電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違いを解説

今さら聞けない?電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違いを解説



折りたたみの乗り物を車旅に導入する利点と注意点


現在私は、クルマでどこかへ行く際にはスペースの許す限りコンパクトに折りたためる電動アシスト自転車を積んで行くようにしている。

出掛けた先でクルマより小回りの利く移動手段が欲しくなることがこれまでも度々あったからなのだが、実際「車載可能なその先の交通手段」のようなものがあると何かと便利で、旅に広がりが生まれる。

しかし、車載が可能な乗り物は折りたたみ式電動アシスト自転車だけとは限らない。

例えば、以前電動キックボードのSWALLOW ZERO9のデモ機を検証実験のために借りて、実際にクルマに積み込んであちこち出掛けて使ってみた経験があるのだが、これも本当に良かった。

電動キックボード 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

参考記事▷ 電動キックボードSWALLOW ZERO9は車旅に最適な相棒 -電動キックボード基礎知識編-
参考記事▷ 電動キックボードSWALLOW ZERO9は車旅に最適な相棒 -実践編-

また、電気の要らない普通の折りたたみ自転車も手軽で便利だ。

ということで、この記事では、そういった車載ができるコンパクトで、車で出かけた先で実際に移動手段となる便利な乗り物の種類や各々の特徴、選ぶ際の注意点などを整理しようとみようと思う。

車載可能な乗り物の候補は?


乗り物を車載する方法としてはクルマにラックを付けるなどして、屋根や車体後部などクルマの外に積む方法と、車内(室内)に積む方法がある。

車載方法 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

しかし、外に乗り物を積むケースは、どうしても車内には積めない乗り物を運ぶ策であるとか、一概には言えないことだが、「足」というより、例えばロードバイクなどのようにどちらかというとそれに乗ることが旅のメインの目的で、クルマはそのためのトランスポーターのようなイメージが濃くなることもある。

そして、今回の記事の題材はクルマで着いた所から先の「足」なので、走行性能や乗り心地より運搬のしやすさや収納性を優先し、小さなクルマでも車内に積める乗り物限定として話を進めていくことにする。

そうすると、例えば電動アシスト自転車には折りたたみができるものとできないものがあるが、自ずと折りたたみ式についての話となる。

ママチャリ 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

こんなことも可能ではあるが、寝る場所がなくなってしまう



ここから先は頭に「折りたたみ」などは付けないが、基本的に折りたたみのできるタイプに限った話と思って読んでいただきたい。

では、「車載可能なその先の交通手段」として候補となりそうな陸上の乗り物をいくつか挙げてみよう。

自転車 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

ざっと思い当たるのは、自転車(アシストなし)、電動アシスト自転車、電動自転車(漕ぐペダルの有無に関わらずモーターの力だけで走るタイプ)、電動キックボード、バランススクーター(一軸二輪でハンドルのない電動の乗り物)、キックボード(非電動)、折りたためる原動機付自転車(内燃機関の)などだ。

挙げた順序と逆になるが、昔ホンダにモトコンポという名の乗用車に積めることを謳い文句とする原動機付自転車(50ccガソリンエンジン)があった。

これもユニークで魅力的な乗り物ではあったが、もう製造もされていないし、今更これやこれと似た物(あればの話)を使おうとなると少々マニアックな方向へ向かってしまうので、今回は候補から除外する。

次に、バランススクーター・スケートボード・ローラースケートはいずれも普通は折りたたみ式ではないけど、どれもサイズがコンパクトなので一応候補に入れてみたのだが、この3種と非電動のキックボードは残念ながら落選してしまった。

落選の理由はこんなところだ。

道路交通法で自転車は軽車両と見なされるが、非電動のキックボード・スケートボード・ローラースケートは、どれも通常は遊具扱いとなるそうだ。

そして、道路交通法76条4項3号で「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。」が禁止されている。

曖昧な表現だが、結局のところ殆どの道路は交通の頻繁な道路と解釈され、公道やそれに類する場所で乗るとこの法律に抵触してしまうことになり、現実的には非電動のキックボードやスケートボードを公道での移動手段、交通手段として使うことはできないと考えて間違いないようだ。

