キャンピングカーで行く悠々自適なカヤック1人旅【近江今津〜大津市石山編】
前回の記事では、奥琵琶湖から大阪湾までをカヤックで漕ぐ目標を立て、その運搬や宿泊を目的としてキャンピングカーを購入した経緯とJR西日本湖西線の永原駅から琵琶湖湖岸へ向かい、カヤックで近江今津まで漕いだところまでを綴りました。
今回は近江今津から大津市の石山までのキャンピングカー・カヤック一人旅の様子を紹介したいと思います。
目次
キャンピンカーで起床後、琵琶湖観察
前回(1日目)は、永原から近江今津までカヤックで漕ぎました。
2日目は近江今津から近江高島まで漕ぎます。琵琶湖のすぐそばでキャンピングカーに車中泊しているので、起きてすぐに琵琶湖の様子を見ることができます。
カヤックを漕ぐ上で一番気になることが、風向きと風速です。それを琵琶湖岸に立って肌で感じ、今日は漕げるか漕げないかの判断をします。現場近くに車中泊して(もちろん許可されている場所で)、自然の状況をすぐに確認できるのはキャンピングカーの利点です。
カヤックをする際、海や湖での一番の敵は風です。風向きや風速によっては、カヤックを漕いでいる際に、自分の体が帆の代わりになってしまい、押し流され陸に戻れないことがあるからです。
私自身、実際に逆風に遭遇し、陸に戻ることができず、海上保安庁に救助していただいた経験があります。
2日目:近江今津→近江高島
先にキャンピングカーを近江高島駅近くの駐車場に駐車しておきます。そこからカヤック装備一式を台車に積載し、転がしながら近江高島駅に向かいます。
前回もご説明しましたが、所有するカヤックは組立式で、通常はカバンの中に入っています。近江高島駅から近江今津駅まで電車に乗り、下車して湖岸に向かいカヤックを組立てます。台車、装備一式をカヤックに積載して出発です。
カヤック航行記
琵琶湖沖約500mまで出て、そこから沿岸を漕ぎます。この辺りは高島といって、琵琶湖に対して半島みたいに少し出っ張っている地形です。湖岸には家族がバーベキューなどを楽しんでいるキャンプ地があります。
その中には、キャンピングカーで来ている人たちも混じっていました。湖岸で子供が私のカヤックを見つけたらしく、しきりと手を振ってくれたりします。
私も応じて手を振ると、大声で何やら叫び始めましたが、遠くて何を言っているのかわかりません。とりあえず、手信号でOKサインをすると納得したみたいで、振り返って親元のところへ戻っていきました。
この辺りは水上バイクがよく走っており、結構な爆音を響かせて疾走していきます。カヤックのすぐそばを通過されると、さすがに怖いです。
そうこうしながら今日の目的地である近江高島の湖岸に到着しました。カヤックをばらしてカバンに詰め込み台車に乗せて転がしながらキャンピングカーに向かいます。
キャンピングカーでの過ごし方
夏の炎天下で漕いでいますので、カヤックを漕いだ後は体中汗まみれです。そんな時にシャワー装備が付いているキャンピングカーは本当に助かります。汗を流してさっぱりした後は、しばらくベッドに横になり、しばし休憩です。全身を伸ばして横になれるのもキャンピングカーならではです。
また、キャンピングカーには、ガス式の冷蔵庫を装備していますので、冷えたビールが飲めます。
しかし、この日は宿泊地まで運転しないといけないので、ビールはお預けです。横になっていましたが、早くビールを飲みたいので、そそくさと運転席に座り宿泊地へと向かいます。
目的地に到着したら、思う存分に冷えたビールを飲み干し、明日の航路を考えながら少しウトウトします。この瞬間がたまりません。たまに夕方になるまで、そのまま寝てしまう事もあります。これもキャンピングカーだからできることです。
キャンピングカーには、プロパンガスの5Lボンベ2本積載してガスコンロ、冷蔵庫、シャワーの給湯、部屋の暖房をガスで賄っています。ガスボンベも定期的に検査を受けなければなりません。自動車の車検に相当するものです。
当たり前のことですが、検査期限を過ぎてしまうと、ガススタンドでガスの補充をしてくれません。
