キャンピングカーに必要な装備

キャンピングカーにおすすめの装備とは?「〇〇は、あまりいらない!?」



車旅やアウトドアなどのレジャーとして、災害の避難用シェルターとして、また最近ではリモートワークの拠点としてなど、様々な活用方法から注目されているキャンピングカー。

そんな様々なニーズに対応できるのも、キャンピングカーの『装備』があってこそです。

しかし、実際に車旅を続けていると「大活躍している装備」と、「あまり活用できていない装備」に分かれてきます。

今回は、そんなキャンピングカーの『装備』について、私の体験談を元にご紹介したいと思います。

ライフスタイルや家族構成、利用目的によっても、必要な装備は変わってくるので、あくまで一例として参考にしていただければ幸いです。

搭載しておくと便利なキャンピングカーの装備

FFヒーター

TrumaのFFヒーター

<TrumaのFFヒーター> 白い丸枠の吹き出し口から温風が出ます。

寒い季節になると、外気温の低下にともない、車内の温度も低下します。車のエンジンをかけて車内を温めることもできますが、アイドリングを禁止している施設もありますし、夜間までアイドリングを続けることは、周りの人への迷惑になります。

そこで、FFヒーターの登場です。FFヒーターは、車のエンジンを切っていても使える暖房設備。

FFヒーターには、大きく分けると、車の燃料タンク(ガソリン車ならガソリン、ディーゼル車なら軽油)を燃料供給源にするタイプと、専用タンクからのLPガスを燃料にしているタイプがあります。

夜間でも静かに暖を取ることができ、排気ガスは専用のパイプを通って車外に排出される仕組みになっているので、一酸化炭素中毒の心配もなく安心です。

FFヒーターがあるとないとでは、冬の車中泊旅の快適性が全然違います。

べバスト FFヒーター

出典:Webasto(べバスト)

主流のメーカーとして、Webasto(べバスト)やTruma(トルマ)があり、キャンピングカー購入時に標準で装備されていない場合は、購入時にオプションで追加することをおすすめします。

ちなみに後付けも可能のようですが、本体価格に加え工賃なども含めると、オプション価格よりも高くなってしまう場合が多いようです。

また、車を預けての作業となるため、近くに取り付け店があれば良いのですが、遠方の場合は宿泊や交通費用なども発生してしまうので、可能であれば購入時に取り付けるのが良いと思います。

クイックシェード&網戸

全ての窓のクイックシェード&網戸

車旅では、車内が生活スペース。

就寝はもちろん、食事や着替えやも行うため、車内のプライバシーの確保は非常に大切です。

私は宿泊場所に到着したら、まずプライバシーの確保を行うようにしていますが、特に注意したいのは夜間です。

暗い中で、カーテンやシェードを閉めずに車内に明かりをつけていると、外から車内が丸見えになります。

また、夏季は、窓を開けた際に網戸がないと、車内に虫が侵入します。アブなどが入ってくると外に出すのも大変です。

これらを防止するためにも、カーテンやシェード、網戸はキャンピングカーには必ず装備しておきたいものの一つ。

ちなみに、私は以前、カーテン式のキャンピングカーを所有していましたが、たまに隙間が生じて、外から見えてしまうことがありました。

クイックシェードであれば隙間もなく、ワンタッチで開閉が可能。簡単にプライバシーを確保できるので、とても快適です。

電子レンジ

電子レンジ

私の車旅のスタイルは、地産地消を基本としており、できる限り訪れた土地の食材を購入して車内で食べます。

その際に役立つのが電子レンジ。RVパークなど電源が確保できる場所であれば、サブバッテリーの容量を気にすることなく使用できます。

電源のない場所で使用する場合には、サブバッテリー(100Ah以上)やインバーター(1500W以上)などが必要となりますが、車内でも自宅と同じように温かい食事が楽しめるのでおすすめです。