電動キックボード 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

安全に留意し節度をもった使い方をすれば、軽くてコンパクトな非電動のキックボードは便利な交通手段になり得るので、結構残念ではある。

またバランススクーターも、保安基準に適合しないなどの理由だと思うが、残念ながら現状日本では公道を走行することはできないそうだ。

となると、選択肢は、自転車、電動アシスト自転車、電動自転車、電動キックボードのいずれかとなる。

しかし、自転車にも色々と規制や規則はあるが、「電動」が付くものは全てより厳格な規則や規制があり、市販されている製品全てが公道で合法的に使用できるわけではないので、入手する前に十分注意が必要だ。

「知らなかった」では済まされないことにもなるので、まずは各々の概要を確認しよう。

自転車とは


自転車は運転免許不要だが、道路交通法では軽車両に分類される立派な「車両の一種」だ。

トラブルとならないために、この「車両の一種であること」をしっかり認識しておくことが大切だ。

電動アシスト自転車とは?


「電動アシスト自転車」は、自分の足でペダルを漕がなければ進まない(ここが大きなポイント)けど、電気モーターが漕ぐ力をアシストしてくれる自転車のことだ。

自転車 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

日本ではアシスト比率やモーターがアシストできる限度が24km/hまでなどの規定があり、そういった諸々の条件をクリアし、認可を受けた車両は自転車扱いとなる。

認可を受けた車両ならルールなども普通の自転車と全く同じだ。

そして、自転車(軽車両)か、そうではない車両(原動機付自転車や最近新設された特定小型原動機付自転車など)かで、法律上大きく異なる部分が多々あり、選択の際の分かれ目の大きなポイントともなる。

電動自転車とは?


「電動自転車」は、自分で漕いで進むわけでもないのに原動機付自転車の語尾に自転車と付くのと同様、本来は漕ぐペダルの有無に関わらず、電気モーターの力だけでも進むか、或いは規定範囲に収まらない強力な電動アシスト力を備えた自転車を指す言葉だった(だったが曲者)のだと思う。

即ち、軽車両扱いとはならなくなるので、公道で使用するなら原動機付自転車や特定小型原動機付自転車などとして登録する(ナンバープレートの交付を受ける)必要がある

自転車 電動自転車・電動アシスト自転車・原付きの違い

逆な言い方をすれば、歩道でも車道でもナンバープレートの付いていない電動の乗り物が走行しているのを実際には見かけることがあるが、あれらは全て(※ 電動車椅子やシニアカーはもちろん別)違法ということだ。

ところで、「本来は・・・指す言葉だったが曲者」と書いた理由は、巷では電動アシスト自転車が電動自転車と呼ばれていたり、メジャーなメディアなどでも結構平気でこの二つの言葉が混用されていたりするので、話をわかりにくくしているからだ。

これを他愛もないことと受け止める人も多いかもしれないが、言葉の混用が誤解や勘違いを招き、交通違反や交通事故に繋がっているケースが大いにあると思う。

こうしたことについて全く何も考えていない人もいれば、混用を悪用してシラを切ろうとする人、或いは確信犯的な人もいると思う。

呼び名が曖昧になっているため、「公道では走れません」と小さく書いてあっても、未認可の電動自転車を、合法的な電動アシスト自転車のことと勘違いしたか、或いは全く気にもかけずに購入してしまう人もいるようだ。

Eメールのことを日本ではメールと言うのが普通だが、メールは郵便の意味だから、Eメールのつもりで英語圏の人にメールと言ったら話が噛み合わなくなってしまう(これは本当だ)。

私も多勢に無勢で打ち負かされ、Eメールをメールと言ってしまうが、電動と電動アシストの混同に関しては外国人と話が噛み合わない程度では済まなくなってしまう重大な問題を引き起こす可能性のあることなので、公的機関等も呼び名を明確に区別するように導いた方が良いのではないかと思う。

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