車中泊で備える防災対策の準備と注意点

被災時に安心!車中泊で備える防災対策の準備と注意点




電気の確保の準備


ポータブル電源


以前、「ポータブル電源は車中泊の必需品か?」という、ポータブル電源に対してネガティブなイメージを抱いているのではないかとも、とられかねないタイトルの記事をあえて書いたことがあるが、ポータブル電源はここ数年の間に車中泊用の道具の一つとして瞬く間に定着し、神器の一つのような存在にまでなった感がある。

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ポータブル電源は大変便利で私も常用しているが、使うようになったのはここ5・6年のことだ。

便利に使ってはいる(意地を張って使わない理由など全くない)ものの、ポータブル電源なしでやってきた期間の方がずっと長いので、個人的な認識ではやはり必需品ではなく、贅沢品の域から出ていない。

また、半世紀ほど前までは電気が供給されていない地域が日本にはまだあったわけで、子供の頃には電気がないのが普通の生活だった人もまだまだ大勢いる。

しかし、楽な方には容易く慣れてしまうものだ。

現在の日本の通常の生活では電気があることが当たり前になっている。

この国では、人にとって電気が欠かせないものになっているのは紛れもない事実で、電気がない生活など考えられないような人の方が、圧倒的に多いのではないかと思う。

ところが、皮肉なことに当たり前になっている水道と電気は災害にはかなり弱い。

そう考えると、「個人的な認識ではポータブル電源は贅沢品」などと書いたものの、災害への備えも兼ねてポータブル電源を用意しておくことは全く贅沢などではなく、良い心掛けとも言えそうだ。

普段もあれば便利だが、ポータブル電源は災害時にこそ、その真価を発揮するようなものだと思う。

ポータブル電源の注意点その1


しかし、クルマの燃料と同様で、いざという時に電気の残量がないようでは元も子もないどころか、動かない自動車はシェルターにはなるが、バッテリー残量が空のポータブル電源は全く無用の長物と化してしまう。

ポータブル電源を備えておく上での一つ目の注意点は、使用後はそのまま放置せず、忘れずに充電しておく(充電回数を増やすとバッテリーの寿命を短くすることにもつながるので残量によるが)こと、そして、使用していなくてもせめて月に一度程度はバッテリー残量を確認しておくことだ。

ポータブル電源の注意点その2


二つ目の注意点は保管方法だ。

高温になる車内に長期間置いたままにするとバッテリーが大きなダメージを受けて寿命を縮めてしまうが、それだけではなくリチウムイオン電池は発火する恐れもある危険物なので、高温になる車内に置きっぱなしは危険でもある

車内に置きっぱなしは控えた方が良い。

また、災害の規模や状況によって電気を復旧させるのに要する期間は異なるが、それは予測不能だ。

あまり調子に乗って使い過ぎてしまうと、電気が復旧する前にポータブル電源の蓄えが底をついてしまうこともあり得る。

ソーラーパネル


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そこで活躍するのがソーラーパネルだ。

日光が出ていなければという条件はついてしまうが、停電時に他の燃料なども消費することなくポータブル電源に充電できるのは本当に素晴らしいことだ。

災害時への備えとしてはポータブル電源だけでなく、ぜひソーラーパネルも用意することをおすすめする。

ついでに付け加えておく、最近私はポータブル電源の充電にはAC100Vを使わず全てソーラー発電でまかない、全てのデジタル機器とランタンやフラッシュライトの類い、充電式空気入れなどの充電もAC100Vからの充電をやめ、ソーラーパネルで充電したポータブル電源か走行中のクルマから充電するようにしている。

この先梅雨に入ると継続不可能になってしまうかもしれないが、今のところ2週間以上はこれを続けられている。

これでどれだけ電気代の節約になるかはわからないが、それよりもiPhoneもiPadもこの原稿を書いているMacBookも全て電気代タダで稼働し、インフレータブルSUPも手動ポンプで体力を使うこともなく、電気代タダで膨らませられていると考えると、なんだか楽しい気分になる。

そして、このようにルールを決めて(使用機器や使用範囲を決めておく)使い慣れておくと使用量の目安がつくようになり、緊急時に使用する際の参考にもなって良いのではないかと思う。

