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【経験談】冬のヨーロッパキャンピングカー旅に潜む危険。注意点と快適旅のためのコツを紹介

冬のヨーロッパキャンピングカー旅に潜む危険。注意点と快適旅のためのコツを紹介
冬が長いヨーロッパでのキャンピングカー旅は、寒い時期にしか味わえない魅力的な経験ができますが、寒さや雪、凍結など冬特有のリスクも多く、特別な注意が必要です。

例えば、地域によってはチェーン規制がかかってたり、寒冷地仕様でないキャンピングカーでは設備の不具合や予期せぬ故障が発生しやすくなります。

そのため、普段以上にトラブルへの備えが重要になります。

今回は、キャンピングカーでヨーロッパを旅しながら暮らし3年目になる私たち夫婦が、これまでの経験から得た実際に遭遇したトラブルや対策についてお伝えします。

初心者でも安心して冬のヨーロッパ車中泊旅を楽しめるよう、ぜひ参考にしてください。

寒さ対策は必須!冬のヨーロッパ車中泊で困ったこと


ヨーロッパの街並み

冬のヨーロッパ旅行は、まるで絵画のような美しい風景と特別な体験が待っています。

雪に覆われた古城や歴史的な街並み、雪化粧をしたアルプス山脈では、壮大な絶景とともにスノーアクティビティを楽しめます。

そして、キャンピングカーを利用すれば、さらに自由な旅が可能に。

好きな場所で停車し、景色を楽しみながらのんびり過ごす、ひと味違った旅行ができるのです。

冬の寒さを感じながらも、車内で温かく過ごし、自由気ままにヨーロッパを巡る旅は、他では味わえない贅沢な体験となるでしょう。

参考記事はこちら▷【ヨーロッパ車中泊旅行記】イタリアの雪山リゾートは格安で過ごせる?!クリスマスとお正月を過ごしてみた!

とはいえ、楽しさと同時に、冬のキャンピングカー旅には寒さ対策や雪道対策など特別な準備が必須です。

ヨーロッパの冬は日本よりも寒さが厳しく、積雪量が多いエリアもあります。

私たちはフルタイムでキャンピングカー生活を送り、3年目の極寒の冬を迎え、寒い時期ならではのトラブルに遭遇しました。

水不足でキャンプ場を転々と巡る羽目に


冬のキャンプ場

極寒の冬にキャンピングカー旅をする際、注意すべきなのが水の確保です。

冬季はキャンプ場やRVパークの給水場が凍結していたり、施設側が事前に元栓を閉じていたりと、水の補給ができる場所が非常に限られています。

キャンピングカー生活にとって水は欠かせないものなので、水を求めて何度も別の施設を探し回ることになり、貴重な時間と体力を消耗してしまうこともありました。

水道管・排水タンクが凍結して水が使えない!


凍結してシンクが使えない

気温が氷点下にまで下がると、水の凍結が大きな問題になります。

実際に、イタリアのアルプス付近で車中泊をしていた際、外気温は−12°Cにまで下がり、排水タンクの水が凍結してしまいました。

「使用済みの水だから大丈夫だろう」と思っていたのですが、排水タンクの水が凍ると、シンクやシャワーの水が流れなくなり、水回りが完全に仕様不可に。

最悪なことに、完全に溶けるまで、約3日間も水が使えない状態になってしまいました。

対策としては、排水タンクに断熱カバーをかけたり、凍結防止剤を入れて、凍るのを防ぐようにしましょう。

車内の暖房不良


雪が積もった冬のRVパーク

ヨーロッパ製のキャンピングカーは、冬の寒さに対応した強力な暖房設備が備わっています。

しかし、気温が−10°C以下の極寒の地域に長時間滞在すると、バッテリーが不調を起こし、暖房の効きが悪くなったりもします。

そのため、冬場の車中泊ではなるべく外部電源のある施設を利用し、氷点下になる地域では長時間外にいる場合でも暖房をつけたままにして、車内温度が下がらないようにしましょう。

