キャンピングカーとモーターホームの違いって?
キャンピングカーという名が日本では最もメジャーな「泊まれる車」なのではないでしょうか。
筆者が物心ついた時には世の中ではそう呼ばれていたと記憶しています。
ここ数年この「泊まれる車」が多く取り沙汰され、大小さまざまな車両が世にあふれるようになりました。
大手老舗のキャンピングカービルダーと呼ばれるメーカーの車両から、自動車会社が手掛ける「車中泊仕様車」、本場欧米から輸入される車両、そして個人で改造する「VANLIFE」を模したお手製車両まで、車体の大きさや設備の内容、それによる用途まで数え上げたらきりがない程です。
車中泊仕様から本格的な欧米モーターホームの設備の違いや、遊び方、使い勝手など筆者の経験をもとに解説します。
キャンピングカー、モーターホームの違いとは?
多様な流れの中で改めて「キャンピングカーって何だろう?」「モーターホームとバンライフの違いって?」と疑問を持ったり、購入の段階で迷ったりする方も多くなっています。
筆者は仕事として欧米の大型モーターホームの販売や整備をさせていただく中で、あくまでも私見として以下の様に区別をして説明しています。
●「キャンピングカー」は恐らくその名前のルーツになっているであろう「キャンプ」ができる車という意味でとらえています。キャンプ場でテントやタープを出して楽しむことが車で可能だということ。いわゆるキャンプ道具が備わった車ですね。大きな役割はテントと同じで「睡眠できる部屋」があること。椅子やテーブル、キッチンなど食住の環境が整っていれば「キャンピングカー」で良いのだと思います。
●「モーターホーム」とは何か?私はシンプルに「移動可能な家」と理解し、そう説明しています。家と同じ環境を備えた車ですね。前述のキャンプする車との大きな違いは「ライフライン」を備えているかどうかと言う点。住環境と同じで生活に欠かせない「電気・ガス・水道」などのエネルギー源を搭載し、車内で全ての生活が完結できる車です。そこには当然「トイレ」や「シャワー」、キッチンに冷蔵庫、上水タンク、下水タンク、発電機、LPガス、等ほぼ住宅と同じ設備をコンパクトにして搭載しています。
●多くのキーワードで用いられる「車中泊仕様」の車については、用途や方向性に応じて設備に差が多いので、「車両の座席を倒して眠れる」ものはただの車両と理解しています。改造して「就寝」に特化している車両などは最近流行りの「VANLIFE」仕様などと混同されがちですが、バンライフは車両カテゴリーではなくライフスタイルなのでお間違いなく。
さて、大まかに設備の違いで「キャンピングカー」と「モーターホーム」を分けてみたわけですが、では実際どちらが貴方に適しているのか?何が必要で何が不要なのか?特に初めて「泊まれる車」の世界に足を踏み入れた方には悩ましいところなのではないでしょうか?
実はこの設備の違いは「遊びの違い」に直結する大きなファクターであることを理解する必要があります。
キャンピングカーで冬遊びがもっと楽しいものに
私は春から秋はキャンプ、冬はスノーボードを趣味にしていたので愛車のSUVで出かけていました。
ある冬のこと、ふとしたきっかけからアメリカ車の「ダッジバン」をベースにしたキャンピングカーを手に入れたことから、趣味のカーライフが一変しました。
今から15年前。テントやタープ、ガソリンのコンロやランタンなどを満載にして毎週のようにキャンプに出掛けていました。
しかし、貴重な休みに楽しみだったキャンプが悪天候で行けなかったり、雨降り後の道具の手入れなどが大変だったり徐々にと回数は減っていきました。
冬はスノーボードに出かけ、夜中の内にゲレンデに着くと無理やり車内で仮眠したりしていましたが、キャンピングカーとの出会いでこれらの不満は一気に解決!
雨予報でもいざとなれば車内で過ごすことができる上、気温の変化にも左右されにくい車のお陰で「いつでもキャンプ」に行けるようになりました。
それはもはや「キャンプ」に留まらず、アウトドアフィールドで過ごす「基地」を手に入れたようなものでした。
雪降る雪山でも、FFヒーターの効いた車内のベッドでぐっすりと眠ることができる快適性と安心感。
私に必要なのはこの「心地良さ」なのだと気付きました。