走行中に荷崩れしない工夫

【軽トラで車中泊】走行中に荷崩れしない工夫あれこれ!実践編



細々した荷物も多くなる車中泊では、走行中に荷物達が車内でダンスや演奏を始めたり、暴動などを起こしたりしないような工夫が現実的には必要だ。

荷台

そこで今回は、私がこれまでに培ってきた経験や知識を基に、Boo3の中(軽トラの荷台の箱)で荷物達がお行儀よくしていてくれるために施している工夫などをご紹介したいと思う。

荷物の積み方、基本の基本

荷物の積み方の具体的な方法についての話の前に、荷物の積み方に関しての基本的な考え方について確認しておこう。

強烈な急発進をするとか、相当な急坂を登るのでもなければ、基本的に荷物は後へずれたり倒れたりするより、減速した際に前に滑って行ったり、前に倒れることの方が圧倒的に多い

急ブレーキを踏んだ時の挙動を思い浮かべればわかりやすいと思う。

もう一つ多いのは、カーブ中の遠心力による横ずれや横倒れだ

前滑り、前倒れ、横滑り、横倒れに重点を置いて対策することが重要だ。

そして、倒れやすいものは最初から倒した状態で積むのも荷崩れを防ぐための一例だ。

荷物

しかし、例えば冷蔵庫は倒して積むのは良くないとされているし、液体が入ったものなどは倒すことで溢れてしまうこともある。

倒れやすいものはなんでも最初から倒しておけばよいということでもないので注意が必要だ。

当然ながら、細かな物をバラバラと積んでいたのでは効率が悪く、荷物が行方不明にもなりやすい。

バッグや箱など何か入れ物にまとめて荷物を収納した方がよいのは当然だ。

しかし、その入れ物が大き過ぎるとその中から必要な物を取り出すことが面倒になってしまったり、入れ物全体を動かしたりすることが容易ではなくなってしまう。

これでは本末転倒。

大はいつも小を兼ねてくれるわけでもない。

荷物

また、平面的に荷物を置いただけでは効率が悪い。

面積の決して広くない荷台を合理的に利用するには高さも活用したいものだが、やたらに荷物を積み重ねると下の物を取り出しにくくて面倒ではあるし、荷崩れも起こしやすくなってしまう。

カーゴコンテナの利用

カーゴコンテナ

そこで活躍するのが、適度な大きさで積み重ねのできる、こういったタイプのカーゴコンテナ(色々呼び名があるようだが、今回はコンテナとしておく)だ。

これらはいくつかのブランド名で販売されていて呼び名も違っていたりもするけど、実は正体は同じメーカーの製品のことが多い。

大きさのバリエーションもいくつかある大人気のシリーズで、私も愛用している。

現行のタイプは蓋の形状が変わり(本体は同じ)、旧型より体積が少し小さくなったが、積み重ねた際の安定性はより高くなっている。

カーゴコンテナ

現行型で二段重ねにして、走行中に崩れてしまったことはまだないが、悪路を走る際などはベルトをかけておけばより安心だ。

ベルトがずれないようにするための溝も蓋には付いている。

細い形状のタイプにはその溝がないが、バックルにベルトを通しておけば大丈夫だ。

コンテナの中は用途毎にまとめて収納しておくと荷物の整理がついて便利だが、コンテナの中身を入れ替えるのではなく、サンダーバード2号のお腹の格納庫のように、目的に応じた内容物をセットしたコンテナを用意しておき、目的に応じたセットの入ったコンテナを積んで行くようにすると、出掛ける際の準備も楽で忘れ物が少なくなるなどの利点がある。

また、そうしておけばクルマに積んで使用しているときに便利なだけでなく、家でもそのまま収納しておけるため、家の中の整理もついてよいことが多い。

と言っておきながら、私はまだそのシステムが完成の域にまで達しておらず、発展途上で家の中は相変わらずゴチャゴチャしているのだが、この箱達のおかげで徐々に区画整理の進んだ状態になりつつはある……。

