知識
車中泊300泊経験者が、災害時の車中泊避難を考えてみた

地元・富山で震度5強の地震に遭遇
【令和6年能登半島地震により被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。】
2024年1月1日、突然の揺れにびっくりしました。
筆者の住んでいる場所は富山県。今回起きた「令和6年能登半島地震」の被災地域でもあります。
自宅は富山県内でも岐阜県に近い山側の地域で、発表された震度は5強。被害は棚から物が落ちる程度で済みました。
しかし、母親は富山市内のマンション住まい。上層階なので耐震構造上大きく揺れて、家具やエアコンの室外機が倒れ、ガラスや食器が散乱していました。
母は旅行中で地震には遭遇しませんでしたが、不動産会社が電気系統などを確認し、片付けが終わるまではホテルに滞在することになりました。
筆者も九州での車中泊旅から帰ってきて10日後に起きた地震。人生はいつどこで何が起きるか分からないと改めて思いました。
そこで今回は、地震被害に遭った時の車中泊避難について考えてみました。
地震発生時の状況と車中泊避難の準備
筆者は最初の大きな揺れの後に、もしかしたら車中泊することになるかもしれないと感じたため、車を車庫の外に出しました。
車庫の前には車2〜3台分ほどのスペースがあり、その先には田植時に使うトラクターのUターン場所もあるため、ベッドや荷物の積み込みは楽にできます。
またその時点ではライフラインが無事だったため、インターネットを繋いだまま様子を見ていました。
その間、余震の合間をみてシャワーを浴び、最悪の事態に備え食料と水を玄関に置き、財布やパソコンを入れているリュックを確認。
待機しながら翌2日の午前2時に少し不安ながらも
そして驚愕……。
家屋の倒壊や火災など、能登の被害は筆者の想定を超えるとんでもないものでした。
ここまで甚大な被害に対しての避難対応としては、前夜の簡単な準備だけでは不十分。
これではただ車を出してその場から離れられるだけで、万が一車中泊避難することになった場合には装備が足りなかったと思います。
筆者は協調性に乏しく、人の目も気になり、人の多いところも苦手なので、災害時には避難所ではなく、ある程度プライバシーが守られるが確保される車中泊を選択すると思います。
もちろん車で避難どころではないケースもあると思いますが、今回は車中泊避難ができたと仮定し、筆者なりの備えを紹介していきます。
次のページ▷▷▷【避難場所の見つけ方やあると活躍するグッズをご紹介します!】
【災害時の車中泊に備える】車中泊で避難する場所の目星をつけておく!

まず震災が原因で家が倒壊、または倒壊の恐れがある場合は、家の外での生活を余儀なくされます。
その場合、車で寝泊まりをすることを考える人もいるでしょう。
人それぞれ住んでいる場所や環境が違うので一概には言えませんが、筆者の場合は車庫前のスペースに車を停めての車中泊避難が第一候補(↑写真、手前)。
第二候補は写真の奥に写っている、トラクターや除雪車などのUターンスペースです。
写真の通りスペースも広く、焼却炉もあり、川が近くに流れているので、ライフラインが寸断されても暖を取ったり、生活用水を確保したりすることもできます。
また災害時に飲める状況かどうかの確認は必要ですが近くに湧水のスポットもあり、まわりが山なので道具さえあれば焚き火に使える枝や葉もたくさん落ちています。
自宅に近い場所での車中泊避難であれば、火事場泥棒対策にもなるでしょう。
このどちらかのスペースが使えない場合は、きっと道路が陥没していたり、コンクリートが隆起していたりして、駐車が不可能なケースだと思います。
その場合、もし車が出せる状況にあれば必要な道具を車に積んで、学校や役所などの避難場所か、震災地域から遠く離れた場所に逃げるかもしれません。
自然災害は予測ができないことが多く難しいところですが、ある程度自宅の周辺環境を把握して車中泊による避難場所の候補を探しておくことは大事だと思います。
【災害時の車中泊に備える】災害時に車中泊で必ず活躍する道具4点!

