【JCCRモデルコース】米沢牛、そば、ワイン…山形グルメを堪能する1泊2日のドライブ旅

2025年10月から11月の約1か月間、東北地方を舞台に開催される「ジャパンキャンピングカーラリー2025(JCCR)」。
その土地ならではの地元グルメを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
たとえば山形県は全国有数のそばの産地であることはもちろん、年間消費量トップクラスのラーメン、ブランド牛の米沢牛、秋の風物詩の芋煮など、さまざまなご当地グルメに出会えます。
とくに山側の置賜(おきたま)エリアや村山エリアには主要都市が並び、地域の味覚を楽しみながらラリーゴールの岩手県を目指して北上していけます。
ここでご紹介するのは山形県を1泊2日で走る、DRIMOオリジナルのモデルコースです。
JCCR2025で「協力施設」または「デジタルスタンプスポット」に登録されているスポットを中心に、実際にキャンピングカーでめぐりました。
米沢市を中心に過ごす1日目

旅の始まりは山形県の南端、ラリースポットにもなっている米沢市「上杉神社」から。
お城のように濠に囲まれているのが印象的ですが、境内は旧米沢城址本丸跡なのだそう。
近くの共同駐車場「おまつり広場駐車場」がとても広いので、キャンピングカーでもまったく問題ありません。

建物は大正時代の再建ですが、上杉謙信公を祀る大変由緒ある神社です。
日本史ファンなら上杉景勝と直江兼続の「天地人」像に胸が熱くなるかも。
御朱印も素朴ながら力強く、質素倹約を旨とした上杉家を感じられるものでした。
上杉神社
所在地:山形県米沢市丸の内1丁目4-13
TEL:0238-22-3189
詳細はこちら▷公式サイト
「上杉伯爵邸」で味わう“かてもの”

米沢市内には米沢牛の専門店が多数あり、道沿いにもたくさんの看板が出ているのですが、私はちょっとひねって「上杉伯爵邸」を訪ねてみました。
国の登録有形文化財となっている上杉家の邸宅で、食事ができるユニークなスポットです(※JCCRラリースポットではありません)。
邸宅そばに専用駐車場もありますし、先述の「おまつり広場駐車場」から歩いて行くこともできます。

オーダーしたのは献膳料理「雪の膳」(税込2,750円)。
山国らしい鯉の煮物や、米沢牛の芋煮なども気になりますが、注目したいのは青菜が混ざったご飯。

今から200年ほど前のこと、名君として知られる上杉鷹山公によって飢饉対策の“かてもの”が推奨されました。
主食のかてになるものという意味で、ご飯に混ぜて量を増やせる山野草などが熱心に研究されたのだそう。
「食に歴史あり」という言葉を実感できる郷土料理です。
また、芋煮に添えられた米沢牛はさすがの軟らかさで、すき焼きやステーキなど牛肉をメインにしたごちそうにも期待がふくらむ味でした。
※食事は予約優先。(14時30分以降は完全予約制)
上杉伯爵邸
所在地:山形県米沢市丸の内1丁目3-60
TEL:0238-21-5121
受付時間:11:00〜21:00
休館日:水曜日
詳細はこちら▷公式サイト
ぶどう畑に囲まれた「高畠ワイナリー」

続いてやってきたのはロマンチックな雰囲気に包まれたラリースポット、高畠町の「高畠ワイナリー」です。
フルーツ王国である山形県は、日本ワインの産地でもあるのです。
施設内では予約制のテイスティングイベントもありますが、予約なしでもワイナリーショップでの買い物を楽しめます。

小さな試飲カップで、店内商品10種類ほどが試飲可能。
もちろんドライバーは試飲NGですが、濃厚なぶどうジュースもありました。

軽食コーナー「ゴッツォナーレ高畠」には有料のワインサーバーがあり、グラスワインの飲み比べができます。

また、屋外のソフトクリームスタンドにはアルコールを含む「貴婦人」や、「ロゼワイン塩ソフト」といった個性派ソフトが名を連ねていました。
キャンピングカーでもゆったり駐車できる駐車場完備。
晩酌用のお土産を探しつつ、ドライブ中の休憩にぴったりです。
高畠ワイナリー
所在地:山形県東置賜郡高畠町大字糠野目2700-1
営業時間:
(4月〜11月)平日10:00〜17:00、土日祝9:00〜17:00
(12月〜3月)10:00〜16:30
詳細はこちら▷公式サイト
全国でも珍しい犬の宮・猫の宮

高畠に来たならぜひ見てみたいと思っていたのが、ラリースポットにもなっている奇景「瓜割石庭公園」。
古い石切場の跡で、巨石に囲まれた不思議な空間……なのですが音楽イベントや撮影で貸し切りになることがあるようです。
取材日には残念ながら入場できませんでした。

そこで、もうひとつの不思議スポット「犬の宮・猫の宮」にやってきました。
ここは全国でも珍しい、犬と猫を祀った神社。
近年のペットブームにあやかって……ではなく、奈良時代から平安時代にかけて村を困らせていた古狸伝説に由来します。
身を挺して村を守った犬と猫を鎮守として祀ったもので、今ではペットの健康祈願や供養で信仰を集めているそう。

ここ自体はラリースポットではないのですが、後述する「RVパーク 高畠ふれあい市」ではラリー期間中に「いぬねこ健康祈願祭」を計画中。
近くに民家はありつつも、うっそうとした山の空気に迫力があり、神秘的な雰囲気でした。
訪問時にはクマ鈴や虫よけスプレーをお忘れなく。
犬の宮・猫の宮
所在地:山形県東置賜郡高畠町高安910
TEL:
犬の宮 0238-52-0229
猫の宮 0238-52-2153
詳細はこちら▷高畠町観光協会サイト
夜には米沢ラーメンを