実際の使用例は例えばこんな感じだ。

荷物

右は海で使う用具類などしか入っていない。

海と関係のないときはこの箱は置いて行く。

その分スペースも空き、若干だが軽くなる。

同じ重さの荷物でも、小さな車には大きな車より相対的な負担が大きくなるため、小さな車は小まめに荷下ろしや入れ替えをするよう心掛け方がよいと思う。

左は調理器具類。

災害時の備えなども兼ねて、基本この箱とポータブル電源とソーラーパネルなどはいつも積んでいるが、大きな物や沢山荷物を積まなければならないときは家に置いていくか、箱ごとルーフラックに移動してしまう。

ラック上の荷物

そう、このシリーズの利点は荷物の整理に便利なだけではなく、耐候性も高いので、荷物が多い場合は下の写真のように荷物を屋根に積む際にも重宝するのだ(※ この写真は撮影のためにラックの上に載せただけだが、実際に使用する際は必ずベルトやロープなどでしっかり固定する必要がある)。

そして、テーブルや椅子、踏み台として使える強度があり、そういった用途にも使えるため、荷物を減らすことにも貢献している。

荷物の位置がズレないようにするための工夫

コンテナの中に物を収納することで、車内で荷物達が縦横無尽に暴れ回るのを抑えることはできる。

しかし、コンテナ自体が走行中の車内で自由に行き来されるのも少々困る。

屋根のない荷台ならロープをかけて固定するのが最も一般的な対策だ。

固定した荷物

しかし、VANなどには荷台の中にロープやラッシングベルトをかけるフックなどが付いているものもあるが、軽トラの荷台は外側にはしっかりとしたフックが何カ所も付いているけれど、内側にはないのが普通だ。

荷物

↑これは軽トラではなく、キャラバンの荷室後部なのだが、予めコンテナがこの位置にピッタリ収まるように棚を設置した。

ここに置けばコンテが前にも後にも倒れることはない。

また、長辺が横に向くように置くことになるので、横倒れする可能性はほぼないと言ってよい。

そして何も抑えたりしていないが、長辺が横向きで摩擦が強くなるためか、横滑りもほぼ皆無だ。

また、摩擦が強くなる床の上に置くだけでも効果は大きい。

例えば軽トラの荷台の上にそのまま荷物を置いたり、コンパネなどを敷いた荷台の上に置いたりするより、カーペットやウレタンマットなどの敷かれた荷台の上の方がずっと滑りにくくなる。

スぺり止めマット

滑り止めマットなどの活用も有効だ。

その他、ロープやベルトを使わずに荷物の動きを抑制する方法として、積み重ねられる荷物を走行中は床に広げてお互いを支え合うようにし、中に入って食事をしたり就寝したりするときは荷物を重ねるようにするのも簡単で効果的だ。

そういった意味でも簡単に尚且つ荷崩れすることなく重ねられるコンテナの活用(寝ているときに自分の上に荷物が崩れてきたりしないために)はお薦めだ。

荷物

また、後輪駆動や後輪駆動ベースの車両には関係のない話だが、FFのクルマの場合はあまりに後が重くなると駆動輪(前輪)のトラクションが落ちてしまう(これはFFのバン・トラックが少ない理由の一つだが、ヨーロッパ車にはFFのバン・トラックが結構多いので、どうやってトラクションを得ているのか不思議)。

余程の重量でなければ問題はないと思うが、やはり軽自動車のような小さな車の場合は上り坂などでは多少影響が出ることがあるとも考えられる。

荷物が前方にスライドして行くのを防ぐのも兼ね、特にFFの軽自動車(現行車両では軽トラとOEMを含むハイゼットカーゴとアトレーとエブリイ以外の全ての軽自動車)はなるべく前よりに重い荷物を積んでおいた方が無難なのではと思う。

次のページ▷荷物の詰め方の工夫について