トイレの準備


ポータブルトイレ


「キャンピングカー/車中泊仕様車にトイレが必要か不要か」は耳にする機会の多い話題の一つだ。

普段の車中泊では公共のトイレを使えば済む、後の処理が面倒などの理由で不要論も多い。

しかし、災害時には水洗トイレの使用不能や避難所などでのトイレ不足など、トイレ問題が度々話題に上がる。

災害時のことも考慮に入れると、置くスペースがあるのなら、ポータブルトイレの価値は高いと思う。

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また、ポータブルトイレほど大掛かりなものでなく、「使い捨てトイレ」「携帯トイレ」「簡易トイレ」のようなものも多々ある。



普段の車中泊や渋滞中など緊急時でも使えるものなので、せっかくの車中泊仕様車なら、こういったものは備えておいた方が良いと思う。

また、軽トラの荷台や軽バンの荷室にポータブルトイレは大き過ぎるが、大雨の中での車中泊中など、外に出るのが億劫な時のために、軽自動車で車中泊する際には一応こんなボトルを私は備えている。

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冬の雨降りの晩に寝ていて夜中に目が覚めたときなど、実際に何度か世話になっている。

ペットボトルを使用するトラックドライバーも多いようだが、ボトルの口が小さいのは危険なので、口の大きめなこれを私は使っている。参考まで。

エコノミークラス症候群の予防


エコノミー症候群の恐怖と体験談


エコノミークラス症候群とは、狭い航空機の座席に座り続けることで血行が停滞して発症することがあることに由来して付けられた、深部静脈肺血栓塞栓症または肺塞栓症を指す俗称だ。

実は全く原因は不明ながら私は肺塞栓症を発症した経験がある。

誤診で適切な処置もされないまま放置されてしまったのだが、胸が苦しくまともに息もできないような状態になり、大袈裟でなく「オレ死んじゃうの?」とまで思った。

幸い体力があったおかげで助かったそうなのだが、本当に命を落としていた可能性も十分ある、かなり危険な状態にあったらしいことを後から知った。

そんな恐ろしい病だ。

そして、災害時の車中泊生活でもこれを発症してしまうケースがあり、災害が直接の原因ではなく、これで命を落とされてしまった人もいるそうなので、十分な注意と対策が必要だ。

体を動かす


災害時の車中泊生活では、シートバッグを倒しただけの、いわゆるフツーのクルマの中に同じ姿勢で長時間居続けることで起こるケースが多いのではないかと思うが、室内の広いキャンピングカーであっても油断は禁物だ。

車内が広くても車内に留まっているのであれば、どうしたって座っている時間が長くなってしまう。

余程天候が悪いのでもなければ外に出ている時間を多くとり、ストレッチや軽い運動もするなど、体が固まらないように気をつけることを心掛ける必要はある。

また、非常時であっても他人に迷惑をかけるようなことをしてはならないが、他人に迷惑をかけることのないスペースがあるのなら、外にテーブルや椅子などを持ち出し、屋外に出て広いところで過ごす時間を多くとるのも良いと思う。

水分補給


エコノミークラス症候群対策としてもう一つ注意が必要なことがある。

水分の摂取不足だ。

被災時はトイレ問題もあり、トイレに行く回数を減らすために水分の摂取を減らしてしまう人もいる。

しかし、十分な水分を取らないと血行が悪くなり、血栓ができやすくなってしまう。
トイレの問題もあって難しいところだが、水分不足はそういった意味で本当に危険なことだ。

血行不良には本当に注意していただきたいというのが、肺塞栓症と閉塞性動脈硬化症の経験者(私自身)からのメッセージだ。

他にも注意すべきことや必要な装備は多々あるが


今回は必要な装備について多くは触れなかったが、例えば傘ではなくレインウェア、ナイフ(近頃缶切りが必要な缶は少なくなったが、空き缶はいろいろと使い道があるので、缶切り付きのアーミーナイフやマルチツールがあると便利)、ライターやマッチ、ロープや防水シート、ランタンやフラッシュライトだけではなく、見たいところを確実に照らし両手の空くヘッドランプ、最低限の調理器具などなど、必需と言えるものや備えておきたい物はいろいろある。

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※ 刃物を携行していると銃刀法違反の嫌疑をかけられてしまうこともあるので、必要最小限のサイズの物をすぐに取り出せないところに仕舞っておくことも重要。

また、例えばロープがあっても結び方を知らなければ役には立たないので、そういった最低限の知識などもサバイバルには必要で、注意すべきことも今回挙げた他にまだまだある。

しかし、冒頭部分でも述べた通り、そういった情報や知識については、DRIMOの中に参考になる素晴らしい記事が多々あるので、そちらを参考にしていただきたいと思う。

災害になど遭わないことが一番だが、この記事の中に災害時への備えの参考になることがあれば幸いだ。

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