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薬剤師が解説する眠気が感じにくい花粉症市販薬で安全ドライブを!!

眠くなりにくい少ないお薬ってある?

スギ花粉が多く飛散する時期になりましたね。
皆さんは花粉症によるくしゃみ・鼻水でお困りではないでしょうか?
実はくしゃみ・鼻水は、鼻に入り込んだ異物を捕らえて、外に排出しようとする生体の防御反応なのです。
ですが、あまりに多いと日常生活や運転中に支障をきたしてしまいますよね。
くしゃみ・鼻水などの症状を抑えるためには「抗ヒスタミン薬」が必要ですが、この種類のお薬は眠気が出やすいため、運転には不向きのお薬が多いのです。
そこで、この記事では眠くなりにくい「抗ヒスタミン薬」についてご紹介し、さらに花粉症に対する点鼻薬、点眼薬の選び方や使用方法などについてもご紹介したいと思います。
抗ヒスタミン薬について
運転に制限をかけなくてもいいお薬の成分は「フェキソフェナジン」と「ロラタジン」の2種類しかありません。
そこで、ここではその2種類の成分に絞ってご紹介したいと思います。
フェキソフェナジン含有の商品
こちらは、医療用医薬品のアレグラ錠の有効成分にあたります。アレグラFX添付文書(参考1)から特徴についてまとめました。
・脳に影響を及ぼしにくい
・「集中力、判断力、作業能率の低下」を起こしにくい
・空腹時に飲むことができる
・1日2回飲む
・口が渇きにくい
車中泊で旅をされている方は、朝出発前と運転終了後の夜に服用されると、忘れずにお薬を飲むことができていいかもしれませんね。
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久光製薬
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ロラタジン含有の商品
こちらは、医療用医薬品のクラリチン錠の有効成分にあたります。
「フェキソフェナジン」との大きな違いは1日1回食後の同じ時間帯に服用するという点です。(参考2)
車中泊で旅をされている方は、その日の運転終了後の夜に服用すると、忘れずにお薬を飲むことができていいかもしれませんね。
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クラリチン
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その他の市販薬について
まずは、ドラッグストアで購入する前に長時間運転することを薬剤師や登録販売者に伝えるようにしましょう。(詳しくは過去記事を参照(【薬剤師が解説】車中泊先で慌てないお薬手帳とオンライン診療の活用方法))
上記の市販薬を服用し、効果が不十分な場合でも大丈夫です。
医療用のお薬では運転が認められている成分も上記以外にもありますので、かかりつけの医療機関やお近くの医療機関に相談してみることをおすすめします。
次のページ▷▷▷【点眼薬や点鼻薬についてご紹介します!】
点眼薬について
目のかゆみ、充血には点眼薬が有効です。
しかし、正しい点眼薬の使い方を知らなかったり自分の症状に合った点眼薬がどれか分からなかったりするとせっかく市販薬を購入しても意味がありません。
ここでは、点眼薬を使用する際に特に注意してほしいことについて2点紹介します。
点眼薬を使った後は目をぱちぱちとまばたきしたほうがよい?
よく誤解されますが、答えは間違いです。
点眼薬をさした後にすぐまばたきをすると、薬液が流れてしまい、効果が得られない可能性があります。
点眼後は、目頭を軽く押さえて目を閉じ、薬液を全体に行き渡らせることをおすすめします。
また、点眼液の無駄遣いや、使いすぎによる副作用を防ぐためにも、点眼の滴数はきちんと守るようにしてください。
コンタクトレンズをつけたまま、点眼薬を使ってもよい?
答えは、ソフト・カラーのコンタクトレンズ装着時は使えないものが多いです。
点眼薬には、薬液の腐敗・汚染を防ぐために防腐剤、保存料を添加したものがあり、これらの添加物がコンタクトレンズに影響を及ぼしてしまいます。
まずは、市販薬を購入される前にコンタクトレンズをつけていることを薬剤師、登録販売者に相談し普段の生活に適した市販薬を選択することをおすすめします。
点鼻薬について

点鼻薬は、鼻の粘膜だけに作用し、全身に薬が行き渡らないように工夫されたお薬です。
お薬の成分の分類別に分けると「ステロイド」、「抗ヒスタミン薬」、「血管収縮薬」があります。
「ステロイド」は花粉症の諸症状を緩和させてくれますが、各市販薬によって年間の使用上限量が設けられているので十分に注意してください。
「抗ヒスタミン薬」は鼻詰まりの症状がなく「ステロイド」を避けたい場合に選択しましょう。
「血管収縮薬」は一時的に鼻詰まりの症状を改善してくれますが、使いすぎると逆に症状を悪化させてしまうので、数日使用しても効果が得られない場合は、一度医療機関に受診することをおすすめします。
各成分の分類の特徴を知ることが、症状を緩和するコツの第一歩になります。
花粉症のシーズンの医療機関は非常に混雑しています。
長時間運転をしているにも関わらず、医療機関でも待ち時間が発生すると、体力的、時間的にも負担がかかってしまいます。
毎年同じ薬を飲んで症状が安定している方や忙しくて医療機関を受診する時間がなかなか取れない方は、市販薬を上手に使って花粉症シーズンを乗り越えてみてはいかがでしょうか?
ただし持病をお持ちの方や妊娠または妊娠の可能性がある方などは、購入される前に薬剤師、登録販売者に相談されることをおすすめします。
参考文献
1.アレグラFX添付文書
2.クラリチンEX商品サイト