冬のヨーロッパキャンピングカー旅をしてわかった注意点


ヨーロッパの冬は日本と同じで、11月〜3月にかけて訪れます。

ただし、地域によってかなり違いがあり、北部やアルプス山脈、山岳地帯では4月〜5月まで雪が残ることもあります。

注意点をしっかりと押さえ、安全で楽しい旅にしましょう。

車両準備:冬季対応のキャンピングカーを用意する


雪が積もったキャンピングカー

雪や寒さに対応できるキャンピングカーを選ぶことで、安全で快適な冬旅を実現できます。

ヨーロッパ製のキャンピングカーは、ほとんどが寒冷地仕様になっており、安心して旅を楽しむことが可能です。

レンタルする場合も、冬季対応がしっかりとされているかどうか、以下のポイントに注意して確認しましょう!

冬季対応キャンピングカー①冬用タイヤを装着、タイヤチェーンの携行


ヨーロッパでは一部の地域ではチェーン規制があり、チェーンの装着や携行が義務化されています。

もし携行していなかった場合、罰金が科される可能性もあるので、要注意です。

冬季対応キャンピングカー②断熱性能・暖房設備の確認


床や窓などに高性能の断熱材が使われているものを選ぶと、保温性が高まるのでベストです。

また暖房設備として、ガスヒーターやディーゼルを使ったFFヒーターが搭載されているかも必ずチェックしましょう。

出発前には、暖房システムが正常に作動するかを確認することを忘れずに!

冬季対応キャンピングカー③水道設備の凍結対策


気温が氷点下になると、水道管や水道ポンプが凍結し、故障の原因になります。

凍結を防ぐために、車内温度を適切に保ち、凍結防止ヒーターがある車両を選ぶと、より安心です。

また、保温シートを使ったり、凍結防止剤を排水タンクに入れることも有効な対策です。

こちらの記事で実践している寒さ対策をいくつか紹介したので参考にしてください▽
氷点下で車中泊経験をしてきたからわかる!真冬の車中泊は車も人間も寒さ対策が必要!

冬は日照時間が短いので観光時間に要注意!


霧に覆われている街並み

冬のヨーロッパは日照時間が短いので、観光する際は効率的なスケジュール管理が重要です。

ドイツやオランダ、ベルギーなどの地域では、昼間の明るい時間帯は限られており、朝は8時半過ぎに明るくなり、午後4時には日が沈んで真っ暗になってしまいます。

さらに、北欧の一部地域では、太陽が一切顔を出さない「極夜」と呼ばれる現象が発生し、数週間にわたって太陽が昇らない日々が続きます。

さらに、ヨーロッパの冬は天気が不安定で曇りや霧の日が続き、どんよりとした空気が漂うことも多いため、観光をする際には一層の注意が必要です。

しかし、どんよりとした空でも、ヨーロッパの冬ならではの独特の雰囲気を楽しむことができます。

観光を最大限に楽しむためには、午前中の貴重な明るい時間を有効活用をしましょう。

天気が悪い日でも楽しめる、屋内の博物館や美術館、教会巡りなどを上手に組み合わせて計画的に観光を楽しんでください。

雪道・凍結道での安全運転


雪道を走行

キャンピングカーは重量が重く、重心が高いため、車両の制御が難しく、雪道や凍結路ではより一層の注意が必要です。

まずは、天気予報をよく確認し、悪天候が予想される地域を避けることが重要です。

目的地だけでなく、途中のルートに雪道が含まれていないかも忘れずにチェックしましょう。

また、雪用タイヤやタイヤチェーンの装着は必須です。

積雪の多い場所や坂道、カーブなど危険な箇所に差し掛かった場合は、できるだけ早くチェーンを装着しましょう。

スピードの出し過ぎには十分に注意し、急な加速や急ブレーキはスリップの原因となるため避けることが大切です。

前後の車との車間距離を十分に取って、慎重な安全運転を心がけましょう。

冬季の観光地と車中泊スポットは事前確認が必須!