私たちが装備したものは、安価な単機能レンジと呼ばれる、温め専用レンジですが、温め調理をする用途では十分な機能です。

また、回転台座があるものは走行時にガタついたりするので、フラットなタイプをおすすめします。

ナビ電源切替リレー

カーナビのサブバッテリー駆動システム

<サブバッテリーでナビを駆動するスイッチ> ※ETCの上のスイッチでエンジン停止時でもナビの駆動が可能

エンジン停止時にも、サブバッテリーを使ってナビを使用可能にするものです。

TVやDVDが付いているナビであれば、エンジンを切った状態でも鑑賞することができます。

これは、外付けの機材でも可能ですが、スペースに限りがあるキャンピングカーでは、ナビを流用することで無駄な場所を取らなくて済みますのでおすすめです。

エアコン

エアコン

<直流駆動エアコン:2.2kw> ※2021年のトレンドであり、多くのビルダーで採用されています

夏場の車中泊は、熱中症の危険があります。標高が高い場所では、窓を開ければ涼しくなりますが、平地では夜間でも30度を超える場合があります。

もちろん、アイドリングをして車のエアコンを使うこともできますが、前述したとおり、アイドリングは周りへの迷惑をかけることになるので極力避けたいものです。

そこで必要となるのが、サブバッテリーを使ってエンジン停止中にも利用できるエアコン。

キャンピングカーで一般的に利用されているものには、家庭用のエアコンや屋根に取り付けるルーフエアコンなどがありますが、昨今は直流で駆動できるエアコンも登場しました。

エアコンは冷却性能が重要です。装備する際は、少なくとも、2.2kwクラスを検討してください。この能力が低いと車内が冷えにくいなど、本来の性能を発揮できません。

また、外部からの電源共有が無い場所で利用するためには、大容量のサブバッテリーやインバーターが必要となってきます。これらは高額であるため、費用面の検討も必要となりますが、一度体験してしまうと欠かせない装備となります。

リチウムイオン電池関連

リチウムイオン電池

私のキャンピングカーには、400Ah(5,000Wh)のリチウムイオンバッテリーが搭載されています。

リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーと比較して、軽量かつコンパクト、さらにハイパワーなのが魅力です。

以前、鉛バッテリーを装備していた頃は、電子レンジを使うだけですぐにバッテリー残容量がなくなってしまいましたが、現在は10日程度の旅であれば、電源が不足することもなく過ごせています。

特に、エアコンや電子レンジなどの消費電力の大きい機器を車内で使用したい方は、購入時から装備しておくと良いかもしれません。

ただ、リチウムイオンバッテリーは鉛バッテリーと比べて価格が高いのがデメリット。

また、充電器などの周辺機器もすべてリチウムイオンに対応したものを使う必要があるため、後付けを検討されている方は注意が必要です。

ソーラーパネル

ソーラーパネル

外部電源がなく、走行充電もできない停車時には、ソーラーパネルからの充電が活躍します。

ただし、ルーフの形状(面積)によって、搭載できるパネルの数には限りがあり、天候にも左右されるため、全ての電気をソーラーで賄うというよりは、比較的消費電力が少ない冷蔵庫のような機器を常時使用するための電力を賄うというのが現実的です。

使用用途と併せて販売店に相談すると良いでしょう。

あまり活用できていない装備

カセット式トイレ&温水シャワー

トイレやシャワーが必要かどうかを考えるためには、まず、ご自分の車中泊スタイルを考えてみる必要があります。

私たちのスタイルは、車旅=温泉(日帰り温泉)です。また、車中泊をする際には、事前に周辺にトイレがあることを確認し、車外の施設で用を足すようにしています。

このようなスタイルを考えている方であれば、固定のトイレの設置は必要ないかもしれません。

もし後々スタイルが変わって、やはりトイレが欲しいとなった場合には、ポータブルタイプやラップポン(ラミネート式)のトイレをマルチルーム設置するということもできます。

