

軽トラック 車中泊仕様車 写真撮影 基地

自分が軽トラを使用しているので軽トラ中心に利点を上げてしまったが、軽トラの兄弟の軽バンも乗用車より頑丈で、広く快適な室内が確保されているので撮影基地向きだ。

また、室内は少々狭くなってしまうが、走破性で右に出るものがないジムニーもスパルタンな撮影基地候補として唯一無二の存在だ。

ということで、ここで少し具体的な実例を挙げておこう。

房総半島を東西に貫くローカル鉄道の駅の写真を撮ろうと思い立ち、幾つか撮りに行ったがまだ完結していなくて、現在その企画は進行中だ。

駅 車中泊仕様車 写真撮影 基地

私にとっては車中泊をするほど遠くでもないのだが、車中泊仕様の軽トラが大いに役立っている。

駅と言っても停留所のようなところもあり、そんな駅へと続く道は幅が狭く、駐車できるスペースも広くはない。

山間や田園地帯を貫く路線なので、畦道のような道路の先に無人駅があるようなこともある

軽トラック 車中泊仕様車 写真撮影 基地

しかし、軽トラならそうしたことも全く問題ないのだ。

少し余談になるが、ローカル鉄道の駅の写真を撮ろうと思った場合、実際にその鉄道に乗って撮るのは非常に難しい。

ローカル鉄道は列車の本数が少なく、駅の写真を撮ろうと思って下車してしまうと次の列車が来るまで時間の時間が長く、効率が悪すぎるからだ。

また、千葉県は日本一標高の低い県ではあるのだが、房総半島には結構林道が多い。

そんな道を探索するもの面白く、撮影に向いた風景も多い。

しかし、元々かなり狭い細い道もあるが、それだけではなく、崖の崩落や倒木などによって道幅が狭くなってしまっている箇所も少なくない。

トンネル 車中泊仕様車 写真撮影 基地

手掘りのトンネルなど結構スリリングな箇所も多い



また、落ち葉の中には何が潜んでいるかわからない(パンクの危険性がある)ので、なるべくなら避けて通った方が良いと思うのだが、こうした場合にも車幅(またはトレッド)が狭い車は有利だ。

【車中泊仕様車写真撮影基地】向いている理由


冒頭でも述べた通り、写真を撮影するために車中泊をする人はプロアマ問わず多いと思う。

幾つかその理由を挙げてみよう。

日の出や早朝の写真を撮りたいのであれば、早めに現地に到着して仮眠でもしながら待つのが最も合理的であるし、夜空を長時間露光で撮影したいのであれば、その間寒さを凌いで休める場所があると便利(その際車では行けない場所ならテントを張ることになるが、逆に車は駐車できるがテントは張れない場所も多々ある)だ。

同じ場所の夕方と早朝の両方を撮影したいのであれば、そこで寝ることができたら合理的だ。

車内 車中泊仕様車 写真撮影 基地

また、特にプロの場合は移動と宿泊のために無駄な時間を割きたくないというのも大きな理由になっていると思う。

このように、「まともに寝られる車」は特に自然の写真を撮りたい人にとっては便利この上ないのだ。

そして、撮りたい写真を撮るには、一般的なところでは天候や光待ち、日の出または日没待ち、ニッチなところでは潮の干満待ち、波待ち、撮りたい列車待ちなどなど、とにかく待つ時間が多くなる。

こうした待ち時間にリラックスして休める場所があるとありがたいので、宿泊はしないとしても、車中泊仕様車は撮影基地として向いている

車内 車中泊仕様車 写真撮影 基地

また、車中泊仕様車というからには、最低でも人一人が十分寝られるスペースが確保されているはずだ。

人にもよるが、何かと増えてしまう撮影機材を運ぶためにも、スペースに余裕のある車中泊仕様車は利便性が高いのだ。

気構えることなく小さなサイズの車中泊仕様車に乗って撮影を楽しもう


この他にもちょっとした工夫やコツや、あると便利な機材など伝えたかったことはあるのだが、今回はこの辺でやめておこう。

しかし、最も伝えたかったこと3点は、特別な機材などなくても工夫次第で十分撮影を楽しむことはでき、小さなサイズの車中泊仕様車は撮影基地として最適で、写真の撮り方次第で旅がより思い出深いものになるということだ。

写真というと、とかくカメラなどの機材や難しいテクニックの話に偏りがちだが、そういったことに拘らず、ともかく撮影を楽しむことから始めるのが良いと思う。