キャンピングカー

冬に怖いのはインフルやコロナだけじゃない!車旅での「ノロウィルス対策」アルコールだけでは不十分!!



車旅や車中泊を楽しむ中で、読者の皆さんが心配になる冬の病気といえば何を思い浮かべますか?

風邪やインフルエンザ、まだ予断を許さない新型コロナウイルスなどさまざま思い浮かぶと思いますが、筆者が最も恐れているのが”ノロウイルス”による感染性胃腸炎です。

症状の程度によっても辛さは異なりますが、万が一車旅や車中泊中に自分や家族がかかってしまったら一大事!

車内のシートが汚れる可能性はもちろんのこと、ノロウイルスにはアルコールは効かずインフルエンザの約20倍もの感染力があるので家族や周囲に移してしまう可能性が高くなってしまいます。

そこで今回は看護師である筆者おすすめの車旅中のノロウイルス予防対策やグッズをご紹介していきたいと思います。

嘔吐の後処理は本当に大変ですが、事前の対策と正しい処理法が大切なので、ぜひチェックしてみてくださいね!

ノロウイルスはなぜ怖い?


腹痛の様子

感染原因が特定できない事例がほとんど


ノロウイルスと聞くと「生牡蠣や二枚貝を食べなきゃ大丈夫でしょ!」と安易に思われる方もいますが、そんなことはありません。

実際に過去のノロウイルス食中毒の調査結果でも約7割は原因食品が特定できていないと言われています。

しかし以下のような感染経路が原因でかかってしまった可能性は高いので、日頃の生活はもちろんのこと車旅や車中泊中は十分に注意することが大切です。

①ノロウイルスが付着した食べ物を摂取する
②ノロウイルスが付着した物に触れた後に、自分の口や鼻に触れたり食事をしたりする
③嘔吐物が床などに飛び散った際に出た飛沫を吸い込む
④空気中に漂うノロウイルスを吸い込む(ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物が乾燥してチリや埃と一緒に舞い上がった場合)



感染力が高く、長く生きびる


感染者の吐物や便の1gにはノロウイルスが100万〜1億個以上含まれているといわれています。

しかし、そのうちのわずか10〜100個でも体内に入ればヒトの腸管で増殖してノロウイルスに感染してしまうほど、感染力が極めて高いのが特徴です。

さらに症状の有無を問わず一度感染してしまうと、約1〜4週間ほどは便の中にノロウイルスが含まれてしまい、乾燥し消毒がされてない環境下であれば数ヶ月間生きられるケースも確認されています。

アルコール除菌では死滅しない!


除菌と言ったらアルコール消毒を連想する方が多いと思いますが、ノロウイルスは石鹸はもちろんのことアルコールに対しても抵抗力が強いのが特徴です。

一方ハイターやミルトンなどの次亜塩素酸ナトリウム液による消毒や熱湯消毒はノロウイルスに効果がありますが、車旅で事前に準備しておく方はほとんどいないと思います。

そのため、もしも車旅や車中泊でノロウイルスに感染してしまえば正しい処理方法がすぐに行われず他の方に感染させてしまう可能性が高くなり注意が必要です。

突然訪れる強烈な嘔吐と下痢


ノロウイルスに感染すると約24〜48時間程度で胃をひっくり返すような嘔吐や、腹痛、下痢などの症状が引き起こされます。

ノロウイルスに感染しても症状が現れないケースや軽症の場合もありますが、症状が酷い場合は予兆もなく突然に噴水状の嘔吐をしてしまい室内や身の回りを汚してしまうことも…。

嘔吐や下痢の回数も1日に数回から十数回に及び、通常は数日で治るのが特徴です。

ワクチンや治療薬はない


ノロウイルスには予防ワクチンはもちろんのこと特効薬もなく、下痢止めや吐き気止めは腸管で増殖したノロウイルスの排出を抑制して病気の回復を遅らせることがあるので処方されないこともあります。

抵抗力の弱い子どもやお年寄りは吐いた物で窒息や肺炎を起こしたり、極度の脱水状態で死亡するケースもあるので症状がひどい場合には早めに病院を受診することが大切です。

あれば安心!筆者おすすめ車旅でのノロウイルス対策グッズ


車旅や車中泊でノロウイルスに対する感染グッズを準備している方は少なく、何を準備すればいいのか分からない方も多いと思います。

ここでは筆者オススメのノロウイルス感染対策グッズをご紹介していきたいと思います。

携帯用消毒液「手ピカジェルプラス」




ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しませんが、エタノールのpHを弱酸性にした高濃度のアルコールであれば比較的効果を発揮するといわれています。

手ピカジェルプラスは持ち運びがしやすく広範囲のウイルスや細菌にも有効なので、車旅中の手指消毒液としてオススメです。


折りたたみバケツや複数のポリ袋


ポリ袋

車内での嘔吐処理は極めて大変。

折りたたみ式のバケツや大きさの異なった複数のポリ袋を準備しておくことで、嘔吐物をバケツやポリ袋に吐き出すことができ、車内の汚染を最小限に減らすことができます。

また、折りたたみ式のバケツは普段はゴミ箱として活用したり、汚れたリネンや食器を消毒することも可能。

ポリ袋

サイズの大きなポリ袋は汚染物を一時的にまとめる袋として活用したり、頭を出せるように穴を開ければ簡易エプロンとして使用したりもできますよ。

おむつやペットシーツ、キッチンペーパー


備品

キッチンペーパーは嘔吐物を処理する際に大活躍し、車中泊中も何かと便利に使えるアイテムです。

また、小さなお子さんがいるご家庭の場合はサイズアウトした履くタイプのおむつを2枚重ねて作る、簡易的なおむつバケツを1つだけでも準備しておくと後処理が楽でおすすめ。