トイレの機能としては固定式のカセットトイレと比べてもそれほど遜色ありません。

ラップポン

<ラップポン設置>

シャワーについては、あればいつか使う機会があると思っていましたが、私の場合は夏の汗を流すのも、冬に体を暖めるのも、結局、温泉を求めてしまい、ほとんど利用する機会がありません。

3WAY冷蔵庫

3WAY冷蔵庫

<3WAY冷蔵庫> ※庫内は広いですが、猛暑では温度が下がってしまい、毎年苦労していました

冷蔵庫がいらないかも?って、何を言っているのか?と思われるかもしれません。この3WAY冷蔵庫は、ガス、DC、AC電源の3種類で動作する冷蔵庫です。

キャンピングカーには冷蔵庫が必要ですが、ガスで駆動するタイプは、車体の傾きや外気温などで冷却性能が変化するため、温度制御が難しいです。特に夏場は、庫内の温度が上昇するので、生鮮食品を入れていると、傷まないかすごく気になってしまいます。

私たちは、夏場の対策としてコンプレッサー式のコンパクト冷蔵庫に保冷剤を冷凍し、3WAY冷蔵庫の庫内温度を維持しておりました。

もし、選択が可能であれば、家庭用の冷蔵庫と同じ冷却方式のDC駆動のコンプレッサー式の装備をおすすめします。

このタイプは、冷却温度を低い状態で保つことができますので、夏場の生鮮食品の保管にも安心です。

より安全な車旅をするための車体装備

ここからは、キャンピングカーの装備とは別に、より安全な車旅をするためにぜひ搭載しておきたい『ベース車両の装備』についてご紹介します。

ヒーテッドドアミラー

ヒーテッドドアミラー

熱線入りのドアミラーです。私の車は寒冷地仕様ではないですが、標準で装備されていました。

キャンピングカーは、後方の視界が悪いことが多いため、運転時にはドアミラーでの確認が必須です。

しかし、熱線がないと雪が付着したり、凍結による霜が発生するなど、視界が悪くなることで、最悪の場合は事故につながります。

一度雪が付着すると窓を開けて除去しなければなりません。また、走行中の除去作業は危険なので、一時的に停車しての作業となってしまいます。

冬はヒーターによる融雪が欠かせず、とても重宝しました。

ヒーテッドドアミラーは基本的に購入時にしか装備できないので、冬の寒冷地を旅したいと考えている方は、装備しておくことをおすすめします。

トランクションコントロール

トランクションコントロール

<トランクションコントロール> よく見る車の蛇行マーク表示(これが付いていると安心です)

タイヤの横滑りや、空転を防ぐためのトラクションコントロールシステムですが、積雪時に、このトランクションコントロールがあると、スタックする可能性が低くなります。

慣れない冬道など走行する際は、安全サポート機能としても有効です。

ベース車両によっては、標準装備であったり、逆に装備できない車種などもありますが、セーフティー機能については、車旅を安全に楽しむためにも、装備できるのであれば、選択した方が良いでしょう。

バックセンサー

バックセンサー

<バックセンサー> ※丸いボタンみたいで見た目は悪いですが、安心感が倍増します

バックセンサーは障害物を検知して、アラームを発報するセンサーです。

この装備はオプションでしたが、過去に車をぶつけてしまった経験から、追加装備しました。

少しでもバックでの駐車に不安がある方は、バックモニターに加えて、装着することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?私のキャンピングカーの装備について、体験談をもとにご紹介しました。

冒頭にもお伝えしたように、ライフスタイルや利用目的によっても、必要な装備は変わってきます。

限られた車内空間ですので、どれもこれも装備すれば良いというわけではなく、自分のスタイルにあった装備を取捨選択することが大切です。

誰と、どのようにキャンピングカーを使いたいのか、をクリアにすれば、必要な装備も明確になりやすいと思います。

また予算との兼ね合いもありますので、販売店の方にも相談し、後付けできるようなものは実際に車旅をしてみてから決めるのも、一つの手かも知れません。

今回の記事が、楽しい車旅に旅立つ手助けになれば幸いです。