観光シーズンの街並み

ヨーロッパ観光のハイシーズンは春や夏で、世界各地から多くの観光客が訪れますが、冬になると観光客が減少し、冬季休業となる店舗が増えます。

そのため、冬にヨーロッパを訪れる際は、観光施設やレストランが営業しているか、事前に確認しておくと安心です。

また、バスや電車などの公共交通機関も一時的に休業したり、本数が減ったりするため、移動手段についても注意しましょう。

キャンピングカー用のキャンプ場やRVパークも同様に、冬季休業や営業条件の変更が多いです。

施設が開いていても、水道が使えないなどサービスが制限されている場合があるため、事前確認が大切です。

オフシーズンのRVパーク

RVパークではセルフサービスシステムが一般的で、電話やメールで直接連絡が取れないことが多く、実際に到着してみないと営業状況がわからないケースもあります。

これを避けるために、訪れる予定の車中泊スポットを2〜3箇所候補に入れておくと安心です。

万が一、予定していた場所が利用できなかった場合でも、代替のスポットを確保しておけば、よりスムーズに旅を楽しむことができます。

冬季キャンピングカー旅での車中泊場所の選び方


雪や氷に強い駐車場やキャンプ場を選びましょう


ヨーロッパのRVパーク

ヨーロッパはキャンピングカーの本場で、専用施設も豊富ですが、冬になると観光客が激減し、雪や凍結対策のため閉鎖されるキャンプ場やRVパークが多くなります。

そのため、できるだけ冬季も営業しているRVパークを選ぶようにし、特に、外部AC電源が完備された施設を利用すると便利です。

電気があれば、寒さによる車内のバッテリーの消耗することを防ぎ、暖房や電気機器を安定的に使用できます。

また、水の補給ができる場所も限られているため、他の季節以上に車中泊スポット探しが難しくなります。

そのため、水は多めに持参し、寒冷地での旅行は予期せぬトラブルを想定し、余裕を持った計画を立てることが大切です。

私たちは、車中泊スポットを探す際に「Park4night」アプリを活用しています。

このアプリでは、他の利用者のレビューを参考にできるため、事前に冬季営業しているかどうか、水道や外部電源が使用可能かどうかを確認したうえで、目的地を決めるようにしています。

詳細はこちら▷Park4nightアプリの公式サイト

ヨーロッパの冬でも比較的あたたかい国を旅してみる!


冬でも暖かいヨーロッパの地域

ヨーロッパの中には、冬でも比較的暖かく、過ごしやすい国もいくつかあります。

寒さを避けたい場合は、こうした温暖な地域を訪れるのも一つの方法です。

北部では寒冷で厳しい冬が続く一方、南部は比較的温暖な気候を楽しめます。

例えば、ポルトガルやスペイン南部、イタリア南部、ギリシャなどは、冬でも比較的温暖で過ごしやすい国々です。

私たちは極寒の寒さを避けるために、2024年、2025年の冬はポルトガルとスペインで過ごしました。

ポルトガルの冬の平均気温は地域によって異なりますが、首都リスボンや南部の海岸沿いに位置するアルガルヴェでは、昼間の気温が約12〜17°Cと、穏やかで、観光にも適していました。

まとめ


ヨーロッパのキャンプ場

冬季のヨーロッパは観光地が比較的空いているため、混雑を避けながらゆっくりと観光を楽しめるのが魅力的です。

さらに、キャンピングカーを使った冬の旅行は、他の移動手段では味わえない自由と冒険を提供してくれます。

ただし、冬ならではのトラブルも考えられるため、事前の計画と準備が重要です。

安全で楽しい車中泊旅を実現するために、しっかりと備えをして、思い出に残る素晴らしい旅を楽しみましょう!

Luana

登山、キャンプ、旅が大好きな夫婦です。 日本を飛び出し、イタリアで中古キャンピングカーを購入し、ヨーロッパ一周中です。自然の絶景スポットが好きで、観光ガイドブックには載っていないヨーロッパの絶景スポットをキャンピングカーで周りながらをたくさんお届けします。 旅の様子はInstagram、YouTubeでも発信しています、よかったらご覧ください!