ペットシーツがあれば嘔吐しそうなときにシート周辺やフロアにサッと設置しておいたり、枕元に敷いて寝たりするなどに活用できるので、愛犬がいる場合は多めに予備を準備しておきましょう。

不織布マスク・使い捨て手袋・ゴム手袋


手袋

嘔吐物の処理の際には、二次感染を防ぐために不織布マスクと使い捨て手袋は必需品です。

手首までの使い捨て手袋は料理の際にも活用できますが、冬場は腕まで覆える長めの使い捨て手袋があればより安心です。

ゴム手袋は汚染したリネンや食器などをハイター消毒する際に手荒れ予防として使用しましょう。

 防水シーツやシートカバー、敷マット


車内のシートには常にカバーを着用し、就寝時はシートに直接寝るのではなく、マットレスや敷布団を使用し、更に防水シーツや敷マットを使用するなど、洗浄や替えが難しいシートの汚染を予防するのがおすすめです。

非常用簡易トイレ




キャンピングカーなど車内にトイレがない場合は、災害時にも活用できるコンパクトで簡易的なトイレを準備しておくといざという時安心です。


消臭袋、凝固剤




ポリ袋とは別に消臭に優れたビニール袋や凝固剤も準備しておくと安心です。

筆者のおすすめはBOSの臭わない袋シリーズ。

愛犬用と子供のおむつ入れ用の2種類を普段から使用していますが、驚くほど臭わないので車中泊には欠かせないアイテムとなっています。


市販の家庭用塩素漂白剤


漂白剤

ノロウイルスに最も有効な次亜塩素酸ナトリウム液は市販のハイターやブリーチ、ミルトンなどの塩素系漂白剤がおすすめです。

使用する際は製品の濃度に合わせて希釈する必要があり、取り扱いにも注意しましょう。

【取り扱い時の注意点】
・使用する際は換気する
・酸性タイプの製品と混ぜない
・身体に付着しないようにする
・スプレー容器にはうつさない
・子供の手が届く場所に置かない
・使用期限を守る
・原液を他の容器に移し替えない
・希釈液は製品の濃度に合わせてその都度作るか、定期的に作り換える(0.1%:7日以内、0.01%:24時間以内)
・高温になりやすい車内に置きっぱなしにしない
・レザーなど色落ちや劣化させやすいものへの使用を避ける


【希釈液の作り方:キッチンハイターの場合】


次亜塩素酸水


次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウム液とは異なる製品です。

しかし、厚生労働省の機関である食品衛生局のデータによると次亜塩素酸水でも200ppm以上の濃度があればノロウイルスを不活化させる効果が得られたと報告されています

100%食品添加物の成分で、塩素系漂白剤が使用できないものにも使うことができるので、次亜塩素酸水を選ぶときには200ppm以上の濃度があるものを選ぶのがおすすめです。

あれば便利なアイロン




すぐに洗浄・除菌することができないシートやフロアマットなどの加熱消毒としてスチームアイロンやアイロンを使う方法があります。

シートに吐かないことが最も好ましいですが、携帯に便利なものは車中泊の際にもシャツなどにさっと使用でき便利です。


車中泊中にできるノロウイルスの予防法


マスク着用とこまめな手洗い


手洗い

多くの人が使う公共のドアノブやトイレなど触れる機会があるものにはノロウイルスが付着している可能性が高いことを意識して行動することが大切です。

外出中のマスクの着用はもちろんのこと、物理的に数を減らせる石鹸での手洗いや手指消毒の徹底など感染対策を心がけましょう。

また、お菓子を摘んで食べたり、みかんの皮を剥いたりするなど、素手で食事をとるシーンは意外と多くあります。

こういった場面でも油断せずに事前にしっかり手を洗うことが大切です。

 生食は避け、十分加熱されたものを食べる


食事

感染源として有名な牡蠣などの二枚貝や魚を食べるときには、生食を避けてフライや鍋物にするなど中までしっかり加熱処理を行いましょう。

また、惣菜などはそのまま食べずに一度電子レンジなどで加熱することも大切です。

自炊する際は調理器具の消毒・殺菌


殺菌アイテム

調理の際に使用したまな板や包丁、ふきん、調理台などは使用後すぐに洗浄をし、加熱できるものは85℃以上の熱湯で1分間以上の熱湯消毒するのがおすすめです。

加熱が難しい場合は、0.02%濃度に希釈した次亜塩素酸ナトリウム液や専用の消毒液で消毒しましょう。

トイレは和式より洋式を選ぶ


洋式トイレ

和式トイレの方が汚染されたノロウイルスが便器だけでなくその周辺にも飛散されていることが多いので、公共のトイレを使用する際は和式より洋式の方がおすすめです。

洋式トイレを使用する際は便座やトイレットホルダーを使用する前に消毒することも大切です。

免疫力を高める生活を送る


食事

ノロウイルスに感染しても症状が出ない場合は、抵抗力の強さが関係しているといわれています。

免疫力を高めるためにも日頃から心身共にストレスの少ない生活を過ごし、車旅中も栄養バランスのよい食事や質の良い睡眠をしっかりとることが大切です。

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