高畠町は米沢市に隣接しており、車で簡単に行き来が可能です。
都市部なのでコンビニ、ファストフード、スーパー銭湯、コインランドリーなどの商業施設には困らず、便利に滞在できます。
夕飯は「支那そば 熊文(くまぶん)」さんで米沢ラーメンを初体験しました(※JCCRラリースポットではありません)。
ラーメン激戦区の山形県のなかでも、あっさりとした醤油スープと細ちぢれ麺が米沢の特徴。
クリアな味わいなのにしっかりコクのあるスープ、細麺ながらボリュームもあり、とても美味しかったです。

スーパー銭湯「極楽湯グループ 鷹山の湯」に立ち寄ってから再び高畠町に戻り、ラリー協力施設「RVパーク 高畠ふれあい市」にて就寝しました。
「RVパーク 高畠ふれあい市」で迎えた2日目

改めて「RVパーク 高畠ふれあい市」についてご紹介します。
位置するのは高畠町の中心部「昭和縁結び商店街」の一角で、付近には精肉店や菓子店など昔ながらの商店が点在していました。

イベント広場も兼ねた駐車場には、屋根つきスペースと24時間トイレあり。
現地に事務所はなく、電話で連絡すると管理人さんが来場して手続きをしてくれます。

1泊1台2,000円(大型車2,500円)で、電源利用料が含まれています。
1本のポールから電源をとる形なので、複数の利用者がいる場合は延長コードがあったほうがよいでしょう。

洗車は不可ですが、手洗いなどには外水栓も使えます。
一晩中とても静かで、朝には犬の散歩に歩く人がいるなど治安もよさそうです。
安心して利用できるRVパークでした。
将棋の聖地「将棋塔」
2日目は天童市方面へ北上しましたが、天童といえばアニメ化・映画化された人気漫画『3月のライオン』にも登場する将棋の聖地。

「将棋塔」がラリースポットになっているのですが、天童市には何度も訪れたことがあったのに存在を知りませんでした。
市の中心部、「天童公園(舞鶴山)」の山道をくねくねと登っていくと、終着点にありました。
頂上まで車で行け、広い駐車場も完備なのですが、途中がやや狭い道なのでキャブコンは慎重に運転を。

目の前に広がるのは、毎年春に「人間将棋」が行われる芝生の大空間。
将棋駒のモニュメントから眺める景色は壮観そのもので、天童市の街並も眼下に見え、とても気持ちのいい場所でした。
ラリーがなければ知らなかったスポットです。
将棋塔
所在地:山形県天童市天童4146
詳細はこちら▷天童市観光情報サイト
おやつは「道の駅寒河江 チェリーランドさがえ」で

この後おやつに立ち寄った「道の駅寒河江 チェリーランドさがえ」は別記事で詳しくご紹介しています。

軽食にも、しっかりした食事にも、カフェタイムにも対応するオールマイティな道の駅。
玉こんにゃくやシャインマスカットを楽しみました。
【道の駅寒河江 チェリーランドさがえの詳細はこちら】
「最上川三難所そば街道」には名店多数
昨日は華やかな御膳料理を堪能しましたが、今日はさらに暮らしに根づいた料理「そば」を求めて「最上川三難所そば街道」を訪ねます。
山形県にいくつかある「そば街道」のなかでも元祖とされる村山市。
GPSスタンプスポットは村山市役所に設定されていますが、加盟店は市内に点在しています。

どこにしようか迷った結果、私が訪ねたのは「十四番店・あらきそば」。
大正時代から続く由緒あるお店で、建物はなんと江戸末期のかやぶき古民家です。
店舗隣の駐車場のほか、少し離れた場所にも駐車場があります。

メニューはシンプルな「板そば」のみ(量は選べます)で、地域総出の農作業や集会などの機会に大人数で食べていたことに由来します。
太くコシのある力強いそばは、食べ続けているとあごが疲れるほど。
一度食べたら、ほかの地域のそばが物足りなく感じるかもしれません。

鍋で真っ黒く煮込まれているのは「にしんの味噌煮」で、こちらも同店の名物です。
あらきそば
所在地:山形県村山市大久保甲65
TEL:0237-54-2248
営業時間:11:00〜14:30
定休日:水曜日
詳細はこちら▷公式サイト
まだまだある山形の見どころ
郷土料理“かてもの”、米沢牛の芋煮、米沢ラーメン、高畠ワイン、玉こんにゃく、そば……山形グルメを満喫しました。
村山市からは近年人気上昇中で、かつラリースポットでもある「銀山温泉」もほど近く、寄り道もおすすめです。
ただし同スポットは狭い山道の行き止まりにあり、駐車場も多くないためキャンピングカーは要注意。
私も渋滞や満車で温泉街に近づけず、引き返したことが一度ならずあります。
なお、ご紹介したスポットはラリー運営にはかかわっていませんので、質問などに対応できない場合があります。
問い合わせは参加案内書に従い、JCCR2025運営事務局(くるま旅クラブ事務局)に行うことが推奨されています。
日本海側に抜ければ海産物、山寺の門前町ではこんにゃくと、まだまだ書き尽くせない山形グルメ。
どうぞ安全運転で秋の味覚を満喫してください。