内燃機関のみのスポーツカーは絶滅危惧種?エンジン車の魅力や未来を考察してみた
目次
内燃機関車のバトルを描くしげの秀一作品
昭和・平成・令和を通じて、モータースポーツの魅力を伝え続けている漫画家がいます。
その名は「しげの秀一」。そのしげの秀一さんの作品に関するプレスリリースが、2024年10月に発表されました。
人気3作品を網羅したムック本が発売
2024年10月3日、株式会社三栄が新刊「MFゴースト&頭文字D&バリバリ伝説大解剖」の発売をプレスリリースで発表しました(発売は同日)。
この本は、しげの秀一さんの3つの代表作を紹介するムック本で、各作品のストーリーや名場面などが網羅されています。
タイトルのとおり、紹介される作品は現在連載中の「MFゴースト」、平成にブームとなった「頭文字D(イニシャルD)」、昭和58年に登場したバイク漫画「バリバリ伝説」の3作。しげの秀一さんへのインタビューもされています。
……という感じで、しげの秀一ファン注目のムック本が発売されたわけですが、掲載3作の中で注目度が高いのは、やはり連載中のMFゴーストです。
ここでもう1つ、MFゴーストに関連するプレスリリースを見てみましょう。
オプション誌のMFゴースト特集号
2024年7月24日付けの株式会社三栄のプレスリリースでは、「OPTION(オプション)2024年9月号」の発売日(同月26日)と特集内容が発表されています。
こちらのOPTION誌の特集タイトルは、「MFゴーストの魅力に迫る!!国産車vs輸入車チューンド大決戦」というもの。
チューンドカーのベースマシンとして人気の高い国内外のスポーツカーを、MFゴーストとコラボする形で紹介する内容となっています。
特集に登場する車は、トヨタ GR86やポルシェ ケイマンなどの純内燃機関車(純エンジン車)で、ハイブリッド車や電気自動車は出てきません。
コラボするMFゴーストの内容を踏まえるなら、これは当然のチョイスだといえます。
内燃機関車が競い合うMFG
内燃機関自動車が製造されなくなった近未来、英国から来日した主人公カナタ・リヴィントンは、ある目的のために人気カーレース「MFG」に参戦する……というのがMFゴーストのあらすじです。
さて、この物語で描かれる架空のレースMFG、参戦できる車は純内燃機関車のみとなっています。
ハイブリッド車での参戦も可能ですが、駆動モーターが機能しない状態に改造しなければ出場できません。
こうした競技ルールのレースを描くMFゴーストとコラボするわけですから、OPTION誌の特集に登場する車が純内燃機関車のみとなるのも当然です。
それはさておき、MFGのレギュレーションからは、作者の内燃機関車への思い入れやこだわりが感じられます。
ベテラン漫画家を魅了する、純内燃機関スポーツカーの魅力とは何なのでしょうか?
純内燃機関車の利点や魅力とは?
ここからは、純内燃機関を採用するスポーツカーについて深堀りしていくことにしましょう。
ハイブリッド車の一般化にともない、純内燃機関車のモデル数は減少しつつあります。
ただ、現行のスポーツカーには、エンジンだけで走るモデルが少なくありません。どうやら、純内燃機関車には独自の利点があるようです。
純内燃機関車のメリット
車体を軽量に設計できる
駆動用のモーターやバッテリーを搭載しないことから、純内燃機関車は軽量に設計できます。
車体の軽さは走りを左右する重要要素。スポーツカーの高い走行性能は、徹底した車体軽量化と、重量バランスの最適化により実現されています。
もし、ハイブリッド車で現行スポーツカーなみの運動性能を実現しようとすれば、車両設計の大幅な見直しや、足回りとブレーキの強化などが必要になるでしょう。
その結果、車両価格は高額化すると考えられます。
MT車を設計しやすい
スポーツカーファンにはMT車を好む人が少なくありません。
もちろん、純内燃機関車なら問題なくMT(マニュアルトランスミッション)を搭載できます。その黎明期から、自動車にはMTが採用されてきたのですから。
一方、ハイブリッド車では事情が大きく変わります。というのも、ハイブリッド機構にはATやCVTとの組み合わせを前提としたものが多く、MTとの相性が悪いのです。
速さだけを重視するなら、スポーツカーユーザーもMT車にこだわる必要はないかもしれません。
ただ、シフト操作の楽しさを求める人にとっては、MT車を選べることが大きなメリットになります。
純内燃機関車の魅力
純内燃機関車には、メリットだけでなく独自の魅力もあります。その魅力とは、エンジンサウンドと走行フィーリングです。
気分を高めるエンジンサウンド
迫力あるエンジン音を楽しめることは、純内燃機関を搭載するスポーツカーの魅力の1つです。エンジン始動で鳴り響くサウンドや、アクセルの踏み込みにともなって高まるサウンドは、ドライバーの気分を高揚させてくれます。
自然で生命感ある走りを味わえる
純内燃機関車のパワーフィーリングは自然で生命感があります。
アクセルを踏み込めば、エンジン回転数の上昇とともにパワーが湧き上がる。
そのフィーリングは人間の感性と親和性が高く、車の呼吸を感じながら走る楽しさにつながります。
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