知識
エアコン要らず? 扇風機をうまく使って夏の車旅を快適にする方法。

夏の車旅ではエアコンに勝る空調機器はない。
と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、みんながみんなエアコンを付けられるわけではありません。
私の日産キャラバンをベース車としたGT NV350 CARAVANもエアコンなしです。
ですが、扇風機をうまく活用することで、真夏でもけっこう快適に車旅ができています。
ここでは私が編み出した扇風機の活用方法やコツについて紹介したと思います。
夏の車内、エアコンに勝るものなし?

皆さんもご存知の通り、エアコンは「冷媒が熱交換機を介して働き、ファンが冷風を車内に送る」ことで、熱くなった空気を一気に冷やします。
一方、扇風機は、「風が肌に当たることによって、肌表面の水分が蒸発して気化熱を奪う」ことで涼しさを感じるわけです。
夏の炎天下に車を停めれば、たちまち車内の温度は急上昇し、ダッシュボードやハンドルに触ることもできないほどに熱くなります。
そんな時は、エアコンのスイッチをいれて車内の温度を一気に冷やす。これが先決です。
では、扇風機はどんなときなら使えるのか?
車内の温度が比較的、低いときはどうでしょうか。

経験的には、キャンピングカーを木陰に置くだけで、涼しい風が車内に入り、炎天下に駐車するのとはかなり違います。
また、真夏でも夜に扇風機を回し、外の空気を室内に入れると、寝苦しさも少し和らぎます。

車内で使うとなるとスタンドの上にファンが回る典型的な扇風機が収まる場所をイメージすることができません。
そう思っていた時、自宅の風呂場の脱衣場の窓枠に置いてある扇風機を見て思いました。
「この機種なら車内における」
四角い筐体にファンが入っているタイプのこの機種なら、ドアガラスにはめ込むように設置することが可能で、外の空気を入れることができます。
これなら、ある程度涼しさを感じることもできそうだと思いました。
回転ルーバーという風向きを変えることができる回転式の装置が付いているので、車内の空気を撹拌(かくはん)することもできるでしょう。
ニトリ製扇風機の仕様
電圧:100ボルト
消費電力:30ワット
高さ:380mm 角型
質量:2.1㎏
▼参考商品はこちら
置き場所は「ドアガラスか後部ウインドウか」

まず試しに助手席のドアガラスのところにはめてみました。
助手席側ドアのガラスを下げた状態で、扇風機をガラス枠に置いてみます。
簡単に脱落しないように「ロープラチェット」で固定していますが、少し不安定で装着したまま走行はできません。
常設するつもりはありませんが、キャンプ場やRVパークで装着したまま、キャンプ場内や近場への移動のための運転ができないのは不便です。
また、この位置に設置した場合、回転ルーバーで風を撹拌しようとしても、後部ベッド付近へは風が届かないこともマイナスです。

そこで次にエアロウインドウのアクリル窓に取り付けてみます。
アクリル窓に簡単に取り付けられて、ファンが回る動作音も静かです。
なにより、風が後部ベッド付近まで届くので、ここに取付けることにしました。
防虫ネットが窓に標準で備わっているので、防虫対策を追加で考える必要がないことも決め手になりました。
アクリル窓に取付ける方法

必要な部品はたったの3点、ロープラチェット(ロープを簡単に締めることができる器具)とロープ、ネジフックを使用します。
①アクリル窓枠の下部に扇風機の足を掛ける。(加工なし)
②アクリル窓枠の上部に固定用ネジフックを取り付ける。
③ネジフックにロープを通し、ロープラチェットで締め付けることで扇風機の上部を固定します。
取り外しも簡単で、ラチェットを開放するとロープがゆるむので、窓枠から直ぐに外れます。
扇風機を設置した結果

設置の結果は、上々でした。
風はよく入るし内側の回転ルーバーが回り、風を撹拌するので、心地よい風がキャンピングカーの隅々まで行き渡っていくのがよく分かります。
そして、日中の木陰にキャンピングカーを置いてキャンプ場と同じような状態で体験してみましたが、木陰の風はより一層心地よく感じました。
少しでも涼しく感じる工夫いろいろ

木陰や夜間に、扇風機を回したからといって、常時涼しく感じるわけではないと思うので、条件が変わった場合でも涼しさを感じられるように試してみました。
換気扇との併用

今回、アクリル窓に取付けた扇風機は、言い換えてみれば移動して設置することができる換気扇でもあります。

既に、私のキャンピングカーには換気扇があるので、これを併用してみると涼しさや換気にさらに効果があるのではと思い、扇風機と換気扇を吸気と排気で交互に作動させて、試してみました。

実験場所となったのは、よく行く奈良県の「RVパーク宇陀あきののゆ」。
なお、使用した扇風機は、キャンピングカーに付いている換気扇のようにワンタッチで吸気と排気の切り替えはできません。
少し面倒でしたが外の空気を車内に入れる吸気の時は内向き、逆に車内の空気を外に出す排気の時は外向きというように付け替えて実験しました。
①扇風機―吸気 換気扇―吸気
外気をどんどん取り入れたいとき、夜間のキャンプサイトなどで一気に涼しい空気を入れ、就寝前に車内を寝易い温度にするのに適しています。
②扇風機―吸気 換気扇―排気
空気の入れ替えに適していると感じました。愛犬や人間の体臭は長時間車内に居ると気付かないものです。
こまめに空気の入れ替えをして、キャンプ場周辺の澄んだ空気を入れるのに便利そうです。
③扇風機―排気 換気扇―排気
スライドドアを少し開けておいて扇風機と換気扇を共に排気にし、車内を負圧状態にしたところ、それまでほんの少ししか入らなかったスライドドアからの隙間風が心地よいくらいの風量になったので、これなら使えると思いました。
保冷剤を置いてみた

冷たいものを前に置けば、涼しくなると言う単純な発想ですが、使用したのは保冷剤2個で、扇風機の前に置いてどこまで温度を下げることができるか?
環境条件は、
〇外気温32℃
〇場所 ガレージ内 28.8℃
でどこまで温度が下がり、涼しさをキープできるかを検証しました。
結果は11分後に最大温度差の27.1℃になり、以後30分以内にガレージ内の温度に戻りました。
外気温が30℃を超えた日中に使用したので、温度差も温度も涼しいと思えるほどではありませんでした。
夜間なら少しは使える機会がありそうですが、実用的ではないと感じました。
まとめ

今回、ちょうどいい扇風機が見つかったのは、常にもっと快適にキャンピングカーを使いたいと考えていたからこそだと思います。
正直、愛犬と一緒に居るときなど、今まさに一気に車内を冷やしたいときはエアコンに勝るものはないでしょう。
でも、簡単にエアコンに頼りたくない。
それは、「足りないこと」や「未完の箇所」を見つけ、自分で何とかすることが好きだからです。
これからも現状に満足せずに、手を加えてさらに使い勝手のいいキャンピングカーにして、その結果を共有したいと考えています。