ダウン製品
能登の映像を見ると車中泊避難をしている人が少なからずいます。そのほとんどが普通車で、防寒具だけをなんとか車内に持ち込み生活しているようです。
この時期は寒さから体を守ることが最優先なので、今後の災害に備えて、高規格のダウンジャケットと寝袋を持っているとよいと思います。
防災のためだけに購入すると考えると高価ですが、ダウンジャケットは普段使いもできます。
ダウン素材の寝袋は、冬山で使うことも想定して作られたものもあるので、温かさは格別。持っていると安心です。
ポータブル電源とソーラーパネル
筆者は普段の車中泊旅でエコフロー社のポータブル電源とソーラーパネルを使用しています。
車中泊避難が必要になる場合、きっと周囲は停電中と考えられるので、太陽光発電に頼るしかありません。
どこのブランドでもよいのでポータブル電源とソーラーパネルを準備しておいたほうが良いと思います。
ガス缶製品
キャンプでお馴染みのバーナーやランタンはOD缶と呼ばれるドーム型のものを使用し、家庭用のカセットコンロには、CB缶と呼ばれるガスボンベを使用します。
どちらでも良いので、調理の熱源になるものや体を温められるグッズがあると重宝するでしょう。
ちなみに筆者はCB缶を使うカセットコンロを料理用に、OD缶を使うバーナーには遠赤外線アタッチメントをつけて暖を取れるようにするか悩み中です。
プライベートな空間を確保
筆者は車中泊の時に、プライベートな空間を確保するためアイズ社のウィンドーシェードを使用しています。
この商品は断熱効果もあるので重宝していますが、購入すると結構な金額です。
防災の為だけに購入するにはお高いので、百均でカーテンと磁石を購入して、即席シェードをDIYするのも良いかもしれません。
能登の映像を見ましたが、車がきれいに駐車されていて、両隣に車がある状態で車中泊をしている方々がたくさんいらっしゃいました。
準備が可能であれば、窓を覆うものを用意した方が安心できると思います。
【災害時の車中泊に備える】備蓄アイテムは、最低1週間分用意しよう!

食料を確保
調理用コンロを持っていれば、お湯を沸かしたりすることもできます。
食料は簡単に調理できるレトルトやインスタント製品を中心に最低1週間分は準備しましょう。
水を確保
筆者の家から10分ほど行った場所に湧水が出ており、調理に使うため汲みに行っています。
家が山間にあるので、冬の凍結時による断水用に別途水を保管していますが、今後はその一部約10リットル分を災害用に保存しておく予定です。
燃料を確保
筆者の場合、災害時にOD缶とCB缶を使うので、各3つ以上は用意しています。
日常でもガスコンロやキャンプで使用するので、予備を多めに持つことに抵抗はありません。
また、冬にストーブで使う灯油を家の中に4本と予備用で車庫に2本置いています。
もし家の近くで車中泊避難をするのであれば、ストーブを外に持ち出して暖が取れるでしょう。
全国石油商業組合連合会が「満タン&灯油+1缶運動」を推奨しているのでリンクを貼っておきます。
https://www.zensekiren.or.jp/mantan-undo
簡易トイレを用意
今回の災害で被災者の方々が一番困っていたのがトイレでした。
車中泊旅では道の駅や商業施設などで用を足していましたが、災害時も同様にできるという保証はありません。
能登の地震が落ち着いたらいくつか購入しようと思います。
また今回初めて知ったのですが、筆者のように田舎に暮らしていて浄化槽を使っている家は、汚物とトイレットペーパーを直接流せるそうです。
埼玉県が分かりやすい災害時のトイレマニュアルを作成しているので、リンクを貼っておきます。
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/112385/saitamabo-sai_manual_book_toilet.pdf
その他
他にも常用している薬やサプリメント、ペットがいればペットフードやおもちゃなど、各家庭で必要なものは日常で使用する分とは別に保管しておいた方が良いかもしれません。
【災害時の車中泊に備える】貴重品と防災グッズの置き場所について

貴重品
筆者の考えとしては、通帳などはオンラインに移行し、メインのクレジットカードは携帯に登録して利用できるようにしておけばいいと思います。
またキャッシュレスが主流になりつつありますが、現金はいくらか手元に置いておくべきです。
日常では1つのリュックに財布、パソコン、車の鍵、モバイルバッテリーなどを入れて、置き場所も決めています。
これはいざという時にこのリュックだけを持って逃げるためです。
防災グッズの置き場所
最後になりますが、この防災グッズの置き場所が重要なポイントになります。
今回の能登の地震では、家屋の倒壊が目立ちました。いざ車中泊避難しようとしても、家から物を運び出せなくてはどうにもなりません。
筆者の家の防災グッズ置き場を紹介しますが、これは家庭の状況によっても大きく違うので、各々で検討してみて下さい。
建物は母屋、蔵、車庫があり、母屋と蔵は古いので、地震の規模によっては倒壊の恐れがあります。
一番頑丈なのは鉄骨で作られた車庫。
半壊したとしても骨組みはしっかりと残るでしょう。
そのため、防災グッズや備蓄品のほとんどは車庫に保管してあります。
またいざ車中泊避難となった場合にも、必要な物が車庫にあれば楽に積み込めます。
災害時の車中泊避難を考えてみた あとがき
このたびの「令和6年能登半島地震」で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
幾度となく遊びに行った能登の映像を見ると心が痛いです。
1日でも早く平穏な生活に戻れるよう心からお祈りしております。
今回紹介した車中泊避難は、あくまでも筆者の家のケースを中心に書いています。
必ずしもどの家庭にもフィットする内容ではありませんが、この記事が防災や車中泊避難について考えるきっかけになればうれしいです。
防災に完璧はありませんが、日本には「備えあれば、憂いなし」という言葉があります。
準備をしっかりとすれば、いざという時に心配事が軽減するのではないでしょうか。