この日の夕食は、レンジでチンするだけで出来上がるレトルト食品。ちなみに炊き込みご飯の「五目御飯」と「麻婆豆腐」を食べました。
レンジを搭載し、食事を簡単に済ますことができるのもキャンピングカーの強みです。走行充電に対応しているバッテリーを積んでおけば、走行した分だけ電気を貯めることができるので電子レンジを一度や二度使うぐらいはなんの心配もいりません。
夏の暑い夜は、窓やドアを全開にします。全てに網戸を付けているので、蚊などの虫が入ってくることもなく、読書や仕事をしながら静かな時間を楽しめます。
3日目:近江高島→志賀
3日目の行程は、近江高島から志賀という地名までカヤックで漕ぎます。いつものようにカヤックを組み立てて出発です。
この日は、驚くべきウィンドサーファーに出会いました。
私は琵琶湖を北から南へひたすら南下していたのですが、カヤックの進行方向に琵琶湖を西から東へ猛スピードで横断するウィンドサーファーが現れました。
どこまで行くんだろうと思っていましたが、しばらくして見えなくなりました。約2時間後にまた前方に、今度は東から西へ横断するウィンドサーファーが現れました。先ほどと同じサーファーです。
スピードと時間から予測して、そのウィンドサーファーは2時間で琵琶湖の東西を往復したことになります。
確かにこの日は良い風が吹いていましたので、ウィンドサーファーにとっては絶好のコンディションだったと思われますが、それにしてもすごい人がいるものだと思いながら志賀に到着し、3日目が終わりました。
4日目:志賀→堅田
4日目の工程は、志賀から堅田という地名までカヤックで漕ぎます。
この日は、終点の堅田の辺りでカヤックの集団とすれ違いました。私は琵琶湖を南下していますが、相手は北上します。湖面上でしばらく話をしますと、相手のグループはカヤックの講習中らしく、講師が生徒を引き連れていました。
このときふと、源平合戦の時代に源義経と深い繋がりを持ち、源氏側を支援していた「堅田衆」という琵琶湖の船乗の集団がかつて存在したことを思い出しました。
このカヤックの集団は、ひょっとしたら堅田衆の子孫なのではないかと勝手に妄想しながら、別れの挨拶を交わし琵琶湖の西岸と東岸を結ぶ琵琶湖大橋の下を潜り堅田に到着です。
5日目:堅田→石山
5日目の行程は、堅田から石山までカヤックで漕ぎます。この日は、琵琶湖の観光遊覧船である「ミシガン」とすれ違いました。少し大きな船とすれ違うと、船からの高い波が来て結構カヤックが揺れますが、それも楽しみの一つです。
大津プリンスホテルを右側にみながら石山に到着しました。これで、キャンピングカー・カヤック一人旅「琵琶湖縦断編」は終わりです。
次は瀬田川→宇治川→淀川→大阪湾の旅
淀川水系調査の旅はこれで終わりではありません。ここからいよいよ川下りが始まります。
しかし琵琶湖を縦断し切りがいいので、いったん自宅に戻り装備を川にシフトしてから、再度石山からカヤックを出して大阪湾を目指します。
まとめ
キャンピングカーは、自分の趣味をさらに楽しむのに非常に便利なツールです。今までの経験上、特にキャンピングカーがあって良かったと思った点が以下の4つ。
1.趣味のスポット近くで生活できる
睡眠、料理、TV・ラジオ視聴、映画鑑賞、読書、シャワー、トイレなど、自宅と変わらない時間が過ごせます。
2.家や職場以外でも仕事ができる
デザイナーさんやライターさんなどは、キャンピングカーの電気系統やPC環境さえ整えれば、移動先で仕事ができます。
3.大量の装備を運搬できる
収納スペースがしっかりあるので、カヤックやスキューバダイビング、自転車や書籍など、大きなものから細かいものまで沢山の荷物を運ぶことができます。
4.キャンピングカーや趣味を通じて仲間ができる
キャンピングカーオーナー同士のコミュニティーもあります。
他にも趣味によっては、色々なメリットを見出すことができると思います。長期間にわたり、趣味に没頭できるキャンピングカーは、私の良き相棒でもあります。