キャンピングカー〜失敗しない選び方・考え方 その2
前回の記事で「想像力を働かせ、色々なシチュエーションを考えてみよう」と言っておきながらこんなことを言うのも何だが「考えすぎ」が混乱を招くこともある。
ありとあらゆることを想定しすぎると、頭の中がとっ散らかって、収集が付かなくなったり、余計なことに気を回したりしすぎてしまうこともある。
その挙句に手痛い勘違いをするケース(失敗例)をいくつか見てきたのでご紹介しよう。
最初だから小さいのにしよう……
あんな使い方をしよう、いや、こんなこともあるかもしれない……あれこれ思いめぐらすのは楽しいものだ。
しかし、考えに考え抜いた結果、出た答えが「初めてなんだし、まずは一番小さいやつを買って様子を見よう」になると、不幸なことになる場合もある。
家族5人で住む家にワンルームマンションを選ぶ人がいないように、キャンピングカーのサイズは使いたい人数や遊び方によってかわるもの。
置き場所のこともあるから、大きさの限界もあるだろうが、可能な範囲で使い勝手のことまで考慮に入れないと失敗する。
自分の遊び方に合わない車を買えば、ただ辛い思いをしただけで終わる可能性もある。下手をすると「キャンピングカーってこんなに窮屈なの?」「こんなに不便なの?」になりかねない。
適正なサイズを見極めたいなら、レンタカーなどでいくつか試してみてからにするのも一案である。
「フル装備が最高!」なのか?
とにかくあれもこれもと「つけておけば安心」と考える人がいる。ああもあろうか、こうもあろうかと考えすぎた結果である。
そういう人は寝具やキャンプ道具などの搭載品も多すぎる傾向がある。搭載品なら吟味しておろせばいいだけの話だが、装備となるとそうはいかない。
そもそも、車という限られた空間の中にとりつける装備である。
数が増えれば、それだけスペースの取り合いになるし重量だって加算される。装備を増やすほど、居住空間は圧迫される。それが嫌なら、大きい車を買うしかない。
具体的に考えてみよう。
・冷暖房は必要か?(真夏や真冬に使うか?)
・冷蔵庫は必要か?(コンビニやスーパーでまかなえるか?)
・どの程度料理する?(シンクや清水タンクは?)
・トイレは?
などなど。
使わない装備のせいで使い勝手に支障が出ては本末転倒だ。かといって、必要なものはなければ困る。迷っているものがあるなら、後付けできるかどうか、相談しておくといいだろう。
「これが最後だから!」とは限らない
「キャンピングカーなんて高い買い物、人生でこれが最初で最後!」
実はよく聞くセリフである。実際、最初で最後になる人もいるにはいる。
だが、キャンピングカーの楽しさを知ってしまった人は、なんだかんだ、買い替えて乗り続けるものだ。
人間、年を取れば遊び方も変わる。付き合う人も変わる。家族の人数が変わったりもする。子どもたちを連れてキャンプに来ていた友人は、次々に子どもが独立して来なくなったからと、小さいタイプに買い替えた。
やがて子どもたちが結婚して孫が生まれると、再び大きいものに買い替えて「孫のキャンプデビュー」を楽しみにしている。
幸いキャンピングカーのリセールバリューは高い。乗用車とは下取り価格もまるで違う。それを原資に、気軽に乗り換えればいいのだ。
キャンピングカーは持ち運べる”家”
いかがだろうか?キャンピングカーは動く家だ。その選び方は車探しというより家探しに近い。
中には奥さんに相談したら「車に寝泊まりするなんて私は嫌です」ときっぱり言われ、仕方なく単身用を考えて軽キャンピングカーにしたら「私のいる場所がないじゃないの!」と叱られた、という笑えない話もある。
家族がいるなら、一緒に行くことを想定しよう。サイズ、収納、動線……に注目して考えよう。
なぜなら、これから買うのは「持ち運べるあなたの家」なのだから。