ベッドキットだけの車中泊仕様バンって収納は不便なの?
トヨタのハイエースや日産キャラバンといったバンにベッドキットを載せるだけなら、簡単だし費用もそんなにかからず車中泊ができるかも。
でも、ベッドキットだけだととりあえず寝られるだろうけど、それ以外のことは不便なのかな。
こんな疑問を持つかもしれません。
そこで、いま日産純正のキャラバン マルチベッドという、床張りとベッドキットだけのシンプルな車中泊仕様車(簡易キャンパー)に乗っている私が、実際のところ不便はないのか、特に荷物の積載・収納について解説します。
キャラバン マルチベッドに限らず、バンにベッドキットを載せただけの簡易な車中泊仕様車に興味のある人には、参考になると思いますよ!
ベッドキットだけのキャラバン マルチベッドとは
キャラバン マルチベッドは日産の正規ディーラーで購入できる簡易なキャンパー仕様車。
床張りとベッドキットだけのシンプルな仕様で、他は何も手を加えられておらず日産キャラバンのままです。
キャンピングカーのような立派でフカフカのベッドもキッチンも収納棚もありません。
・ベッド寸法は1,760mm×1,510mm
・真ん中のマット寸法は350mm×755mmが2枚
・両サイドのベッド寸法はおおよそ580mm×1.510mm
※助手席側にリアヒーターがあって少し飛び出しており、その部分のみベッド寸法が狭くなっています。
・ベッドの厚みは50mm
マルチベッドは、とにかく軽くてコンパクト。手軽にベッド展開と折り畳みが行えます。
ベッドを跳ね上げると、ベース車の日産キャラバンとほぼ同等の収納スペースが現れます。
元々が荷物を積むためのバンなのでベッドを跳ね上げた場合の荷室は、フラットで広大なスペース。
ベッドを跳ね上げて畳む方法は簡単です。
①ベッド状態から真ん中の2枚のマットを外します。
②両側ベンチシート状態になります。
③ベッドを跳ね上げ、後部座席用のシートベルト収納の位置にあるフックを使い、跳ね上げたベッドを固定。
④脚を畳みます。脚のロックは運転席側の脚の根元にあり、一カ所のみのロック解除で3本の脚に全て連動しています。
⑤反対側のベッドも同じように収納します。
⑥床張りだけの広大な収納スペースの出来上がり。
⑦ベッドとして使うときは反対の手順で展開します。
キャラバンの荷室はどのくらいの容量があるのか?
キャラバンの荷室長は1,860mmあり、後部座席を畳むと3,050mmにもなります。
室内高は1,325mm、室内幅は1,490mm
室内幅については後輪のホイールハウス部分があり、この内寸幅は1,115mmとなってしまいます。
しかし、キャラバンのホイールハウスは、ハイエースと違い上部がフラットな設計となっています。
ホイールハウスが平らであれば棚板を置いても安定します。
コンパネなどの棚板を置くことで、ホイールハウスによってデッドスペースになっていた箇所の上に、荷物が置けるようになります。
使い勝手を考慮した設計ですね。
キャラバンには「平床」と「低床」という2つのタイプがありますが、キャラバン マルチベッドは「低床」をベースとしています。
コンパネなどをホイールハウスの上に敷いた状態が平床で、床面積が最大化されることがメリットです。
しかしホイールハウス高が210mmあるので、車内高が1、115mmと、その分低くなってしまいます。
荷物を積む際のポイント
キャラバン マルチベッドはベースが貨物車なので最大積載量が1,000kgもあります。乗用車ではありえない積載量ですね!
だからといってベッドキットの上に重量物を置くことはおすすめしません。ベッドが重さに耐えられない可能性があります。
重量物は床に直接載せましょう。
なんと言ってもフラットなベッドにできるので、重量物でなければ、かなり大きな荷物も載せられます。
ベッドの高さは350mmで、ベッドから天井までの高さは1,000mmとなってしまいますが、床面積はベッドを畳んだときとほぼ変わらない広さが確保できます。
例えば布団を積んだり、ちょっとした家具でも載せられたりします。
自転車だって、真ん中のマットを外すだけで通路に置けます。2列目シートも畳めば、荷室部分をさらに拡大できます。
またキャラバンには、荷物の固定用にユーティリティナットがあります。荷物の積載や固定にはこのユーティリティナットを上手に活用しましょう。
ユーティリティナットの場所について
・荷室窓上に片側8カ所(ルーフインナーバー)
・窓下に片側4カ所(積み荷固定用に使用)
・ホイールハウス両脇に2カ所(自転車などの固定用に使用)
片側で合計14カ所、両側にすると28カ所ものユーティリティナットがあり、プラスチックのキャップを外すとM6という径(サイズ)のナットになっていて、ルーフインナーバーやフックなどが取付けられます。
バーやフックは様々な純正オプション設定があり、好みに応じて付けていくことが可能ですし、自分でDIYする方法もあります。